1996 平成8年3月2日(土)

平成2611日目

平成8年3月2日(土)

1996/03/02

【アジア欧州首脳会議】閉幕

バンコクで開かれていたアジア欧州首脳会議(ASEM)は2日閉幕し、議長のバンハーン・タイ首相は、両地域が協力し一層の成長を目指す「包括的なパートナーシップ」をつくり上げたと宣言する議長声明を発表した。

議長声明は、政治対話、経済協力、文化交流や環境保護など幅広い分野での協力拡大をうたい、次回首脳会議は2年後に英国で、4年後には韓国で開催することを明記、ASEMは定例化することになった。

声明によると、両地域の貿易・投資の自由化、とりわけ欧州が米国に比べて遅れているアジアへの投資拡大を目指し、今後タイで開く作業部会が半年以内に「投資促進行動計画」を作成することを決めた。

また、民間経済界が意見を交換するビジネスフォーラムの設立会議を年内にフランスで開き、さらに来年は日本でアジア欧州経済閣僚会議を開く。外相会議も場所は未定ながら来年開催、さらに蔵相会議の開催も検討する。このほか、両地域の学生・研究者の交流計画など、文化交流の促進も強調している。

政治的対話の原則としては、両地域の「相互尊重」「平等」を指摘。声明の草案作成段階で欧州が人権尊重を重視、アジア側が内政不干渉を強調して対立していたが「基本的権利の促進」「直接、間接を問わず内政に干渉しない」と双方に配慮する表現を盛り込んで決着した。

閉幕後の記者会見で、欧州連合(EU)議長国イタリアのディーニ首相は「首脳会議は方向性を打ち出すものだが、極めて多くの具体的提案が出て驚いた」と述べ、会議の成果を高く評価した。《共同通信》

橋本龍太郎首相は2日夕、バンコク市内で開かれていたアジア欧州首脳会議(ASEM)の閉幕を受けて記者会見し、今回の会議について「アジアと欧州の首脳が一堂に会し、将来に向けた議論をする場であった。建設的な対話を通じて歴史的会合ができた」と同会議の成果を強調した。

同時に「冷戦後の国際的な役割や政治、安全保障、経済など包括的な問題についてアプローチできたのは適切だった。各国首脳との信頼関係も構築できた」と同会議の成果を強調した。

首相は内外記者団の質問に答え、緊迫している中台関係について「台湾海峡の緊張に懸念を持たない人はいない。両当事者が冷静に対応することを強く願う」と述べ、重ねて双方に自制を求めた。《共同通信》



【福永祐一騎手】中京競馬場で初騎乗・初勝利

愛知県豊明市の中京競馬場は、かつての名ジョッキー福永洋一さん(47)の長男、祐一騎手(19)の華麗な連勝デビューに沸いた。

第2レースにマルブツブレベストで、芹沢騎手以来、8年ぶりという初騎乗初勝利、続く第3レースでもレイベストメントで1着となり、栗田伸一騎手以来、17年ぶりのデビュー2連勝を成した。しかも、いずれも一番人気に推されての勝利だった。《共同通信》

【スピードスケートW杯】日本勢、世界新ラッシュ

スピードスケートのワールドカップ(W杯)カルガリー大会第2日は2日、当地の五輪オーバルで男女計5種目を行い、男子500メートルで清水宏保(日大)が35秒39の驚異的な世界新記録で優勝した。従来の記録はダン・ジャンセン(米国)が1994年に出した35秒76。男子500メートルで日本選手が世界記録をマークしたのは1970年の鈴木恵一以来、26年ぶり。

男子1500メートルでは野明弘幸が、ヨハンオラフ・コス(ノルウェー)の持つ1分51秒29の世界記録を大幅に更新する1分50秒61で優勝。日本選手ではW杯初の中距離種目での総合優勝を果たした。

既にW杯500メートルの総合優勝を決めていた堀井学(新王子製紙)も、ジャンセンの記録を上回る35秒67で2位だった。

女子500メートルでは岡崎朋美(富士急)が、世界歴代2位に当たる38秒92の日本新記録で優勝した。岡崎は連日の日本記録更新。同1000メートルでの楠瀬志保(佐田建設)、同3000メートルの上原三枝(JNF)もそれぞれ日本新をマークしてともに3位に入った。《共同通信》

【第4回ミズノ・オピニオンズ・コンサート】

近代オリンピック100年の歩みをたどりながら、今後のオリンピックの在り方を考える「第4回ミズノ・オピニオンズ・コンサート」が2日、東京の渋谷公会堂で開かれ、柔道の田村亮子選手(20)らメダリストがトークショーやシンポジウムに参加した。

田村選手はバルセロナ大会で金メダルを逃した時の悔しさを振り返り「あの時、自分の目標ははっきりしていなかった。今度のアトランタは、金、という目標がある点が前と違う」と、今大会への自信みせた。

ヘルシンキ以後4回のオリンピックに出場した体操の小野喬氏(64)は「外国選手の技術を学ぼうと、8ミリカメラを持って行った。研究の成果がその後の体操日本の伝統を築いた」と、技の獲得にしのぎを削った苦労話を披露。

ハンマー投げの室伏重信氏(50)はモスクワ大会での西側諸国のボイコットにふれ、「当時絶頂期を迎えていたマラソンの瀬古(利彦)さんらはかわいそうだった」と、不参加決定が選手に与えたショックを振り返った。

ロサンゼルス大会の陸上女子100メートル金メダリスト、エベリン・アシュフォードさんは「初めての開会式の印象は忘れられない。世界が一カ所に集まっていた」と世界の選手が一堂に会する素晴らしさをたたえた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】韓国・金泳三大統領と会談

橋本龍太郎首相と韓国の金泳三大統領は2日夕(日本時間同日夜)、バンコク市内のホテルで会談し、最近の日韓関係悪化の原因となった竹島(韓国名・独島)問題を事実上切り離して、国連海洋法条約に基づく200カイリの排他的経済水域設定と漁業協定の交渉を早急に始めることで合意した。開催が危ぶまれていた首脳会談が実現、漁業交渉-開始で合意したことにより、関係修復への足掛かりができた。

首相は「新しい海洋秩序を築く海洋法条約締約国になることで、両国関係が悪化することがあってはならない」と関係修復に強い決意を示した。しかし竹島問題について首相が「日本の立場は一貫している」と述べたのに対し、大統領は「歴史的にも国際法上も韓国の領土だ。日本の領有権の主張は容認できないし、非常に遺憾だ」と強く反論し、領有権では対立した。

首相は歴史認識に関連「日本は過去の歴史から逃れるわけにいかない」として、過去の植民地支配への反省の気持ちをにじませた。大統領は「不幸な過去は忘れることはできない」と指摘したが、双方は、過去を直視しながら「未来志向」の日韓関係を築くことを確認。民間の歴史研究を支援することでも合意した。大統領は橋本首相の訪韓を招請した。

朝鮮半島情勢に関連、大統領は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)について「構造的食糧不足に加え、水害が上乗せになっている。エネルギー情勢も厳しいものがある」と説明。北朝鮮政策では日韓両国が緊密に連携を取りながら対応する方針を再確認した。

双方は朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)成功への協力でも一致。首相は米国に重油代金負担の努力、欧州諸国に一層の貢献を働き掛けるべきだと述べた。《共同通信》

【豪・総選挙】保守連合が圧勝

オーストラリア総選挙は2日投票、即日開票の結果、保守系野党連合の自由党・国民党連合が地滑り的勝利を収め、13年にわたり長期政権を維持してきた与党労働党からの政権奪回を決めた。

次期首相に就任するジョン・ハワード自由党党首(56)は同日夜、勝利宣言し「私に柔せられた責任の重さをかみしめている」と語った。一方、キーティング首相(52)は敗北を認め、労働党党首を辞任する意向を明らかにした。

国営ABCテレビによると、開票率73.2%の段階で、保守連合は下院定数148のうち88議席獲得を確実にし、最終的には95議席まで伸ばす勢い。与党は50議席程度にとどまる見通しだ。前回1993年の総選挙では労働党80議席、保守連合65議席だった。

保守連合は「もうたくさん」をスローガンに、労働党の長期政権に対する有権者の飽きに訴え、終始優位に立った選挙戦を展開。またオーストラリア社会の保守化傾向も圧勝に拍車を掛けた。

保守連合は、外交政策ではアジア諸国との関係強化を推進したキーティング政権の方針を大筋で引き継ぐことを公約しており、政権が交代してもアジア重視の姿勢に大きな変化はない。しかし、もともと親英、親米の体質を持つ保守連合だけに、今後の対アジア姿勢がどうなるか注目される。

英国女王を元首とする君主制から共和制への移行問題でも、保守連合は憲法改正を話し合う会議を開いて検討することを約束しており、シドニー五輪の開かれる2000年までに移行を目指したキーティング政権に比べトーンダウンが予想される。《共同通信》

【飯干晃一さん】死去

映画化されて大ヒットした「仁義なき戦い」などで知られる作家飯干晃一さんが2日午前0時46分、急性心筋梗塞のため東京都港区の東京船員保険病院で死去した。71歳。大阪府出身。

長女のタレント飯星景子さんや所属事務所によると、1日夜、自宅で急に気分が悪くなり、救急車で病院に運ばれたが、容体が悪化し、そのまま死亡した。

読売新聞記者から作家に転身し、記者時代から組織暴力団追求に力を入れ、著書も「仁義なき戦い」や「日本の首領」「山口組三代目」など暴力団関連のものが多く「山口組ウォッチャー」として知られた。最近はオウム真理教事件などについても発言。昨年は暴力団と企業の癒着をめぐる小説を出版した。《共同通信》



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