平成4878日目

2002/05/17

この日のできごと(何の日)

【日本サッカー協会】W杯代表選手発表

日本サッカー協会は17日、ワールドカップ(W杯)に出場する日本代表選手23人を発表した。予想に反して34歳の中山雅史(磐田)31歳の秋田豊(鹿島)の両ベテランが入り、一方で技巧派の人気選手、中村俊輔(横浜M)が落選した。

決勝トーナメント進出を目標に「実験」を重ねてきたフィリップ・トルシエ監督は、驚きの選択でW杯共催国のホストチームを編成した。中山、秋田に加え、主力となる中田英寿(パルマ)小野伸二(フェイエノールト)川口能活(ポーツマス)森島寛晃(G大阪)ら8人が前回フランス大会に続く代表となった。

激戦のMF陣では、日本国籍を取得したブラジル出身の三都主アレサンドロ(清水)や、稲本潤一(アーセナル)らが代表入りしたが、中村のほか、昨年までのリーダー格、名波浩(磐田)も外れた。

FWでは、今月、急性中耳炎の手術をした西澤明訓(C大阪)は選ばれたが、エコノミークラス症候群で体調を崩した高原直泰(磐田)は涙をのんだ。足の故障がいえたDF森岡隆三(清水)も復帰を果たした。《共同通信》

小泉純一郎首相は17日夜、サッカー・ワールドカップ(W杯)日本代表メンバー決定について「選ばれた人はうれしい。選ばれなかった人はかわいそうだ。いつでも悲喜こもごもだ。選ばれた選手は頑張ってほしい」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。《共同通信》

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【大相撲】

大相撲夏場所6日目(17日・両国国技館)横綱武蔵丸は貴ノ浪を危なげなく寄り切って全勝をキープ。大関千代大海も雅山を押し倒して6戦全勝とした。ほかの大関陣は、武双山が闘牙を押し出して1敗を守ったが、栃東は安美錦の右下手出し投げに屈して2敗目。魁皇も関脇朝青龍の左下手投げに敗れて3敗目を喫した。朝青龍は4勝2敗。若の里は小結同士の対戦で栃乃洋を寄り切って3勝3敗とした。栃乃洋も3勝3敗。全勝は武蔵丸、千代大海、平幕旭鷲山の3人。《共同通信》

【小泉純一郎首相】「消費税率上げず」

小泉純一郎首相は17日夜、官邸で政府税制調査会の石弘光会長らと会談、「自分の在任中、消費税率は上げない。歳出カットが自分の政権の役目。それをやらない限り、税は上げない」と言明し、歳出削減が当面の課題であると強調した。

増税基調の政府税調の改革方針に対して世論の反発が強まることを懸念、歳出見直しとセットで税制論議を進める姿勢をあらためて示したとみられる。これを受け政府税調の石弘光会長も会談後、「われわれも今年や来年に(増税を)やろうとは思っていない」と述べ、控除縮小などの抜本改革は中長期的に取り組むとの考えを示した。

一方、与党内で出ているデフレ対策の減税案について石会長は「首相は『とんでもない』と一蹴した。年度内の減税も考えていないようだ」と説明、景気対策的な税制改正に首相が慎重姿勢を示しているとの見方を強調した。《共同通信》

【小泉純一郎首相】さくらの女王が表敬

小泉純一郎首相は17日、首相官邸で「全米さくらの女王」のエリザベス・オコーナーさん(23)と「日本さくらの女王」の栂安亜紀さん(20)の表敬訪問を受けた。

オコーナーさんが「ワシントンの桜のおかげで日米親善を思い出すことができる」とのブッシュ米大統領のメッセージを首相に伝え、首相は「忙しいけどこんな仕事なら大歓迎」と満足な様子。「桜も好きだけど母の日もあったのでカーネーションも好き」などとひとときの花談義を楽しんだ。《共同通信》

【瀋陽日本総領事館駆け込み事件】外務省が再度報告

外務省は17日、自民党外交関係合同会議に中国・瀋陽の亡命者連行事件をめぐり、発生時の総領事館の対応を時系列に沿って再度報告した。だが、外務省の現地調査報告の発表後に新たな事実が次々と発覚し、調査報告の信ぴょう性が揺らぎかねない事態となっている。政府内には今後の日中両国間の折衝で「中国側が外務省の混乱を見透かして強気に出てくる」との見方も出ている。

この日も、北朝鮮住民が武装警官に援交された直後に、副領事が遼寧省外事弁公室に電話。さらに副領事が電話した後、そばにいた現地スタッフに携帯電話を渡し、中国側とやりとりしていたことが新たに分かった。

中国側は、副領事が「事件は一件落着した」と謝意を示したとしている。日本側は電話をした事実は認めながらも「重大な事件が起きた」と連絡しただけと指摘。現地スタッフと中国側との会話も「(事件を)見たままに説明しただけで、謝意の表明はない」(政府首脳)として、謝意を伝えた事実はないと強調した。

再報告には、副領事が一報を入れた際、住民が北朝鮮出身者である可能性に言及していたことが明記され、査証(ビザ)申請のトラブルと思い事態の把握に手間取ったとの当初釈明との微妙な食い違いも表面化した。

副領事が、米国行きを希望する住民の英文書簡をすぐに返していたことも、中国側の指摘を受けて判明、この日の再報告に盛り込まれた。《共同通信》

川口順子外相は17日の衆院外務委員会で、中国・瀋陽の亡命者連行事件に関連して、日本総領事館の査証担当副領事が中国側に電話で謝意を伝えたとの民主党の調査結果を否定した。

外相は事実関係を16日夜に初めて知ったことを明らかにした上で「(事件当日の)8日午後3時すぎに総領事館の査証担当副領事が遼寧省の外事弁公室に電話をして『本日、重大な事件が発生した』ということを言って、(その後)現地職員に事件の概要について通報させたことが事実関係だ」と述べた。先の外務省調査報告に盛り込まれなかった点については「調査の時点で明らかでなかった」と釈明した。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、ドジャースの野茂投手は17日、ロサンゼルスのエクスポズ戦に先発。5回2/3を6安打、3失点で約1カ月ぶりの今季3勝目(5敗)を挙げた。野茂は毎回走者を許す苦しい内容。四回に1点、五回に2点を失い、六回途中で降板したが、打線の援護もあり、白星をつかんだ。

エクスポズの吉井投手が八回に登板、打者3人で無失点に抑えた。試合は8−5でドジャースが勝った。

ジャイアンツの新庄外野手はマーリンズ戦の八回、二死満塁で左越えに日本人選手初の今季第3号満塁本塁打を放った。この日は4打数1安打4打点で打率は2割2分8厘。あ

マリナーズのイチロー外野手はレッドソックス戦で3打数1安打2打点。打率は3割5分2厘。佐々木投手は九回を三者凡退に抑え、10セーブ目(2勝)。《共同通信》

【この日の民主党】

後藤議員、個人情報保護法案の基本認識を質す

17日、衆議院内閣委員会において民主党の後藤斎議員は「3年前の住民基本台帳法の審議を思い出しながら議論したい」として、個人情報保護法案の基本的考え方を確認した。

後藤議員はまず、住民基本台帳法の施行を8月5日に控え、国民からの批判がも高まる中、「なぜこの時期に個人情報保護法案など5法案を一括で提出したのか」と問いかけ、説明を求めた。

竹中経済財政・IT担当相は「住民基本台帳法改正法案の国会審議の際、施行にあたっては個人情報保護に万全をきすため、すみやかに措置を講じるとしており、包括的な個人情報保護法制の検討が国会の意思として政府に求められたと認識している。そのような背景のもとに個人情報保護制度の構築を手がけた」とした。

後藤議員は、「小泉内閣は個人の尊厳や自立を重視するとしているが、個人情報保護法案は官庁の裁量権の拡大になるとの懸念がある」との見方を示し、その方向性は小泉内閣の姿勢に反するのではないかと指摘した。福田官房長官は「裁量権の拡大への懸念につながる主務大臣の関与は、法の適正運用にとって必要最小限度にとどめている」と説明。また、本法案は基本事項を定めた一般法の性格を有し、住民基本台帳法は住民生活における個人情報の取扱いをめぐる個別法だとした。

また、後藤議員は住民基本台帳ネットワークシステムの情報は本来の目的以外に利用させないと約束できるかと片山総務相に確認し、「はっきり約束できる」との答弁を得た。さらに政府側は、住民基本台帳ネットワークシステムが保有する情報は氏名・生年月日・性別・住所・住民票コード・これらの変更情報に限られていると説明。これらの情報の提供を受けた行政機関は法の別表に規定されている事務処理以外で情報を利用してはならないと規定しているため、限られた情報利用に限定されるとした。

後藤議員は重ねて、住民基本台帳ネットワークの導入により、警察庁が各行政機関とネットワークを結合させ、犯罪捜査などを理由として住民票コードを手がかりに、あらゆる行政機関の個人情報を検索する可能性などについても指摘。同時に、住民基本台帳ネットワークに対して懸念があるのは、国民へのPRが不足しているためではないかと提起し、情報提供の徹底を求めた。

細野議員、無責任な法案修正の動きを批判

17日、民主党の細野豪志議員が衆議院内閣委員会で質問に立ち、個人情報保護法案の危険性について厳しく指摘した。

冒頭、細野議員は「個人情報保護法案という国家の命運を握りかねない法案を、経済財政を担当する竹中経済財政相がIT担当でもあるからというだけの理由で所轄すると聞いて驚いた。むしろ、内閣を総括する福田官房長官が担当すべき法案である」と述べ、同法案への政府の取り組み姿勢を批判した。

また、官の関与の問題について細野議員は「高度情報化社会において個人情報を守るためには、それを保護する法律が必要であると思うが、本法案には非常に大きなものが欠けている。それは個人情報の価値に対する認識であるとし、その認識を竹中大臣は全くもっていないのではないか」と質した。これに対し、竹中経済財政相は「個人情報の有用性については十分理解している」と述べたが、細野議員は「有用性は情報を使う側の立場だ。個人情報の本来の意味を理解しておらず、この法案を粗末に扱いすぎだ」と指弾した。

そして、粗末に扱いすぎている理由の主たるものは、主務大臣が個人情報取扱業者に対して、「報告の聴取」「助言」「勧告・命令」と何でもできるようになっていることだとし、そうした状況下で薬害エイズ事件、BSE問題などが起こった点を鑑みても「官が個人情報を集中的に操るシステムが望ましいとは考えられない」と語気を強めた。

さらに本法案の問題として、総理が指定すれば国会公安委員会が関与できる仕組みになっていること、個人情報の検閲制度が認められる仕組みになっていることを指摘した。また、城山三郎氏、櫻井よしこ氏など、保守派の自由主義者から強い懸念が表明されていることを例に挙げると、福田官房長官は「官の情報への関与に対する深刻な懸念については、審議を深めて理解してもらうように努めていく」などと答えることしかできなかった。

メディア規制の問題をめぐっては、自民党内でメディア規制についての議論をリードしてきた熊代内閣副大臣、報道と人権などのあり方に関する検討会の谷川座長、内閣委員会の理事会で独自の主張を行って実質的に自民党の理事を解任された坂上議員を参考人招致して議論することを強く要求した。これに対し福田官房長官は「熊代副大臣については本法案の担当外であるので委員会には出席できない」と極めて後ろ向きな答弁に終始し、あいまいさだけが残るものとなった。

最後に細野議員は、すでに与党サイドから法案修正に前向きな見解が示されていること、読売新聞社の修正案が発表されたことを受け、政府の中から修正に対する言及があったことなどを指摘。小泉首相が竹中経済財政相に修正案の検討を指示したと伝えられている問題についても事実関係を質した。しかし竹中経済財政相は「勉強するようにということであり、修正案を検討するというものではない。だから修正はしない」としか答えられなかった。

細野議員は「政府が修正案を検討している状態の中、われわれは何を議論していいか分からない。本法案の責任者である竹中経済財政相が修正についてきちんと説明できないようであれば、小泉首相に状況を説明してもらう必要がある。それまでは竹中経済財政相を責任者とみなすことはできない」と厳しい口調で述べた。

山井議員「医療費の3割自己負担は消費減退招く」

17日、衆議院厚生労働委員会において民主党の山井和則議員が質問に立ち、坂口厚労相らに健康保険法改正案をめぐって質した。

山井議員は冒頭、連休に訪れたスウェーデンの医療と福祉の状況を「スウェーデンでは医療と介護の仕切りがうまく行われており、十分な時間をかけて情報の開示もなされている」と報告し、参考にすべき点があるかどうか大いに検討が必要だと前置きした。

続いて山井議員は「小泉首相は景気回復、そして消費拡大を叫んでいるにもかかわらず、医療費の3割自己負担は、(その消費拡大に)明らかに逆行する」と指摘。支出が増えることによって心理的影響を及ぼし、消費減退を招く可能性があるとの懸念を示した。これに対し坂口厚労相は「単に3割になるだけで景気に影響するとは思わない」とした。

山井議員はこの問題をさらに掘り下げ、患者一人あたりの負担増に関する資料の提示を求めたが、政府側は「データを持ち合わせていない」との答弁に終始。山井議員はこの答弁に「負担増がどのくらいになるかわからないが、法案は通してくれでは話が成り立たない」と声を荒げて批判し、病気に苦しむ患者の負担増ではなく、抜本改革による費用の削減こそが優先課題であるはずだとの指摘した。

次に山井議員は、医療機関の情報開示・レセプト開示をめぐって改善が進んでいない現状を問題視した上で、「医者は本人が希望すれば100%開示してくれるのか」と質問。坂口厚労相は原則はそうだが、家族の申し出などがあれば開示されない場合もあるなどとし、総合的な判断によるとした。山井議員は本人・家族が求めた場合も開示しないというのでは医師と患者の信頼が成り立たないと指摘。坂口厚労相は「カルテ・レセプトとも要求すれば開示する方向に向かっている」などとしたが、山井議員は「平成13年の段階で3年をメドに行うとしており、そういう意味では助走期間が終った」との認識を示し、医療の質の向上のためにも具体的検討を求めた。

また、山井議員は介護保険と医療保険の関係について質問。介護療養施設に空きができないために、医学治療が終っているにもかかわらず医療療養施設にとどまっている場合の取扱いについて、「患者本人の問題ではなく受け入れ側の問題でもある」と分析。介護保険に該当させるなどの配慮と介護保険施設の整備を促進させるための自治体への働きかけの必要性などを提起した。

中津川議員、母子家庭に鞭打つ法案を批判

民主党の中津川博郷衆議院議員が母子及び寡婦福祉法等の一部改正案に対して、17日の衆議院本会議で代表質問に立ち、「働きながら親一人でも子どもと頑張っていこうという母子家庭に、まさに鞭打つような厳しい内容だ」と厳しく批判した。

中津川議員は「児童扶養手当の削減だけが、期限まで決まっているにもかかわらず、養育費の取り立てなどは法務省で検討中で中味が決まっていない。政策実行の順番が逆」と指摘。しかし、坂口厚労相は「子育て支援、就労支援、経済的支援など総合的施策を展開するなかで、母子家庭の自立へと進める」と抽象的な答弁に終始した。また森山法相は「強制的執行に実効性を高めるよう、見直しについても検討している。将来分についても一括して差し押さえができることも含まれる」と答えた。

三井議員、安全な医薬品管理体制の整備を要請

17日、衆議院厚生労働委員会において、民主党の三井辨雄議員が質問に立ち、健康保険法改正案の問題点および医療の安全性確立に向けた施策などをめぐって、政府の見解を質した。

三井議員はまず、サラリーマンの患者自己負担を3割に拡大する政府の健康保険法改正案について「改革先送り、負担先行」と批判し、具体的に、7割給付が維持できるとする根拠、保険者統合のスケジュールなどについて質した。坂口厚労相は、「3割が自己負担の限界だと思う。その上で、軽い病気では3割を負担していただき、重くなるほど負担が軽くなるというようなセーフティネットを考えたい」と答弁。保険者統合については「一遍に一元化するわけにはいかないが、5年でどこまでできるか明確にしたい」と述べ、近くスケジュールを明示する考えを示した。

また三井議員は、薬剤師としての経験も踏まえながら、安全な医療体制の確立に向けた医薬品管理体制の整備の必要性を提起。とりわけ、多発する医療事故の約半数は医薬品関連であることを指摘し、薬剤師による専門的な処方監査、服薬指導、情報提供などの充実を求めた。

さらに関連して、国立大薬学部における薬剤部の設置などを定めた国立学校設置法の施行規則を廃止したことについて、その理由を追及。文部科学省の高等教育局長は、予算の裏付けのための省令改正であり、部の統廃合を指示するものではない、としたが、三井議員はそうした趣旨を周知徹底させるよう要求。池坊政務官も了承した。

最後に三井議員は、薬学教育の充実についても触れ、6年生の導入および実習の義務化を強く要請した。

伊藤議員、無責任な自衛隊派遣延長決定を批判

17日、民主党の伊藤英成議員が衆議院テロ防止特別委員会で、テロ対策特別措置法案に基づく米軍等への支援活動の延長問題について質問した。

最初に伊藤議員は、テロ特措法に基づく対応措置に関する基本計画が19日をもって期限切れになることに伴い、政府が派遣期間の半年間延長を決定したことをめぐって、テロ再発の可能性及びアフガニスタン情勢についてどのように認識されているか質した。川口外相は「アフガニスタンにおいて暫定政権が確立されている一方で、まだアルカイダやタリバンの残存勢力がいることが確認されている」というにとどまり、安藤中東アフリカ局長にいたっても「潜伏地域についてはアフガニスタン周辺の山岳地域で、数も数千人程度というくらいで具体的には分からない」と情報収集能力の低さを示すかたちとなった。

さらに伊藤議員は「具体的状況を認識していない状態で、基本計画そのものの見直しについて検討を行ったのか。どう判断をして、どう支援するのかが見えてこない」と政府の主体性のなさを指摘。支援活動の規模についても「アフガニスタンを取り巻く情勢、自衛隊が支援しているインド洋周辺の艦船の数が減少している事情から考えても、果たして日本の対応は適正なのか。日本の自衛隊と米軍とがどのような関係で動いているのか非常に分かりにくい」と追及した。これに対し中谷防衛庁長官は「各国の艦船の隻数を公表しているわけではない」とし、問題がないことを強調したが、逆に不透明さが一層あらわになった。

また伊藤議員は、「最もありえること」と前置きし、米軍が対イラク攻撃に踏み出した場合、慎重に判断するとの政府の立場と現場の対応の間で整合性が取れなくなるのではないか、と質した。中谷防衛庁長官は「ラムズフェルド米国務長官が日本の立場を十分に考慮し対応するという見解を示していることから、テロ特措法の範囲内でわが国の対応を決めていく」などと答弁し、ここでも主体性のなさを露呈した。

最後に伊藤議員は、期間延長の必要経費および予算措置の扱いについて確認。中谷防衛庁長官は「現在検討中である」と極めて無責任な答弁で、伊藤議員は「本日期間延長することを閣議決定したにもかかわらず、いくら予算がかかるか分からない、どこから手当てするかも分からないというのは一体どういう事なのか」と厳しく非難した。加えて、巨額の税金を使い、引き続き基本計画を延長することについては国会承認が必要性だと強く主張した。

安住議員、自衛隊派遣期間延長の国会承認求める

17日、衆議院テロ防止特別委員会で民主党の伊藤英成議員に続いて質問に立った安住淳議員は、政府がテロ対策特別措置法に基づく自衛隊派遣の期間延長を決定したことについて、その判断の根拠となった情勢認識、決定の法的手続きにおける問題などを厳しく質した。

安住議員はまず、アフガニスタンに残存するテロリストがいまだにテロを遂行する意志と能力を失っていないとする政府の情勢認識の根拠について質した。中谷防衛庁長官は「日米調整委員会おける米側の話などで判断した」とし、具体的な情勢分析の内容は何も語れなかった。

安住議員は「7カ月に及ぶオペレーションでアルカイダもほとんど壊滅している。状況を真面目に検討したとは思えない。他の参加国も派兵を続けているから延長する、というのでは悪しき横並び主義だ」と批判した。ところが福田官房長官は、「国際社会との協調では、横並びも重要」などと答弁。安住議員は「不適切な発言だ。わが国独自の判断について国民に説明できなければ、延長などやってはいけない」と厳しく指弾した。

また安住議員は、「こうした重要な決定については国会承認を求めるべきだ」と指摘。国会報告だけで済ませる法的根拠を質した。これに対して内閣法制局長官は、「従前の対応措置との同一性があると認められる場合は、国会承認は必要ない」とした。安住議員はさらに「期限の変更は同一性から外れるのではないか」と詰め寄ったが、福田官房長官は「2年間の限度内で延長も可能だというのが法律の趣旨だ」と突っぱねた。

さらに安住議員は、米国がイラクを攻撃した場合、昨年9月11日のテロに関連する脅威を対象にしたテロ特措法では対応できないことの確認を求めた。しかし、中谷防衛庁長官は、「仮定の上では論じられない」「その時点で国際情勢を踏まえて判断する」などとあいまいに答えるにとどまった。

水島議員、医療情報開示や医師養成教育のあり方を質す

水島広子議員は17日、衆議院厚生労働委員会で健保法改正案等について質問に立ち、医療制度抜本改革への筋道と決意、「患者の権利法」制定の必要性などを坂口厚労相に質した。

水島議員はまず、小泉首相が厚生相当時に医療費の本人負担を1割から2割に引き上げた際、2000年までに医療制度の抜本改革を必ず行うと公約したことについて「予定から2年すぎても抜本改革は行われないまま、今度は2割から3割に引き上げるという。政治家の公約とはこれほども軽いものなのか。小泉首相の公約違反をどう総括しているのか」と坂口厚労相に厳しく質した。

これに対して坂口厚労相は、「今回、抜本改革案を同時に提出できなかったのは大変残念。抜本改革は、抜本的であるほど、税制など他の分野との関連も出てくるが、どこかが先鞭をつけなければ動かない。厚労省が先鞭をつけて動かすよう、責任を持ってやらせていただきたい」と述べた。

水島議員は、医療抜本改革の柱は、まず医療そのものが信頼されるものになることだとし、その前提として民主党が提出している「患者の権利法」の制定が必要と主張。坂口厚労相は、厚労省の最近の調査で、9割近い医療機関が「患者本人の申し出があればカルテなどの情報を開示する」と回答していることを紹介し、「法的に縛るのも一つの考えだが、できるなら医療機関の意思として進めていくことを期待する。それが進まないときには法律を考えなければいけないと思っている」と答弁。これに対して水島議員は、「すでに医療機関の意思まかせでは遅々として進まなかったと見ている人々もいる。ぜひ民主党の『患者の権利法案』を応援して欲しい」と訴えた。

水島議員はまた、「医師養成教育のあり方も重要」と述べ、04年度から始まる臨床研修制度の設計にあたり、形だけ米国をまねるのではなく、十分な数の指導医の配置、身体表現性障害などの患者への適切な対応能力の涵養が重要だと提言した。

後半、水島議員は、健保法と並行審議されている健康増進法改正案も取り上げた。「この法律の成り立ちや効果は疑問だが、一つだけ評価できるのは、公共施設での受動喫煙防止策を取り上げたことだ」との見方を示すとともに、法案付則でうたわれている5年後の見直しにあたっては、努力義務でなく義務規定とすることを視野に入れるべきではないかと厚労相の見解を質した。坂口厚労相は「努力いたします」と答弁した。

国会等移転問題への対応で政策懇開催へ

民主党樽床伸二ネクストキャビネット(NC)国土交通大臣は16日のネクストキャビネットで、「国会等の移転に関する指針PT」の中間報告を行った。この中で樽床NC大臣は、民主党が目指す「分権連邦型国家」の観点から移転先を検討し、候補地を絞り込んでいくべきと述べ、具体的な候補地として栃木・福島地域を挙げた。この報告を受けて、NCは、近く政策懇談会を開き、党としての方向性を固めていくことを決めた。

岡田克也政策調査会長は、この問題について17日の党代議士会で報告し、「国会で議決して10年も棚ざらしになっており、このまま先送りを続けるべきではないが、この際、はっきりと国会等移転の議論そのものを10年間くらい凍結するという選択肢もある。NCの場での議論ではそれが大勢を占めていた。しかし、PTとしては、やはり具体的候補地を決めて議論を進めていくべきとの結論だったので、一度、全議員で広く議論していただきたい」と述べた。

「自民党は田中議員の疑惑を説明せよ」熊谷国対委員長

民主党の熊谷弘国会対策委員長は17日、自民党内に田中真紀子議員の公設秘書給与詐取疑惑問題に関する調査を棚上げして幕引きを図ろうとする動きがあることについて、「先日のテレビでの討論の際、自民党の町村幹事長代理は『きちっと調査して公表いたします』と国民に公約した。結論に至った事由を説明する責任は自民党執行部にあると思う。その事由と、伝えられている事実とが齟齬をきたす、あるいはその中身に問題があるということであれば、今後この問題を国会の中で取り上げていかなければならない」「自民党が追及してきた社民党の辻元前議員については、すでに党としての調査結果を公表し、議員辞職もし、国会の場で説明もしている。田中議員についても、同じ国会議員である以上、同じようにフェアに扱っていくべきだ」との見方を示した。定例記者会見で記者団の質問に答えたもの。

有事法案への対応について全議員懇開催へ

岡田克也政調会長は17日の党代議士会で、現在衆議院の特別委員会で審議中の武力攻撃事態対処法案について、「昨日まで4日間審議が行われたが、不十分な答弁にはあきれる。今後の日程について与党内には強硬論も出ているようだが、許されないことだ」などと前置きしたうえで、党内でもこれまでの審議を踏まえて再度論点整理を行い、来週中に全議員政策懇談会を開催して党としての対応の結論を出したいと提案した。

菅幹事長、外務省の領事館事件調査を改めて批判

民主党の菅直人幹事長は17日の定例記者会見で、瀋陽総領事館内での亡命希望者連行事件の調査で現地入りしている海江田万里、中川正春衆議院議員からの報告などを紹介した。

菅幹事長は、現地の海江田議員から前日の夜に電話連絡があり、事件の直後に副領事から中国遼寧省外事弁公室に感謝の電話があったという中国側の証言を得た、と伝えてきたことを紹介。「本日の外務委員会でもこの件を質問し、川口外相は抗議の電話だったとしているが、外務省の報告には電話の事実そのものがない。きわめていいかげんな調査だった」と改めて外務省を批判した。

なお、中川議員は18日に韓国に入り、亡命者支援NGOと会見してさらに詳しい調査を進めるほか、亡命希望者の家族との面談も予定している。

また菅幹事長は、衆議院外務委員会理事会において、院としての調査のため週末に委員を中国へ派遣することを決めたにもかかわらず、議院運営委員会で異論が出て取りやめになったことも紹介。「国権最高機関が調査し、明らかにすることは義務であり、権限である。与党は外務省と同じ穴のムジナ」と与党を厳しく批判した。《民主党ニュース》



5月17日 その日のできごと(何の日)