平成1599日目
1993/05/25
この日のできごと(何の日)
【UNTAC・明石代表】「選挙は大成功」
国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の明石代表は総選挙の固定投票最終日の25日、共同通信と会見し、「選挙は大成功であり、最終的な投票率は80%に達しよう」と評価、6月1日に開票速報を発表、大勢が判明すると言明した。選挙結果判明はこれまで6月5日ごろとされていた。23日の投票開始後、代表が単独会見に応じたのは初めてで、会見は地方の投票所視察に向かうUNTAC機中で行われた。
明石代表は24日夜までの段階で約70%に達した投票率について「予想を上回る順調なものだ」とし、今後始まる過疎地での移動投票を加えた最終投票率は80%に達するとの見方を示した。
6月1日に公表する開票速報に関し「人民党と民族統一戦線のいずれが勝利するにせよ、得票差が余程小さくない限り、暫定開票値で勝敗が判明するだろう」と指摘した。一方、総選挙阻止を叫んできたポル・ポト派の動向については「(選挙妨害という)戦略を基本的に変えていない。今後の攻撃の可能性を含め、警戒が必要だ」と強調した。
ポト派支配地区に近い西部のポイペトで、ポト派兵士約200人が投票に参加したことから、ポト派が戦術を変更したとの見方も出ていたが、明石代表はこの見方を明確に否定した。
明石代表はまた、新政府は国際的に認知され、秋の国連総会で代表権をめぐり問題が起きることはないと確信すると表明。UNTACは総選挙後の移行期間を経てその任務を終了、9月初めにも引き揚げることができるだろうと述べた。《共同通信》
この日のできごと(何の日)
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【宮澤喜一首相】UNTACの安全確保策を批判
衆院予算委員会は25日、国連平和維持活動(PKO)に関し集中質疑した。河野官房長官はカンボジア総選挙後、日本から派遣している文民警察官の引き揚げの可能性について「選挙が終わって状況が許せば、7月13日の任期満了の前に帰国することを国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)と話し合いたい」と、選挙終了後、文民警察官を早期に帰国させる意向を明らかにした。
宮澤首相はUNTACの安全確保策について「UNTAC自身がある段階で(要員警護のための)歩兵部隊を増派すべきだった。切迫してから努力が行われたが、結果的にはゲリラ活動が活発化し、選挙が脅かされたことは反省しなければならない」と、UNTACの安全確保が後手に回ったことを批判した。《共同通信》
【政治改革法案】妥協の動き
今国会最大の焦点である政治改革関連法案の処理をめぐって25日、与野党それぞれの内部で意見調整が本格化し始めた。社会党が併用制にこだわらず民間政治臨調の「小選挙区比例代表連用制」修正案を野党統一案とする方針を決めた一方、自民党は宮澤首相と梶山幹事長が党内調整の段取りについて意見交換した。
宮澤・梶山会談では当面、28日の野党党首会談の結果を受けて最終的な意見調整に入る方針を確認したが、自民党内では、政治改革推進本部幹部を中心に単純小選挙区制に代わって妥協案として「小選挙区比例代表並立制」が浮上している。
しかし、自民党内には依然「安易な妥協をすべきではない」とする強硬論や腐敗防止法の優先処理論が根強く、調整に手間取ることが予想されることから、与野党間の本格的な折衝は来週以降となりそうだ。
社会党の連用制修正案については、公明、民社両党とも評価する意向を示しており、野党統一案としてまとまる公算が大きくなっている。これに対し自民党内では、今国会での制度改革実現を強く主張する自民党羽田派や若手議員の一部は「連用制は与野党の妥協案として評価できる」(小沢一元幹事長)としているが、執行部を中心に「連用制では話しにならない。自民党が乗れるような案で野党が、まとまらないとだめだ」(党首脳)など反発も強い。
一方、与野党折衝の場をどこにするかをめぐっても、与野党ぞれぞれで論議の焦点となってきた。政治改革特別委の理事レベルでは、審議は尽くしたとして、委員会の下に「小委員会」を設置、選挙制度問題を中心に与野党の妥協案作りを始めるべきだとの意見が有力だ。しかし、自民党執行部が「現場の独走」への警戒感を強く示すなど、与野党とも内部の意見調整がついていない。《共同通信》
【政界談話室】
○…宮澤首相は25日昼、国会内で、自民党の「政治改革を実現する若手議員の会」メンバーの直談判を受けたが、首相は直前まで「党の役員の方で聞いてもらえばいいんであって」と、気乗り薄な様子がありあり。今国会での改革実現を求める国会議員219人の署名簿を受け取りながら、首相は「これ以外の人たちはどういう考えですか」と質問したり、署名の趣旨3点について「こういうことですか」と念押しするなど、老練政治家のしたたかぶりをみせていた。
○…この日、社会党政治改革・選挙制度プロジェクトの左近事務局長は国会内で記者会見し、民間政治臨調の小選挙区比例代表連用制を修正する形で、野党統一案づくりを目指す考えを説明した。小選挙区の数を民間臨調案の300から275に減らした点について「緊張した安定政権は275議席ぐらい。300議席も取って居座るのは、ごう慢政権だ」。しかし記者団が「275が安定政権の基準という根拠はなにか」と切り込むと、同氏は「閣僚が20人ぐらいで、病人もいるだろうから、あと(過半数の250との差)は予備要員だ」と、訳の分からぬ皮算用。《共同通信》
【大相撲・貴闘力関】婚約発表
大相撲の人気力士、西前頭6枚目の貴闘力(25)=二子山部屋、兵庫県出身=と大鵬親方(元横綱)の三女、納谷美絵子さん(18)の婚約記者会見が25日午後、東京都千代田区のホテルで行われた。
2人は2年前から交際を始め、今年2月には、貴闘力の師匠、二子山親方(元大関貴ノ花)が結婚を前提として交際していることを明らかにしていた。
午前中に同ホテルで結納を交わした2人は、会見ではそろってホッとした表情を見せ、貴闘力が「一緒にいて心が和む人」と話せは、美絵子さんも「土俵の上では怖そうだけど、ふだんはよく気を使う優しい人」と笑顔を見せていた。
貴闘力は、昭和58年春場所に初土俵。関脇を通算4場所務めたこともあり、夏場所は11勝を挙げ初の技能賞を受賞した。将来は義父となる大鵬親方から部屋を譲り受けるとみられる。挙式は9月の秋場所後に予定されている。《共同通信》
【向井千秋さん】「女性の殻を破って」
「主婦や女性の人たちと一体感を持って宇宙で仕事をしたい」―。来年7月、米スペースシャトル「コロンビア」に乗り宇宙に飛ぶ向井千秋さん(41)が25日、宇宙開発事業団で記者会見し「私を見て女性の殻を破る人が出てほしい」と日本人初の女性宇宙飛行士としての抱負を話した。
向井さんは昨年、搭乗員に選ばれて以来、一緒に搭乗するメンバーと欧州、日本、米国などで実験装置の操作などの訓練を続けてきた。向井さんは「実験は宇宙でのメダカの受精や発生など、人がその場で観察しないとできない高度なもの」と飛行の意義をアピールした。
飛行は国際共同実験のため、昨年飛行した毛利衛衛さん(45)の宇宙授業のように、日本だけに向けた活動をする時間がないのが悩み。船内では英語が原則。「でも、少しでも日本語で、日本に向けて話せる時間をつくりたい」と話す。日本各地の名産品を宇宙食としてて持ち込むことも考慮中という。
宇宙から地球を見たいとの思いで飛行士になった向井さんだが、宇宙での第一声は「タンパク質結晶成長装置スイッチオン」という事務的なものになりそうと笑った。《共同通信》
【日本人留学生射殺事件】NYタイムズ「無罪の倫理」に警鐘
25日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、ルイジアナ州の裁判所で23日に無罪評決が出た服部剛丈君射殺事件を社説で取り上げ、市民が安易に銃に頼る米国の「銃社会」の現状に警鐘を鳴らした。
「ガン・クレージー」と題された社説は、発砲したピアーズ氏を無罪に導いたのは、自宅を訪れた不審者には銃で対応する権利があるという「論理」だったと分析。これに従えば、寄付集めの子供や、服部君のように道に迷って他人の家のベルを鳴らす人は、ピストルの弾が飛んで来ることを予想しなければならないと述べた。
社説は、ピアーズ夫妻にはドアのかぎを掛けたり、警察に電話したりする別の選択肢もあったのに、それをしなかったのは「米社会では銃に手を伸ばすことが、1、2、3と数えることと同じくらい、たやすいからだ」と指摘。その上で、幾人かの知名人や服部君を含む無数の一般の市民の銃による死から何事も学ぼうとしない姿勢を、考え直すべきだと主張した。
同紙はまた、無罪評決に対する日本社会の反応についての東京特派員電を一面に掲載。日本人の怒りの対象は、米国の「銃文化」から司法制度に移ったと述べる一方、服部君事件やカンボジアで日本人が殺された事件に異常な関心が集まるのは「自国のことしか頭にない」島国意識の表れとする一部の見方を紹介している。《共同通信》