平成3252日目

1997/12/03

【行政改革会議】省庁再編で最終報告決定

政府の行政改革会議(会長・橋本龍太郎首相)は3日夕、首相官邸で会合を開き、国の行政組織を現在の22府省庁体制(国家公安委員会を含む)から1府12省庁(同)に再編成することを柱とする最終報告書を決定した。

大蔵省の名称は首相の判断で「財務省」に変更。与党3党の協議で来年1月の通常国会召集まで決着が先送りされた大蔵省の財政、金融分離問題は「金融破たん処理、金融危機管理に関する企画立案は今後検討」とした。与党合意を踏まえ、防衛庁の「省」格上げ防衛施設庁の防衛庁内局化は見送った。

このほか①郵政3事業の5年後の「郵政公社」移行②行政組織の効率化を目指した独立行政法人(日本型エージェンシー)制度の創設を確認。政府は来春に「省庁再編推進基本法案」(仮称)を国会に提出、平成13年1月からの新体制移行を目指す。

政府は4日午前の臨時閣議で、最終報告を最大限尊重し、直ちに再編の増備に入る方針を決定。年内に「行政改革大綱」(同)を閣議決定するとともに、首相を委員長に全閣僚で構成する「中央省庁等再編準備委員会」を内閣に設置し、基本法成立後に「改革推進本部」に衣替えする。

1府12省庁の新体制は自治、郵政両省と総務庁を一元化する「総務省」、建設、運輸、国土、北海道開発の各省庁を統合した「国土交通省」、通産省の機能を引継ぐ「経済産業省」、現在の環境庁に森林行政の一部などをする「環境省」など。「内閣府」は内閣官房と並ぶ首相の補佐組織で、各省の総合調整を担うほか「経済財政諮問会議」などを設置して沖縄対策、北方対策の担当相を置く。

郵政公社は職員身分を国家公務員とし、独立採算制を基本に企業的な組織運営を目指すのが特徴だ。同時に①大蔵省資金運用部への預託廃止、完全自主運用②郵便事業への民間企業の参入に向けた具体的条件の検討―を明記した。

3事業は、13年の再編時には総務省外局の「郵政事業庁」に移管。公社化は15年となる。独立行政法人は国の実施部門を企画立案部門から分離し、経営の効率化を図るのが目的。職員身分は国家公務員型と非公務員型の二類型をつくる。

内閣機能強化策では、閣議での首相の基本方針発議一権を明確化す内閣法改正などが柱となっている。《共同通信》



【政界談話室】

○・・・新党さきがけの武村正義元代表はこの日、大蔵省の財政・金融分離問題が先送りになったことについて「(さきがけの主張する)完全分離の方向に大きく流れが向きつつあると見ている」と強気の分析。先送りの期限がさきがけの主張する年末から来年の通常国会召集時まで延びたことを記者団に聞かれると「自民党は3月までと言っていたのだから(逆に期限が)前倒しになったとともとらえることはできる」と反論。まるで譲歩したのは自民党と言わんばかり。

○・・・村岡兼造官房長官は3日午後の記者会見で、政府与党の財政構造改革会議の企画委員会が旧国鉄債務処理の財源としてたばこ税の引き上げ方針を固めたことに関し「会議は途中で抜けた。座長から(増税の)提案があったが、了承されたとは聞いていない」と、あいまいな答え。記者団が「増税なき財政再建の方針と矛盾しないか」とただしたが「まだ税調がある」。午前中も、大蔵省の財政・金融分離問題について「与党協議はもう終わったんですか」と記者に逆質問し、内閣のスポークスマン役を忘れて、都合の悪い質問にはほおかぶり。《共同通信》

【小渕恵三外相】地雷禁輸へ合意づくり

小渕恵三外相は3日午後(日本時間4日朝)、オタワで開かれた対人地雷全面禁止条約の調印式で演説、同条約の実効性を確保するため、来年1月から始まるジュネーブ軍縮会議での米国、中国、インドなど条約未調印の国を含めた新たな対人地雷禁止条約交渉の早期開催のその第一段階として「地雷の輸出禁止」に向けた関係国の合意づくりを目指す決意を表明した。

外相はこの後、日本政府を代表して同条約に調印した。調印は条約交渉を中心となって進めたカナダなど3カ国から順次進められており、同夕までに日本を含めイギリス、フランスなど82カ国が調印、最終的に125カ国に達するとみられる。

外相は演説で、地雷被害者をなくすための「犠牲者ゼロ・プログラム」と名付けた活動を展開し、「21世紀のできるだけ早期」に実現を図る考えを強調。

対人地雷除去活動や地雷機牲者への支援策として①地雷除去関連機材や技術の供与②被害者の義肢製作、職業訓練などの技術協力③被害者の医療、リハビリ施設、機材の供与–などに充てるため「今後5年間をめどに100億円規模の支援」を実施する考えをあらためて表明した。

また地雷埋設国の除去技術を共有するため来年5月にカンボジアで開催される国際会議を支援するほか、自動小銃などの過剰蓄積を規制する「小火器に関する国際専門家会合」を、来年中に東京で開催する意向を示した。《共同通信》

【土井隆雄宇宙飛行士】二回目の船外活動

米スペースシャトル「コロンビア」に乗った日本人宇宙飛行士、土井隆雄さん(43)は、米中部時間3日午前3時(日本時間同日午後6時)すぎから二回目の船外活動(宇宙遊泳)を実施した。

クレーンと浮遊式ロボットカメラ「スプリント」のテストを目的とした船外活動は約5時間に及び、3日午前8時(同午後11時)に終了。土井さんは船外作業にすっかり慣れた様子で、今回の飛行の主な任務を完了した。

白い宇宙服姿の土井さんは、衛星回収に挑んだ先月24日同様、ウィンストン・スコット飛行士(47)とコンビを組み、船内と船外をつなぐエアロック(気密室)のドアを開け、宇宙空間にさらされた貨物室へと泳ぎ出た。

二度目なので体を慣らす時間は省略された。まず、宇宙基地で船外活動に使うクレーンの再試験を実施。

スプリントの宇宙初試験は、スコット飛行士が足場を固定して静かに放出。スプリントは船内からのリモコン操作で貨物室の上を浮遊しながら、シャトルの船体や地球の画像を地球に送ってきた。

乗組員は3日正午前(同4日未明)に就寝。今後は米東部時間5日朝(同夜)のケネディ宇宙センター(フロリダ州)への帰還に向けて準備に入る。《共同通信》



12月3日のできごと