平成1039日目

1991/11/12

この日のできごと(何の日)

【米穀商・川崎磯信さん】「ヤミ米で私を告発せよ」

「私を告発してもらうことでヤミ米の実態を社会に問いたい」と、富山県婦中町で自由米(ヤミ米)を販売している米穀商川崎磯信さん(55)が12日、東京・霞が関の食糧庁を訪れ自らを食料管理法違反で告発するよう“直訴”した。同庁は川崎さんが持参した関係書類は受け取ったが「調査は富山食料事務所と富山県が担当する」と答えただけで“直訴”は受け入れなかった。

川崎さんは同庁に告発を求めた理由を「コメは全量管理というが、自主流通米のつくり過ぎなどで農協でさえ売れ残ると困るのでヤミ米を売っている。こうした食管行政の矛盾を明らかにしたい」と説明した。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【田本清嵐さん】誕生日

【大相撲九州場所】3日目

大相撲九州場所3日目(12日・福岡国際センター)北勝海が土俵際の肩透かしで寺尾に敗れ、三日目で早くも役力士に勝ちっ放しがいなくなった。これは61年春場所以来。 霧島、小錦の両大関はそろって安泰、若花田も隆三杉を押し出したが、貴花田は苦手の三杉里に立ち合いはたかれ2敗。《読売新聞》

三杉里にはたき込まれた貴花田は、これで対三杉里戦に5連敗。口を真一文字に結び、無言のままだった。貴花田の鋭い出足を、立ち合いの注文相撲でかわした感じの三杉里。「時間前から気合負けで、足が全く出なかった。相性がいい? やりにくいから、ああいうことをしてしまうんだ」と、初日が出ても素直に喜べない様子だった。《読売新聞》

【宮澤喜一首相】歳出合理化を徹底

国会は12日、参院本会議でも宮澤首相の所信表明演説に対する各党の代表質問を行った。首相は、税収不足で厳しくなる今後の財政運営方針について、「やがて高齢化社会を迎えるので特例公債(発行)で将来に負担を残すことは避けなければならない」と、特例公債の発行を改めて否定。その上で、「あらゆる分野で優先度の低い歳出の合理化に取り組む」と述べ、徹底した歳出合理化で対応する考えを表明した。

また、今回の政権交代に関連し、新たな世界平和秩序の構築や公正な社会、生活大国の実現などに向け、「受け身ではなく、積極的に対応して国民の信頼にこたえたい」と懸案解決への意欲を表明した。

この日午前は、社会党の浜本万三・参院国対委員長と自民党の北修二・参院政審会長の2人が質問に立った。

コメ市場開放問題では、浜本氏が自由化反対の国会決議を尊重するよう求めたのに対し、首相は「相互の協力による解決に向け最大限の努力をする」と述べ、米国、欧州共同体(EC)の対応によってはわが国も譲歩する考えを重ねて表明した。

政治改革について、首相は、政治倫理の確立、金の「かからない選挙、政治の仕組みを作るためにも、先の国会で廃案となった政治改革関連3法案をたたき台にし、1年をめどに与野党間で現行制度を抜本的に改革する成案を得たいとの考えを改めて示した。《読売新聞》

【宮澤喜一首相】PKOカンボジア派遣を想定

国会は12日、宮澤首相の所信表明演説に対する2日目の各党代表質問を衆参両院本会議で行った。宮澤首相は、国連平和維持活動(PKO)協力法案について「カンボジアにも国連の平和維持活動の適切な協力を求められることが考えられる。そのためにも速やかな成立を願いたい」と述べ、「国際平和協力隊」のカンボジア派遣を想定していることを明らかにした。またカンボジア和平後の復興に協力するため、早期に政府の調査団を派遣する方針を示した。

また民社党の大内委員長がPKO法案に「国会承認」を盛り込むよう求めたのに対し、宮澤首相は(1)協力隊は機動的な対応が必要(2)国連側の派遣要請に対し条件付きになる事態は避けたい–を挙げ、民社党の要求に応じられないことを明確にした。《共同通信》

【宮澤喜一首相】日中戦争など「戦略的事実」

宮澤首相は12日の衆院本会議で、共産党の不破委員長が「日本がアジア界に対して行った戦争を侵略戦争と認識しているか」とただしたのに対し、「侵略的事実は否定できない」との認識を示した。

首相は、戦争によって我が国が近隣諸国などの国民に重大な損害を与えたとした上で、「(侵略という)意識を踏まえ、平和への決意を新たにし、このようなを二度と起こさないよう平和国家として、世界の平和と安定に高献していく」と国連平和維持活動(PKO)への協力を含め国際貢献で積極的役割を果たしていく考えを強調した。

この問題については、海部首相(当時)は今年の年頭にあたっての内閣記者会との会見で、今年が真珠湾攻撃50周年にあたるとし、「二度と侵略戦争はしないという決意を誓う大事な節目の年となる」と発言。また、竹下首相(当時)は昭和63年、「侵略戦争だったかどうかは後世の史家が評価すべき問題と考えている」と述べ、中曽根首相(当時)は61年に「日中戦争での侵略的事実を否定することはできない」と発言している。《読売新聞》

【宮澤喜一首相】共産党への答弁は3分

丁寧な答弁を繰り返し、その低姿勢ぶりが目立っていた宮澤首相が、この時ばかりは、ひょう変したかのよう—12日午後の衆院本会議での不破共産党委員長の質問に対し、首相の答弁は、わずか3分間という超異例の短さ。肝心の答弁用紙を散逸したため、と首相は釈明したが、結果的にせよ、「宮澤政治」がめざすキーワードの一つである「公正さ」を欠くことになった。

11日に代表質問が始まって以来、首相の答弁時間は、社会党の田辺委員長の場合30分、公明党の石田委員長は27分。不破氏のあとに質問に立った民社党の大内委員長に対しても21分で、自民党三役の一人は「あの人は昔から答弁が長いからね」と漏らしていたほど。

ところが、不破氏に対しては、手に持ったペーパーをすばやくめくりながら、3分間で答弁が終了した。「答弁漏れ」の指摘に、大内氏への答弁の際、「戦争責任」など4、5項目について補足答弁したものの、わずか2分。

代表質問後、首相は記者団の質問に「いやあ(答弁を書いた)紙がなくなって、自分の記憶で答えたものだから……。申しわけなかった」とニガ笑い。答弁メモを束ねていたクリップをはずして読んでいるうちに散逸、補足答弁の際は工藤敦夫内閣法制局長官のものを借りた、というが、不破氏はカンカン。「いままで10人を超える首相に質問したが、とにかく最低、最悪だ。一つ二つ答弁を落とすことはあるが、大事な問題はみんな落としていた。意図的にやっている」

時の政権を激しく批判することもあって、共産党への答弁が冷たくなるのは歴代首相の常だが、これほど答弁時間に差が出るのは珍しいこと。意図しなかった一種のアクシデントだったとはいえ、「首相の共産党への態度がはしなくも表れたのではないか」との見方が出てもおかしくはない一幕だった。《読売新聞》

【社会党・長谷百合子衆院議員】脱帽

社会党の長谷百合子代議士(東京11区)の国会本会議場でのベレー帽着用問題は12日朝、長谷さんが社会党の説得を受け、党として、今後現状にあわない国会規則の改正を求めていくことを条件に、帽子の着用をとりやめることで応の決着をみた。

この朝社会党は、村山富市国対委員長が長谷さんと会い、帽子の着用は、衆院規則違反にあたるのでやめるよう要請。長谷さんや同席した4人の女性議員からは「現状にあわない」と強い反発が出た。しかし、規則は規則ということで、村山委員長が「女性議員のいない旧憲法時代からの因習を引き継いだような規則の見直しを求めていく」との条件を出し、当面、ベレー帽着用をやめることを了承した。

長谷さんは「表現の自由を侵害しないよう規則を改めるというので了解した。女性議員の応援もあり、市民感覚で国会改革を果たしていきたい」と話していた。

衆院規則改正には、議院運営委員会も前向きといい、ベレー論争を機に、襟巻きの一種とされるネッカチーフの着用、つえの携帯禁止などの規則も、見直されることになりそうだ。《読売新聞》

【渡辺美智雄外相】韓国・李相玉外相と会談

第3回アジア・太平洋経済協力閣僚会議(APEC)出席のため韓国訪問中の渡辺美智雄・外相は12日夜、ソウル市内のホテルで韓国の李相玉・外相と約1時間会談した。両外相は、宮澤首相の韓国訪問をできるだけ早い時期に実現することで一致した。

具体的な時期に関しては、双方とも踏み込まなかったとされるが、日本側は宮澤首相の初外遊時期を1月に設定、外務省を中心に韓国も対象国の一つとして検討に入っており、早ければ来年早々に首相訪韓が実現する可能性も出てきた。

また、李外相は、先に盧泰愚大統領が発表した「朝鮮半島の非核化と平和構築のための宣言」に関連し、「これで北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が核査察を遅らせたり、核施設の放棄を遅らせる理由はなくなった。北朝鮮が誠実な努力をしないと、IAEA(国際原子力機関)や国連を通じて追加的措置をとらなければならない」と述べ、日本に非核化構想実現に向け、理解と協力を要請した。

これに対し渡辺外相は、盧大統領の宣言を評価するとともに「この問題で一緒に北朝鮮に働きかけていきたい。ソ連や中国にも働きかけて北朝鮮を説得したい」と述べた。

これは、ジェームズ・ベーカー米国務長官が提唱した朝鮮半島をめぐる「2プラス4」(南北朝鮮と米ソ日中の4か国)形式の協議を念頭に発言したものだ。さらに日朝国交正常化交渉について渡辺外相は「今後とも韓国と密接な連絡をとってやっていきたい」と述べ、韓国の立場を配慮しながら北朝鮮との交渉を進める考えを強調した。《読売新聞》

【APEC】開幕

自由貿易促進による環太平洋地域の経済発展を目指すアジア・太平洋経済協力閣僚会議(APEC)の第3回閣僚会議が12日、韓国・ソウル市内の青瓦台(大統領官邸)で行われた盧泰愚大統領主催の夕食会で開幕した。

同会議には、今回から正式加盟する中国、台湾、香港の3つの中国を加えた15か国・地域の外交、貿易担当相が出席、三日間の日程で、「ソウルAPEC宣言」と新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の年内合意を確認する声明を採択するほか、APECの常設機関化へ向けた協議が行われる。実質協議は13日朝からの全体会合で始まる。

わが国からは、渡辺美智雄外相、渡部恒三通産相が出席。午後6時半から開かれた大統領主催の夕食会では各国閣僚を前に盧大統領が歓迎スピーチを行った。《読売新聞》

【米・ベーカー国務長官】竹下元首相らとゴルフ

10日から来日していたジェームズ・ベーカー米国務長官と竹下元首相、中山太郎・前外相が12日、東京・稲城市の東京よみうりカントリークラブでゴルフを楽しんだ。

日本でのゴルフは初めてというベーカー氏の希望に応じ、中山氏がセットしたもの。12日午後には韓国へたつというあわただしい日程の中でのゴルフだったが、好天にも恵まれ、ベーカー氏は「ほがらかだった」(竹下氏)。

スコアは「最高機密。皆似たようなものだった」(中山氏)というが、ベーカー氏の提案で、当初ハーフで終える予定を3ホール追加してプレーする張り切りよう。ラウンド中も3氏の間では、関税・貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)での日本のコメ市場開放問題やソ連情勢が話題になったが、「特別突っ込んだ話はなかった」(中山氏)という。

それでもベーカー氏と竹下氏は財務長官、蔵相時代からの長いつきあいだけに、互いに旧交を温めあったようで、ベーカー氏にとっては日本でのつかの間のレジャーとなった。《読売新聞》

【米・ブッシュ大統領】日本に農業市場開放要求

ブッシュ米大統領は12日夜(日本時間13日朝)、ニューヨーク市内のホテルで開かれたアジア協会主催の夕食会で演説し、ポスト冷戦時代における米国の包括的なアジア政策について見解を表明した。

この中で、大統領は、関税・貿易一般協定(ガット)に基づく新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)を失敗させないことが、自由貿易体制を守る唯一の手段と指摘した上で、日本と韓国に対して農業、サービス分野などの市場を開放するように求めた。直接的な言及こそなかったものの、日本に、コメ市場の開放を暗に要求したと受けとられている。

大統領は、また、湾岸危機後、日米双方の国内で起こった反米、反日の感情を戒め、「まず我々が直面している問題に取り組むべきだ」と強調した。さらに、先に延期を決定した大統領の日本を含むアジア・太平洋諸国への歴訪に関して「早い時期に実現するよう前向きに取り組みたい」と語った。《読売新聞》



11月12日 その日のできごと(何の日)