平成4679日目
2001/10/30
この日のできごと(何の日)
【小泉純一郎首相】APECについて報告
小泉純一郎首相は30日午後の衆院本会議で、今月開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議について報告し、野党各党が質疑を行った。
政府が調整しているイージス艦のインド洋派遣は憲法違反だとの指摘に対し、首相は「時期、規模は模索中だ。憲法に抵触しない範囲内で実施することは当然だ」と述べるにとどめた。
首相は「宗教的、文化的に多様なAPECメンバーが一致して反テロリズムのための国際協力を強調する声明を出し、国際連帯を示すことができた」と会議の意義を強調。「各国首脳にわが国の取り組みを説明し、理解と支持を得た」と述べ、 戦闘状態下で初めて自衛隊を海外に派遣するテロ対策特別措置法について、参加各国の理解を得たとの認識を示した。
桑原豊(民主)工藤堅太郎(自由)山口富男(共産)東門美津子(社民)の各氏が質問した。
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【秋篠宮同妃両殿下】石川県訪問
秋篠宮ご夫妻は30日、金沢城址公園で開かれる全国都市緑化祭出席と地方事情視察のため、石川県入りされた。お二人そろっての石川訪問は昨年5月の日本動物園水族館協会総会、協議会出席以来、2度目で、秋篠宮さまは通算5度目となる。
ご夫妻は31日、全国都市緑化祭に出席し、式典で秋篠宮さまがあいさつされる。ご夫妻で県産アカマツの若木を記念植樹し、9月に復元工事が完成した菱櫓や五十間長屋、橋爪門続櫓などを視察された後、小松空港から帰路につかれる。《北國新聞》
【政界談話室】
○・・・民主党の菅直人幹事長は30日の党常任理幹事会で、与党が協議している衆院選挙制度改革について「国会に関連法案が出されれば徹底抗戦する」と、断固阻止のコブシを振り上げた。そのうえで、かつて東大全共闘の闘士として安田講堂をバリケード封鎖した同党の今井澄参院議員らの名を挙げて「(抗戦のための)ご指導を仰ぎながら、あらゆる手段を講じていきたい」とも。小選挙区の維持は政権交代を担う民主党のゆずれない一線とあって、中選挙区制の一部復活阻止のためには「国会封鎖」も辞さない決意のよう。
【外務省】人事課長の更迭見送り
田中真紀子外相が外務省の斎木昭隆人事課長の更迭を求めていた問題は30日、野上義二外務次官と首相官邸サイドの協議で見送られることになった。ただ外相は斎木氏の更迭にこだわっており「次官と(小町恭士)官房長を更迭してからの話だ」(幹部)という事務方との対立は、首相官邸も巻き込んで尾を引きそうだ。《共同通信》
【森喜朗前首相】インド・バジパイ首相と会談
小泉純一郎首相の特使として特使としてインドを訪問している森喜朗前首相は30日、ニューデリーの首相公邸でバジパイ首相と会談、小泉首相の親書を手渡した。
バジパイ首相は、タリバン政権後のアフガニスタンについて「さまざまな民族、宗教を代表する広範な基盤を持つ政府が必要だ。タリバンが参加すべきではない」と述べ、タリバンを排除した新政権が必要との考えを強調した。
双方はアフガニスタン和平と復興に向け国際社会が協力する必要があるとの認識で一致した。
森氏はテロ撲滅に向けた緊密な協力とともに、カシミール地方の領有をめぐって対立するパキスタンとの関係について「自制的な対応」を要請したのに対して、バジパイ首相はカシミールで続く自爆テロを念頭に「インドは長年テロと戦い続けている」と経緯を説明。「(パキスタンと)引き続き対話を行っていく用意はある。日本の懸念は理解している」と述べた。《共同通信》
【MLB】
新たなテロへの厳重な警戒態勢がとられる中、ニューヨーク市内のヤンキースタジアムで30日夜、ブッシュ米大統領が大リーグのワールドシリーズ第3戦の始球式を行った。
現職の大統領としては1956年のアイゼンハワー以来、45年ぶり5人目の同シリーズ始球式。スタジアム周辺には約1500人の武装警官や、警察犬が配置されたほか、上空にはF14トムキャット戦闘機2機がごう音を響かせた。
「FDNY(ニューヨーク市消防局)」のロゴの入ったトレーナーを着た大統領がフィールドに登場すると、ほぼ満員の客席からは大歓声。緩いながらも“ストライク”を投じると、スタンドから「USA、USA」の大合唱が起こった。《共同通信》
◇
米大リーグのワールドシリーズ(7回戦制)ヤンキース(ア・リーグ)−ダイヤモンドバックス(ナ・リーグ)第3戦は30日、ニューヨークで行われ、ヤンキースが2−1で勝ち、1勝2敗とした。
ヤンキースは二回、ポサダが先制本塁打、四回にウィリアムズの犠打で同点とされたが、六回、二死一、二塁からブロシアスが左前適時打して勝ち越した。先発クレメンスは7回を3安打、9奪三振の1失点と力投。八回からは抑えのリベラが打者6人から4三振を奪い、締めくくった。《共同通信》
【NBA】マイケル・ジョーダン選手が復帰
米プロバスケットボール、NBAの2001−02年シーズンが30日開幕、ニューヨークのマディソンスクエアガーデンではスーパースター、ジョーダンの所属するウィザーズがニックスと対戦し、38歳のジョーダンが3年ぶりのNBA復帰を果たした。
ジョーダンはファンの大歓声に迎えられて先発出場したが、試合はニックスが93−91でウィザーズを振り切り、ジョーダンは復帰戦を飾れなかった。ジョーダンは19点にとどまった。
30日は全米各地で計12試合を実施。各チームが計82試合を行うレギュラーシーズンは来年4月17日まで行われる。《共同通信》
【小泉芳江さん】死去
小泉純一郎首相の母、小泉芳江さんが30日午前、呼吸不全のため神奈川県横須賀市内で死去した。93歳。横須賀市出身。
母芳江さんの訃報を受け、小泉純一郎首相は30日午後7時45分すぎ、横須賀市の実家に到着、厳しい表情で邸内に入った。
弔問に訪れた牧島功神奈川県議によると、小泉首相は芳江さんの横に寄り添うようにして座り、弔問客に「総理になって初めて帰って来たのがきょう。つらい」と話していたという。
小泉首相と夫婦とも同級生で、亡くなった芳江さんと家族ぐるみの付き合いをしていたという女性支持者は「さみしいです。(芳江さんは首相を)『純ちゃん』と呼び、英国に留学した時は毎日泣いていた。厚生大臣になった時はすごく喜んでいい顔をされていた。総理になるのを待っていたようです」と話した。《共同通信》
【この日の民主党】
自然再生事業の拡充を求める~谷博之参議院議員が参議院環境委で初質問
民主党の谷博之議員が30日、参議院の環境委員会の質疑で初質問に立ち、政府の環境保護政策の現状をめぐる幅広い問題について議論を展開した。
谷議員はまず、オゾン層保護において重要になっている臭化メチル対策について質問、その削減の現状について質した。環境省の風間副大臣は、排出抑制と使用合理化によって臭化メチルの生産量、消費量も着実に減ってきているとし、農水省の坂野審議官は、代替技術の開発にさらに力を入れる意向を示した。谷議員は、排出規制・使用合理化指針を実施するためにいかなる指導を行っているかが重要だと指摘し、2005年に生産量をゼロにする(土壌くん蒸用)などの目標を達成するため真剣に努力するよう要請した。
次に谷議員は、小泉内閣が打ち出している生物多様性国家戦略の実行体制をめぐって質問。特に、自然再生事業の推進に当たって環境省がいかに国交省や農水省に働きかけを行っているかを質した。川口環境大臣は、自然再生の分野では環境省が政府の取り組みの中心となり、関連予算の獲得も含めてリーダーシップを発揮していく意向を表明した。
これを踏まえて谷議員は、湿地再生事業について具体的に議論。とりわけ、地元の栃木県の渡良瀬遊水地を例に挙げながら、国交省やNGOなどといかに連携して再生事業を進めるのかを質した。環境省の小林局長は、とりわけ環境教育などの分野を中心に他省庁と連携していく考えを述べた。また、渡良瀬遊水地のラムサール条約指定の展望について川口大臣は、地元の合意および保全地域指定の要件との関係で登録に至っていないが、今後検討するとした。
さらに谷議員は、希少動植物保護政策のうち、ジュゴン対策の問題を取り上げた。特に、沖縄本島東沿岸の埋め立て事業によってジュゴンのえさ場が失われる危険が指摘されている問題に触れ、保護対策の現状を関係省庁に質した。川口環境大臣は、ジュゴンの生息状況の広域調査に向けて準備していると報告。渡辺水産庁長官は、ジュゴンの採捕・所持・販売を禁止した水産資源保護法の徹底に向けて指導を行う意向を明らかにした。また、防衛施設庁、文化庁も保護対策にできる限り協力する姿勢を示した。
また移入種問題について、外来魚のブラックバスのケースなどを挙げながら、規制のための新たな法整備が必要だとして見解を求めた。渡辺水産庁長官は、在来種の生態系に影響を与えるものは数を減らすのが基本だが、ゾーニングなどの措置については徹底議論して決めたい、とした。川口大臣は、マングースやブラックバスについて、法的規制の導入も含めた検討会を実施していることを明らかにした。谷議員は、野生生物保護法制定にもより前向きに対応するよう要請した。
最後に谷議員は、環境活動評価プログラムを実施していくためにも環境カウンセラー制度の一層の普及が必要だと指摘し、対応を求めた。川口大臣は、現在2500人のカウンセラーを5500人まで拡充することを目指し、登録証の発行も検討する意向を示した。
「テレビ字幕普及法案」を衆議院に提出
民主党は30日、「テレビ字幕普及法案」を衆議院に提出した。
聴覚障害者がテレビ放送を楽しめるように、2007年度までに字幕化9割の実現に向けて、各放送局に実施計画提出を義務づけるこの法案は、民主党が今年1月にネクストキャビネットin NETで一般から募集した1000件の政策アイデアから採用されたもの。重度の聴覚障害を持つ同志社大学経済学部2年の深田麗美さんと母親の美知子さん=京都市在住=が提案した。
テレビ番組の字幕普及率は米国の3大ネットワークが約90%であるのに対し、日本はNHKが17.9%、民放はわずか2.9%にすぎない。米国では、電子通信法で、番組提供事業者などに原則としてすべての番組に字幕をつけることが義務づけられているが、日本の場合は、放送法で努力規定が設けられているだけと、法律に大きな違いがある。
麗美さんは、発音訓練を受け、普通学校に通い続けたが、勉強で苦労したことはあまりなかったものの、教室でのトレンディドラマについての話題にはついていけなかったのが辛かったという。昨年はじめて字幕化された松嶋菜々子さん主演の人気ドラマ「やまとなでしこ」を親子で見て、「一緒にドラマを見るって、こんなに楽しいんだ」と実感、偶然知った民主党の政策募集に電子メールでアイデアを送った。
この日、国会を訪れた深田さん親子はまず鳩山代表と国会内で面談。鳩山代表が「いい提案をありがとう」とお礼を述べると、麗美さんは「こういうことになるとは思っても見ませんでした」と照れながら答えた。
この後、二人は法案づくりを担当した島聡、武正公一両衆議院議員といっしょに、国会内の衆議院事務総長室に向かい、谷福丸事務総長に直接法案を手渡した。島議員が「技術的には難しくないことです」と説明すると、谷事務総長も「国会テレビも字幕化しなければなりませんね。速記者になる人が減っているが、新しい仕事ができるかも」と応じていた。
また、ネクストキャビネット会議の冒頭で、紹介された麗美さんは「これから高齢化社会になることを考えると、聴覚障害者だけでなく、耳の遠いお年寄りにも役に立つと思うので実現させてほしい。これからも障害があるからできること、私にしかできないことを、前向きに考えていきたい」とあいさつし、大きな拍手をあびた。
その後、国会内での玄葉光一郎ネクスト総務大臣の記者会見にも同席。玄葉議員が「各党の理解を得て、ぜひ成立させたい」と抱負を語ると、麗美さんも「生活面のバリアフリーがなくなれば、心のバリアフリーもなくなると思う」と明るく語った。
松崎公昭衆議院議員が高祖問題起こした郵政事業庁の土壌を徹底追及
民主党の松崎公昭衆議院議員は30日、衆院総務委員会で質問に立ち、高祖前参院議員をめぐる一連の選挙違反事件について、片山総務大臣らを厳しく追及した。
松崎議員は特殊法人改革や郵政事業民営化の問題、非拘束名簿方式の導入などにより、激しい選挙戦となったため、特に比例区において選挙違反が増大したと分析。そして、「郵政関係者間では大きな選挙違反を引き起こす土壌があった」と指摘した。
その上で、松崎議員はまず、足立郵政事業庁長官が近畿郵政局長だった96年当時、近畿管内で起きたDM不適正取扱事件を追及。さらに、高祖前議員が同局長時代に起きた2件のDM不適正取扱事件に言及した。
この事件は近畿郵政監察局が98年、近畿郵政局管内の2郵便局で浮上したDMに絡む贈収賄・背任容疑事案を知りながら、郵政省(現郵政事業庁)と謀ったうえでもみ消し、その事実が内部文書で明らかになったもの。昨年11月、京都府警が摘発し、近畿郵政局管内の幹部級職員4人と贈賄側の3人が贈収賄で立件されている。大量のDMの代行発送を受注した業者が、過少申告で郵便局に持ち込み、大幅な不正利益を上げ、その数をごまかす見返りに郵政局管内の幹部職員が現金を受け取っていたもの。
足立長官は「もみ消したとの報道がなされたが、郵政監察局の調査・司法当局の判断もあおぎ、適切な処置をした」と主張。高祖前議員とその対応を話合ったことはないと弁明した。これに対し、松崎議員は「適切な処置をして、その後、京都府警に逮捕者を出すというのは極めておかしい」と批判。当時、高祖前議員が30数名を処分していた点も明らかにし「裏で処分して警察問題にせず、結局は逮捕者を出した。何をしているのか」と一喝した。
次に毎日新聞が報道した「全郵便局にカンパ指示。高祖陣営1億円、局長1万円、課長代理5000円」との記事についても、足立長官は組織的関与を否定したが、実態調査は行っておらず、松崎議員は関係者の証言を示し、「全国一律で行われたのではないか」と迫った。
また、松崎議員はいわゆる「特定局ルート」について質問。「特定局長会が99年から高祖氏に毎年1億円、計3億円の資金提供を行った」との報道を示し、加えて郵政監察局でボーナス時に3000円~6000円のカンパをOBが行っている事実を指摘した。足立長官は「噂としてあるが平素の職員の服務規律等について充分徹底しているので、調査していない」と説明。個人的なカンパ、個人的な党費払い込みと判断すれば、国家公務員法の違反にも当たらないと弁解した。
さらに松崎議員は常時の資金提供にも言及。課長会では、(月5000円×12回)+(ボーナス1万円×2回)+(管理職手当て2万円)で年間10万円、局長会は(月1万円×12回)+(ボーナス2万円×2回)+(管理職手当て4万円)でトータル20万円を徴収している点も明らかにし、「この年間徴収されたお金が裏献金・政治献金として流れているのではないかとの指摘がある」と切り込んだ。
松崎議員は続いて渡切(わたしきり)費をめぐる疑惑を追及。これは、特定郵便局長で組織する東北特定郵便局業務推進連絡協議会(東北特推連)が、特定局に支給された渡切費の一部を「東北特定郵便局長会」(任意団体)にプール、不正流用していた疑いが持たれているもの。
松崎議員は「ブロックの役員25人は1200万円ぐらい受け取っており、読売新聞によればそこから20パーセント上納することになっていた。そうなると、1年5000万円で7年間で3億5000万円。これが東北管内で裏金として報道された」と足立長官に質した。松崎議員はこれについても「当然全国一律で行われているはず」として、「全国238の役員局長が20%上納したとすると、一年で4億7600万円になる」と指摘した。
また、特定局長には自民党の党員集めのノルマもあったとして、「これはまさにKSDと同じ構造だ」と厳しく批判。通常が年8人、選挙時は13人のノルマがあり、多くの場合、党費が立て替えられ、出所は渡切費であった点を指摘した。
これらの数々の事実から、松崎議員は今回の選挙違反を「組織ぐるみの選挙だということは明白だ」と批判。全容解明にむけ、集中審議を行うか、高祖元議員の証人喚問を要求したいとし、委員長に要請した。《民主党ニュース》