平成2728日目

平成8年6月27日(木)

1996/06/27

【中学教科書検定】全社が「慰安婦」記述

文部省は27日、来春から中学校で使われる教科書の検定結果を公表した。戦後半世紀を景気に「従軍慰安婦」の記述が社会科歴史の全社で登場。日本による植民地時代の加害事実の記述自体は、規制しないという緩和の流れが定着した。

だが、アジア各国の被害者が求める戦後補償に関する記述には「国家間賠償は解決済み」という検定意見が付き、書き加えられた。自衛隊の記述も厳格に点検するなど、国の基本政策については政府見解を踏まえるよう求める従来の検定姿勢を維持している。

整理・縮小を求める声が高まっている沖縄の基地問題は、急ききょ追記して取り上げた社も含め半数以上が記述。その中で日米安保条約の見直しに触れた内容も認められた。一方、学校選5日制の拡大に対応して、数学で4社が総ページ数を減らすなど内容削減の傾向もわずかに見せ始めた。

中学校教科書の検定は、現行学習指導要領で2回目。9教科106点の申請に対し、すべて合格とした。7社申請の社会科は地理、歴史、公民の各分野で韓国・朝鮮人らの強制連行、従軍慰安婦、サハリン残留などの個人に対する戦後補償問題を取り上げる例が目立った。《共同通信》



【自民党・野中広務幹事長代理】「自民の過半数、難しい」

自民党の野中広務幹事長代理は27日午後、名古屋市内で講演し、次期衆院選の獲得議席について「比例代表を加えても自民党が単独過半数を取る自信は出てこない。まして新進党が(過半数を)取る見込みはないと確信を持って言える」との見通しを明らかにした。

ヤミ献金疑惑に関連して党内の一部に批判がある加藤紘一幹事長の去就について「幹事長がこの問題で職を解かれることはない。重大な選挙を前にした難局を加藤幹事長を中心に乗り切っていきたい」と述べ、交代に否定的見解を表明。執行部の世代交代路線に反対するベテラン議員らをけん制した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・梶山静六官房長官は27日午前の定例記者会見を「静養のため」として、急きょ取りやめた。代理を務めた古川貞二郎官房副長官は会見終了後、思わず「緊張しましたが、質問もなかった」とほっとした様子。当の梶山氏は、午後の会見終了後、記者団に「(古川氏が)緊張していたというのは本当は緊張していないんだ」と涼しい顔。「ぼくなんか最初(の会見)はハリネズミみたいだったよ」と、殊勝なことを言いだしたが、梶山氏には似つかわしくない発言に記者団も苦笑い。

○・・・自民党の野中広務幹事長代理はこの日午後、名古屋市内のホテルで講演。司会者から「新進党の小沢一郎党首が最も恐れる政治家」と紹介されると、「ありもしない実力があるように言われているだけで、全くの虚像。むしろ気の弱い人間です」と切り出した。話の中でも、自ら理事長を務める重度障害者の施設を説明しながら「(社会福祉の基本は)家族であり、地域社会であり、互いに愛し合い、助け合う気持ちだ」と述べ、ことさら「融和」を強調。著書などで小沢批判を展開する野中氏だが、“武闘派”だけではないことを強調したかったのか。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】半導体交渉「EU外さない」

橋本龍太郎首相は27日、先進国首脳会議(リヨン・サミット)を前にリヨンでサンテール欧州委員会委員長と会談し、交渉が難航している日米半導体協定の存廃問題について、欧州連合(EU)を交渉から外し、日米ですべてを決める考えはないことをあらためて伝えた。

橋本首相は同時に日本側が先に提案したEUなどを含む半導体産業の発展のための枠組みづくりを目指した「多国間政府フォーラム」に触れ、EUの半導体関税の撤廃が不可欠との考えを示した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】米・クリントン大統領と会談

橋本龍太郎首相は27日夕(日本時間28日未明)、先進国首脳会議の開幕に先立ち、クリントン米大統領とフランス・リヨン市内のホテルで会談した。

冒頭、大統領はサウジアラビアの爆弾テロ事件を受けたテロ対策について「サミットで首脳レベルの支持があると信じる」と表明、首相も「大統領を全力で支える」と述べ、テロ対策の提案を支持、協力していく考えを明らかにした。

首相は半導体、保険、航空の3分野について「われわれは闘うためにここにいるのではない。解決のための努力は必要だが、解決できると信じている」と表明した。

両首脳による会談は3回目で、4月の安保共同宣言で滑り出した冷戦後の日米安保関係の強化を再確認することに重点を置き、「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)の見直しでは9月下旬の閣僚による日米安保協議委員会(2プラス2)までに中間報告をまとめる方針で合意する見通し。《共同通信》

【リヨン・サミット】開幕

第22回先進国首脳会議(リヨン・サミット)は27日夜(日本時間28日未明)、フランス・リヨン市で開幕した。サウジアラビアの米軍基地爆弾テロ事件という新たな事態を受け、参加7カ国(G7)首脳と欧州委員会委員長による初日の夕食会ではテロ対策が緊急議題となり、議長のシラク・フランス大統領は「テロに関する宣言」の採択を提案、了承された。

夕食会後、シラク大統領は「テロが今日の社会と国家に対する重大な挑戦であるとの信念を強めた。すべての国に対しテロリストへのいかなる支持も行わないよう強く求める」とするテロ非難の宣言を発表、7月中にもパリで各国外相らによる関係閣僚会議を開くことを明らかにした。

ロシア問題も中心議題となり、G7はロシアの民主化努力を引き続き支援する方針を確認した。夕食会では、中国問題について橋本龍太郎首相が主に発言し、中国の世界貿易機関(WTO)への加盟実現が重要との考えを表明した。

テロに関する宣言は当初は予定になかったが、クリントン米大統領が強い懸念を表明、急きょ実現した。《共同通信》



6月27日のできごと