平成1654日目

平成5年7月19日(月)

1993/07/19

【宮沢喜一首相】国会前に退陣決断

宮沢首相は19日午前、官邸で、総選挙結果後初めて報道各社のインタビューに答え、自らの進退問題に関して「いきなり「(政権を)投げ出してどうなってもいいというわけにはいかない。国政に渋滞を生まないよう、党の結束が破れないように、どうするか考えなければならない」と、党の結束が大前提との認識を示した上で、党内情勢の推移を見守っていく考えを明らかにした。

ただ、党分裂が自民党の過半数割れを招いた責任について「選挙を終わって出て来られる衆院議員の方たちと話し合い、この事態にどう対処すべきか相談したい」とも述べ、進退を含め今後の事態収拾に関して党の総意を尊重する意向を示唆した。

一方、首相は総選挙結果に対して「(自民党は)解散前の勢力を(ほぼ)維持できた。過半数は取れなかったが、群を抜いて第一党となったことは、国民がわが党に対する支持を示すものだ」との認識を明らかにするとともに「その期待にこたえなければいけない。わが党を第一党にしたことは、国民の意思と受け止める」と述べ、引き続き、自民党が中心となって政権を担うとの考えを強調した。

自民党と他党との連立については「政策を同じくする人たちが話し合って政治を運営していくのが、絶対多数を伴わない場合の(政権の)在り方だと思う」と指摘した。

自民党の過半数割れについては「われわれは長い間、過半数を取ってきたので、過半数割れということに慣れていない。しかし、こういうことは、民主政治には、しばしばあることだ」と述べた。《共同通信》

宮沢首相(自民党総裁)は19日午後、総選挙の結果を受けて党本部で記者会見し、自民党過半数割などの責任問題について「広く党内の意見を聴きながら私自身が判断したい」と述べ、当面は職にとまり選挙後の新体制づくりに自ら全力を挙げた上で8月2日ごろに予定している特別国会召集前に進退問題で決断する意向を示した。

首相はまた「過半数を割ったが自民党がずば抜けた第一党であり、国政を遂行していく義務がある」と述べ、引き続き自民党政権継持を目指す考えを強調。①内外とも厳しい状況だから国政に渋滞があってはならない②党が結束して乱れないようにしなければならないーと指摘、国政の停滞回避と党の結束を最優先に選挙後の新体制づくりを進める考えを示した。

党内では中堅議員でつくる「新生自民党をつくる会」が声明を発表、宮沢首相ら現執行部の即刻辞任と両院議員総会での投票による後継総裁選びを求めるなど、責任追及の声も強まっており、首相退陣は避けられない情勢だ。

自民党は20日午後、各派領袖らによる「結束・前進の会」(河本敏夫座長)の初会合を開き、新体制づくりを軸にした党内調整を本格化させる。これに先立ち梶山幹事長は19日、中曽根元首相、河本元国務相の党内実力者を歴訪。河本氏は「政局の安定を図る。この一点に努力を傾けるべきだ」との考えを伝えた。

非自民の連立政権を目指す動きも目立ってきた。新生党の船田幹事は民放テレビ番組の中で連立政権の統一首相候補に日本新党の細川代表を推す可能性を指摘、「連立政権樹立」を最優先に取り組む意向を示した。

選挙後の勢力分野で新政権発足のキャスチングボートを握った日本新党、新党さきがけは国会内統一会派「さきがけ日本新党」の結成で合意。政権参加問題についても「政権の枠外」との両党の合意を再確認し、「白紙」の立場を変えていない。歴史的惨敗を喫した社会党は山花委員長と田辺前委員長が会談、選挙結果にかかわらず非自民連立政権を目指す考えで一致した。

これに対し、宮沢首相は記者会見で「政策的に同意ができ、合意ができる相手とはいろんな場合で提携できる」と述べ、社会、共産両党を除く政党間協議に積極的に臨む考えを明らかにした。《共同通信》



【河野洋平官房長官】首相進退「後継道筋つけば退陣」

河野官房長官は19日午前の記者会見で、宮沢首相の進退問題について「どういう態度をとることが国政の停滞を招かないことになるか、責任ある立場の人はよく考えると思う」と述べ、政局をめぐる自民党内の混乱を避けるため、今後の政局運営の道筋がつけば退陣もあり得るとの考えをにじませた。

自民党が改選議席を上回る223議席を獲得したことについては、野党第一党である社会党の70議席を3倍以上上回ることを指摘、「自民党への支持が選挙前と同様にあったと受け止めている」と述べた。しかし、河野長官は党内外の退陣論との関係で「もちろん、そのことですべてが終わるとは思わないが、政権を担当することの責任感は極めて重要だ。首相自身の判断で十分熟慮するものと考える」と述べた。《共同通信》

【日本新党、新党さきがけ】統一会派は「さきがけ日本新党」

日本新党の細川、新党さきがけの武村両代表は19日朝、都内のホテルで会談し、特別国会での首相指名や他党との連携問題での対応を中心に約2時間会談した。両党で結成する新統一会派の名称を「さきがけ日本新党」とし、細川、武村一両氏が代表委員に就任することを決めた。

連立問題については選挙戦中に両党で合意した「当面政権の枠外を守り、政治改革をつぶした自民党とは連立しない」とする連立政権3原則を基本にそれぞれの党内で協議し、週内にも再会談し結論を出すことで、一致した。

また、武村氏が選挙遊説中に呼び掛けた「非自民各党間政策協議」を改めて模索することを確認した。ただ、武村氏は「3原則の読み方に幅がないとは言えない。自民、社会両党の主役交代の可能性も見極めないといけない」として、会談の中で、自民党がどのような宮沢後継体制を組むかによっては同党との連携もあり得るとの柔軟な考えを示したもようだ。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は19日午後、自民党本部で記者会見した。総選挙で自民党が過半数を大きく割り込んだため質問は進退問題に集中。首相は「党内の結束のために全力を尽くす」とかわしたが、会見後、記者団から感想を求められると「諸兄の先輩らは難しいことを聞くなあ」と、つい愚痴っぽい口調に。さらに退陣に関する質問が多かったことを突っ込まれるとギロッと記者団をにらみ、つけ「それはけさの新聞に出ていたから。(私には)かかわりのないことだ。自分で書いておいてそんなこと聞くの」と語気を強め、退陣論一色にいらいらを募らせていた。

○…社会党の赤松書記長はこの日、総選挙の惨敗を受けて党本部で報道陣のインタビューに応じた。「執行部の意任論が噴出するのでは」という質問に「批判はあってしかるべきだ」とまずは無難な答え。「より良い党の発展のためにいろんな意見を謙虚に聞かねばならない。責任は痛感している」と殊勝なところを見せた。しかし、すぐに「つまらない党内論争や内向きの論議に終始することは支持者も望んでいない」とまくしたてるあたり、持ち前の楽天的な性格で立ち直りも早そう。《共同通信》

【プロ野球・フレッシュスター戦】全ウ逃げ切る

プロ野球のミサワホーム・フレッシュスターゲーム、全ウェスタン—全イースタンは19日、福岡ドームで行われ、全ウが6-4で勝った。対戦成績は全ウの18勝10敗4分け。

全ウは一回、大島(近鉄)の先制二塁打のあと桧山が右へ2点本塁打して3点を先行。三回には萩原(阪神)、山之内(ダイエー)が連続適時打、七回にも佐藤(ダイエー)の犠飛で6-0とリードした。全イは八回に松井(巨人)が郭李(阪神)から左中間二塁打して2点を返し、九回にも反撃したが及ばなかった。《共同通信》

【パキスタン】10月に総選挙

パキスタンのカーン大統領は19日未明、国営テ一レビやラジオを通じて声明を発表、18日付で下院と地方の4州議会を解散し、自らも辞任し権限をサジャド大統領代行(前上院議長)に委譲したことを明らかにした。またシャリフ首相も同時に辞任した。

大統領は10月6日に下院、同9日に州議会の選挙を実施すると述べた。選挙管理の暫定内閣首相にはクレシ前世界銀行副総裁が任命された。

野党勢力の指導者ベナジル・ブット元首相(パキスタン人民党総裁)も復権に意欲を燃やしており、総選挙はシャリフ、ブット両陣営の全面対決になる。

シャリフ首相は演説で「私の進めた国民のための改革を快く思わない勢力が意図的に政治危機をつくり出して妨害した。国民に信を問うため辞任し、選挙に挑戦することを決意した。これは反対勢力への宣戦布告である」と強い調子で訴え、名指しは避けながらも大統領や野党指導者を批判した。

さらにカーン大統領との対立の原因となった憲法上の大統領権限の縮小問題についても選挙運動の争点に掲げ、引き続き取り組む姿勢を強調した。

一方、カーン大統領は声明の中で「歴史と国民が私の業績を評価するだろう。去ることに不満はない」と述べた。《共同通信》

【米・クリントン大統領】同性愛者の兵役解禁

クリントン米大統領は19日、同性愛者が自ら同性愛者であることを公言しないことを条件に兵役に就くことを認めることを決定した、と発表した。大統領は今年1月の就任早々、同性愛者の兵役禁止を全面的に転換する方針を打ち出したが、軍首脳部をはじめ全国的に反対論が高まり、条件付きの解禁という妥協策となった。

米軍ではこれまで、新兵の採用時に、同性愛者かどうかを質問し、同性愛者であることを認めた者については不採用となった。また、現役の軍人も同性愛者であることが発覚すれば、退役処分になる。今回の決定では、入隊時に同性愛者かどうかも問わない「聞かない。言わない」が原則となっている。

今回の決定は、アスピン国防長官が大統領の指示で6カ月間かけてまとめた勧告案に基づいて下されたもので、今年10月から実施される。大統領は「すべての人たちを満足させる内容ではないかもしれないが、現状に比べて大きな前進であり、名誉ある妥協策だ。統合参謀本部も支持している」と述べた。

しかし、現役の兵士が同性愛者であることが発覚した場合には、従来通り退役処分の対象になることから、同性愛者団体などは強く反発している。《共同通信》



7月19日のできごと