平成4189日目

2000/06/27

この日のできごと(何の日)

【三宅島】海底で噴火が始まった可能性

噴火の恐れが指摘されていた伊豆諸島・三宅島について、火山噴火予知連絡会は27日午前、「島の西約1キロで海面に変色水が認められ、既に海底で噴火が始まった可能性がある」と発表した。予知連は「マグマは(山腹の地下から)西方海域の地下に移動したと考えられ、活動は落ち着きつつあるようにみえるが、今後マグマが噴出し、大規模なマグマ水蒸気爆発が起きる可能性もある」と、引き続き警戒を呼び掛けた。

一方、島中央部の雄山(813メートル)の西側山腹での噴火については「危険はそう高くないのではないか」とコメントした。

三宅村は同日午前、新たに北西部の伊ケ谷地区住民約250人に避難を勧告。勧告を受けたのは計約2600人で全島民の約7割になった。

島西部の海岸では高さ約50メートル、幅約20メートルにわたって土砂崩れが発生、道路に長さ約9メートルの上下に3−5センチずれた亀裂があるのが確認された。雄山の山体膨張を示すとみられる地殻変動や、山頂西側に周囲より地表温度が高い部分があることも国土地理院などの観測で分かった。

気象庁は、噴火による空気の振動を計測する空振計を設置するなど観測態勢を強化。石原慎太郎東京都知事は自衛隊に災害派遣を要請、三宅村に災害救助法を適用した。

気象庁によると、火山性地震は27日正午までに2820回、うち体に感じる地震は376回に上った。27日午前11時44分ごろには、これまでで最大の震度4を観測した。

島西部の阿古地区沖では、海面が直径約40メートルるにわたって変色、海面から水蒸気が一時噴出し、突き上げるような衝撃があったのを海上自衛隊の護衛艦が確認。

土砂崩れなどが確認されたのは阿古地区周辺で、警視庁や都三宅支庁は、道路5カ所の盛り上がりや、水道管の破損も見つけた。26日に避難勧告が出た阿古、坪田両地区住民2300人余りは27日朝にかけ、三宅小学校など5カ所の避難所などで不安な一夜を過ごした。三宅村の小、中学校各3校と高校1校は27日、すべて休校となった。

森喜朗首相は27日午前の閣僚懇談会で、三宅島の火山活動が活発化していることに関連し「住民の避難は終わっているが今後とも東京都と緊密に連携し、人命の安全を旨として政府一体となって各般の対策に万全を期したいのでよろしくお願いしたい」と述べ、関係閣僚に住民の安全確保を最優先するよう指示した。

防衛庁は27日午前、庁内で幹部による「三宅島火山災害情報連絡会議」の初会合を開き、自衛隊法などの改正で統幕会議に災害派遣時の調整権限が付与されたことを受け、特に空輸任務で各自衛隊が効率的に動けるよう災害派遣では初めての統合調整を実施することを決めた。《共同通信》

伊豆諸島・三宅島について、火山噴火予知連絡会の井田喜明会長は27日夕、「海底噴火によるマグマ水蒸気爆発の恐れは残されているが、活動の中心は海で、島内部での噴火の可能性は低いのではないか」との見解を示した。ただし、マグマの活動は依然活発なことから「西海岸付近から海域での噴火にしばらくは警戒が必要」と呼び掛けた。

一方、避難勧告が出された島民のうち、子供やお年寄りら約260人はこの日午後、定期船で自主的に島を離れ、同日夜、東京・竹芝桟橋に到着した。住民がまとまって島外に避難したのは初めて。《共同通信》

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【大阪府立枚方高校】生徒350人が一斉停学

大阪府枚方市の府立枚方高校(石橋三彦校長、生徒数954人)が、体育祭の「打ち上げ」で飲酒や喫煙をしたとして、全生徒の約3分の1にあたる350人を3日間の停学処分にしていたことが27日、分かった。生徒の自己申告に基づいて処分を決めたといい、他に打ち上げに参加しただけの94人も、校長訓告処分とした。《共同通信》

【森喜朗首相】新官房長官に中川秀直氏

森喜朗首相は27日午後、自民党本部で野中広務幹事長と会談し、第2次森政権の発足に向けた人事構想について協議、内閣のかなめとなる官房長官に中川秀直幹事長代理を充てることを決めた。中川氏は新内閣の目玉政策となる情報技術(IT)革命推進のIT担当相を兼務する。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・自民党森派の小泉純一郎会長は27日の派閥総会で「幸いなことに与党で安定多数を確保できた。勝ったとは言えなくても、負けなかった」と解散時議席を大きく割り込んだものの、政権を維持したことを総裁派閥として自負した。小泉氏によれば、森政権継続は「民主党のエラー、ポカに救われた」のが実情で、「都市部はちょっとのミスで50、100議席がすぐにひっくり返る。安閑としていられない」と、手綱を引き締めるのに躍起だった。《共同通信》

【新潟女性監禁事件】第2回公判

新潟の女性監禁事件で、未成年者略取と逮捕監禁致傷の罪に問われた無職S被告(37)=新潟県柏崎市=の第2回公判が27日、新潟地裁(榊五十雄裁判長)で開かれ、被告人質問でS被告は9年2カ月にわたって女性を監禁した動機について、母親とけんかし口をきかなくなったことなどの寂しさからと述べた

また女性に対して「かわいそうなことをした」などと謝罪の気持ちを示した。

弁護側が、S被告の責任能力に疑義があるとして精神鑑定を求めていることについて、榊裁判長は「弁護側の主張を明確にしてもらいたい」として、採用の判断を延ばした。

検察側は被害者の女性に着せるために衣類を万引したとして窃盗罪でS被告を追起訴、同日、訴因変更した。これで窃盗罪が加わることで併合罪となり最高刑が懲役10年から15年に延びる。

5月23日の初公判で起訴事実を認めたS被告は顔色がやや青白いものの、しっかりとした口調で弁護側、検察側双方のほか、裁判長の質問にも答えた。

S被告は動機について、交通事故を起こした車を売り払うように母親に言ったが、聞き入れられず口論となり、数カ月間にわたり口をきかなくなったことを挙げた。その上で、女性を連れ去った最大の目的については「寂しさだと思う」などと述べ、友人がいないことにも触れた。《共同通信》

【よど号ハイジャック事件】田中義三容疑者逮捕

元赤軍派でよど号乗っ取り事件の田中義三容疑者(51)は27日夜タイ警察から警視庁の捜査員に身柄を引き渡され、移送のためバンコク国際空港で日航機に乗り込んだ後、国外移送目的略取などの容疑で逮捕された。田中容疑者は同機で、事件から30年ぶりに日本に向かった。28日早朝に成田に到着の予定。

逮捕後、捜査員に周囲を固められた田中容疑者は「不当な取り扱いに憤っている」と報道陣に答えた。

よど号事件の容疑者逮捕は2人目。田中容疑者は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に亡命後、欧州などに潜伏、工作員として活動していたとみられることから、こうした活動状況をどれだけ解明できるかが今後の捜査の焦点。

北朝鮮には田中容疑者の妻と3人の娘を始め、小西隆裕容疑者(55)らよど号事件の容疑者4人と妻子の計32人がおり、日本への帰国を希望している。田中容疑者の日本での裁判の行方を見守る姿勢だが、今後の米朝、日朝交渉でよど号事件の容疑者の送還問題も浮上するとみられる。

田中容疑者は1970年、21歳の大学生時代に事件に参加、北朝鮮に渡った。96年3月、カンボジアのベトナム国境で北朝鮮大使館の車に乗っているところを拘束され、バンコクに移送。タイの保養地パタヤでの偽米ドル札事件で起訴されたが昨年6月、無罪判決を受けた。

昨年8月に始まった身柄引き渡し審理では当初、政治犯と主張し強制送還に抵抗したが、今年5月に帰国を希望、国内で裁判に臨む意向を表明した。これを受けてバンコク刑事裁判所が日本への移送を決定した。《共同通信》



6月27日 その日のできごと(何の日)