平成3841日目

1999/07/15

この日のできごと(何の日)

【小渕恵三首相】「有事法制は重要な問題」

小渕恵三首相は15日午前、防衛庁で開かれた自衛隊高級幹部会同で訓示し、わが国が直接武力攻撃を受けた際に自衛隊の活動を円滑にするための有事法制整備について「政治判断にかかる問題で、今直ちに法制化することは考えていない」とした上で「有事法制は重要な問題と認識しており、国会の議論、世論の動向を踏まえて適切に対処していきたい」と述べ、法制化の重要性を強調した。

野呂田芳成防衛庁長官も訓示で「法制の整備が望ましいと考えており、国民の理解が得られるよう最大限努めていきたい」と述べた。

首相は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による弾道ミサイルの発射準備を念頭に「新たな憂慮すべき動向が見られる」と指摘。その上で、ミサイルを撃破する戦域ミサイル防衛(TMD)構想の日米共同技術研究の重要性を例に挙げ「情勢に的確に対応すべく、防衛態勢を構築しなければならない」と訴えた。

同時に、日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法について「わが国に対する武力攻撃の発生の抑止に資するとともに、アジア太平洋地域の平和と安全の確保に大きく貢献する非常に有意義なものだ」と述べた。《共同通信》

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【大相撲名古屋場所】12日目

大相撲名古屋場所12日目(15日・愛知県体育館)横綱曙が雅山を寄り倒して11勝1敗とし、単独トップを守った。横綱貴乃花は3敗目を喫し、2敗は旭鷲山を押し出した関脇出島一人になった。貴乃花は小結土佐ノ海にいいところなく押し倒された。横綱武蔵丸は関脇栃東を寄り切り、大関千代大海は湊富士を退け、ともに3敗を堅持。大関貴ノ浪と平幕武双山の3敗同士の一番は、武双山が右すくい投げで勝った。これで1敗の曙を、2敗で出島、3敗で貴乃花、武蔵丸、千代大海、武双山の4人が追う展開となった。十両は須佐の湖が9勝目を挙げトップを守った。《共同通信》

【第121回芥川賞、直木賞】選考委員会

第121回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が15日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、直木賞は佐藤賢一氏(31)の「王妃の離婚」(集英社)と桐野夏生氏(47)=金沢市生まれ=の「柔らかな頬」(講談社)に決まった。芥川賞は該当作がなかった。贈呈式は8月20日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で、正賞(時計)と副賞各100万円が贈られる。

直木賞選考委員の作家、井上ひさし氏は「桐野さんは絶賛の声が多かった。人間の心の内部の荒れ果てた状態がよく書けている。佐藤さんの小説は知的で、私たちから遠い題材を諧謔味たっぷりに書いた。西洋講談の歯切れの良さがあり、楽しませてもらった。力のある人だ」と語った。

桐野さんは建設会社に勤める父親の金沢転勤が緑で金沢市で生まれ、3歳まで同市小立野の天徳院に近い社宅で過ごした。当時の記憶はほとんどないが、テレビで金沢が映し出されるとつい見入ってしまうといい、江戸川乱歩賞を受賞した平成5年当時の月刊北國アクタスで「何とも言えない上品なイメージを持った街で、金沢で生まれたことは私の誇り」などと語っている。《北國新聞》

【浅香光代さん】野村沙知代氏を再告発

1996年の衆院選に立候補した野村沙知代さん(67)が学歴を詐称したとして、女優の浅香光代さん(68)が東京地検に告発したが不受理となった件で16日、浅香さんの所属事務所は、15日午後、東京地検に再び告発状を出したことを明らかにした。

所属事務所によると、東京地検は、公職選挙法違反の時効期限まで2カ月余りしかないため不受理にしたとしているが、野村さんが海外に滞在した約1カ月を除けば、3カ月以上に延びる可能性があると浅香さん側は判断、地検に再考を求めたという。

法務省や東京地検には、15日から16日にかけ、一般市民からの抗議電話が殺到した。同省広報室によると、「なぜ捜査しないのか」などという東京地検の不受理を批判する電話への対応に追われたという。《共同通信》



【政界談話室】

○・・・自民党の森田健作文部政務次官は15日、雇用問題がテーマになった政務次官会議で「私は30年間俳優をしてきたが、俳優は退職金もないし、労働組合で団体交渉もできない」と切り出した。さらに「仲間の中には大工をやって体力を維持して次の出番を待っている人もいるし、タクシー運転手をしている人もいる」と人気稼業のつらい実情を説明。最後は「雇用対策(の対象)に入らない人もいることを理解してほしい」とかつての青春ドラマの主役をほうふつさせる熱弁を振るった。《共同通信》

【自民党・森喜朗幹事長】「(総裁選は)APEC前に」

自民党は15日、小渕恵三総裁(首相)の任期満了に伴い9月下旬に予定されていた総裁選を、同月上旬に前倒しして実施する方向で調整に入った。

森喜朗幹事長は同日の森派総会で、首相が9月12、13日両日にニュージーランドで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の非公式首脳会議に出席すること指摘。

「首相が『引き続き日本の政治に責任を持ちます』と言える状態で会議に出席する方が、外交上、儀礼的によい」と首相のAPEC出発前に繰り上げて実施すべきだとの考えを表明した。《共同通信》

【平成11年度補正予算案】衆院通過

事業規模で約5400億円の緊急雇用対策などを盛り込んだ平成11年度の一般会計、特別会計補正予算案が、15日の衆議院本会議で可決された。民主党は「政府案はその場しのぎのバラマキ対策で、質量共に不十分」だとして、予算委員会と本会議で組み替え動議を提出し、政府案に反対したが、他会派の賛同は得られなかった。同予算案は16日から参議院に審議の場を移す。

民主党は15日夕方の衆院予算委の採決に先立ち、政府に対して撤回、組み替えの上、再提出を求める、いわゆる「組み替え動議」を提出した。この内容は、予算額を1兆円規模とし、重点事項として、ホームヘルパーの目標値を新ゴールドプランの17万人から30万人への拡充することや、保育所待機児童4万人を解消するための保育士の増員など、「福祉・環境・住宅・情報通信関連等の分野における雇用創出」や、カウンセリング機能拡充などの「求職支援策の拡充」、税制面や女性起業家への支援などの「新しい起業家支援策の実施」、NPOの基盤強化、財源対策や財政再建の道筋を確立することなど、メリハリの効いた財政出動が必要、と主張している。

小林守議員が動議の趣旨を説明し、続いて吉田治議員が討論に立ち、「民主党案は構造改革につながる斬新なメニューを盛り込んだものであり、景気の失速を防ぎ、中長期的な新事業創造、新雇用創出につながるもの。質量共に不十分な政府の補正予算の内容を刷新するもの」と動議に賛成、政府案に反対した。しかし採決の結果、民主党案は否決、政府案が可決された。

続けて開かれた本会議では池田元久議員が同じく組み替え動議の趣旨を説明。続けて肥田美代子議員が登壇し、民主党案に賛成、政府案に反対の討論を行った。

子どもや教育の問題に力を入れている肥田議員は、政府の「緊急地域雇用特別交付金」の対象として、学校現場が一時的な雇用の受け皿にされていることを厳しく批判。「補正予算案は少子化社会における『子育て理念』や『社会ビジョン』を明確にしないまま、事業例を思いつくまま列挙したもの」「子どもは個性豊かな人間であって、コインロッカーに預ける手荷物や小荷物ではない」と述べ、子どもたちを「一時しのぎの見識なきばらまき予算」の対象とすることに強い怒りを表明した。

肥田議員はまた「私がこの演壇に立っている瞬間にも、誰かが日本のどこかで自らの命を断つ最後の決断をしているかも知れない」と、急増する自殺者の問題にも触れ、国民の切実な状況に対して真剣に応えていない補正予算案を重ねて批判し、討論を終えた。

起立採決の結果、民主党の動議は民主党だけの賛成で否決、政府の補正予算案が可決された。《民主党ニュース》

【民主党】コソボ視察団が国会内で報告会

民主党コソボ難民・復興支援訪問団として、今月6日から12日までユーゴスラビア、コソボ自治州などを訪れた岡田克也政調会長代理と藤田幸久衆議院議員が15日、国会内で報告会を開いた。羽田幹事長、鳩山幹事長代理など多くの議員やスタッフが出席した。

両議員は、外務省の制止にかかわらず、NGOスタッフの案内で、コソボ自治州の州都プリシュティナ、ミトロビツァ、ペチの三都市の訪問を強行。ペチに駐留するイタリア軍司令官やスペイン軍副司令官とも面会した。両議員は、さらに300人の虐殺死体が掘り起こされたと報道されたルベニッチ村へも足を踏み入れ、大きな家の中庭に横たわる虐殺されたであろう白骨死体も目撃。ビデオ映像を示しながらの惨状の説明に、会場はしばし重苦しい空気に包まれた。

岡田議員は「ユーゴは基本的にはヨーロッパであり、生活程度はよい。日本の地方都市が空爆を受けたイメージだ。難民といってもカンボジアやルワンダとは違う。その分、以前の生活との落差が大きく、再建コストがかかる」と指摘。

また藤田議員はマケドニア共和国のスコピエに民主党青年ボランティアのオフィスを開設したことを報告した。日本の政党がこのような形で現地に常駐するのは極めて異例なこと。コソボ自治州内の治安はまだ不安定なため、当分の間はスコピエとコソボを往復しながらの活動となるとのことだった。《民主党ニュース》

【民主党】沖縄政策まとめる

民主党は15日の政調審議会で、21世紀の沖縄を近隣諸国との交流拠点とするとともに、米軍基地の段階的な統合・縮小を目指す「民主党沖縄政策」をまとめた。沖縄総合政策調整プロジェクトチーム(座長=上原康助衆議院議員)と、沖縄・北方部会(部会長=原口一博衆議院議員)が合同で検討を積み重ねてきたもの。

産業振興策では、自立経済を確立するため、地域特性を生かしたベンチャー産業などの育成を進め、自由貿易地域制度を拡充する「蓬莱(ほうらい)経済圏構想」を提起。交通アクセスの根本的改良のための「鉄軌道」(鉄道)導入の整備をあげた。2002年に期限切れとなる沖縄振興開発特別措置法に替わる「沖縄経済新法」か「沖縄基本法」の制定を検討するとともに、党内に国会議員や有識者をメンバーとする「沖縄問題懇談会」を設置する方針も盛り込んだ。

米軍基地問題では(1)アメリカの東アジア戦略構想を再考し、米海兵隊の他地域への移駐を積極的に議論する(2)沖縄県内の基地整理・統合・縮小の目標を「ハーフオプション」におき、日本本土や国外への移設推進(3)日米地位協定を検証し、米軍優先の解釈、運用の改善―などを提示した。

また、来年の主要国首脳会議(沖縄サミット)成功のため、若者サミット、アジアサミットなどの開催を提案。アメラジアン(国際児)の教育権保障のための環境整備や、養育費を確保するための米国との協定締結の実現を図るとした。

今後は党の沖縄県連や地元の関連団体などの意向もききながら、より具体的な政策にまとめる予定。《民主党ニュース》

【北アイルランド】組閣失敗

テロ組織の武装解除をめぐり難航していた北アイルランド和平は15日、紛争の一方の当事者であるプロテスタントの最大政党、アルスター統一党(UUP)などが、和平合意の最も重要な柱である北アイルランド地方行政府への参加を拒否したため、組閣に失敗した。

英国のモーラム北アイルランド相は同日、和平合意の推進についてアイルランド政府とともに「正式な見直し」に着手すると表明。昨年のノーベル平和賞に輝いた和平合意は事実上崩壊した。

カトリック穏健派のマロン北アイルランド副首相は同日、和平合意の行き詰まりの責任を取って辞任、プロテスタントのトリンブル首相にも辞任を要求した。

紛争最大のテロ組織であるアイルランド共和軍(1RA)は停戦を維持しており、大規模なテロが再開される可能性は低い。だが、ブレス英首相スポークスマンは15日、政治決着への歩みは少なくとも秋まで停止状態となるとの見方を示した。

ブレア首相とアイルランドのアハーン首相が来週会談し、今後の対策を協議する。

昨年4月の和平合意は、対立するプロテスタント、カトリック双方が協力して、新たな地方自治を育てることで恒久和平への道を探る基本方向を定めていた。《共同通信》



7月15日 その日のできごと(何の日)