平成3314日目

1998/02/03

この日のできごと(何の日)

【チェルミス・ロープウェイ切断事件】

リゾート地として有名なイタリア北東部ドロミテ渓谷のカヴァレーゼで3日、低空飛行訓練中の米軍機がロープウェイのロープを切断、ゴンドラが約200メートル下の山腹に転落し、乗客20人全員が死亡した。


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イタリア国営テレビによると、乗客はドイツ人、ハンガリー人などのスキー客で、子供1人が含まれていた。カバレーゼ近郊トレント市当局者によると、日本一人はいないもよう。

事故当時、運行中だったもう一台のゴンドラは落下は免れたものの宙づりとなり、乗客1人が救出された。

ロープウェーはカバレーゼとスキーリゾート地チェルミス山を結んでいる。落下場所はスキー場から離れ、地上で犠牲者は出なかった。

地元警察によると、同機はボスニア・ヘルツェゴビナに展開中の平和安定化部隊(SFOR)所属の4人乗り偵察機。同機は口ープ切断後、カバレーゼの東約150キロのアビアノ米空軍基地に緊急着陸、尾翼の一部を破損したが、乗員にけがはなかった。操縦士はロープ接触時に「大きな衝撃を感じた」と話した。

現場では、雪上に落下したゴンドラが完全につぶれ、周辺の雪には乗客の血がにじんでいた。

トレント県の知事は「県は過去何度も米軍当局に低空飛行をやめるよう抗議してきた。十分予測された惨事だ」と語った。

オーストリア、スイス国境に近い同渓谷は、外国からのスキー客が多い。同渓谷のコルティナダンペッツオでも1987年、イタリア軍用機がロープウエーのロープを切断する事故があったが、乗客は無事だった。《共同通信》

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【福井・丸岡中学校放火事件】

3日未明、丸岡町寅国の丸岡中(本校生徒数1215人)体育館から出火。鉄骨コンクリート造りの体育館約1300平方メートルを全焼し、約2時間半後に消し止めた。当時校舎内に人はおらず、けが人はなかった。同校ではこの日の授業を取りやめ、登校してきた生徒を帰宅させた。丸岡署と丸岡町消防本部では現場検証を行い、出火場所や原因の特定を急いでいる。《福井新聞》

【町村信孝文相】所持品検査を容認

栃木県黒磯市で女性教諭を刺して死なせた事件など中学生によるナイフを使った犯罪が相次いでいることに関連し、町村信孝文相は3日の閣議後会見で、6日に都道府県と政令指定都市の教育委員会の生徒指導や、社会教育の担当課長を集め、緊急会議を開くことを明らかにした。

橋本龍太郎首相も同日の閣僚懇談会で関係閣僚に対策を指示した。

町村文相は「学校長の判断で、必要な配慮をした上で、所持品検査をしてもよいことを周知徹底させる」とし、プライバシーの問題などから学校が及び腰だったとされる生徒の所持品検査について「問題ない」と容認する見解を示した。

会議には警察庁からも少年課の担当者が出席。所持品検査のほか①教育の中で命の大切さや基本的な倫理観、規範意識を持つ子どもを育てることを再認識する②ナイフなどを携帯することは法律違反であることを自覚させ、規制を徹底する−ことなどを要請する。

所持品検査について町村文相は「持ち物については本人、家庭の問題が大きいが、使えば危害を与える物を集団の場に持ち込むべきでないことは常識」と指摘。「積極的にやれというわけではないが、(学校の)よりよい環境を保つために必要な手段のひとつ」と述べた。《共同通信》

東京都江東区の路上で2日未明、中学3年の少年」(15)が短銃を奪おうとバタフライナイフで城東署のY巡査部長(54)を襲い、強盗殺人未遂などの現行犯で逮捕された事件で、少年が襲撃現場へ向かう際に使った自転車は、少年が、同区内で盗んでいたことが3日までに分かった。少年は「カギのついていない自転車があったので盗んだ」などと供述。逮捕時に持っていたドライバーやペンチは「自転車を直すため」と話しているという。

同署は3日午前、同容疑で少年を送検した。少年はこれまでの調べに対し「2月中旬から、警官を殺してでも本物の銃を撃ってみたいと思うようになった」などと供述。同署は、少年が銃やナイフで武装しようとした動機について詳しく事情を聴く。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】ナイフによる少年犯罪再発防止策を指示

橋本龍太郎首相は3日午前の閣僚懇談会で、ナイフを使った少年による犯罪が相次いでいることについて「各閣僚の担当のところで、早急に対策を講じてもらいたい」と述べ、関係閣僚に対し再発防止に向けた対策を指示した。

上杉光弘自治相(国家公安委員長)は「極めて憂慮すべき事態だ」と述べ、学校との緊密な連携で再発防止に全力を挙げる考えを表明。「最近の事案では包丁、果物ナイフなどが使われている。法律制度に問題がないのか内部で検討したい」と、銃刀法の鋳直しも視野に入れ対策を検討していく考えを示した。《共同通信》

【朝日新聞】東京本社に刃物男

3日午後3時10分ごろ、東京都中央区築地、朝日新聞東京本社に刃物を持った若い男が押し入った。同35分ごろ、男は役員室などがある15階のエレベーターホールで警備員に取り押さえられ、通報で駆け付けた築地署員が建造物侵入と銃刀法違反の現行犯で男を逮捕した。けが人はなかった。

同署によると、逮捕されたのは神奈川県湯河原町の職業不詳の男(31)で、刃渡り十数センチの果物ナイフ2本を持っていた。

男は同本社を訪れた際、「テレビ局の撮影隊の者だ」「電波を流して仕事のじゃまをしている」などと意味不明のことを口走ったという。

男は2階の受付で、社員に呼び止められたが「忘れ物をした」などと言って、そのままエレベーターに乗った。3階の工務局工務庶務部でズボンのポケットからナイフ2本を取り出し「偉い人はどこにいる。社長に会わせろ」などと要求し、応接セットをけるなどして暴れた後、再びエレベーターで15階に上ったところで取り押さえられた。《共同通信》



2月3日 その日のできごと(何の日)