平成2341日目

平成7年6月6日(火)

1995/06/06

【地下鉄サリン事件】麻原容疑者ら起訴

乗客ら12人が死亡し、約5500人が被害に遭った地下鉄サリン事件で、東京地検は6日午後、殺人と殺人未遂の罪でオウム真理教代表で教祖の麻原彰晃容疑者(40)=本名松本智津夫=や事実上の教団「諜報省大臣」井上嘉浩容疑者(25)ら計7人を、殺人予備罪で教団「厚生省」所属A子容疑者(30)ら計9人をそれぞれ起訴した。

麻原被告らと一緒に逮捕、送検された教団信者のうち5人は事件への関与が薄いとして、処分保留とした。 検察当局は犯行動機の一つに東京の目黒公証役場事務長Kさん拉致事件などの捜査をかく乱する目的があったとみており、犯罪史上例のない無差別テロ事件の真相解明は今後、法廷の場に移る。警視庁など捜査当局は今後、Kさん拉致事件や松本サリン事件などについて捜査に全力を挙げる。

殺人と殺人未遂の罪で起訴されたのは麻原、井上両被告のほか、教団「科学技術省」所属豊田亨(27)、同広瀬健一(30)、同横山真人(31)、「建設省」所属外崎清隆(31)「自治省次官」杉本繁郎(35)の各被告。

起訴状によると、麻原被告らは、刺殺された「科学技術省大臣」故村井秀夫氏と共謀の上、山梨県上九一色村の教団施設「ジーヴァカ棟」でサリンを製造。3月20日午前8時ごろ、東京都内の地下鉄3路線5車両で、サリンの入ったナイロンポリエチレン袋を先端をとがらせた傘で突き刺し、サリンを発散させ、乗客ら11人を殺害、1068人に重軽症を負わせた。

死亡した被害者が11人となったのは、死亡者のうち1人の死因とサリン吸入との因果関係が確定できなかったためで、殺人未遂の被害者とされた。重軽症の残りの被害者については、今後さらに起訴事実に追加する方針。

これまでの教団「厚生省大臣」遠藤誠一容疑者(35)=殺人容疑などで逮捕=らの供述から、麻原被告がサリン製造を指示、さらにサリン散布を井上被告らに命じたとされる。井上被告は豊田被告ら実行犯に「電車が駅に到着する5、6分前に発生させろ」と命令し、豊田被告らがサリンを散布。事件後、麻原被告は「シバ神にポア(死を意味する)されてよかったね」と言ったという。

殺人予備罪で起訴されたA子被告ら9人は上九一色村の教団施設「第7サティアン」と「クシティガルバ棟」などで、サリン約20キロを製造したり、製造するためのプラントを設計するなど不特定多数に対する殺人を準備した。検察当局はA子被告らについて地下鉄で使用されたサリンの製造への関与が薄いことなどから殺人予備罪を適用した。

村山首相は6日午後、オウム真理教の麻原彰晃容疑者らが、殺人罪などで起訴されたことについて「警察、検察のこれまでの粘り強い捜査があったからだと思う。それが一つの区切りになると思う。これからも全容解明が進むよう期待している」と述べた。首相官邸で記者団に答えた。《共同通信》



【目黒公証役場事務長拉致事件】オウム・中川容疑者「遺体を焼いた」

東京都品川区の目黒公証役場事務長Kさん(68)拉致事件で、オウム真理教の「法皇内庁副長官」中川智正容疑者(32)=殺人容疑などで逮捕=が、警視庁合同捜査本部の調べに対し、山梨県上九一色村の「第2サティアン」でKさんに自白剤を投与したところ死亡、遺体を同建物地下1階で焼いて処分した、などと供述していたことが6日分かった。

捜査本部は供述に信用性がありKさんが死亡している可能性が高いと判断、本格捜査に乗り出すとともに、逮捕監禁致死容疑で「第2」を検証。供述が裏付けられれば、事件に関与したとされる事実上の「諜報省大臣」井上嘉浩容疑者(25)=殺人容疑などで逮捕=と中川容疑者を逮捕監禁致死容疑で再逮捕する方針。捜査本部は焼却した遺体の処分方法など中川容疑者を追及している。

調べによると、中川、井上両容疑者らは2月28日夕、拉致したKさんを「第2」に連れ込み、井上容疑者の指示で「治療省大臣」の林郁夫容疑者(48)=同=が自白剤の向精神薬を投与した。

中川容疑者は、翌3月1日午前11時になって、監禁場所の「第2」1階でぐったりしているKさんが既に死亡しているのを確認し、地下1階の焼却炉で遺体を焼いたと供述している。

Kさんの妹(62)は同教団の信者だったが、土地や建物の寄進をめぐって教団側とトラブルになり脱会を決意、事件前から教団との連絡を絶っており、警視庁は井上、中川両容疑者らが、教祖の麻原容疑者の指示でKさんの妹の所在を聞き出そうとして拉致、死亡させた疑いが強いとみている。

目黒公証役場事務長拉致事件

2月28日、東京都品川区の路上で、目黒公証役場事務長Kさん(68)が5、6人の男にワゴン車で拉致され、事件後「オウム真理教内部の者」を名乗る人物から都内の報道機関に「教団の人間がやった」との電話があった。Kさんの妹は教団信者で、教団側から所有地・建物の寄進話を持ち掛けられていたが、Kさんが反対。事件前日には教団関係者が役場にKさんを訪ねていた。

警視庁は3月4日、逮捕監禁容疑で本格捜査を開始。22日には同容疑で山梨県上九一色村の教団施設を家宅捜索し、その後「自治省」所属のM容疑者(29)ら信者4人の関与が強いとして逮捕監禁容疑で逮捕、手配している。《共同通信》

【明石海峡大橋】橋げた取り付け工事開始

神戸市と淡路島を結ぶ世界最大のつり橋、明石海峡大橋(全長3910メートル)に橋げたの大ブロックを取り付ける工事が6日朝、始まった。橋げた取り付け工事は初めて。工事は阪神大震災の影響調査などで予定より約1カ月遅れたが、平成10年春の開通に遅れはない見込み。

大ブロックは幅35.5メートル、長さ84.6メートル、高さ14メートル、重さ約2700トン。海底から高さ300メートルの2つの橋脚のうち、神戸側の橋脚に取り付ける。

9月中旬までに、2本の橋脚と陸上の橋台に6つの大ブロックを取り付けた後、大ブロックからそれぞれ橋げたを延ばす工事が行われ、来秋には神戸市と淡路島がつながる予定。

この日は、クレーン船が大ブロックを毎分1メートルのペースでゆっくり持ち上げながら、据え付けの角度を慎重に調節した。《共同通信》

【戦後50年国会決議】「深い反省の念」明記

戦後50年の国会決議をめぐる与党3党の調整は6日午後から夜にかけ断続的に行われ、午後10時すぎの幹事長・書記長会談で決議の文案について最終合意した。

決議案は焦点の「侵略行為」「植民地支配」に関して「世界の近代史上における数々の植民地支配や侵略的行為に思いをいたし、わが国が過去に行ったこうした行為が他国民特にアジアの諸国民に与えた苦痛を認識し、深い反省の念を表明する」と明記した。《共同通信》

【五十嵐広三官房長官】戦後50年決議「村山首相の精神盛り込まれた」

五十嵐官房長官は6日夜、戦後50年の国会決議をめぐる与党内調整が決着したことについて「3党それぞれの立場を超え、戦後50年にふさわしい内容をまとめてもらった。村山首相が所信表明などで言ってきた精神が基本的に盛り込まれた」と述べ、決議案内容を高く評価した。《共同通信》

【テニス・伊達公子選手】全仏ベスト4

テニスの全仏オープン第9日は6日、パリのローランギャロスで女子シングルス準々決勝などを行い、第9シードの伊達公子(ヨネックス)は7−5、6-1で第12シードのイバ・マヨリ(クロアチア)を破り、四大大会では昨年の全豪オープンに続く2度目の準決勝進出を果たした。

伊達は8日の準決勝で、第1シードのアランチャ・サンチェス(スペイン)と世界ランク53位チャンダ・ルビン(米国)の勝者と対戦。四大大会シングルスの日本選手では、男女を通じて初の決勝進出を懸ける。

伊達は第1セットの第1ゲームをブレークされるなど2-5の劣勢に立たされた。しかし正確なストロークでリズムを取り戻すと、第8ゲームから5ゲームを連取。第2セットもフォア、バックハンドのショットが次々に決まり、4回戦で昨年準優勝のマリー・ピエルス(フランス)を破って勢いづく17歳のマヨリに快勝した。伊達は1回戦からすべてストレート勝ち。

伊達公子選手 最初は相手が予想外の高いボールを打ってきたので、対応するのに時間がかかった。途中で10ゲームを連取したけれど、内容的にはタフな試合だった。記録のことを意識するのは好きじゃない。時代も流れているし、テニス自体も変わってきているのだから。《共同通信》

6月6日のできごと