平成3273日目
1997/12/24
この日のできごと(何の日)
【沖縄県名護市・比嘉鉄也市長】海上ヘリ基地受け入れを表明
沖縄県名護市の比嘉鉄也市長は24日夜、首相官邸で約40分間、橋本龍太郎首相と会い、米軍普天間飛行場返還に伴う海上ヘリ基地を受け入れる考えを表明した。同時に「私自身の政治生命を終わらせたい」と、市長辞任の意向を伝えた。市長は25日に辞任を正式表明する。
21日の同基地建設の是非を問う市民投票は反対が過半数を占めたが、市長の受け入れ表明で、日米首脳で合意した普天間返還は動き出す見通しとなった。与党3党は24日夜、関連予算を必要に応じて来年度予備費で対応することで合意した。
これに先立つ首相と大田昌秀沖縄県知事の会談で、知事は「県庁内部でもう少し時間をかけて意見集約したい」と留保。1月中旬に再会談することになった。大田知事の判断や市長辞任に伴う名護市長選の動向が焦点になるとみられ、計画通りに進むかはなお曲折が予想される。《共同通信》
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【巨人・松井秀喜外野手】契約更改
巨人の松井秀喜外野手(23)は24日、東京・神田の球団事務所で来季の契約更改交渉に臨み、6000万円増の年棒2億2000万円で契約を結んだ。入団6年目の年俸が2億円を超えたのは1歳年長のオリックスのイチロー外野手に次いで史上2人目。
1時間ほどで話し合いを終えた松井は自ら2億2000万円で更改したことを表明。「ピンとこないけど、そのくらいなのかな」と、異例のスピード昇給を淡々とした表情で話した。
4年連続フル出場となった今季は135試合すべてを三番打者として出場。打率2割9分8厘で37本塁打を放ち、初の大台となる103打点をマークした。期待された本塁打王のタイトルは2年続けて1本差で逃したが、主軸としての三部門の数字が評価された。
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契約金額は、球団はもちろん、選手もめったに明らかにしないが、松井は会見の冒頭で「2億2000万円です」と堂々と金額を公表した。
2年連続で本塁打王にわずかに届かなかったとはいえ37本塁打、103打点は主砲としては文句のない成績。昨年より6000万円アップで、昇給ペースとしてはイチロー(オリックス)に匹敵する6年目での2億の大台到達だった。それでも松井は「(額は)特に予想しなかったが、そのくらいなのかな」と意外なほどあっさりとしていた。
23歳の若さで成績だけでなく、年俸でも球界を代表する存在となり、深谷球団代表も「チームの顔だし、皆さんが納得できるところだと思う」と最大級の評価をした。松井は今季のチームの不振に満足できる更改とはいえないらしく「来年は勝って(優勝して)契約更改したい」と、話していた。《共同通信》
【新進党】公友会、民友会が解散
新進党の旧公明党グループ「公友会」(代表幹事・神崎武法総務会長、衆院45人、参院19人)は24日午後、国会内で幹事会を開き、小沢一郎党首の要請に応じてグループの解散を決めた。旧民社党グループ「民友会」も解散を決めており「旧党派の解消」が実現した。
これを受けて小沢氏は、綱領や組織改革の基本方針をあらためて示し、具体的な組織改編を含む規約改正案を提案する。《共同通信》
【ポケモンショック】テレビ東京社長「深く反省」
テレビ東京系の人気アニメ「ポケットモンスター」(ポケモン)を見た子供たちがけいれんなどを起こした問題で24日、衆院逓信委員会が開かれ、参考人として出席したテレビ東京の一木豊社長は「(社内試写など)チェック体制をとっていながら放送してしまい、深く反省しており、心よりおわびする」と陳謝した。また郵政省の品川万里放送行政局長は「調査中だが、ただちに放送法違反とは言えない」との見方を示した。
一木社長によると、問題となった16日の放送分は視聴率が16.5%。全国6放送局による放送で約415万世帯が視聴したと推定され、午後6時52分に約4秒続いた赤と青の点滅シーンで、ほとんどの被害が発生。被害者は約700人で、24日現在2人が入院中という。
一木社長は「アニメゲームなどで被害が出たことは制作現場も知識として持ってはいた」としながら「通称パカパカと呼ばれる、異なった色を点滅させる制作手法は一般的で、害を及ぼすとは思わず、試写によるチェックを通過して放送してしまった」と説明した。
また、厚生省の田中慶司精神保健福祉課長は「いわゆる『光過敏性てんかん』の患者だけではなく、もう少し幅広い人々に発症したと考えている」とし、「光感受性発作」の症状が多いとの見方を提示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は24日、首相官邸で地元テレビの新春番組の録画撮り。「秘書官が新春の顔をしろと言うんだが、大田(昌秀沖縄県)知事との会談を控えて、新春の顔なんてできるわけないじゃないか」とぼやいた。この日で在職714日となり、故福田赳夫元首相と並んで戦後11番目の長さとなったが、「え、そうだったの。初めて知ったよ」とおとぼけ。難航する沖縄基地問題や金融問題で頭がいっぱいの様子で、自分に言い聞かせるように「一日一日をしっかりやる。それが積み重なるということだ」とコメント、表情は終始さえないまま。
○・・・自民党の宮澤喜一元首相はこの日昼、旧宮澤派の納会であいさつ。「私ぐらいの年になると、互いに元気で年を越せることに思いを致さなきゃなりませんな」と78歳の年齢に触れた。しかし、この日も党の緊急金融システム安定化対策本部長として早朝から金融安定化策を取りまとめており、「容易ならざる事態ではあるが、アメリカも80年代は散々だった。50年立派にやってきたのだから、この後の50年もやれないわけはない。私は楽観しています」と強気の展望を披露。首相と対照的な元気ぶりを発揮していた。《共同通信》
【三船敏郎さん】死去
「羅生門」「七人の侍」など黒沢明監督の名作に出演、“世界のミフネ”と呼ばれた俳優の三船敏郎さんが24日午後9時28分、全機能不全のため東京都三鷹市の病院で死去した。77歳。中国・青島生まれ。
中国の旧制大連中学を卒業。旧満州の陸軍航空隊に入り、軍隊生活を経験した。戦後、東宝のニューフェースに合格。昭和22年、「銀嶺の果て」(谷口千吉監督)で主役デビューした。
スターの地位を得たのは3作目の「酔いどれ天使」。「銀嶺の果て」の脚本を書いた黒沢監督に抜てきされ、強さと弱さを併せ持つ。若いやくざを迫真の演技で演じた。
以来「羅生門」「白痴」「七人の侍」「蜘蛛巣城」「用心棒」「椿三十郎」「天国と地獄」など黒沢作品に次々に出演。黒沢仕込みの「リアリズムあふれる演技に、生来の野性味に満ちたたくましい個性が加わり、日本映画界になかった新しい型の男優に成長した。
「用心棒」と「赤ひげ」でベネチア映画祭男優賞を受賞。また「グラン・プリ」「太平洋の地獄」「レッド・サン」など米映画にも出演、国際的俳優としての名声を高めた。
37年には三船プロを設立、“スター・プロ”の草分けとしてプロデューサー業にも乗り出した。
石原プロとの共同製作で大ヒットした「黒部の太陽」などの劇場用映画や、テレビ映画を製作、一時は年間200本近い作品を手掛ける大プロにのしあがった。しかし、54年、ワンマン体制に端を発した内紛で分裂、事業も大幅縮小を余儀なくされた。
出演映画は約130本。黒沢作品以外にも、稲垣浩監督の「宮本武蔵」「無法松の一生」、岡本喜八監督の「暗黒街の対決」など名作が少なくない。平成7年に「深い河」(熊井啓監督)、8年の米映画「ピクチャー・プライド」が最後の出演作品となった。昭和61年に紫綬褒章、平成元年にフランスの芸術勲章を受章した。《共同通信》