平成1627日目

1993/06/22

この日のできごと(何の日)

【自民党】44議員が離党届

自民党羽田派所属の奥田敬和前運輸相ら衆参43人と小沢辰男元厚相の合わせて44人は22日午後、集団で離党した。代表の羽田孜前蔵相が、党本部で梶山幹事長に一括して離党届を提出した。23日午後、「羽田新党」を正式に旗揚げし総選挙に臨む。これで執行部の政治改革への対応に反発した離党者は、「新党さきがけ」(武村正義代表)を結成した若手の10人と鳩山邦夫前文相を含め計55人となった。

離党後、羽田氏は記者会見し「政権を担う中核になる」と表明した。 「羽田新党」としては非自民系勢力の結集で総選挙後、自民党に代わる政権の樹立を目指しており、自民党は今回の大規模な分裂により1955年の結党以来、最大の危機に直面することになった。

離党届を出したのは前衆院議員の36人(小沢辰男氏を含む)と参院議員の8人。羽田グループは22日、幹部が東京・紀尾井町の事務所に集まり、新党結成の準備や総選挙態勢についても協議した。 同グループは23日午後3時から、同事務所で総会を開き、新党結成を決定。党首に羽田氏を選出、党綱領、政策要綱も決め、引き焼き羽田氏らが記者会見し発表する。「改革」「保守」「安定」をスローガンに、新党の名称には「保守新党」などが候補に挙がっている。

また新党結成に併せて23日、第一次公認候補53人を発表、選挙対策本部を発足させる。29日までに第二次公認を決め、最終的に100人程度の擁立を目標にしている。

羽田前蔵相は22日、集団離党の届けを梶山自民党幹事長に提出後、記者会見し「(選挙戦では)政権を担う中核になれるよう訴える」と述べ、総選挙では連立政権樹立を争点に有権者に理解を求める方針を表明した。《共同通信》

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【田中真紀子氏】総選挙出馬を表明

田中角栄元首相の長女、田中真紀子さん(49)は22日午後、新潟県長岡市の越後交通本社で記者会見し、来月4日公示の総選挙に無所属で立候補することを表明した。

出馬の理由について真紀子さんは「病気で弱者の立場になった父の世話をしてきたが、一人の力では医療や高齢化の問題はどうにもならない。最後は政治の力だ。若い層に支持を訴える」としている。また「父に古里へのドライブがてら応援に来てくれるようお願いしている」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○…村上労相は22日の閣議前に羽田新党問題でひとくさり。新党に自衛隊OBの参院議員2人がいることから中山防衛庁長官に「自衛隊は羽田新党を応援するのか、自民党を応援するのか、はっきり言わなくては」とけしかけた。わきで聞いていた田名部農相が「公務員は選挙運動ができないんだぞ」と忠告しても労相は全く動じず「他人事みたいに言うな。比例代表は自衛隊が組織的にやっているんだから」と問題とも思える発言。ところが農相から「そんなこと言うから新聞にいろいろと書かれるんだ」とたしなめられ、急に無口に。

○…武藤外相はこの日午後、都内のホテルで講演し、「18日の内閣不信任案の可決のとき閣僚席に一緒にいた後藤田法相とは、大平内閣の不信任案可決のときも、農相、自治相として並んでいた」と思い出話を披露。「二度も不信任されるのは至らない二人だから」と会場を笑わせた。続けて「(1980年の衆参同日選挙は)大平首相が亡くなって自民党が大勝した」と説明したまではよかったが「今度もひょっとして宮澤首相が亡くなると大勝利かもしれないが、今の健康状態では期待できない」と、冗談とはいえ不謹慎な発言も。《共同通信》

【新党さきがけ】本格始動

「新党さきがけ」を結成した自民党離党組の前衆院議員10人は22日、総選挙に向けて本格的活動を開始した。同日朝、武村正義代表は「心機一転、ダッシュだ」と心境を語った。

武村氏はいつもより30分遅い午前9時に東京・高輪の議員宿舎を出て議員会館に向かった。連日のハードスケジュール。疲労の色は隠せないものの「これまでは決意だけだったが、これで形が整った。支持者らの反響を見ていると、行動を起こして良かったと実感している」と語る口には勢いがあった。

メンバー10人は21日の新党結成の記者会見後、東京・虎ノ門に設けた仮事務所で打ち合わせに追われた。ポスターなどに掛かる資金をどうするか、関係団体の支持をどう取り付けるかなど、解決しなければならない問題は多い。

「羽田新党」については、「同じ時期に同じ志を持っている人たち。グループは違うが気持ちの面では連帯感がある。あっちは数も多く兄貴分として頑張ってほしい」とエールを送った。

選挙をどう乗り切るかー。武村代表は「メンバーの選挙区では自民が対立候補を立てるなど締め付けも始まるだろう。細かいところはこれからだが、仲のいい気心の知れた10人で政治行動を起こした。この姿勢をこのまま戦略として貫きたい」と決意を語った。《共同通信》

【日本新党・細川代表】自民連立を否定

日本新党の細川代表は22日、記者会見し、衆院選挙後に予想される政界再編の見通しについて「(選挙の結果)自民党的体質を持った人がいなくなり、良識ある人ばかりが残った状況ならあり得るが、多分そういうことはないだろう」と述べ、自民党との連立の可能性に否定的な考えを明らかにした。

自民党を離党した若手議員が結成した「新党さきがけ」(武村正義代表)との連携については「さきがけとは幸い、選挙区があまり競合していないので、今後、検討する課題だ」と述べ、選挙協力に前向きの姿勢を示した。野党や「羽田新党」との選挙協力については「早急に詰めたい」と今後の検討課題とした。

また、「日本新党は既成政党でない唯一の新党だ」と述べ、「新党さきがけ」や「羽田新党」との違いを強調。「少しでも多くの議席を獲得し、政権交代を意味のあるものにしたい」と、日本新党が選挙後の政権交代に積極的にかかわっていく強い意欲を表明した。

日本新党の細川代表は22日午後、都内の党本部で記者会見し、近く細川氏自身が参院からくら替えし、熊本1区から衆院選に出馬する意向を明らかにした。また党組織委員長の小池百合子参院議員の衆院出馬についても「前向きに検討していただいている」と述べ、27日の東京都議選終了後にも発表することを示唆した。小池氏は出身地の兵庫2区からの出馬とみられる。

この日の会見で細川代表は、同党の新たな公認候補10人、推薦候補3人を発表。また、既に発表している推薦候補のうち2人を公認候補とすることも同時に明らかにした。これで同党の衆「院選候補者は公認42人、推薦7人の計49人となった。同党は最終的には「60人程度を擁立する」(細川氏)方針。《共同通信》

【ポル・ポト派】暫定政府に反対せず

カンボジア総選挙で第一党となった民族統一戦線のラナリット党首は22日会見し、ポル・ポト派のキュー・サムファン議長がこのほどシアヌーク殿下に書簡を送り、暫定政府に反対する意思はないと伝えてきたことを明らかにした。

また同党首は、暫定政府の共同議長となるラナリット党首とプノンペン政権のフン・セン首相(人民党副議長)が暫定政府の国防相および内相も兼任することが決まったとし、暫定政府の発足は「早くても2、3日中になろう」と語った。

ポト派が暫定政府を受け入れる方向を打ち出したのには、民族統一戦線を通じて影響力を行使できると判断、今後の憲法制定後の新政府への参加もにらんだ動きとみられる。《共同通信》



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