平成1626日目

1993/06/21

この日のできごと(何の日)

【新党さきがけ】旗揚げ

自民党を離党した武村正義氏ら若手前議員10人は21日夕、都内のホテルで「新党さきがけ」を正式に旗揚げし、記者会見で新党の結成宣言と政治理念、政策の基本姿勢を発表した。新党の代表には武村氏(滋賀全県区)、事務局長には鳩山由紀夫氏(北海道4区)が就任した。自民党を離脱して新党を結成したのは1976年の新自由クラブ以来17年ぶり。今後、「羽田新党」や日本新党とともに政界再編の台風の目になることが予想される。

武村代表は会見で、総選挙での羽田グループや日本新党などとの選挙協力に慎重姿勢を示した。選挙後については「幅広くオープンにしている。今の時点ではすべての政党、新集団に対しても白紙の状態だ」と述べ、政界再編をにらんで広く対応していく考えを表明した。

「さきがけ」の結成メンバーは武村、鳩山両氏のほか井出正一(長野2区)、岩屋毅(大分2区)、佐藤謙一郎(神奈川4区)、園田博之(熊本2区)、田中秀征(長野1区)、渡海紀三朗(兵庫3区)、三原朝彦(福岡2区)、簗瀬進(栃木1区)の各氏となっている。

結成宣言では「既成政治には時代の要請にこたえる対応力が十分ではなくあえて行動に踏み切り、新しい責任勢力の編成に取り組むことを決意した」と強調している。

政治理念では①憲法の尊重②世界平和と繁栄への積極的貢献③皇室の尊重と政治の抜本的改革の実現④社会的公正が貫かれる「質実国家」の実現—などをうたっている。

また、政策は①国連改革・国連強化に努め、国際貢献では人的、知的貢献を重視②高度な環境保全型産業社会を目指し、環境省を新設する③一極集中を排除し、多様性のある日本列島の形成―などを打ち出している。《共同通信》

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【自民党】選挙本部開き

自民党は7月4日公示の衆院選に向けて21日午前11時から、党本部で選挙本部を設置、過半数確保を目標に本格的な選挙準備に入った。同日午後には選挙対策委員会幹事会、選挙対策委員会を相次いで開き、第一次公認候補を決定する運びだ。

当初、選挙対策委員会は23日に予定されていたが、公示まで2週間足らずで、新党勢力が事実上の選挙戦に突入していることから早期に万全の態勢を組むため、急きょ日程を繰り上げることになった。

選対本部開きでは、宮澤首相(総裁)、梶山幹事長ら党四役があいさつに立ち、選挙戦の必勝を期して決意を表明。この後、党本部正面玄関に選挙本部の看板をかける。またこの日の選対委員会では、内閣不信任案への賛成者や本会議の欠席者、林大幹環境庁長官などの引退者を除く約200人の第一次公認候補を決定。25日には第二次公認候補を決めることにしており、最終的な公認候補は300人程度になる見通し。

ただ羽田派が23日にも新党を結成する構えなのに加え、本会議の欠席者をどう扱うかといった問題も残されており、候補者調整が難航することも予想される。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮澤首相は21日タ、首相官邸で平安建都1200年記念キャンペーンの「東海道五十三次お茶つぼ道中」のメンバー、塚本幸一京都商工会議所会頭らの訪問を受けた。江戸時代、将軍に新茶を献上した伝統行事を模したもので、武家姿の塚本氏らが「国会の疲れを新茶でいやしてください」と茶つぼを献上すると、内閣不信任案可決や自民党一部議員の離反などで受難続きの首相も「気分転換にいいですな」とにこにこ顔。もっとも首相は徳川幕府最後の将軍と同じ「第15代」の自民党総裁だけに、周辺には「自民党が徳川幕府のようにならないか」と心配する声も。

○…社会党の東京都議選闘争本部長代行の鈴木和美参院議員はこの日、都道府県代表者会議で情勢報告。「5月の会議では顔を合わせれば“厳しい。一けたではないか”、と悲観的な観測が伝えられた」と振り返った後「その後、対策が進むにつれ各選対は自信を持つようになった」と強調。宮澤内閣不信任案の可決にも触れ「国会の現状況は都民生活にも反映する。スポーツでいえばウルトラCの作戦だ。街頭ではビラも受け取るようになったし、現有35議席の3分の2は確保できた」と皮算用。自民党の敵失というウルトラCで上昇気流に乗ったと言わんばかり。《共同通信》

【WBAフライ級タイトル戦】井岡弘樹選手、3階級制覇ならず

世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトルマッチ2回戦は21日、大阪府立体育会館で行われ、東洋人初の3階級制覇を狙った、挑戦者で同級2位の井岡弘樹(グリーンツダ)」は、チャンピオンのデービッド・グリマン(ベネズエラ)に8回TKO負けし、王座奪取に失敗した。グリマンは初防衛に成功。

グリマンは、3回から左フックをタイミングよく当てペースをつかんだ。井岡も積極的に打ち合い、勝利への意欲を見せたが、8回2分38秒、グリマンが井岡ロープに追い詰め左右の連打を浴びせたところで、レフェリーが試合を止めた。井岡は世界ボクシング評議会(WBC)ストロー級、WBAジュニアフライ級と合わせ東洋人初の快挙はならなかった。

日本の現役世界王者は、WBAジュニアバンタム級の鬼塚勝也(協栄)、WBCフライ級のユーリ・アルバチャコフ(協栄)の2人。

攻め込まれても、井岡の眼は闘志を失ってないように見えた。3ラウンドから続いたグリマンの攻勢にも耐え続けた。しかし8回、棒立ちでグリーマンの連打を何発となく顔面に浴びる。追い込まれたロープ際でついにレフェリーストップがかかった。その瞬間、3階級制覇の夢が消えた。

「完敗やね」。早かったように思えたストップにも、井岡は素直に負けを認めた。防御のうまいグリマンに対し、右ストレートを積極的に繰り出す。最近の試合では見ることの少なかった井岡の戦おうとする意志だった。しかし、狙ったパンチは巧みに外された。「(グリマンは)懐が深いというか、距離の取り方もうまかった」と、冷静に敗因を分析した。

目標の3階級制覇へ取り組む姿勢は、過去9度の世界戦にはない熱心なものだった。WBCフライ級王者のユーリ・アルバチャコーフ(協栄)と手合わせをしたり、自ら望んで4度も下半身の強化を図るキャンプを張るなど、フライ級の体をつくり上げようとした。しかし、この日のTKO負けは、まだフライ級で通用しないことを痛感させられた。

だが、闘志は健在。「チャンスをもらえるものなら、まだまだやりたい。一から出直します」。井岡はきっぱりと、再挑戦を奪った。抱き続けた、3本のベルトを巻く夢は衰えていない。再びベルトに挑む時、フライ級ボクサーとしての、井岡の真価が問われる。《共同通信》

【大相撲名古屋場所】番付発表

日本相撲協会は21日朝、大相撲名古屋場所(7月4日初日・愛知県体育館)の番付を発表した。今回も番付面の話題の中心は二子山部屋。夏場所で3度目の優勝を飾った大関貴ノ花と関脇2場所目の若ノ花は、夏場所と地位は変わらないが、史上初の兄弟による横綱、大関同時昇進に挑戦。成長株の貴ノ浪も新関脇に昇進した。また、元高校教師の智ノ花が新入幕を果たした。

二子山勢は東大関貴ノ花をはじめ、東関脇若ノ花、東張出関脇貴ノ浪、小結に4場所ぶりに返り咲いた貴闘力と関脇から後退した若翔洋と番付上位に5人。小結以上の力士8人の過半数を占めることになり、これは史上初。

貴ノ花、若ノ花の同時昇進が実現すれば、横綱、大関の地位が明文化された明治42年以降は10例目。同部屋からでは大正6年夏場所の横綱大錦、大関栃木山の出羽海部屋以来、76年ぶりの快挙となる。

横綱は曙が一人でその地位を守り、西大関の小錦は最多記録の6度目のかど番を迎える。大関在位37場所目の小錦の記録は単独史上3位となった。このほか、武蔵丸が西関脇で連続6場所目の関脇。

入幕は日大出身で、この23日に29歳になる智ノ花と湊富士の2人が新で、蒼樹山が再。湊富士は、元小結豊山の湊親方が昭和57年12月に興した湊部屋からの幕内第1号となった。智ノ花の新入幕で学生相撲出身の幕内現役力士は7人となり、これは昭和55年九州場所以来である。十両では専大中退でプロ入りしたホープ、武双山が西5枚目。《共同通信》

【皇太子同妃両殿下】恩師ら招き茶会

皇太子ご夫妻は21日午後、皇居の宮殿・春秋の間に、学習院や田園調布雙葉学園でのお二人の恩師など約250人を招き、飲み物を手に約1時間にわたり歓談された。茶会には、皇太子さまの英国オックスフォード大留学時の恩師だったピーター・マサイアスさん夫妻や同大で雅子さまを指導したルーカス・ツカリス教授も出席。

皇太子さまは「二人力を合わせて、皇族としての務めを果たすよう努力してまいります」とあいさつされた。皇太子さまはダークスーツ、雅子さまは白地の振りそで姿で、互いにゆかりの人々を紹介し合うなど、笑顔を見せられていた。茶会は22、24日にも東宮仮御所で開かれる予定。《共同通信》

【米・クリントン大統領】日本の政局混迷「腐敗が原因」

クリントン米大統領は21日、全米各地のラジオと会見した中で「日本の次期首相がだれになるかにはほとんど関係なく、日本の経済政策は米国が支持してきたこれまでの方向を続けるべた」と述べ、日本が市場開放と内需拡大を軸とする政策を継続するよう求めた。

大統領はまた、日本の政治的混迷について「過去の度重なる政治的腐敗が原因だ」と述べ、経済政策論争」とは異なる次元のものとの見方を示した。

クリントン大統領の発言は、日本が政局混迷を理由に経済政策で空白期間を持つことは世界的にも許されない、との強い認識を表明したといえる。大統領は7月の先進国首脳会議(東京サミット)では、特に日本には内需拡大を、欧州には金融緩和を要求していく意向を示した。《共同通信》



6月21日 その日のできごと(何の日)