平成2517日目

平成7年11月29日(水)

1995/11/29

【目黒公証役場事務長拉致監禁致死事件】初審理

目黒公証役場事務長のKさん=当時(68)=監禁致死事件の逮捕監禁罪などに問われたオウム真理教元幹部MT被告(29)の第2回公判が29日、東京地裁(仙波厚裁判長)で開かれ、同事件が初めて審理入りした。検察側は冒頭陳述で、事件前日の深夜から当日未明にかけて教祖麻原彰晃容疑者(40)が山梨県上九一色村の「尊師めい想室」に幹部井上嘉浩被告(25)ら4人を集め、拉致を命じたと指摘した。

MT被告は「Kさんには大変申し訳ないことをしました」などと逮捕監禁を認めた上で、「目的や麻酔剤を打ったこと、その後どこへ連れて行かれるかなどは知らず、井上(被告)と相談したこともない」と述べた。

冒頭陳述によると、幹部IE被告(34)らは公証役場の土地建物など全財産を寄付し出家する約束をした後、脱会を希望して姿を消したKさんの妹(63)の行方を聞き出すためKさんに接触していたが2月27日、尾行に失敗。

麻原被告は同日深夜から28日未明にかけ、報告を受けてIE被告を厳しくしかり、故村井秀夫元幹部=死亡当時(36)、IE被告、信者中村昇被告(28)、井上被告を山梨県上九一色村の教団施設「第2サティアン」3階の「尊師めい想室」に呼びつけた。

麻原被告はKさんを拉致して教団施設に連行するとの中村被告の提案を了承、中村被告と元信者IY被告(33)に拉致実行を命じ、井上被告に諜報省信者を使って加勢するよう指示した。

中村、IY、井上各被告ら計8人が28日午後4時半ごろ、東京都品川区上大崎三丁目の路上で、Kさんをワゴン車で拉致。MT被告は世田谷区内の公園まで運転役を務めた。

その後、元幹部中川智正被告(33)=殺人罪などで公判中=らが「第2」に運んで監禁し、麻酔剤を打って、妹の居場所を聞き出そうとした。Kさんは3月1日午前11時、麻酔剤の副作用で死亡、中川被告ら同施設の地下室でKさんの遺体を焼却した。

事件後、元教団顧問弁護士青山吉伸被告(35)らが中心となり、事件に間接的にかかわったIE被告の部下数人に対し、麻酔剤と電気ショックで記憶を消す処置や、レンタカーの借り出しに当たった被告の指紋消去手術など証拠隠滅工作が行われた。《共同通信》



【PL学園・福留孝介内野手】近鉄入団を事実上拒否

プロ野球ドラフト会議で近鉄から1位指名されたPL学園の福留孝介内野手(18)は29日、帰省先の鹿児島県で2度目の入団交渉に臨み、最高限度額である契約金1億円、出来高払い5000万円、年俸1200万円の提示を受けた。

しかし入団の可否については25日の第1回の交渉に引き続き態度を保留し、社会人野球の日本生命入りの意思についても「変わりがない」と話した。3度目の交渉日時は未定だが、近鉄側の条件提示も済んだことから、福留は次回にも近鉄側に最終的な意思表明をする可能性が大きくなった。《共同通信》

【経済審議会】新経済計画を村山首相に答申

経済審議会(首相の諮問機関、平岩外四会長)は29日、首相官邸で総会を開き、新しい経済計画「構造改革のための経済社会計画ー活力ある経済・安心できるくらし」(1995ー2000年度)を決め、村山首相に答申した。新計画は規制緩和などによる経済社会構造の抜本的改革を最重要課題として掲げた。

改革が前進するという前提で期間中(96ー2000年度、95年度は低成長の可能性が大きく除外)の実質経済成長率を年度平均3%程度とした。改革が進まない場合は1.75%程度にとどまると警鐘を鳴らし、改革の断行を求めた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は29日、記者団から「政治家にならければ、どんな職に就いていたと思うか」と聞かれ、「僕は政治家になろうと思ってなったじゃないから」と苦笑い。「考える服がなかった。選挙、選挙でね」とかわした。重ねて「今度も周りから推されて新党の党首になるのでは」と意地悪な質問が飛ぶと、首相は「もうトシ「だから。新しい人、若い人に出てもらわんと。これからは新しい時代だからね」。しかし「なりたくてなったわけじゃない」と言いながら委員長、首相と階段を上り詰めた人物だけに、額面通りには受け取れない?

○・・・社会党の永井孝信国対委員長はこの日、記者会見で参院宗教法人特別委員会の参考人招致をめぐる平成会の実力行動について「あのような抵抗は良識の府としてあってはならない」ときっぱり。さらに「宗教団体が常識を超えるものであると思えてならない」「抵抗する裏には何かあるのかと疑念を差し挟まざるを得ない」と厳しく批判した。さらに「創価学会の顔である人から、ご高説を賜ることはあってもいい。宗教法人法が心配なら、トップの方が堂々と胸を広げて話してほしい」と皮肉たっぷりだったが、野党時代の社会党の抵抗ぶりは、さてどうだったっけ。《共同通信》

【自民党・橋本龍太郎総裁】「党務もやっている」

自民党の橋本龍太郎総裁は29日、通産相職を辞任し、衆院選挙準備など党務に専念すべきだとの党内の声に対し「党務もしっかりやっている」と記者団に述べ、総裁と閣僚の両立は可能との考えを強調した。

橋本氏は、梶山静六氏が28日、今国会終了後に通産相を辞任するよう進言したのに対し、その場では明確な返答を避けたものの、周辺には「辞任する状況にない」と漏らした。

梶山氏は、総選挙に勝てる総裁として選出された以上、じっくり党務に専念し新進党に浸食された組織を立て直すべきだとの主張。アジア太平洋経済協力会議(APEC)終了後、橋本氏は党務に軸足を移し遊説にも力を入れているが、まだ不十分との見方だ。

これに対し、党内では橋本氏が党務に専念することほ歓迎するものの、「辞任により政権が不安定になることは避けたい。最悪の場合、野党に転落する恐れがある。そこまでの危険を冒す必要があるのか」(中堅議員)との声が大勢だ。《共同通信》



11月29日のできごと