平成2090日目

平成6年9月28日(水)

1994/09/28

【客船エストニア号沈没事故】

フィンランド南西部のバルト海で28日未明(日本時間同日午前)、867人が乗った大型フェリー「エストニア」(15,566トン)が沈没、フィンランド救難当局によると約30人の救助が確認されたが、残りの人たちは絶望とみられている。沈没原因は分かっていないが、付近の海域は大しけだった。

ヘリコプターと周辺海域にいた船舶が捜索しているが、ロイター通信によると、救難活動にあたっている船の乗組員はフィンランドのラジオ局に対し「12人を救助したが、ほかに多くの生存者を発見することはできないだろう」と語った。

沈没したフェリーは、エストニアの首都タリンから夜間航行しスウェーデンのストックホルムに午前10時に到着する定期便で、事故当時、乗客679人、乗組員188八人の867人が乗っていた。

フェリーはフィンランドのトゥルク南方約80キロにあるウト島の南西約36キロの海上を航行していた同日午前1時半(日本時間同8時半)ころ「船体がひどく傾いている。完全な停電状態だ」と救難信号を出し救助を求めた。

フィンランド沿岸警備当局者は、付近の海上に多くの人々の姿が見えたと言っている。悪天候と強風のため救難活動は難航している。《共同通信》



【社会党本部】右翼男が車で突入

28日午後0時40分ごろ、東京都千代田区永田町の社会党本部が入っている社会文化会館1階正面ロビーに、日の丸の鉢巻きをした男が乗用車で突っ込んだ。ガラス2枚が割れたが、けが人はなかった。男は警戒中の警視庁機動隊員に建造物侵入と器物破損の現行犯で逮捕された。

警視庁公安三課と麹町署によると、男は右翼団体こう「大日本昇友会」構成員、A容疑者(33)で、調べに対し「(戦後処理問題解決に全力を尽くすなどとした)8月の村山首相の戦争責任発言が面白くなかった」などと供述しているという。《共同通信》

【竹下登元首相】自民党会派に復帰

竹下元首相が衆院の自民党会派に復帰する届けを28日夕、自民党が衆院に提出した。竹下氏はこれまで自民党籍を持っていたが無所属で活動、本会議の議決などでは自民党と同一歩調をとってきた。今回の会派復帰により、同党への完全復帰となる。

竹下氏は皇民党事件で証人喚問を受けたことなどから、総選挙の公認を辞退。当選後、いったん追加公認されたが党内若手の反発で取り下げとなった。

この時期の復帰は衆院新会派「改革」の結成により自民党に迫る勢力が生まれたことがきっかけになっているほか、藤波元官房長官が27日のリクルート事件の判決で無罪となったことから、リクルート社からの献金問題をめぐって首相を辞任した竹下氏の処遇問題に決着をつけようとの配慮が働いたという見方も出ている。《共同通信》

【統一会派・改革】結成

共産党を除く野党各党派は28日午前、新・新党の前段となる衆院の新統一会派「改革」を結成した。国会内で議員総会を開き、会派代表に小沢辰男氏を選出。同氏らが土井衆院議長を議長公邸に訪ね、会派結成を届け出た。新会派は187人を結集し、自民党の200人に次ぐ衆院第二の力となった。

野党側は臨時国会で副議長ポストを要求する連立与党との対決姿勢を解明にし、新党結成への弾みをつけたい考え。二大勢力の激突で政界再編に向けた動きが一段と加速されよう。

午後には、新会派の上部組織で、新・新党の母体となる「新党準備会」が結成される。準備会実行委員長には小沢一郎新生党代表幹事が就任する予定で、会派運営も装氏主導で進められることになりそうだ。《共同通信》

【新党準備会】発足

共産党を除く野党は28日午後、新・新党の母体となる「新党準備会」を発足させた。準備会に衆参両院議員225人(衆院186人、参院39人)が参加した。今後、自民、社民両党から同調者を誘うとともに前議員や新人らの参加も募り、新制度での総選挙をにらみながら勢力拡大を図る構えで、与野党の二大勢力による政界再編の動きは新局面に入った。

野党側は首脳会議と実行委員会で、一日も早い新党結成を目指し「10月中に新党の骨格を固める必要がある」との認識で一致、準備作業を急ぐことを決めた。準備会の中心的役割を担う実行委員長には小沢一郎新生党代表幹事が就任。新党結成への具体的な段取りは小沢氏主導で進めることになるが、新党首選びや既成政党の組織統合など難題も多く、新党実現までには曲折がありそうだ。

都内のホテルで開かれた。準備会総会では、準備会の組織・構成を正式に了承。坂口力基本政策、江田五月政務、中井洽組織、中西啓介選挙対策、鹿野道彦財務、小池百合子広報活動の各専門委員長を選出した。その後、国会内で各党派の党首・代表らによる首脳会議、代表幹事・書記長らで構成する実行委員会を相次いで開き、新党結成に向一けた基本方針や今後の具体的な手順を協議した。

その結果、新党組織の概要を早急に固めるため、新党の地方組織を衆院の300の小選挙区単位とすることで合意した。また選挙対策と財務を除く専門委員会ごとに新党の政策や組織などの検討を急ぎ、10月20日をめどに中間報告、10月末に結論を取りまとめることを決めた。

統一会派「改革」に参加した日本新党の小泉晨一氏は準備会には参加しなかった。また参院の民主改革連合は、来年の参院選に向けた社会党との選挙協力問題があることから、オブザーバー参加にとどまった。《共同通信》

【新民主連合】社民リベラルで協力

社民リベラル勢力の結集を目指す社会党の政策集団「新民主連合」(会長・山山花貞夫前委員長)は28日午後、参院議員会館で第2回総会を開き、「民社党や日本新党の有志、民主改革連合、新党さきがけとの交流を深め、超党派政策集団の結成を目指す」との活動方針を決めた。

活動方針では「村山内閣を支える執行部」との連携を強調しながらも「政権と選挙協力は基本的に切り離して考える場合もある」と、自社選挙協力には否定的な立場を表明。来年の参院選で民主改革連合と提携することを鮮明にし、次の衆院選については「社民リベラル勢力を中心に置いて多面的な選挙協力を追求すべきだ」とした。

また経過報告では「新生党を含む新・新党への参加」や「自社新党」を明確に否定。当面、「政策研究」「支持・協力団体」「地域組織交流」「選挙協力」を進めることを確認した。

総会には、衆参両院から本人30、代理20の計50人と労組代表らが出席。横路北海道知事から「新しい政治理念に裏打ちされた新たな第三の政治勢力結集を必要とする」とのメッセージも寄せられた。

総会後、山花会長は首相官邸に村山首相を訪ね、新民主連合が「党中党」や派閥ではないことを説明、理解を求めた。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は28日、大型台風接近で記者団に「築100年の大分の実家は大丈夫か」と聞かれ、「台風がどの程度のものか分からんが(大分まで)来るもんなのかね」と、自宅のことは気にも留めない様子。記者団が山花前社党委員長の新政策集団旗揚げを引っ掛けて「母屋の社会党は山花台風でぐらつくか」と畳みかけると、首相は「大丈夫、大丈夫」と苦笑しながら、「話し合えば分かることだ」と早口でつぶやき、やり取りを打ち切った。この「党内ミニ台風」の方は気になって仕方がない?

○…民社党の米沢委員長はこの日、東京都内のホテルで開かれた新党準備会発足式と初総会であいさつし、「今は(新・新党結成の)まだ八合目。これからが難関だ」と切り出して「分断作戦もあろうし、悪魔のささやきもあろう」とユーモア交じりに強調した。民社党に対しては、山花前社会党委員長の新グループからの熱い誘いもあるだけに、会場内から複雑な笑いも起きたが、米沢氏は「それでも新党に向けて全力を挙げたい」と大音声。細川元首相も「一刻も早く国民に期待される政党になって、政権奪回を目指したい」とエールを送っていた。《共同通信》

【米ロ首脳会談】核削減を促進

クリントン米大統領とエリツィン・ロシア両大統領は28日、2日間の首脳会談を終え、両国の核兵器の削減促進をうたった「戦略的安定」に関する共同声明と、両国経済関係の促進を目指す「経済発展のためのパートナーシップ」に関する共同声明の2文書に調印した。

共同記者会見で両首脳は、ロシアの対イラン武器輸出停止の問題や、武器禁輸解除などボスニア・ヘルツェゴビナ紛争をめぐる問題では最終合意に達することができず、継続協識となったことを明らかにした。旧ソ連諸国国を事実上の影響圏とするロシアの立場についても双方が見解を述べ合うにとどまった。

首脳会談は、両大統領による一対一の会談に比重が置かれたため、個別の問題を詰めきれなかった感が強く、細部の多くは今後の協議にゆだねられることになった。

「戦略的安定」に関する共同声明によると、両国は第二次戦略兵器削減条約(START2)が双方の議会で批准され次第、核弾頭の撤去や戦闘態勢解除などにより、条約に定められた運搬手段(ミサイルと戦略爆撃機)の削減を直ちに実施することで合意した。START2では両国の戦略核兵器の核弾頭を2003年までに3000−3500個に削減すると規定しているが、これを前倒しで実施する形となる。

両首脳はまた、核拡散防止条約(NPT)の無条件、無期限延長と、包括的核実験禁止条約の締結を目指し協力することや、核物質の流出防止で協力することでも合意した。《共同通信》



9月28日のできごと