平成2455日目
1995/09/28
この日のできごと(何の日)
【名古屋高裁金沢支部】「食管法は合憲」
無許可で自由米(ヤミ米)を公然と売り、食糧管理法違反などの罪に問われた富山県婦中町、米穀販売「コメックス」社長川崎磯信被告(59)の控訴判決公判が28日、名古屋高裁金沢支部で開かれ、小島裕史裁判長は罰金300万円(求刑・懲役1年、罰金300万円)を言い渡した一審判決を支持し、被告の控訴を棄却した。同被告は「国の減反政策の違法性を主張したい」などとして即日上告した。
焦点となっていた食管制度の憲法判断について、小島裁判長は判決で「コメの安定供給の仕組みが崩壊することを避けるため、食管制度には合理性が認められる。(コメ販売の)許可制が違憲とは言えない」と述べた。
川崎被告が意図的に作成した裏付けのない帳簿による事実認定は誤認とする同被告側の主張に対しては「押収した関係帳簿などによる推計は不合理でなく、総勘定元帳とも符号する」として退けた。
川崎被告は一、二審を通じ「食管法は職業選択の自由に反し、憲法違反」などと主張。検察側は「コメの流通規制は必要」と反論していた。
食管法は既に廃止が決定、今年11月1日から新食糧法が施行されるため富山地検は控訴せず、被告側が同支部に控訴、初公判で即日結審した。
川崎被告側は、最高裁では食管制度の本質である減反政策の違憲性を中心に争う方針で、減反政策こそが農民に自由に米を作らせず、作った米を自由に売らせないという憲法上の職業選択の自由、財産権の侵害に当たることを訴えるとしている。《北國新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【世界柔道】開幕
柔道の世界選手権は28日、千葉市の幕張メッセイペントホールに100カ国・地域から628選手が参加して開幕した。37年ぶりに世界選手権を開催した日本は、第1日を金メダルなしの銅メダル3個で終え苦しいスタートを切った。
男子95キロ超級の小川直也(日本中央競馬会)と女子72キロ級の田辺陽子(ミキハウス)の両ベテランが準決勝に進出したが、ともに敗れ、3位決定戦に勝っての銅メダルにとどまった。
男子95キロ級の岡泉茂(新日鉄)は敗者復活戦を勝ち上がって、3位に入った。女子72キロ超級の前回大会2位の阿武教子(明大)も敗者復活戦から3位決定戦に進んだが、メダルに手が届かなかった。《共同通信》
【沖縄県・大田昌秀知事】基地提供協力せず
沖縄県内の米軍用地の強制使用問題で大田昌秀沖縄県知事は28日の県議会で、賃貸契約を拒否し続けている土地所有者に代わって、国から委任されている土地調書などへの署名の手続きについて「諸般の事情を考えるととうてい困難だ」と述べ、拒否する考えを明らかにした。
沖縄県内で日米地位協定など基地に絡むさまざまな問題の解決を求める声が高まっていることを受けて、基地提供に協力しない姿勢を明確にした。女子小学生暴行事件をきっかけに、知事が国の機関委任事務を拒む異例の事態に発展した。
このままでは対象の土地を米軍施設として使用できなくなることが予想され、村山富市首相の対応が注目される。《共同通信》
【社会党・田辺誠氏】政界引退へ
社会党の田辺誠・元委員長(73)=衆院旧群馬1区=は28日午後、前橋市と国会内で記者会見し、次の総選挙に出馬せず、政界を引退することを明らかにした。
引退理由について田辺氏は①世代交代の必要性②党の「70歳定年制」に従う―と強調。先の臨時党大会での新党結成方針決定にも触れて「若いリーダー群像を中心に新党結成を急いでもらいたい」と述べ、新党づくりを通じて世代交代を加速するよう求めた。
田辺氏は全逓出身。昭和35年の衆院選で初当選し、当選11回。党国対委員長、書記長などを経て平成3年7月土井たか子氏の後継委員長に就任、5年1月まで務めた。社会党衆院議員では最長老。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・英国の金融誌「ユーロマネー」で世界の「ワースト蔵相」に選出された武村正義蔵相は28日、記者団から感想を求められ「(円高問題では)村山内閣は一年前より回復している。褒めるところは褒めてほしい」とぼやき交じりの返事。風邪で体調を崩しているところに不名誉な追い打ちを掛けられがっくり。一方、野坂浩賢官房長官は記者会見で「蔵相は一生懸命努力している。よくやっているとの評価もあると考える」と必死の弁護。新党問題で秋波を送るさきがけのハートはそう簡単には手放さない。
○・・・村山富市首相は28日、首相官邸の執務室から廊下へ出るなり「このごろ、あんまり歩いていないし、運動不足だ」とぼやき。この日も朝から官邸に入ったまま一歩も外に出られず、窓から秋晴れの空を恨めしそうな表情で見上げるだけ。記者団が「今度、外を散歩しては」と誘うと「うん、それはいいね」とうなずいた。普段から「わしはカゴの鳥じゃ」と言って、運動不足を気にしている首相だが、新党をめぐる社会党内のきしみなどで政権の腰がぐらつく方がもっと気掛かりかも。《共同通信》
【イスラエル、PLO】自治拡大協定に調印
パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長とイスラエルのラビン首相は28日午後(日本時間29日未明)、クリントン米大統領らの立ち会いのもと、ホワイトハウスでパレスチナ自治拡大協定に正式調印し、アラブ・イスラエル紛争の包括的解決を目指す歩みに新たな一歩を刻んだ。
アラファト議長は演説で、ガザ地区とヨルダン川西岸で「自由で民主的な選挙が実施される。これは独立したパレスチナ人の政体の樹立に道を開くものだ」と述べ、間接的な言い回しで「パレスチナ独立国家」樹立の悲願をあらためて表明した。
クリントン大統領は調印式の開幕演説で、中東和平の「輪を完結させるにはシリアとレバノンも入らなければならない」と述べ、包括的な中東和平達成のため真剣に取り組む姿勢を強調した。
ラビン首相、アラファト議長ともに演説でシリアとレバノンがイスラエルとの和平を達成するよう呼び掛け、包括和平実現の重要性で認識の一致をみせた。
自治拡大の課題としては3首脳がそろって過激派のテロによる和平への妨害を挙げた。クリントン大統領は「テロ行為に訴える勢力を退けなければならない」とイスラム過激組織などとの対決姿勢を鮮明にした。
ラビン首相は聖書の言葉を引用して、ユダヤ人とパレスチナ人が住む「乳と蜜が流れる地」を「血と涙の地にしないでほしい」と述べ、テロ対策に協力するようあらためて呼び掛け、アラファト議長もテロ抑止への強い決意を表明した。
調印式では河野洋平外相も演説し、村山富市首相の先の中東歴訪や、1993年以来約2億ドルに上る日本のパレスチナ支援に言及、中東和平への貢献を強調した。《共同通信》