平成1693日目

平成5年8月27日(金)

1993/08/27

【近鉄・野茂英雄投手】通算1000奪三振

近鉄の野茂英雄投手(24)は27日、グリーンスタジアム神戸で行われたオリックス16回戦でプロ野球史上最速での通算1000奪三振(史上90人目)を達成。同時に、この試合で史上4人目の入団以来4年連続200奪三振をマークした。

野茂は、22日のロッテ戦までに今季190奪三振、プロ通算では992奪三振を記録。この日の六回、先頭の高橋智を8個目の三振に仕留めて通算871投球回で大台に到達。過去最速の江夏(西武)の940回を69回も上回った。

さらに同じ回にタイゲイニーから11個目の三振を奪い、今季200奪三振を記録。七回から赤堀と交代した。野茂は、1990年の入団から3年連続で両リーグ最多の200奪三振以上をマークしており、これで4年連続となった。プロ入りからの連続シーズン200奪三振は、江夏が阪神時代の1967−73年に7年連続で記録しているほか、梶本(阪急)秋山(大洋=現横浜)が4年連続でマークしている。

野茂は、これまでにプロ野球タイ記録の1試合17奪三振や、プロ野球新の6試合連続二けた奪三振などを記録している。

史上最速の1000奪三振。野茂自ら「すごい」と称し、これまで断然トップだった江夏を69イニングも上回った。だが六回で降板したこの日、勝利の後のマウンドで見せる笑顔はなかった。

「勝ちたいと思う気持ちでいままでやってきた結果」。それゆえ六回に先頭の高橋智を空振り三振に仕留め、快記録を達成した瞬間も何のしぐさも見せない。野茂の言葉を借りれば「まだまだ通過点。これで終わりなら無理にでも取りに行くけれど。区切りとも考えたくない」。あっさりと言いきれるところが野茂らしい。

立花コーチによると、野茂の抜きんでている点は「筋肉の柔らかさ」だと言う。天分の「黒人のような柔らかい筋肉」が、独特なフォームからの力強い速球とフォークボールを支えている。

今季は、故障(首の痛み)があったとは言え、低迷するチームを支えきれず、野茂が「真っすぐあってのフォーク」とこだわるストレートの力も十分には見えない。「通過点にすぎない」ことの証明へ、野茂の真価が問われる。《共同通信》



【細川護熙首相】日の丸、君が代を尊重

国会は27日午後の参院本会議で、午前に続き細川首相の所信表明演説に対する最終日の各党代表質問を行った。

細川首相は日米安保条約について「冷戦終結後も国際社会は依然不安定な要因を内蔵している。わが国が引き続き平和と繁栄を享受していくためには安保条約に基づく米国の施設・区域(基地)が必要であり、日米安保体制はアジア太平洋地域における平和と繁栄促進のためにも不可欠だ」と、述べ、日米安保体制の堅持を強調した。

また首相は日の丸、君が代について「長年の慣行で国旗が日の丸、国歌が君が代であるという認識が国民に広く確立、定着している。政府も私も日の丸、君が代を尊重していきたい」と述べ、連立内閣としても尊重の姿勢を示した。

午前は社会党の久保亘委員長代行、午後は共産党の上田耕一郎議員団長、自民党の森山真弓前文相の両氏が質問に立った。この日の質疑で5日召集された第127特別国会は会期末の28日を残して事実上閉幕した。《共同通信》

【上原康助国土庁長官】安保で発言控える

上原国土庁長官は27日の閣議後の記者会見で、同長官が国会答弁で日米安保体制に疑念を持つとの政治信念を明らかにしたことについて「当分は安保・自衛隊(問題)は胸に秘めて災害対策などに取り掛かる。細川内閣の一員ということで仕事に当たりたい」と述べ、安保・自衛隊問題では当面、発言を差し控える考えを示した。

これに関連して中西防衛庁長官は閣議後会見で「日米関係は太いきずなで結ばれており(安保条約は)不滅の条約であってしかるベきだ」として、日米安保条約を見直す必要はないとの考えを強調した。中西長官はまた「上原長官は閣議前に(私に)これからは国土庁長官の任務に専念すると言っていた。(国会答弁は)個人としての意見だし、そう目くじらを立てる必要はない」と述べ、閣内不一致の問題にはならないとの認識を示した。

石田総務庁長官も閣議後会見で上原発言に対して「閣僚としてのポジションを強く自覚しておられるのだから、そこに注意して対処されるべきだということだ。本人もそこの自覚は持っておられると認識している」と述べた。《共同通信》

【連立与党】政治改革案で合意

連立与党五会派は27日午後から夜にかけて、国会内で書記長クラスの代表者会議を開き、政治改革法案の骨格について、①定数配分は小選挙区、比例代表とも250議席ずつ②投票方式は2票制③政党助成は国民1人当たり500円を原資とし、総額約600億円とする④企業・団体献金は政治家個人への献金を禁止し、政党・政治団体に限ることにし、廃止の意見に考慮し5年後に見直す—との合意に達した。

同時に開かれた衆院政治改革特別委員会の与党メンバーの協議で、小選挙区の区割りは法案成立後、6カ月以内に「小選挙区画定委員会」が決定する方針も決まった。政府は、この合意に基づき5月17日にも召集が予定されている秋の臨時国会に向け法案化の作業を進め、年内成立を目指す。

今月11日から始まった政治改革法案に関する代表者会議での調整作業では、小選挙区と比例代表の議席配分と投票方式、企業・団体献金の禁止問題が焦点だった。二大政党を目指す立場から新生党、公明党、民社党が小選挙区と比例代表の定数配分300、200による1票制の投票方式を強く求めたのに対し、社会党、さきがけ日本新党が各250の2票制を主張し、決着がずれ込んでいた。

しかし今国会中に与党内で合意に達しない場合、細川首相の公約している年内成立もおぼつかなくなるため、新生、公明両党などが議席配分と投票方式について最終的に譲歩。一方社会党も、企業・団体献金の全面的廃止の主張から、5年後の見直しで妥協し、各党が歩み寄る形で決着した。

このほかこの日の協議では、腐敗防止策として、連座制の適用を立候補予定者の親族、意思を通じた秘書に拡大、公選法違反や政治資金規正法違反の罰金を2.5倍に引き上げるなどを盛り込むことで合意した。

これまでの代表者会議では、政党要件を国政選挙の得票率3%以上にするほか政党助成を導入し、政党中心の選挙を目指す方向を打ち出したのが特徴だ。新たに認める戸別訪問についても政党職員に限る案が検討されている。

連立与党が法案の骨格を決定したのに伴い自民党も党内論議を急ぐことになろう。自民党では300、171の議席配分を提案するとみられ国会の論戦の焦点になりそうだ。また政党助成額は従来の各党案の倍になっており議論を呼ぶことになろう。《共同通信》

【武村正義官房長官】消費税率「将来引き上げも」

武村官房長官は27日夕、民放テレビ番組の録画撮りで税制改革に関連し「日本の社会資本は先進国の水準から後れを取っている。長期的には、もう少し(税金を)出し合って、みんなが住む環境を整える合意ができていく必要がある」と述べ、将来的には消費税率引き上げを含む増税論議が必要になるとの考えを示した。

武村長官は「今、引き上げの考えはない」と当面の消費税率引き上げを否定したが「将来、消費税など増税を真剣に取り上げるときには当然、減税との見合いで2、3のケースを国民に示し一緒に考える時間をつくりたい」と述べた。消費税の扱いを「検討課題」とした細川首相の国会答弁を受けて増税論議の環境整備を狙った発言とみられる。

社会党などの消費税反対論については「そういう政党や政治家も少しずつ考え方が変わっている」と連立与内の空気の変化を指摘した。景気対策に絡む赤字国債発行については「国家財政、財源論を見つめながら考えねばならない。カネが無いから借金というのは無責任だ」と否定した。

選挙制度改革成立後の政治改革については①政・官・財の癒着打破②選挙年齢の18歳への引き下げ③在外邦人への投票権付与④地方首長の多選禁止—などの課題に段階的に取り組む考えを示した。

日米安保体制に疑念を表明した上原国土庁長官の国会答弁については「度重なると問題があるが、長官も以後慎むと言っている。多少違いがあるのは魅力だ」と連立政権としての多様性を認める姿勢を強調した。《共同通信》

【ロシア・クナーゼ外務次官】領土問題否定せず

日ロ次官級協議のため27日来日したロシアのクナーゼ外務次官は空港で共同通信に対し、先の「北方領土問題は存在しない」とのチェルノムイルジン・ロシア首相の発言について「既にエリツィン大統領がロシア側の立場を確認している」と述べ、ロシア政府として領土問題の存在を否定したり、交渉を拒否する意思のないことを確認した。

エリツィン大統領は19日の記者会見で「首相の発言は多くの案の一つを挙げただけ」と述べている。また、次官はクラシコフ大統領府報道部長が「平和条約締結後に歯舞、色丹両島の日本へ引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言は効力を失った」と述べたことについても「ロシア側の立場に変わりはない」とし「法と正義」に基づいて領土問題を含むすべての問題を話し合うというロシア側の姿勢を強調した。《共同通信》

【台風11号】首都圏の足直撃

中型で並の強さの台風11号は27日午後、千葉県の九十九里浜に上陸。関東地方を暴風雨域に巻き込みながら銚子市付近から鹿島灘に抜けた。東北地方の太平洋岸に沿って北上を続け、28日朝には北海道に再上陸した後、温帯低気圧に変わる見通し。台風の移動に伴い暴風域も北へ移り、28日にかけて北日本の太平洋側を中心に大雨の恐れがあるとして、気象庁は厳重な警戒を呼び掛けている。

大雨の影響で、首都圏はJR各線や地下鉄が各地で寸断され、ほぼ全面的にストップし、サラリーマンの帰宅の足を直撃した。このほか、東海道新幹線は約5時間半にわたってストップ、羽田、成田発着の国際、国内線の空の便も大混乱した。台風が首都圏を直撃したのは平成元年9月の台風22号以来。

台風は活発な雨雲を伴っており、東京都世田谷区では降り始めからの雨量が296ミリ、千代田区で294ミリに達し、東京・大手町の気象庁では1時間の雨量が65ミリを記録した。降り始めから28日夜までの総雨量は、東北地方の太平洋側の多い所で350−300ミリ、北海道でも太平洋側の多い所で300ミリに達する見込み。《共同通信》

【米下院貿易小委員会・ギボンズ委員長】細川内閣に猶予期間

米下院貿易小委員会のギボンズ委員長(民主党、フロリダ州選出)は27日、日米包括経済協議に関連して「われわれは日本の新政権に強く期待しており(新政権は)息を継ぐための期間があると思う」と述べ、当面交渉の進展を見守る姿勢を示した。共同通信の電話インタビューに答えた。

委員長は、スーパー301条(不公正貿易国と行為の特定・制裁)の復活など対日通商法案の審議について「クリントン政権が発足後満1年を迎える来年1月20日以降に決めることになるだろう」と語り、それまでの間は細川政権に対する猶予期間と位置付け、独自の対日通商法案を提出する考えがないことを明らかにした。

ただ「その時までに、新協議の5分野(の市場一放)と日本の貿易黒字額を国内総生産の1−2%に低下させるための実行計画を立てるよう期待している」と述べ、1月20日までに市場開放と貿易不均衡の是正を進めるための具体策で合意すべきだと強調した。ギボンズ委員長は、下院議員の東アジア歴訪団の団長として訪日、20日に細用首相らと会談した。《共同通信》



8月27日のできごと