平成1110日目

平成4年1月22日

1992/01/22

【脳死臨調】「脳死は人の死」

2年間にわたり脳死容認の是非、臓器移植のあり方を審議してきた政府の脳死及び臓器移植調査会(脳死臨調、永井道雄会長)は22日、最終答申をまとめ、宮沢首相に提出した。

答申では、脳死について「社会的、法的にも人の死とすることは妥当で、社会的にも受容されている」と結論。心臓、肝臓などの脳死移植はドナー(臓器提供者)の生前意思の最大限尊重などを前提として容認、速やかに移植条件の整備に着手するよう政府に強く要望している。

しかし、国民の中でも依然、多様な考え方がある現場を反映、脳死容認に反対の少数派見解も併記した異例の答申となった。

今後、脳死移植の法制化をめぐる国会、行政の動向が焦点になるが、早くも脳死移植へ向けて関係学会や医療現場に様々な動きが出ている。《読売新聞》



【宮沢喜一首相】「政治資金」最優先に

自民党の第55回定期党大会が22日午前10時過ぎから、東京・日比谷公会堂で開かれた。あいさつした宮沢総裁(首相)は、「共和」汚職事件で阿部文男・元北海道沖縄開発庁長官が逮捕されたことに関連して、「不退転の決意をもって政治改革に取り組まなければならない」と強調。具体的な方策として、政治倫理の確立と、金のかからない政治活動や政策を中心とした選挙が実現できる仕組みを作ることを挙げた上で、「政治資金制度や選挙制度、国会改革が急務」と力説した。

首相の発言は、政治資金制度を選挙制度改革や国会改革と並列させながらも、最優先課題とする意向を示したものだ。また、「投票価値の格差是正の要請にもこたえられるよう努力しなければならない」と述べ、政治資金などと並行して定数是正にも取り組む考えを示した。

また、先の日米首脳会談での自動車・部品輸入問題に関する合意の実行をめぐって、首相が先に「合意は約束ではなく努力目標」と発言したことに対し、米側から強い批判が出ていることに触れ、「合意したことは誠実に実行に移す」と強調した。

経済運営では、減速傾向にある経済に内需を中心とした持続可能な成長を定着させることが「内政の最大の課題」と指摘。平成四年度予算案での公共投資への配慮や第三次公定歩合引き下げなどを例示した上で「経済の基礎体力は本来良好で、機動的な経済運営と相まって、経済は再び活発に動き始めると確信する」と述べ、景気回復に強い自信を示した。

また、このほかの当面の政治課題として、関税・貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)への対応、国連平和維持活動(PKO)協力法案の早期成立などを列挙したが、具体的対応については「誠心誠意、真正面から取り組む」と述べるにとどまった。

夏の参院選について、「内外の諸問題を解決し、諸政策を推進するためには、政治の安定が何よりも大切」と強調し、参院選勝利を訴えた。《読売新聞》

【栗原小巻さん】自民党をしかる

「自民党の皆さん、演技ではなく、真実を見せてください」。22日午前、東京・日比谷公会堂で開かれた自民党の定期大会に、女優の栗原小巻さんが来賓として登場、「田舎芝居」とも皮肉られる政治の現状に反省を促す熱弁をふるい、居並ぶ「実力者」たちをうならせた。

祝辞に立った栗原さんは、まず、「なんで私が、と思われる人が多いと思う。実は、25年前に党大会で詩の朗読を頼まれたことがある」と切り出した。少し間を置いて、「それは共産党大会でした」とやり、会場は笑いの渦。

そして、俳優も政治家も「批判される立場」と会場の国会議員や地方代議員に連帯のあいさつを贈りながら、「この仕事に大切なのは、自信と謙虚さ」という名優ローレンス・オリビエの言葉を引いて、政治家に求められる資質を暗示「陰謀、裏切りなどはシェークスピアにまかせておいた方がいい」と格調高く、永田町を批判した。

「今、世界の期待にこたえるのが日本の義務。そこで大切なのは、援助させていただくという謙虚さだ」と、国際貢献の心構えを説いた。原稿も用意せず、時に「小巻スマイル」を交えた祝辞は約10分。そのさわやかさと度胸に感じ入った国会議員席からは、「参院選に出たら」の声があがった。《読売新聞》

【野球殿堂入り】広岡達朗氏、坪内道則氏、吉田義男氏

野球の殿堂入りを決める野球体育博物館の第32回競技者表彰委員会は22日、東京都文京区の同博物館内で開かれ、表彰委員216人(未投票の12人を除く)による記名投票(10人以内の連記)を開票した。

この結果、ヤクルト、西武で両リーグ日本一監督となった広岡達朗氏(59)、初の1000試合出場、1000安打を記録した元中日の坪内道則氏、監督として阪神を初めて日本一に導いた吉田義男氏(58)の3人が当選必要数である有効投票数216票の75%(162票)以上を獲得して野球殿堂入りを決めた。《共同通信》

【大相撲初場所11日目】曙、貴花田、1敗守る

大相撲初場所11日目(22日・両国国技館)曙と貴花田はこの日も1敗を守り、四日間トップで並走。曙は突き押しで琴の若を圧倒、貴花田も4戦全敗と苦手の水戸泉を休まず攻めて寄り倒した。 2敗の貴ノ浪は立ち合いに変わって鬼雷砲を下し、3敗の小錦も貴闘力を簡単に押し出して勝ち越しを決めた。若花田は7勝目を上げたが、舞の海は7敗と苦しくなった。大関霧島は5敗。《読売新聞》

終盤に入り、貴花田の相撲が力強くなってきた。この日の相手は、4戦全敗と苦手の水戸泉だが、休まず攻めて、186キロの巨体に初めて土をつけた。「一生懸命ぶつかっ上ていこう」とだけ考えて土俵に上がったという。立ち合い、貴花田はもろ手突きで相手の出足を止めると、相手の懐に入ってもろ差し。水戸泉の右手がまわしにかかったが、うまく切って投げを連発。最後まで有利な体勢で相撲を取り切った。

上手をとれば、腕力がある水戸泉に分がある。しかし、頼みの綱がとれたのは土俵際。それも上体が伸びていて、力が出ない。水戸泉は「途中で止まればよかったが。動きがいいよ。強い」とあきらめ顔。土俵下で見ていた鏡山審判部長(元横綱柏戸)は「強かったね。このままいくんじゃない」と、優勝争いは決上定戦で、曙との一騎打ちと予想する。

残りの対戦相手を見ると、曙は上位の霧島と栃乃和歌との対戦がまだだが、貴花田は既に上位との対戦を終えている。難敵といえば五度対戦して全敗の三杉里ぐらいだ。本人は「自分なりに頑張ります。それしか言うことないです」と相変わらず無表情だが、この日の勝ちっぷりを見ると、史上最年少優勝も夢ではない。《読売新聞》

【韓国】「慰安婦問題」国連へ

韓国の「挺身隊問題対策協議会」は22日、従軍慰安婦を含めた挺身隊問題を国連人権委員会に報告する方針を明らかにした。2月初めに代表が訪米する予定。

また、同会が今月14日から21日まで電話相談を行った結果、工場労働にかりだされた元挺身隊33人、元従軍慰安婦25人を含めた計89人から届け出があったという。

同会は毎週水曜日に日本大使館前で抗議集会を開き、日本政府に公式謝罪と補償を求める運動を続ける。《読売新聞》

【渡辺美智雄外相】CIS本格支援に3原則

渡辺美智雄外相は22日午前(日本時間23日未明)、米国務省内で開かれた旧ソ連支援調整国際会議で、医療、技術支援両分科会の共同議長国として演説した。

この中で、渡辺外相は、日本の独立国家共同体(CIS)本格支援開始のための三原則を提示。これに関連し、「日本・ロシア間で平和条約が一日も早く締結されることを期待する」と述べ、北方領土問題の解決も三原則の中に含まれることを強調するとともに、非軍事大国化への政策転換の必要性を指摘した。

また、外相は、同会議に続く第二回フォローアップ会議(欧州共同体=EC=主催)後、年内にも第三回フォローアップ会議を日本で開催することを提唱した。《読売新聞》



1月22日のできごと