平成2792日目

平成8年8月30日(金)

1996/08/30

【新党さきがけ】新代表に井出正一氏

新党さきがけは30日午前の臨時総務会で、代表に井出正一氏(元厚相)、代表幹事に園田博之氏を充てる人事を正式決定した。

代表に推す声が高かった菅直人厚相は、留任する田中秀征経企庁長官とともに、副代表に就任。新陣容を整えたことで、代表幹事を努めた鳩山由紀夫氏の離党、武村正義代表の辞任という深刻な事態に揺れた党内体制を立て直し、党の結束を図る構えだ。

井出氏は決定後、記者団に対し「3年前、自民党を離党した際の原点」を強調、政界再編の「先駆け」となる意向を示したが、同氏の政治力で連立政権内の調整、次期総選挙を乗り切れるかどうかは「未知数」であり、新体制の行方は不透だ。

井出氏は新党問題については「(党内に)新党を目指す方向と、独自の理念を磨いて共鳴できる人を結集するという二つの考え方がある」と指摘するにとどまり、今後党内で協議する考えを示した。

この日の総務会では、調整役の園田氏が新代表に井出氏を推すに至った経緯を説明。井出氏は一時就任に難色を示す場面もみられたが、出席議員が相次いで就任を求めたため最終的に受諾した。決定後、武村氏は記者団に「井出氏が受けてくれてほっとしている。新しい気持ちで再出発したい」と述べた。

今度の人事をめぐっては、党内若手を中心に菅氏を推す声が強かったが、鳩山氏との新党づくりを進めてきたことを理由に強く固辞。田中、園田両氏と同じ三回生で、厚相経験がある人柄温厚な井出氏に落ち着いた。

鳩山由紀夫氏は30日午前、さきがけの代表に井出正一元厚相が決まったことについて「優れた人だ。さきがけをリードするものと期待している」と述べた。菅直人厚相の新党不参加については「将来、志を近づけて一緒の舞台に立てることもあると期待している」と述べた。《共同通信》



【鳩山由紀夫氏】新党さきがけを離党

鳩山由紀夫氏は30日午後、新党さきがけの党本部を訪れ、井出正一代表に離党届を提出、受理された。鳩山氏はこの後、国会内で記者会見し、新党の政治理念として①経済至上主義からの脱却②市民中心社会への転換③利権政治の追放–の3点を強調した。

また「未来に責任を持つ政治」を目指す立場から、新党の活動期間を2010年まで14年間の「時限政党」とし、この間に政策の具体化に全力を挙げる考えを表明した。

さきがけからは同日午後、簗瀬進、五十嵐ふみひこ両氏が離党届を提出、田中甲氏も週明けに離党し「鳩山新党」に参加する。鳩山氏の弟で新進党の邦夫氏も9月2日に離党する予定で、鳩山氏は参加者が「20人を超える」と述べた。

新党の旗揚げは9月22日を予定、これに先立ち11日ごろに重点政策を発表する。新党の橋本政権への対応について鳩山氏は「他党と妥協して自らの政策を薄めて政権につきたいと思ってはならない」と指摘、「是々非々の立場」で臨む考えを強調した。また、さきがけとの今後の関係については「(選挙協力なども)将来は視野に入れることができる」と述べた。

政治理念に基づく具体的政策として、鳩山氏は①受験地獄解消のため六・三・三制を「六・六」制に改める教育改革②市民の政治参加の意識向上を目指し「首相公選制」導入③衆、参両院議員の定数をそれぞれ300と94まで削減④予算編成権の内閣移管などの大蔵省改革―などを挙げた。《共同通信》

【チェチェン共和国】共同宣言調印へ交渉

ロシア南部チェチェン共和国の紛争解決に当たるレベジ安全保障会議書記は30日、チェチェン入りした後、隣接するダゲスタン共和国のハサブユルトで、チェチェン共和国の地位規定を盛り込んだ共同宣言の調印を目指し、独立派のマスハドフ参謀長との交渉を始めた。

今回の独立派との交渉は29日のエリツィン大統領との電話会談を受けたもので、調印にこぎ着けることができれば、先の停戦合意を踏まえ、紛争を終結に導く重要な政治文書となりそうだ。ただ、最終的な地位規定は事実上棚上げとし、継続協議になるとみられ、対案を突き付ける構えの独立派がすんなり応じるかどうかは微妙だ。《共同通信》



8月30日のできごと