平成3797日目

1999/06/01

この日のできごと(何の日)

【山一證券】自己破産を申請

平成9年11月に経営破たんし、清算に向けた作業を続けてきた山一証券は1日、東京地裁に自己破産を申請した。2日午前にも破産宣告を受ける。債務超過額は最終的に2000億円規模に達する見通しで、債務超過回避を前提に日銀が実施した特別融資(4月末残高4890億円)の一部は返済できないことが確定した。

日銀が特融を融資先から回収できないのは初の事態。民間信用調査会社の帝国データバンクによると負債は4960億円で大半が日銀特融。今後、日銀は最終的な焦げ付きを避けるため、証券業界の預金保険機構である投資者保護基金による穴埋めを求めていく。しかし同基金の規模は約400億円にとどまる。返済不能分処理をめぐる政府、証券業界を含めた調整は難航しそうで、最終的に国民負担となる可能性もある。

自己破産で山一は100年の歴史に名実共に幕を閉じる。野沢正平社長ら取締役3人は退任し、東京地裁が選ぶ破産管財人のもとで資産処分などの手続きに進む。

破産申請は、引き取り手が現れない預かり資産の法務局への供託にめどがついたためで、自主廃業決定から1年半を経てようやく清算にこぎ着けた。残りの預かり資産は破産管財人のもとで供託が続き、資産返還を受けていない顧客は今後も法務局で受け取ることができる。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【ベストファーザー賞】小渕恵三首相ら7人受賞

父の日を前に、ことし一番すてきなお父さん(ベストファーザー)に贈られる「イエローリボン賞」に小渕恵三首(61)ら7人が選ばれ、東京都内のホテルで授賞式が開かれた。

現職の首相として初めて選ばれた小渕首相は「父として休みを過ごせることは少なかったが、父の役割は果たせた」と満面の笑み。《共同通信》

【政府】閣僚懇談会

政府は1日午前、国会内で小渕恵三首相と全閣僚が出席して雇用対策閣僚懇談会を開き、深刻化する雇用情勢について意見交換した。11日には「産業構造転換・雇用対策本部」(本部長・小渕首相)を開催し、産業競争力と雇用対策を包括した産業再生策を決定する。

野中広務官房長官は同懇談会後の記者会見で「当面直ちに行うもの、やや中期的なもの、長期的なものに分けて法律、財政出動も考えないといけない」と述べ、11日の対策本部では補正予算案編成も含めた財政出動も検討、関連法案作成など一定の方向性を打ち出したいとの考えを表明した。

小渕首相は懇談会冒頭のあいさつで「国民の雇用への不安を払しょくし、わが国経済の回復基盤を固め、自律的な成長軌道に乗せることが喫緊の課題だ」との認識を表明し、実効ある対策の策定を急ぐよう各閣僚に指示した。《共同通信》

【組織犯罪対策3法案】衆院通過

犯罪捜査への電話傍受の導入などを柱とする組織犯罪対策3法案が1日午後の衆院本会議で自民、自由両党と公明党・改革クラブなどの賛成多数で可決され、参院に送付された。3法案に反対する民主、社民両党は採決に抗議して退席。自民党の田中真紀子、栗本慎一郎両氏も通信傍受法案に反対して議場を出た。共産党は反対した。

これに先立ち、民主、社民両党が提出した杉浦正健衆院法務委員長(自民党)の解任決議案を自自公の反対多数で否決。これを受けて民主、社民両党は衆院行政改革特別委ボイコットを中止し、審議は正常化した。3法案は今国会中に成立する見通しだ。

3法案のうち、通信傍受法案は自自公の共同修正の結果、対象犯罪を大幅に縮小して薬物、銃器、集団密航、組織的殺人―の四類型に限定。NTT社員など通信管理者の常時立ち会いを義務付けたほか、令状請求者を一定の警察幹部に引き上げたり、簡易裁判所には令状発付を認めないなどの厳格化を図った。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・共産党の不破哲三委員長は1日、自民、自由、公明3党などの賛成多数で組織犯罪対策3法案が衆院本会議で可決されたのに怒りが収まらない様子。自自公路線がすっかり定着し、国会運営も与党ペースで進んでいる背景も手伝って、矛先は自然と自自公へ。「危険な法律だと言っていた一つの党が、自自公の思惑で『結構』となり、雲行きが変わり、数の論理で通る」と、本会議終了後に記者団にまくしたてた。最後は皮肉を交えながら「数の暴力むき出しで、これこそ組織暴力ではないか」と、ボルテージを上げた。《共同通信》

【インド】支配線越え砲撃

パキスタンのアザド・カシミール州当局者によると、インドと隣接する同州のネールム渓谷で1日朝、インド側から両国間の実効支配線を越えて撃ち込まれた砲弾が学校を直撃し、校内にいた生徒のうち10人が死亡、12人が負傷した。今回の事件を機に、パキスタン側が態度をさらに硬化させるのは必至とみられる。

インド空軍によるカシミール地方の空爆開始に伴い、両国は実効支配線を挟んだ砲撃を激化させており、パキスタン軍筋によると、インド側からの砲撃による死者は、今回の10人を含め、ここ数日間で約30人に達した。

パキスタンのマリク・カシミール問題担当相は1日、「インド側からの砲撃が今後さらに激しくなる」との見通しを示した上で、実効支配線沿いのパキスタン側住民に警戒を怠らないよう呼び掛けた。

一方、PTI通信がインド軍筋の話として報じたところによると、パキスタンの偵察機2機が1日、実効支配線を越えてインドの支配空域を侵犯、インド側は対空砲火で応戦した。

インド国防省筋によると、インド軍は1日、北部ジャム・カシミール州で、パキスタンから侵入してきた武装集団に対し、空爆を伴う掃討作戦を7日連続で行った。武装集団は、実効支配線のインド側にある標高約5000メートルの高地から、インド側の補給路となっている州都スリナガルとカルギル地区を結ぶ幹線道路に向け砲撃などを続けており、依然として緊迫した状態が続いている。

アジズ・パキスタン外相は1日、両国が合意した緊張緩和のための緊急外相会議の日程が、同日中にも決まるとの見通しを明らかにした。《共同通信》

【この日の民主党】

衆議院の行政改革特別委は1日の本会議終了後、審議を再開し、民主党から藤田幸久、中川正春、石井紘基の3議員が政府の追及を再開した。

藤田議員は、今国会で追い続けている防衛庁の装備品調達疑惑を追及した。

防衛庁技術研究本部が95年まで研究を進めていた、艦船を音響などによって感知し爆破する「機雷用センサー」について、92年、発注先から購入した試作品が技術的に不備であったことを隠すため、納入された「無線」伝送機を、性能の低い「有線」に切り替えた、との疑惑を指摘。納入に際して報告が義務づけられる「技術報告書」の所在確認を求めた。

これに対し及川・防衛庁装備局長は、的を得ない答弁を繰り返した後、92年度の報告書が存在しないことをしぶしぶ認め、「有線」伝送機に変更した理由について「2つの可能性を追及したことはあったかもしれない。ただ最終的な因果関係は調査中」と責任を回避した。一方、野呂田長官は「今のやりとりを聞いて不都合だと感じた。事務局に徹底調査を指示している」と調査・報告を約束した。

藤田議員は「結局、性能確認がないまま購入・変更した。報告書が存在しないこと自体、大問題。国防上も問題だ」と政府に対して早急な調査結果の公表を要請した。

続く中川議員は、(1)独立行政法人(2)地方支分部局・地方自治体への権限委譲(3)財政と金融の完全分離、の3点をテーマに取り上げた。

まず独立行政法人化について、中川議員は「諸外国と比較し、政府案はすでに実態は独立しているものを、独立行政法人と言い換えているだけ」と一刀両断に。そして「国立大附属病院」の改革が政府案からもれていることを指摘。太田総務庁長官は「国立大学が先に理解を得られた。附属病院も検討中」と弁明した。

また中川議員は「企画立案が地方支分部局に委譲されても、住民参加の装置ができていない。誰が予算配分を決めるのか」と懸念を示した。関谷建設相は「国の大枠予算に対して地方整備局と地方公共団体が相談で決めるので、東京に出てくる必要がなくなる」と強調。中川議員は「地方整備局は国の機関。何も変わっていない。かえって議員の横やりが入れやすくなる」と批判した。

衆議院の行政改革特別委員会では連日、中央省庁等改革関連法案と地方分権一括法案に対する質疑を行っている。自民、自由両党の議員が質問時間を放棄して審議促進を画策する中、民主党では、それぞれ省庁や地方自治体の事情に詳しい議員を専門委員としてこの委員会に集中させ、連日さまざまな角度から法案の問題点に迫っている。

1日の審議の3番手として質問に立った石井紘基議員は、「本来、民間部門が行うべきことを特殊法人がやっている。これが社会構造全体をゆがめている」と強調し、ライフワークの特殊法人問題の追及をはじめた。

石井議員は「特殊法人は1200社以上ある。丸投げするための子会社まで含めたらもっと多い。公益法人にしても職員51万に対し役員49万人。これらが民間と同じビジネスを行っている」と数字を上げ、ここにメスを入れなければ行革の意味がない」と批判。

「特殊法人は自由な活動ができない赤字体質がある。徹底した改革が必要だ。特別会計とも関係している」と厳しく指摘し、具体例として、日本道路公団、住宅・都市整備公団の不透明な業務内容について、「住都公団が京都における再開発交渉で接待を行った」などの事例をあげた。関谷建設相はこれに「事実だが、改善された」などと弁明。

石井議員は納得せず「反対住民を接待で懐柔するなどもってのほか。きちんと処分すべき」と食い下がったが、関谷建設相は「公団総裁から職員に対して周知徹底させたので、今後は起きない」「注意は何度もした」などと言い逃れた。

石井議員はさらに、住都公団の土地買収価格についてさらに質問したが、政府側は明言を避け、石井議員は「委員会でいくら質問しても取得費、建設費、利子、事務費、全然言わない。これで行政改革になるのか」と怒りが押さえきれない様子。「議論にもならない。時間のムダだ」とあきれはてた口調で質問を終えた。《民主党ニュース》

捜査機関に電話などの通信傍受(盗聴)を認める通信傍受法案など組織犯罪対策3法案が、1日、衆院本会議で採決され、自民・自由・公明改革などの賛成多数で可決された。民主党は、「人権に関わる法案はあくまでも慎重審議を行わなければならず、この日の採決は認められない」(鹿野道彦国対委員長)との立場から、法案採決に先立って全議員が議場を退席し、抗議の姿勢を明らかにした。

民主党は、本会議に先立つ議院運営委員会で、3法案の繰り延べ動議を提出。松沢成文同委理事らが「不当・不適切な法案採決を急ぐべきではない」と主張したが、与党の反対多数で否決。この日の本会議で3法案の採決が行われることになった。

午後1時からの衆院本会議では、最初に民主党が社民党と共同提出した杉浦正健法務委員長(自民)の解任決議案が議題となり、民主党から決議案の趣旨説明を坂上富男・法務委筆頭理事が、解任への賛成討論を佐々木秀典・同委理事がそれぞれ行った。

■「言語道断、許し難い杉浦委員長の暴挙」坂上議員

坂上富男議員はまず、「通信傍受法案は憲法の『通信の秘密』や『令状主義』を侵害する危険性があり、国民の理解を得るためには特段の慎重な審議が求められる」と述べた。さらに、共産党の緒方参議院議員の自宅盗聴事件での判決が確定したにもかかわらず、その事実を認めない警察に通信傍受といった手段を与えることの危険性を指摘した。

そして、与野党で合意された「委員一人あたり4時間の質疑時間の確保」をほごにし、「中央、地方公聴会の開催や、警察のこれまでの違法な盗聴の事実立証のための証人、参考人質疑や資料提出要求」などの野党の要求を一方的に退けて、委員会開会や採決を強行した杉浦委員長の暴挙を「職責違背で言語道断、断じて許し難い行為」と糾弾した。

■「法務委員会は無法委員会になった」佐々木議員

賛成討論に立った佐々木秀典議員は、「法とルールに従って民主的運営のもとに審議が行われるべき国会において、しかも最もそのことに厳格であるべき法務委員会でそれが無視され、法務委員会はもはや『無法委員会』となった」と怒りをあらわに。公明党の修正案作成には敬意を表したものの、「対象犯罪を限定しても、予備的傍受や別件傍受、犯罪準備での傍受などを認め、常時立ち会いも立会人が通信内容を聴けない上、切断権限もない以上、捜査当局の乱用防止の歯止めとはなり得ない」と指摘。その上で、「真に国民の不安を解消し得る修正を党利党略を離れて追求し、それが出来なければ改めて作り直す決断こそが今国会に求められている」と主張した。

■「この戦いを衆院選への突破口に」菅代表

解任決議案は記名投票の結果、賛成少数で否決された。民主党の議員は、この後、3法案に対する委員長報告が始まると同時に一斉に席を立ち議場から退席、国会内の控室に再度集結した。

集まった議員を前に、菅直人代表があいさつにたち、「国会の役割は国民の権利を守ることだ。官僚組織に新たに国民のプライバシーを侵害する手段を与える場合は、よほどの理由がなければならない。国民の合意が何よりも必要だ」と指摘。「まさに『正体見たり(大政)翼賛会』になってしまった。この自自公体制に全力を上げて立ち向かっていく。衆議院での戦いを参議院に引き継ぎ、全国各地で、人権や民主主義に対する抑圧に対抗して行動していくことが何よりも重要」と述べ、「結束を固め、この戦いを衆院選への突破口にしていこう」と訴えた。

羽田幹事長は同日、談話を発表し、与党側の強硬姿勢を「国会の存在を自己否定するもの」と非難。参議院での良識の府としての徹底審議を求めた。《民主党ニュース》



6月1日 その日のできごと(何の日)