平成3782日目
1999/05/17
この日のできごと(何の日)
【JR西日本】北陸新幹線若狭ルートに難色
自民、自由両党の整備新幹線建設促進協議会は17日、衆院第一議員会館で会合を開き、北陸新幹線など整備新幹線の新しい建設基本計画について、JR4社から意見聴取した。JR西日本の南谷昌二郎社長は北陸新幹線について、大阪までの全線が同時開業する場合、フル規格整備を容認する考えを示した。
JR西日本はこれまで、フル規格整備を「長期的な課題」とし、慎重な姿勢を示してきた。全線同時開業という条件付きながら同規格整備を容認したことで、長野−大阪間の早期開業に一歩前進した形である。
南谷社長は北陸新幹線についてスーパー特急方式による整備が進む金沢−石動、魚津−糸魚川の2区間の早期整備が「優先的な課題」との見解を示した。その上で、フル規格整備の条件として、▷大阪までの全線同時開業▷枝線を含めた並行在来線の経営分離▷貨物輸送の確保▷金沢、富山、福井各市における都市交通の維持▷固定資産税の減免−などを挙げた。
ルートが決まっていない敦賀以西について、南谷社長は「工事の費用や難易度を考えれば、米原を回るルートが望ましい」と米原経由で大阪に入る米原ルートを支持し、福井県小浜市から京都、大阪に至る若狭ルートに難色を示した。また、軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の実用化について関心を示す一方、湖西線に活用する案を現段階では検討する考えがないことを強調した。《北國新聞》
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【トヨタ・キャミ】発売
トヨタ自動車は17日、グループのダイハツ工業から、小型RV(多目的レジャー車)「テリオス」のOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受け、「キャミ」に車名変更して石川トヨペットから発売した。ABS(急ブレーキ時の横滑り防止装置)などを標準装備。「Pグレード」の価格は137万3000円(CDカセット装備)。《北國新聞》
【大相撲夏場所】9日目
大相撲夏場所9日目(17日・両国国技館)は横綱、大関陣がともに勝ち、今場所二度目の安泰となった。綱とりに望みをつなぎたい大関武蔵丸は、ただ一人1敗だった平幕琴錦を押し出し2敗を守った。横綱曙は千代天山を押し出し、大関貴ノ浪は雅山を寄り切りともに6勝目。関脇陣も順当勝ち。魁皇と出島は6勝目を挙げ、安芸乃島は白星を先行させた。小結対決は、勝った栃東が6勝3敗とし、貴闘力は8連敗で負け越した。武蔵丸と平幕の琴錦、闘牙、若の里、旭天鵬の五人が2敗で並んだ。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の羽田孜幹事長は17日の記者会見で、同党の支持率低迷について「金融問題にもガイドラインにも真正面から取り組んだが、日本の中には反対するのが野党だとの考えがあり、分かりにくい点があった。国民には党の基本政策が見えないとの不安がある」と冷静な分析をしてみせた。ところが小渕内閣の支持率上昇に関して聞かれると「失業率はまだ上がるし、倒産件数は増えだしている。なぜ世論調査(の内閣支持率)だけ上がっているのか分からない」。敵情分析はお手上げの様子で、首をひねるばかり。《共同通信》
【小渕恵三首相】「常在戦場で選挙準備を」
小渕恵三首相は17日昼、首相官邸で滝実氏ら当選1回の自民党衆院議員約30人と昼食を共にしながら懇談し、総選挙の時期について「コメントできない」と明言を避けながらも「議員の任期は来年10月まである。常在戦場の心構えでやってもらいたい」と述べ、選挙準備を怠らないようハッパを掛けた。《共同通信》
【和歌山毒物カレー事件】第2回公判
和歌山の毒物カレーと保険金詐欺事件で殺人、殺人未遂罪などに問われた元保険外交員の主婦林真須美被告(37)と詐欺罪に問われた夫のB被告(54)の第2回公判が17日午後、和歌山地裁(小川育央裁判長)であり、弁護側の異議で留保されていた冒頭陳述の一部を検察側が朗読、真須美被告について「怒りにまかせ異常行動に走ることがしばしばあった」と指摘した。
朗読したのは真須美被告の性格、特異性などを指摘した部分。具体的な事例を挙げることで、カレー事件の背景に同被告の「特異性」が存在することを立証したい検察側の狙いがあるとみられる。
公判終了後に地裁、検察、弁護側は審理する事件の順や公判分離などを協議したが結論は出ず、カレー事件の本格審理が始まる時期は未定のまま。6月1日午前10時半からの次回公判前に再協議することになった。
弁護側は留保部分について「冒頭陳述には公訴事実に関連のない事実がある」と批判したが、検察側は動機の立証なしで有罪になった千葉大チフス事件の最高裁判例を挙げ「事件の原因を推認させる間接事実」と反論。
さらに、カレー事件の動機をめぐり、検察側は「内心的原因」として「ヒ素を使用して人命を奪うことに関する真須美被告の規範意識が低下していた事実がある」と背景を指摘。小川裁判長は「関連性がある」と陳述を認めた。
検察側は冒頭陳述後、全8事件について1204点の証拠を請求。真須美被告側は119点を同意、175点を不同意としたが、最新鋭の放射光施設「SPring8」の結果などカレー事件を含む否認事件の証拠については大半を留保した。
B被告側は359点の証拠のうち3分の1を、同意するなど、真須美被告とほぼ同様の認否となった。《共同通信》
【イスラエル】新首相にバラク氏
中東和平の行方を決める17日投票のイスラエル首相公選と国会選挙(120議席)は即日開票された。ネタニヤフ首相(49)とバラク労働党党首(57)の一騎打ちとなった首相選は、18日早朝の中央選管の発表(開票率99%)によると、和平推進派のバラク党首が得票率56.4%で、対パレスチナ強硬派のネタニヤフ首相の同43.6%を大きく引き離し、地滑り的な勝利を収めた。
バラク党首は18日未明、勝利宣言し「(軍撤退など)断固とした決定をしなければならない」と中東和平推進に意欲を表明。バラク氏勝利により、ネタニヤフ政権下の3年間滞していたパレスチナ和平交渉の再始動に向け大きな弾みがつくのは確実だ。
バラク氏はまた「レバノン南部の紛争を一年以内に終わらせたい」と言明。米国が仲介したヨルダン川西岸からのイスラエル軍追加撤退合意の履行に取り組むのを手始めに、聖地エルサレムの帰属など恒久的地位交渉に前向きに取り組むことになる。
ネタニヤフ首相はこれに先立ち早々と敗北を宣言、右派リクード党首の職からも退く意思を表明した。
労働党は、暗殺されたラビン元首相を継いだペレス前首相がネタニヤフ首相に予想外の敗北を喫した前回選挙の雪辱を果たした。《共同通信》
【東ティモール】独立派住民5人殺害
東ティモールの国連当局者が17日明らかにしたところによると、中心都市ディリ東部のアタラ地区で16日、インドネシア併合支持派の武装部隊が独立派の住民を襲撃、5人を殺害し、民家10軒に放火した。
東ティモールでは、8月に予定される住民投票の支援に向け、日本政府の調査団が現地入りして情報収集中。日本政府は国連派遣の文民警察官組織に要員を参加させる方針だが、依然として続く襲撃事件は支援策にも影響を与えそうだ。
同当局者は「国連仲介の最終合意の調印後、こうした暴力がいまだに起きている。インドネシア政府は武装グループの統制に断固たる措置を取るべきだ」と述べ、同国政府を非難した。
当局者によると、武装部隊は約60人で、殺害された5人は早朝、自宅で教会へ出掛ける進備をしていたところを襲われた。また夜には別の民兵組織が独立派住民の住宅10軒に放火したという。
東ティモール独立問題をめぐっては、インドネシアと旧宗主国ポルトガルが今月5日、国連管理の住民直接投票を実施するとの最終合意に調印。合意ではインドネシア政府が治安確保に責任を負うことが明記され、国連安全保障理事会も同政府の責任を強調する決議を採択している。
だが現地ではその後も併合派による独立派襲撃が相次いでおり、治安がさらに悪化すれば、安保理内で武装した平和維持活動部隊派遣を求める声が強まる可能性もある。《共同通信》