平成1495日目

1993/02/10

この日のできごと(何の日)

【ボクシング・大橋秀行選手】初防衛ならず

世界ボクシング協会(WBA)ストロー級タイトルマッチ、チャンピオン大橋秀行(ヨネクラ)—挑戦者同級1位チャナ・ポーパオイン(タイ)12回戦は10日、東京体育館で行われ、大橋が0-2の判定で敗れ、昨年10月に崔熙墉(韓国)から奪取した王座の初防衛に失敗した。これで、日本のジムに所属する世界王者はWBAジュニアバンタム級の鬼塚勝也(協栄)、世界ボクシング評議会(WBC)フライ級のユーリ海老原アルバチャコフ(協栄=ロシア)の二人となった。世界初挑戦でタイトルを獲得したチャナの戦績は、27戦全勝(12KO)。

リーチで5センチ劣るチャナだが、俊敏な動きでアウトボクシングを展開。的確に連打を大橋にヒットさせ着実にポイントを稼いだ。大橋はチャナの動きに幻惑された上、手数でも劣り、主導権を全く握れなかった。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

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【小牧基地】迫撃弾3発

10日午前6時ごろ、愛知県小牧市南外山、航空自衛隊小牧基地に追撃弾が撃ち込まれた。いずれも基地内の道路などに着弾しけが人はなかった。愛知県警公安三課と名古屋空港署は、自衛隊の国連平和維持活動(PKO)派遣に反対する過激派のゲリラ事件とみて捜査している。

調べによると、午前6時ごろ「ドーン」という音に当直隊員が気付いた。基地内を見回ったところ、隊本部前と格納庫近くで鉄製パイプ(長さ約30センチ、直径約3.2センチ)2本や弾頭とみられる金属片が見つかった。1カ所では周辺から火薬が発見された。建物への直撃はなく、着弾後爆発などはしなかったらしい。また基地から南東約500メートル離れた同県春日井市春日井上ノ町の草むらで発射筒3本が発見された。同県警は3発撃ち込まれたとみて、さらに捜索を続けている。《共同通信》

【宮澤喜一首相】渡辺外相と会談

宮澤首相は10日昼、官邸で渡辺外相と食事をとりながら約1時間会談した。

会談では11日からの外相訪米を控えてクリントン新政権との関係が主議題となり、(1)日米安保条約を軸とした同盟関係を再確認する(2)世界経済繁栄のため政策調整を促進する(3)宮澤首相の訪米は国会の審議状況を勘案し、なるべく早い時期に実現するよう努力するーとの日本側の方針を確認した。

首相はまた、日本が貿易黒字の資金還流計画づくりに取り組んでいることを米側に伝えるよう指示した。

外相は会談後、記者団に対し、米側との会談ではこのほか、対中国問題での日米間の擦り合わせが行われることを明らかにした。また、7月の先進国首脳会議(東京サミット)の持ち方についても「もっと実務的な話し合いにしたい」との考えで首相と一致したという。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮澤首相は10日午前、渡辺副総理兼外相との会談を前に記者団から「総理と副総理の間がうまくいっていないという人がいるが」と質問されたが「それは諸兄の説だろう」と一蹴。いたずらっぽい笑いを浮かべて記者団を見回した。「そういうことはないか」という再度の質問にも「ありませんなあ」と余裕の表情。これと符節を合わせるように、約50分間の首相との会談を終えた外相も「世間じゃ何だかんだ言ってるが、政策問題では不一致はない」と断言したが、わざわざ「政策問題では」と断言した辺りやはり二人の関係は複雑?

○…社会党の村山国対委員長はこの日、朝の中執委で佐川事件の証人喚問問題について「自民党から証人2人プラス民間人1人との提案があった」と報告した件につき記者団から確認を求められ「裏の方で…」と言いかけたが、国対政治批判を意識してか、慌てて「いや、非公式折衝の中で」と訂正。さらに民間人ではだれの喚問が必要かとの質問にも一瞬口ごもり「用心して言わんと最近は舌禍事件が多いからのー」と一言。赤松書記長の大胆発言を批判している当人だけに物言えば唇寒しを実感している様子がありあり。《共同通信》

【社会党・赤松広隆書記長】党内会合で批判集中

コメ自由化、原発容認発言で集中砲火を浴びる社会党の赤松書記長は10日、中執委、総務会と相次いで党内会合に顔を出し「大変、迷惑を掛けた」と陳謝、釈明に追われた。山花委員長も中執委で、書記長には自重自戒して問題に当たってほしいと注意したと報告、参院議員総会でも「タガを締め直したい」と発言するなど、混乱の鎮静化と求心力回復に躍起。

赤松氏は参院議員総会で出た「原発発言を白紙撤回せよ」との批判に「何としても党改革を先頭に立ってやりたい。やらねば政権党になれないというのが政治家としての信念だ」と負けん気の強いところをみせたが、批判の嵐は収まりそうにない。

午後開かれた同党の参院議員総会は9日の代議士懇談会同様、“赤松たたき”一色。批判の対象はコメ、原発だけでなく、佐川急便事件の証人喚問をめぐる発言や減税財源の赤字国債発行を容認する考えを打ち出したことにも広がった。批判の内容は「党の活動方針に基づいて発言するのが当たり前で基本的なことが欠けている」「基本路線を変えることが改革ではない」という点でほぼ共通しており、中には「書紀長はしゃべらない方がいい」と決め付ける声まで出た。

「進退はゆっくり考えて、適当な時期に明確にせよ」という脅しめいた意見も飛び出す険悪なムードに終始したが、赤松氏は淡々と事実経過を説明。それでも、原発問題では「自分の意見だ」、赤字国債容認は「政治判断」ときっちりと反論、連日の釈明で打たれ強くなったようだ。《共同通信》

【神戸高塚高校校門圧死事件】元教諭に禁固1年、猶予3年

兵庫県立神戸高塚高校(神戸市西区)で平成2年7月、登校中の同校一年A子さん=当時(15)=が教諭の押した校門の門扉に頭を挟まれ死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた元同校教諭B被告(41)の判決公判が事故から2年7カ月ぶりに10日午前、神戸地裁で開かれた。

加藤光康裁判長は「校門を登校時に閉鎖することは生徒に危害を及ぼす恐れがある業務」と判断した上で、「被告が安全注意義務を怠ったのが事故の原因。教育に携わる者一般に対する社会の不信を生じかねず、結果は重大だが、懲戒免職となり社会的制裁を受けている」として禁固1年、執行猶予3年(求刑禁固1年)を言い渡した。

学校での生活指導の現場で起きた死亡事故に対する司法判断は初めて。判決は、全国の中学、高校で実施されていた校門指導を「危険性を伴う業務」と認め、担当教師の安全注意義務を明確にしただけでなく、学校側の安全配慮不足も指摘、教育界に生活指導面での危険性の見直しと安全配慮の徹底を迫る形となった。

しかし、弁護側が事故の背景とした管理教育については全く触れず、事故をきっかけに広く論議を呼び起こした校則重視など管理教育の問題点について司法の場での解明はないままに終わった。

判決理由で加藤裁判長は、「校門は構造、重量から人を死傷させる危険があり、生徒が遅刻の制裁を避けるため閉まりかける門に走り込みやすいことは予想できた。他の二人の当番教師と危険防止の作業分担はなかった」と述べ、弁護側の「事故は予見不可能。安全確認は門外の他の教諭の役割」などとする無罪主張を退けた。

また、学校側に対し「違刻指導を決めた際、門の閉め方や危険防止のための作業分担を決めておらず、学校としての安全配慮が足りなかった。配慮があれば事故は防止できた」と厳しく指摘した。

判決によると、B被告は校門での遅刻指導の当番だった平成2年7月6日午前8時半ごろ、門を通過する生徒の動静を確かめずに重さ約230キロの鉄製門扉を勢いよく押して閉鎖。門内に入ろうとしたA子さんの頭を門扉と門壁の間に挟み、死亡させた。《共同通信》

【仏・ミッテラン大統領】米に対ベトナム制裁解除求める

フランス大統領として初めてベトナムを公式訪問中のミッテラン大統領は10日、ハノイ市内で会見し、米国の対ベトナム経済制裁について「時代錯誤の政策だ」と述べ、クリントン米大統領が直ちに制裁を解除するよう求めた。

一方でミッテラン大統領はベトナム政府に対しても、経済面での開放と並行して政治面での改革が不可欠であると呼び掛け、政治犯釈放を含む人権面での改善を改めて強調した。

大統領の発言は、米国の対ベトナム経済制裁解除を求める国際圧力がベトナムの内政面での開放圧力ともなり得るとの立場を明確に示しており、共産党一党支配の下で政治開放には否定的なベトナム政府の反応が注目される。

大統領は、1945年からのフランス植民地当局によるベトナム独立運動への介入は「間違いだった」と率直に述べ「40年後の今日、われわれは全く新しい状況を迎えた。私は(両国の)過去の行き掛かりが完全な和解に達したことを宣言する」と語り、両国関係が新たな一歩を踏み出したとの認識を示した。

その上で大統領は、フランスが国際通貨基金(IMF)の対ベトナム融資再開に向け一貫して外交努力を続けてきたと述べ、これを阻んでいる米国の経済制裁を批判。クリントン大統領に「一言申し上げるとすれば、経済制裁をやめなさいということだ」と述べた。《共同通信》



2月10日 その日のできごと(何の日)