平成1344日目

平成4年9月12日(土)

1992/09/12

【毛利衛さん】宇宙へ

日本人初の米スペースシャトル搭乗員となった宇宙開発事業団の毛利衛さん(44)を乗せた米航空宇宙局(NASA)のシャトル「エンデバー」は米東部夏時間12日午前10時23分(日本時間同日午後11時23分)、ケネディ宇宙センターから打ち上げられ軌道に乗った。

わが国が日本人のシャトル飛行を計画してから15年目で、日本もようやく有人宇宙活動への第一歩を踏み出し、欧米などの宇宙開発先進国の仲間入りを果たした。シャトルの飛行は通算50回目。七日間にわたる飛行中、毛利さんは無重量を利用して日本の提案した第一次材料実験(FMPT、ふわっと’92)を行う。現地には日本からの500人がつめかけ、緊張しながら見送った。

この日は早朝から風もなくおだやかな晴天に恵まれた。エンデバーは大地を揺るがすようなごう音と、オレンジ色の炎とともに、真っ青なフロリダの空に舞い上がった。

初の日米共同プロジェクトトだけに、ダン・クエール副大統領らも駆けつけ、打ち上げを見守った。副大統頃の打ち上げ視察は初めて。また、山野正登・同事業団理事長や毛利彰子夫人らがVIP席で祈るように見送った。

エンデバーには毛利さんのほか、ロバート・L・ギブソン船長(45)、カーティス・L・ブラウン操縦士(36)、マーク・C・リー(40)、ジェローム・アプト(43)、ジャン・デイビス(38)、メイ・C・ジェミソン(35)飛行士の計7人が乗り込んでいる。

リーさんとデイビスさんは史上初の夫婦で同じ宇宙船に乗る飛行士、ジェミソンさんは初の黒人女性宇宙飛行士だ。

エンデバーは打ち上げ2分7秒後に固体補助ロケットを分離。続いて8分54秒後に液体水素、酸素が入っていた巨大な外部タンクを切り離した。その後、約40分で所定の高度約300キロの円軌道に乗り、打ち上げ後1時間50分から毛利さんらは活動を開始した。

毛利さんはまず医学的データを取ったのち、打ち上げ後3時間半たった日本時間の13日午前2時50分ごろから荷物室(カーゴベーイ)に積まれた宇宙実験室(スペースラブ)に移動、地上の約1万分の1の微小重力下での実験を始める。

日本の実験は、新超電導合金などの材料実験22テーマ、コイを使った宇宙酔いの研究などライフサイエンス(生命科学)実験12テーマの計34種類。毛利さんらはこのほかに米国提案の9種類の実験をこなす。

日本人の宇宙飛行は平成2年に旧ソ連のミールに搭乗したTBSの秋山豊寛さん(50)に続いて2人目。

エンデバーは19日午前7時10分(日本時間同日午後8時10分)に打ち上げと同じケネディ宇宙センターに着陸する予定。《読売新聞》



【学校週5日制】スタート、公立小中学校の毎月第2土曜日が休みに

子供にゆとりを与え自主性を育てることを目的にした学校週5日制が12日、国公立の小、中、高校など約4万7000校で一斉に始まった。約1800万人の児童、生徒が、全国5000ヶ所を越える会場で催された行事やボランティア活動などに参加、それぞれの思いで初の土曜の休日を過ごした。

当面は第二土曜だけの実施だが、明治5年の学制発布以来の学校生活の枠組みを変える改革。しかし、実施決定から約7ヶ月と準備期間が短いこともあって養護学校の生徒や共働き家庭の子供らへの対応、学習塾通いの増加など多くの課題や悩みを抱えたままのスタートになった。《共同通信》

【連合・山岸章会長】新党論に積極姿勢

連合の山岸章会長は12日、岐阜市内で開かれた連合岐阜主催のシンポジウムに出席し、連合加盟労組から出ている新党論について、「相当慎重にやらなければならない。今のところ様子を見ている」と断った上で、「(新党結集に)決断しなければならない時は決断する」と述べ、新党論に積極的に対応する姿勢を示した。

さらに山岸氏は新党も視野に入れた新しい政治勢力づくりは「連合がすべて取り仕切るのはよくないし、成功しない」とし、「二大政党を目指して、20人委員会などを作り、その中に既成政党も含め、各界各層から集め、労組も1人、2人入るというのがいいのではないか」と述べ、連合も加わった準備会的なものの結成を提唱した。

また山岸氏は「総選挙は来年秋以降になると思うが、(新政治勢力の結集の)流れを総選挙前に作りたい」と語った。《読売新聞》

【カンボジア・シアヌーク殿下】ポト派説得また不調

カンボジア和平プロセス第二段階(武装動員解除)入りを拒否しているポル・ポト派を説得するため、同派の拠点パイリン入りをしている最高国民評議会(SNC)のノロドム・シアヌーク殿下と国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の明石康特別代表らは12日、同派キュー・サムファン議長と当地で会談、このあと、シアヌーク殿下が記者会見し、「サムファン議長はこれまでの主張を繰り返しただけだ。ポト派の立場は変わらない」と語り、説得工作は再び不調に終わったことを明らかにした。

また、明石特別代表は「明るい兆候がいくつか見られるようになってきたが、具体的な動き(ポト派の武装解除)に通じるかどうかまだ分からない」と述べ、状況が依然厳しいとの認識を示した。さらに明石特別代表は「(ポト派の武装解除問題については)いつまでもずるずると先延ばしするわけにはいかない。ここ数週間がヤマ場になるだろう」と記者団に語った。《読売新聞》

【全米テニス】モニカ・セレシュ選手が2連覇

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テニスの全米オープン第13日は12日、ニューヨークのナショナルテニスセンターで女子シングルス決勝を行い、第1シードのモニカ・セレシュ選手(ユーゴスラビア)が第5シードのアランチャ・サンチェス選手(スペイン)を6−3、6−3で破って大会2連覇、賞金50万ドル(約6250万円)を獲得した。《共同通信》

【ペルー】ゲリラ最高指導者を逮捕

ペルー国家警察は12日夜、反政府ゲリラ「センデロ・ルミノソ(輝く道)」の最高指導者のアビマエル・グスマン元大学教授(57)をリマ市内で逮捕した、と発表した。グスマンはセンデロの精神的、理論的支柱でもあり、2万6000人もの犠牲者を出した中南米で最も暴力的なセンデロの反政府武道闘争に、大きな打撃を与えることは間違いない。

グスマンは、12日夜リマ市内の住宅街スルコ地区の隠れ家に潜んでいるところを、対テロ特殊部隊の急襲を受け、他の6人のゲリラメンバーと共に逮捕された。グスマンは国家警察本部に収容され、数百人の警察官が周囲を取り囲んで警戒している。発表によると対テロ特殊部隊は、この隠れ家を過去5か月間、監視しており、同日前後には、センデロの中央委員会がリマ市内で開かれるとの情報があった。

フジモリ大統領は今年4月、政府の対センテロ対策を妨害しているとして、譲会、裁判所を軍の力で閉鎖、対ゲリラ対策を強化していた。グスマンは、先にフジモリ大統領が発表した新たなゲリラ対策大統領令に従い、国家反逆罪で軍事法廷で裁かれることになる。逮捕がセンデロ壊滅につながるかどうかは即断できないが、グスマンを中心にピラミッド型の指令系統を持つとされるセンデロは、中枢神経を失って、少なくとも当面は大幅な後退を余儀なくされるだろう。

政府は3か月前には、もう一つのゲリラ・グループ「ツパク・アマル革命運動」の最高指導者ビクトル・ポライの逮捕にも成功しており、フジモリ政権のゲリラ対策は大きな前進を見せたと言えよう。また、これによって、11月に予定されている「民主主義憲法議会」選挙に対しても、有利な状況を作ったと言える。

グスマンは、アンデス高地にあるアヤクーチョの国ウアマンガ大学で哲学政授だった1970年、ペルー共産党の中国派から分裂してセンデロを創始、10年間の準備の後、80年5月に、武道闘争を開始した。グスマンは、毛沢東主義に基づく同グループの特異な革命理論を作り上げた人物で、センデロ内部でゴンサロ大統領と呼ばれるなど個人崇拝の対象であり、組織の全権を掌握している。

グスマンは、センデロが武装闘争を開始する前の79年に逮捕されたことがあるが、すぐに釈放され、以後、姿を現したことはなかった。《読売新聞》

【アンソニー・パーキンスさん】死去

ヒッチコック監督の傑作サスペンス「サイコ」に主演したアメリカの個性派俳優、アンソニー・パーキンスさんが12日午後4時6分(日本時間13日午前7時6分)、エイズによる合併症のためロサンゼルス・ハリウッドの自宅で死去した。60歳だった。

パーキンスさんはニューヨーク市で生まれ、53年に舞台俳優としてデビュー。その後映画に転じ、ゲーリー・クーパー主演の「友情ある説得」(56年)ではアカデミー助演男優賞候補となり、青春スターとして売り出した。世界的に有名になったのは、連続殺人を犯すモーテルの経営者役を演じた60年の「サイコ」から。母親を殺して精神を病んだ青年のエキセントリックな演技で、ユニークな性格俳優としての地位を築いた。

その後「さよならをもう一度」(61年)のイングリッド・バーグマンの相手役で、カンヌ映画祭主演男優賞を獲得した。83年には「サイコ2」、86年には「サイコ3」に出演、「3」では監督も務めた。

代表作は他に「緑の館」「のっぽ物語」「パリは燃えているか」などがある。《読売新聞》



9月12日のできごと