平成1378日目

平成4年10月16日(金)

1992/10/16

【富士石油袖ヶ浦製油所】爆発、9人死亡

16日午後3時55分ごろ、千葉県袖ヶ浦市北袖の京葉コンビナートにある富士石油袖ヶ浦製油所(従業員約400人)内で、重質軽油から硫黄分などを取り除く脱硫装置の熱交換器付近が突然「ドーン」という大音響とともに爆発炎上。近くで作発していた同製油所社員Aさん(35)(県市原市)をはじめ関連会社の作業員ら計9人が爆風で吹き飛ばされるなどして死亡、8人が重軽傷を負った。

千葉県警木更津署や袖ヶ浦市消防本部などによると、爆発した脱硫装置は、軽油と水を混ぜたものを四つの熱交換器を通し、加熱炉で加熱。その後反応塔へ送って水素の化学反応を利用して硫黄を取り除く。

同製油所などによると、爆発した脱硫装置は、劣化の進んだ触媒を交換するため、今月初めから操業を停止、作業を行っていた。11日に交換が終了したため、14日から慣らし運転を開始、16日午後1時から本格運転に入った。

慣らし運転中は、通常より100度前後低い摂氏300度の軽油を装置に入れ、徐々に温度を上げていくが、この際、熱膨張でパイプのフランジ(つなぎ)のボルトがゆるむため、Aさんらはそのつど緩みの出るボルトを締めていた。

爆発は、四つある交換器のうち、中央の二番目と三番目の交換器をつなぐパイプのフランジ付近で発生したらしい。ガス警報器が鳴ったため、作業を中断しようとした直後だった。同製油所では、「高温の軽油と高圧ガスが勢いよくフランジ付近から噴出した際、空気と摩擦して静電気が起き、発火したのではないか」と、説明している。噴出はパイプに亀裂があったか、フランジを締めるボルトが緩んでいたためではないかと見られている。爆発当時、同製油所内では約250人が作業していた。《読売新聞》



【社会党・田辺誠委員長】竹下氏の議員辞職求める

社会党の田辺委員長は16日午後、名古屋市のホテルで開いた党東海・近畿ブロック会議であいさつし、佐川急便事件で竹下元首相が国会の証人喚問に応ずるよう改めて求めるとともに「一番高い首相の座にあった人なのだから自らの責任において議員を辞めるべきだ」と述べ、竹下氏が自発的に議員辞職するよう求めた。

田辺氏は臨時国会での最重点課題は佐川事件の真相解明だと強調。連合の山岸会長が証人喚問実現のために補正予算、景気対策を人質に取るべきではないと発言したことについて「(初めから)人質にはとらないが、結果として政府、自民党の対応が悪ければ(補正予算成立に)若干の遅れが出てもやむを得ない」と述べ、証人喚問と補正予算審議を絡める考えを改めて示し、近く山岸会長と会い、理解を求める考えを明らかにした。《共同通信》

【自民党竹下派】抗争激化

金丸信・前自民党副総裁の議員辞職・竹下派会長辞任で派内の施裂が深まっている竹下派は16日正午過ぎから、同派事務所で緊急総会を開き、後継会長人事を焦点とする派閥運営の新体制について協議した。

総会の冒頭、小沢一郎会長代行は、金丸氏の議員辞職を報告し、「会長代行として責任を痛感する」と述べたものの、自らの進退には言及しなかった。反小沢グループは小沢氏の責任を追及するとともに、小沢氏の会長代行辞任を主眼として現在、役職に就いている全役員の総退陣を求める構えだ。

会長人事は、反小沢グループが小渕恵三・前幹事長を推すことで一致しているのに対し、小沢グループは中立系ながら小沢氏に近い羽田孜蔵相の会長就任、小沢氏の会長代行留任の線での決着を目指している。小沢氏側には、小沢系からの会長選出にこだわらないとの考えも出ているが、調整は難航必至で、新会長選出は週明けに持ち越される見通しだ。

総会では、冒頭、原田憲・顧問(元経企庁長官)が、金丸氏の議員辞職を報告。引き続き、小沢氏が、自らの責任について言及するとともに、「一致団結して、わが国の政治の中核を担うべく、努力していくことを誓い合いたい」と述べ、派の結束を訴えた。

また、小渕氏と橋本龍太郎・元蔵相の副会長就任、常任幹事6人の増員などの組織改革案を全会一致で了承した。総会はこの後、非公開とされ、会長人事など新体制作りをめぐる自由討議が行われた。《読売新聞》

金丸信・前自民党副総裁の議員辞職・竹下派会長辞任で派内対立が深刻化している自民党竹下派は16日、同派事務所で緊急総会、最高幹部会を相次いで開いた。この結果、後継会長人事を焦点とする派閥運営の新体制について、派の分裂を回避し、人心一新をはかるため、金丸氏の議員辞職が正式に許可される21日をめどに新会長を選出することとし、18日夜に最高幹部会を開き、具体的な作業に入ることを決めた。

新会長については、反小沢グループが推す小渕恵三・前幹事長に対し、小沢グループ内の一部には一時、容認論もあったが、小沢一郎会長代行が強く反発、小沢グループとしては小沢氏自身または羽田孜蔵相を推す構えを見せている。

このため、小沢、反小沢両グループが真っ向から対立し、調整は難航必至だ。ただ、両グループとも派の分裂は避けたいとの点では一致しており、調整が行き詰まれば、最終的に暫定的な会長として第三の候補が浮上する可能性もある。その場合、同派最長老で顧問を務める原田憲・元経企庁長官を会長とし、早ければ臨時国会終了後に改めて本格会長を選出するという構想が出てくることも予想される。《読売新聞》

【米・ハワイ州】上院議員に性的スキャンダル

ハワイ州選出のペテベテラン日系上院議員で今年、6期目の当選を狙うダニエル・イノウエ議員(民主)(68)から17年前に性的暴行を受けたとする女性の告白録音テープが、16日、対立候補(共和)によりハワイ全州でテレビ放送され、民主党の金城湯池であるハワイ州の有権者は選挙戦最終局面を迎えて、この“性的スキャンダル”に当惑している。

この女性は、長い間イノウエ氏が行きつけのホノルルの理髪店を所有するレノーア・クウォックさん(40)で、同日記者会見し、録音内容は真実であると主張した。テープによれは暴行はワイキキのイノウエ氏のアパートを用事で訪れた際に起き、「私は抵抗しなかったのでレイプだとは言えない」としながらも、その後も性的な嫌がらせが続いたと主張している。

これに対し、イノウエ氏は12年前からこの女性の客になっていることは多めたが「(女性が)ワイキキのアパートにも事務所にも来たことはない」と嫌疑を全面的に否定している。

テープはイノウエ氏の対立候補の元選挙運動員の女性がクウォックさんとの会話をひそかに録音、地元マスコミに配った。当初、クウォックさんは個人的なこととコメントを避けていたが、対立候補がテレビで放送したため、記者会見し「政治的に利用されたくない」と述べながらも、内容は事実と認めた。《読売新聞》

【画家・福沢一郎さん】死去

今世紀の大きな潮流だったシュールレアリスム絵画を日本に紹介し、批評と風刺の精神にみちたスケールの大きな絵画を描き続けた画家で、昨年度の文化勲章受章者の福沢一郎氏が16日午後6時20分、肺炎のため東京都中央区の病院で死去した。94歳。現役洋画家の最長老だった。

群馬県富岡市生まれ。旧制二高から東京帝大文学部へ進んだが、彫刻への道を一志して中退、朝倉文夫に学び、24歳で帝展に彫刻作品が初入選。大正13年渡欧、ヨーロッパの古典画に接して絵画への目を開かれ、当時盛んだったキリコらのシュールレアリスム絵画の強い影響下で絵画に転じた。

滞欧中に二科展、独立展に送ったシュールレアリスム調の絵画が大きな反響を呼び、帰国後は、独立美術、さらに美術文化協会に属して新しい絵画思潮の紹介普及に努めた。戦時中は共産主義者の嫌疑をかけられて滝口修造とともに拘置されるなど辛酸をなめたが、戦後は敗戦のイメージを描いた記念碑作品「敗戦群像」などでいち早く活動を再開。世界の神話や古典文学、宗教思想、歴史上の巨匠などに題材を求め、巨大な連作を展開、日本人離れした構想性の豊かな世界を描き続けた。

シュールレアリスムの紹介者ではあったが、自身の絵画はシュールレアリスムを超えて人間の現実に迫る新しいリアリズムを志向し日本絵画に比類のない文明批評的世界をうち立てた。80歳をこえてからも各地に大壁画作品を描き続け、東京都多摩市にできた専用の展示空間(東京国際美術館)で活発な新作展を開いた。健康法は「仕事をすること、腹蔵なくものを言うこと」と言い、べらんめえ調の毒舌で最後までさめた批評精神を発揮し続けた。富岡市名誉市民。《読売新聞》



10月16日のできごと