平成2526日目

平成7年12月8日(金)

1995/12/08

【宗教法人法改正】成立

今国会最大の焦点だった宗教法人法改正は8日午前の参院本会議で自民、社会、共産各党などの賛成多数で可決、成立した。

平成会(新進党、公明など)は「改正案は信教の自由を侵す」として反対。審議では与野党攻防が厳しかったものの「政治と宗教」をめぐる問題に決着がついたとは言えず、次期通常国会でも優遇税制見直しや池田大作創価学会名誉会長の国会招致を中心に激突必至の情勢だ。

改正内容は①二つ以上の都道府県で活動する宗教法人の所轄庁を文相とする②宗教法人に収支計算書などの所轄庁への提出を義務付ける③信者に財務関係書類の閲覧請求権を認める④所轄庁は認証取り消しなどの疑いがある場合は宗教法人に報告を求め、質問できる−の4点が柱。

昭和26年の宗教法人法施行以来、単独での法改正は今回が初めて。政府与党がオウム真理教事件を契機に「宗教法人の活動範囲が拡大し、行政が実態を把握することが必要」としたのに対し、新進党は「拙速過ぎる。今、改正する理由はなく、宗教弾圧にもつながる」と強く反発した。

審議の過程で自民党は巨大宗教団体の選挙活動は憲法の政教分離原則に触れるとして、これを問題ないとする政府に憲法の解釈変更を強く要求したが、村山富市首相は従来の政府見解を引き継ぎ、見直す意向のない考えを表明。また、宗教法人などの公益法人に認められている軽減税率などの優遇税制措置の見直しも要求、武村正義蔵相は政府や一与党の税制調査会で議論していく必要性を強調した。

自民、新進両党の政治的思惑が前面に出る形で審議が進んだが、自民党は今回見送られた創価学会の池田大作名誉会長の参考人招致と優遇税制見直し問題について今後も要求する方針だ。《共同通信》



【PL・福留孝介内野手】近鉄入団を拒否

近鉄がドラフト1位に指名した大阪・PL学園高の福留孝介内野手(18)が入団を拒否し、社会人野球の日本生命に進むことが8日、正式に決まった。同日、福留が竹中野球部長と大阪市中央区の日本生命本店を訪れ、常見野球部長に入社の意志を伝えた。

近鉄側には正式に入団拒否を通告しておらず、筑間球団社長も獲得断念を表明していないものの、交渉は事実上、打ち切られることになった。《共同通信》

【IOC・のサマランチ会長】村山富市首相を表敬訪問

国際オリンピック委員会(IOC)のサマランチ会長は8日午後、首相官邸に村山富市首相を表敬訪問した。首相は「長野オリンピックで新しい競技が加わることは有意義だ。これからもIOCの指導、協力をお願いしたい」と述べた。サマランチ氏は「私の印象では長野の準備は良好だ。今後も政府の協力が重要だ」と協力を要請した。

首相が2002年のサッカー・ワールドカップの日本招致に支持を求めたのに対し、サマランチ氏は「来年6月の国際サッカー連盟理事会の投票がいい方向にいくよう期待する」と述べた。《共同通信》

【高速増殖炉原型炉もんじゅナトリウム漏洩事故】

来年の本格運転を目指し、起動試験中の高速増殖炉原型炉もんじゅ(出力28万キロワット、福井県敦賀市)で8日夜、二次冷却系のナトリウム配管室で温度の異常を示す警報と火災報知機が作動、白い煙が出ているのが見つかった。動燃は午後9時20分に炉を手動停止した。配管から漏れたナトリウムが外気に触れて煙が生じたとみられ、動燃は午後10時40分から、問題個所を流れるナトリウム250トンを配管から抜き、トラブルの原因を調べる。

動燃では、これまでのところ、周辺環境への放射能の影響はないとしているが、専門家らはナトリウム漏えい事故は高速増殖炉のアキレスけんとしており、関係者は技術的に重大なトラブルと深刻に受け止めている。

福井県原子力安全対策課によると、同日午後7時47分ごろ、原子炉から出た一次冷却系ナトリウムの熱を二次系ナトリウムに伝える3台ある中間熱交換器のうち、1台のナトリウム出口付近で「ナトリウム温度高」を示す警報が鳴った。

このため運転員が部屋に駆け付けて調べたところ、中間熱交換器と、発電機を動かす蒸気をつくる蒸発器とをつなぐナトリウム配管が通る補助建屋内が白煙で充満していたため、炉を停止することを決め、午後8時から出力降下を始めた。

もんじゅは何らかのトラブルの際、原子炉を安全に自動停止させる試験を9日に行うため、6日に炉を起動。8日午後4時半には発電機を動かし、40%の出力で送電を始めるなど試験の準備を進めていた。《共同通信》

【新進党党首選】事実上のスタート

新進党の小沢一郎幹事長は8日夜、党首公開選挙で同氏の擁立を目指す議員グループに対し「自分の気持ちも整理、割り切れた。できれば要請におこたえしたい」と述べ、出馬を事実上決断したことを表明した。羽田孜副党首も同日夜、都内のホテルで記者会見し「私心を捨て、再び日本を改革する努力の先頭に立ちたい」と立候補を正式に表明した。

これにより、今月16日告示の初の党首選は事実上スタート。海部俊樹党首は再選に意欲を見せ、8日夜、側近議員らと対応を協議した。ただ、周辺では「新たな動きを見守るべきだ」との声も出始めており、出馬には流動的要素を残している。小沢氏は11日に正式に出馬表明する予定。

小沢、羽田両氏の対決は党内の亀裂を深めると予想され、「結果によっては党分裂の可能性もある」(幹部)と憂慮する声も出ている。

投票は郵送を中心に26日まで行われ、28日に新党首が決定する。小沢氏は支持グループに対し「所得税・住民税を半分に減らし、消費税率を10%に引き上げる」などを柱とした政策を提示、これに理解が得られることを出馬の条件とする考えを示した。10日に海部氏と会談する意向も伝えた。

羽田氏の会見には、奥田敬和、船田元両氏ら旧新生党議員を中心に旧公明、民社、日本新党グループから計41人が同席、12人が代理出席した。羽田氏は決意表明とともに、「国際社会で信頼される新しい日本へ」などの政策骨子を発表した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は8日午前、首相官邸を訪れた地元大分県の共済組合関係者を前に、野党時代に年金問題に取り組んだ昔話をひとしきり。大分弁も交えてにこやかに話を続け、秘書官に促されようやく切り上げたほど。地元関係者は「総理は年金の神様だ」と記者団に語るほどの持ち上げようで、このあたりが首相の上機嫌の理由のよう。この後記者団が「今は何の神様になりたいか」と聞くと、首相は「いやいや神様じゃないよ」とそっけない返事。社会党の新党結成問題が目下の首相の悩みのタネだが、新党の成り行きは「神のみぞ知る」といった心境か。

○・・・久保亘社会党書記長はこの日の記者会見で、新党結成へ向けた来年1月19日の定期党大会について「1986年1月の新宣言が最近では一番近い党改革だが、いよいよ新しい党に変えるところまで来た」と大会の歴史的な意義をアピール。だが同時に「時代は社会党の改革よりいつも先を進んできた。皆さんにも理解あるご批判を随分たまわってきた」と、形式や段取りばかり論議されてきた感がある新党論議を自嘲ぎみに振り返る場面も。新党結成慎重派と推進派に別れて、「お家芸」のゴタゴタを続ける社会党が、「時代の背中」を目にするのはいつの日か?《共同通信》

【DVD】規格統一で合意

次世代の映像・情報記憶媒体であるデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)規格問題で、東芝・松下電器産業連合7社とソニー・フィリップス連合の計9社は八日、都内で代表者会議を開き、規格を統一することで最終合意した。

統一規格は0.6ミリの薄板を2枚張り合わせた東芝連合の「高密度光ディスク(SD)規格」を基本に、ディスクへのデータ記録に必要な信号変調はソニー方式を採用。記憶容量は片面4.7ギガバイトで、映像収録時間は133分、正式名称は「DVD」とする。特許料などを管理する共同出資の新会社を設立する方向で検討している。

代表者会議後、9社は「マルチメディア社会の新メディアとしてDVDを全世界に普及させていく」との声明を発表した。これにより両連合が1年近くにわたって主導権争いを繰り広げてきた規格問題は決着した。メーカー各社は来年秋の商品化に向けて一斉に動き出す。

DVDは音楽用コンパクトディスク(CD)と同じ直径の「夢の光ディスク」で、今世紀最後の大型家電製品と期待されている。昨年12月にソニー連合が厚さ1.2ミリの単板方式、今年1月に東芝連合がSD規格を打ち出して対立。規格分裂のまま商品化される公算が大きくなっていた。

しかし米コンピューター業界が統一を強く迫ったため、9月中旬から統一に向けて協議を続けていた。CDの特許を持つソニー側がDVDを「CDの延長商品」と位置付けようとしていた点について、東芝の西室泰三専務は記者会見で「公式見解はまだ決めていない」と説明。また名称は「デジタル・バーサタイル・ディスク」(バーサタイルは「多目的」の意味)と解釈することも可能と語った。《共同通信》

【エボラ出血熱】西アフリカで再発

世界保健機関(WHO)は8日、西アフリカのコートジボワールでエボラ出血熱患者が見つかり、「感染拡大を防ぐためあらゆる措置取っている」と発表した。今春から夏にかけ、ザイールで起きた同出血熱流行に続き、再び深刻な事態が起きかねない情勢だ。

新たな患者は、リベリア国境に近いコートジボワールのゴゾンの病院に先週収容された。6日にエボラ出血熱の疑いがあるとWHOに通報があり、血液サンプルをパリのパスツール研究所に運んで検査した結果、8日エボラ出血熱と断定された。

WHOはザイールでの経験を生かし、こうした事態に対応する緊急態勢を整えたばかりで、今回はエボラ出血熱の疑いの通報を受け、直ちに緊急対応チームを現地に派遣した。

新たに見つかった患者は隣国リベリアから来た25歳の男性。ザイールでは患者が収容された病院で医療関係者に次々と感染が広がったため、WHOチームはまず、今度の患者の収容先で感染が起きていないかどうか調査中。また、出身地リベリアを含め、この患者がこれまで接触した人々を徹底的に追跡している。患者本人は回復に向かって一いるという。

現地にはリベリア内戦を逃れてきた難民が多数おり、WHOだけでなく、「国境なき医師団」や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を含め数機関が協力して対応している。

ザイールでのエボラ出血熱流行では315人の感染が確認され、うち約8割の244人が死亡した。《共同通信》



12月8日のできごと