平成2789日目

平成8年8月27日(火)

1996/08/27

【菅直人厚相】O-157「堺市は沈静化」

病原性大腸菌O-157による食中毒被害の対策関係閣僚会議で、菅直人厚相は27日、全国的には散発事例もあり、依然として警戒を要すが、大阪府堺市での二次感染者は8日以降増えておらず、沈静化してきているとの認識を示した。また、全国の食品の汚染実態調査などでも菌の検出率は低く「衛生管理の徹底などで国民に心配ないよう努める」と報告した。

ほとんどの地域で9月から再開される学校給食については、文部省と協力して9、10月を点検強化月間とし、調理施設への立ち入り検査を行い衛生管理に万全を期すことを強調した。 会議では、被害状況に対する現状分析や発生防止対策について協議した。

全国で実施された食品の安全点検調査で、菌が検出されたのは4440検体中、加熱用牛ホルモンなど6検体を含む7検体だけで全体の0.2%。と畜場などの自主検査で菌が出たのは検体数3167のうち牛の枝肉の1検体だけの検出率0.03%との結果も報告された。

また、感染の原因究明に関し、大阪府の被害で新たに患者7人が羽曳野市の農園から出荷されたカイワレ大根を食べていたことが分かったとする調査結果を示した。

病原性大腸菌O-157による食中毒で27日、菅直人厚相が「大阪府堺市は沈静化」との認識を示したことに対し、6500人を超える大量の患者が出た大阪府堺市の対策本部では「まだ早いのでは」と戸惑いの声が上がった。

この日は対策本部長の幡谷豪男市長は陳情のため、東京出張中、副本部長の倉内喜由助役は「現状を客観的にみれば、大臣発言の通り『沈静化』の方向かもしれない」としながら、まだ31人が入院中で、食品業界の混乱も収まっていないことから、「市民が安心できる状況とは言えず、被害が終息したわけではない」と話した。《共同通信》



【新党さきがけ】分裂状態に

新党さきがけの鳩山由紀夫氏は27日午前、園田博之副代表に「現在の自分の身の上を考え、与党の政策論議に出るのは適切ではない」として代表幹事辞任の意向を伝え、事務局に辞表を提出した。自民党の加藤紘一幹事長らにも代表幹事辞任を電話で伝えた。

鳩山氏は同日夕、武村正幾代表との会談で離党の意向を伝えるとみられ、さきがけの分裂は確実となった。これにより「鳩山新党」に向けた多数派工作が激化。さがけ、社民党、新進党などから十数人の同調者が出る見通しだ。

鳩山氏は同日朝、都内で記者団に対し「(武村氏との会談は)物別れに終わる可能性もあるかもしれない」と、妥協は困難との見方をし「そのようなときは、お世話になったさきがけだが、自分なりの決意をしなくてはならない」と述べ、離党する考えを表明した。

「鳩山新党」にさきがけ内から、簗瀬進氏ら当選1、2回生の5人前後が参加。菅直人厚相を含め当選3回以上の幹部で、参加の意向を示している議員はいない。党外からは弟の鳩山邦夫氏(新進党)のほか、社民党「創志会」の赤松広隆氏らが参加の方向。新党は十数人規模となりそうだ。新進党の船田元氏は不参加の見通しだ。

新党が小規模にとどまることについて、鳩山氏は「国民の期待にこたえる政党を、一人ひとりの決断で求めるわけだから、最初から大人数になることは期待できない、少数で構わない」と述べた。赤松氏は、名古屋市内で記者団に「鳩山新党の構想は期待する方向に進んでいる。新党の人数にはこだわらない」と述べた。市民リーグの海江田万里氏は同日午前、「鳩山氏には新党に行くと話している。大願成就しなければならない」と述べた。

一方、武村氏は同日朝、自治労大会出席のため訪れている広島市内で社民党の村山富市党首と朝食を共にしながら会談。武村氏は記者団に「皆の意見を代表しながら話をしたい」と述べた。《共同通信》

新党さきがけの鳩山由紀夫氏は27日夕、党本部で武村正義代表と会談し、新党問題について大詰めの協議を行った。鳩山氏は会談で「幅広い結集の思いの下、申し訳ないが(新党参加見送りを)考えてもらえないか」と、武村氏に新党不参加を要請したが結論に至らず、28日午前、再会談することになった。

鳩山氏は会談終了後、記者団に「明日の会談は厳しいが、合意を目指して努力する」と述べたが、武村氏は「明日以降は会談をすることなしに結論を出し、その後それぞれ会見するだろう」と述べた。

両氏の主張の開きは依然大きく、妥協は困難な情勢。鳩山氏は、さきがけを離党し新党結成を呼び掛ける構えを変えていない。《共同通信》

新進党の鳩山邦夫氏は27日夜、新党さきがけの武村正義代表と鳩山由紀夫氏の会談が結論を持ち越したことについて「時間がかかっても構わない。兄と武村氏が理解して別の道を歩めるまで話し合ってほしい」と記者団に述べた。

また「兄の行動力、信条、信念を貫く力に予想より強いものがあり、ここまで来た。兄を信じるのみだ。党利党略、権力亡者でない政党を作りたい。だれとだれが合わさって(数が)いくつという政治では日本の政治を変えていくことはできない」と述べた。

新進党の船田元氏も同夜、記者団に「一定の結論を出そうと努力しており、一定の評価をしたい。新党が国民の期待を担っていくには、古いしがらみを断ち切らないといけない」と述べ、武村氏を排除する由紀夫氏の姿勢を支持した。《共同通信》

【福島県郡山市】男子高生、女子高生殺し埋める

27日午後4時ごろ、福島県郡山市内の17歳の女性が「市内の17歳の男子高校生が、16歳の女子高生を殺したようだ」と郡山署に届けた。同署でこの県立高校二年の男子生徒と母親(35)から事情を聴いたところ「自分の家で女子高校生を殺し、同市の山林に埋めた」と自供、供述通り山林から遺体が発見されたため、同日深夜、殺人、死体遺棄の疑いで高校生を逮捕するとともに、死体遺棄の共犯で母親を逮捕した。

調べによると、殺害されたのは郡山市、私立高二年A子さん(16)。男子高校生は「27日、自宅で殴ったり、首を絞めたりして殺した」と供述しており、同署は動機やA子さんとの関係などを追及している。遺体が埋められていた現場は、郡山市郊外の山林で、磐越自動車道の近く。《共同通信》

【マラソン・谷口浩美選手】コーチ業に重点

男子マラソンの谷口浩美(旭化成)は27日、先のアトランタ五輪で19位に終わったことを踏まえ「肉体的なピークをすぎ、世界と戦えなくなった以上、引退しかない」と話し、今後もマラソンを続けるものの、競技の一線からは退く意向を表明した。同選手の進退については、宗茂・旭化成陸上部監督がことし4月、谷口が五輪を最後に一線から身を引くことを明らかにしていた。

北海道・士別で合宿中の谷口は、同五輪の中盤で脱落したことに言及。「屈辱的で、ショックだった。1993年12月の福岡国際マラソンで不整脈が出て以来、頑張って走ろうとすると、体が拒否反応を示した。日本代表に選ばれたとしても、息苦しく思う」と胸の内を語った。今後はコーチ業に重点を置き、年間1、2レースのペースでマラソンを走りたいという。同五輪後の初レースは11月の九州一周駅伝になる予定。

谷口は91年には東京での世界選手権で日本選手初の金メダルを獲得。期待された92年バルセロナ五輪はレース中に転倒して8位、再挑戦のアトランタ五輪は、日本の五輪マラソン史上最高齢の36歳での出場だった。《共同通信》

【ドジャース・野茂英雄投手】13勝目

米大リーグ、ドジャースの野茂英雄投手は27日、エクスポズ戦に登板し、7回1失点で昨シーズンと並ぶ13勝目(10敗)を挙げた。エクスポズとは今季初対戦の野茂は三回、四球と安打で1点を与えたが、その後は安定したピッチング。七回、連打による無死一、二塁のピンチは走塁ミスと2三振で切り抜け、この回限りでマウンドを降りた。6安打、4四球で奪三振は6。

ドジャース打線は四回に犠飛で同点とした後、ギャグニーの2ランで勝ち越し。五回はモンデシーの2点二塁打でリードを広げた。5−1で勝ったドシャースは5連勝。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】ペルー・フジモリ大統領と会談

ペルー訪問中の橋本龍太郎首相は27日午前(日本時間同日深夜)、フジモリ大統領とリマ市内で会談し、ペルーのアジア太平洋経済協力会議(APEC)への新規加盟を日本が全面支援する方針を表明した。

両首脳は、両国関係の強化に向けて①中南米では初めて円借款の供与を毎年実施②青年海外協力隊の派遣再開③日本政府の経済協力総合調査団の11月派遣−で合意。国連安全保障理事会改革、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期妥結の必要性でも認識が一致した。

双方は日本からの移住100周年に当たる1999(平成11)年中に大統領が訪日することを確認。大統領は天皇、皇后両陛下のペルー訪問を招請した。

橋本首相はフジモリ大統領がインフレを抑えて経済成長を達成すると同時に、テロ撲滅にも努めていることに対して「敬意を表したい」と評価、大統領は「日本の経済援助は重要で、ペルーの発展に不可欠だ」と述べ、引き続き協力を要請した。

首相はアジア各国との経済交流拡大を目指すペルーのAPEC加盟について「日本が支持するのは当然だ」と協力を約束。併せて、移民100周年の記念事業として「橋や病院建設などで要請があれば検討したい」と提案した。《共同通信》



8月27日のできごと