平成962日目
1991/08/27
この日のできごと(何の日)
【ソ連・ゴルバチョフ大統領】新連邦構想を明らかに
ゴルバチョフ・ソ連大統領は27日、2日目を迎えたソ連臨時最高会議で演説、主権国家連邦構成国、国家連合構成国、準構成国―の3つのグループからなる新連邦構想を明らかにした。 これに先立ち同大統領は、ロシア、カザフ、キルギス3共和国代表と会談、15共和国すべての参加による経済協定の草案策定を開始することで合意するなど、新連邦体制をめぐってあわただしい動きをみせた。 また同日モルドワが新たに完全独立を宣言、ブリュッセルで開かれた欧州共同体(EC)外相会議でバルト3国の独立を承認するなど、連邦からの独立をめぐる動きも加速した。
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ソ連のゴルバチョフ大統領は27日、ソ連最高会議で演説し、新しい連邦は、①主権国家連邦構成国②国家連合構成国③準構成国―の3つのグループで組織される、との考えをはじめて明らかにした。
大統領は、この構想が、演説に先立って行われたロシア、カザフ、キルギス3共和国代表との会談で合意されたことを示唆するとともに、同会談で支持をうけた「経済協定」の枠内で、このような関係が存続する、と明言した。 大統領は、まず、「われわれは分裂することはできない。たとえ、権力は分けられても、協調行動を維持すべきだ」と、現在の15共和国すべてを包含した枠組みの形成に、強い意欲を示すとともに、「連邦体制が破壊された場合、私は(大統領を)辞任する」と言い切った。《読売新聞》
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【海部俊樹首相】米・ブッシュ大統領と電話会談
海部首相は27日夜、首相公邸からの電話でブッシュを米大統領と会談し、激動するソ連情勢への対応を協議した。
この中で首相は「民主的プロセスを強化する方向と認識しており、評価している」との考えを伝えたのに対し、大統領は「同感だ」としながらも「慎重に行動し、どういう事態の進展があるかを見極めることが重要だ」と述べ、本格的な対ソ禁輸支援などは事態の推移を慎重にみた上で判断する必要があるとの認識を示した。
また大統領は「首相とは波長が合うようだ。事態が速く動いているので、注視し、緊密に連絡をとっていきたい」との考えを示し、双方が一致した。《共同通信》
【越智通雄経済企画庁長官】「日本経済は拡大局面」
越智通雄経済企画庁長官は、27日の月例経済報告閣僚会議に、「国内需要は堅調で、企業収益は高い水準にあり、雇用者数が堅調に増加するなど、日本経済は拡大局面にある」とする8月の月例経済報告を提出した。
これにより、昭和61年12月から始まった今回の景気拡大は57か月連続となり、戦後最長の「いざなぎ景気」(40年11月-45年7月)と並んだ。
経企庁は、底堅い設備投資や個人消費を背景に「少なくとも今年度内は最気が拡大を続ける」(調査局)とし、景気拡大記録の大幅更新に自信をみせている。
しかし「最気は4-6月でピークを越えた」との見方も専門家の間に出ており、政府・日銀は今後、内需動向や為替・物価の動きなどに注視した慎重な経済運営を求められそうだ。《読売新聞》
【中野富士見中学いじめ自殺事件】控訴審
昭和61年2月、いじめを苦にした遺書を残して自殺した東京都中野区立中野富士見中二年、鹿川裕史君(当時13歳)の両親が、東京都と中野区、グループのリーダー格2人の両親を相手に損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が27日午前、東京高裁民事八部(菊池信男裁判長)で開かれた。
この日は、一審判決に対し、鹿川君の両親側が反論を展開した準備書面を提出。一方、中野区側などは控訴の棄却を求めた。
鹿川君の両親側は準備書面で、一審判決が「現代いじめ問題を理解していない」と厳しく批判した。《読売新聞》
【カンボジア】各派兵力を70%削減
カンボジア紛争当事者による最高国民評議会(SNC)会合は2日目の27日の協議で、最大の懸案だった兵力削減問題についてプノンペン政府と3派の4当事者の軍隊をそれぞれ70%削減することで合意、SNCの最終決定権を同議長のシアヌーク殿下が持つことでも一致した。
これは、国連安保理側が先に示していた最終和平案(P5案)の内容を一部踏み出すものであり、21日に開かれる安保理5常任理事国会議での米国などの出方が目されるが、4当事者間の合意を尊重するとの観測が強い。
会談後、シアヌーク殿下が発表したコミュニケによると、①各派の軍隊を70%動員解除し、その武器、弾薬、装備も70%の削減する②残りの30%の軍隊は指定された宿営地に再編、再配置し、国連監視下に入り、武器なども宿営地に保管する―の2点が合意内容となっている。
また、国連暫定行政機構(UNTAC)との権限関係に関しても「総選挙までの過渡期間にSNCで合意が形成されない場合、SNC議長は当事者の意思及び国連事務総長代理の意見を十分くんだうえで最終決定する」ことで、原則合意した。《読売新聞》
【中国】新疆に第一級戦備体制
消息筋が27日語ったところによると、中国人民解放軍は、ソ連のゴルバチョフ大統領が復帰した21日から新疆ウイグル自治区に「第一級戦備」体制を敷いたという。ソ連各共和国の独立が中国の民族独立運動に波及することに、中国は強い懸念をもっていることを示したものだ。なお、北京には、「第二級戦備」体制がとられているという。
「第一級戦備」体制によって具体的にどのような対応策が取られたのかは明らかでないが、西側軍事筋によると、一般的には、戦争発生に即応態勢が直ちにとれるよう演習の中止、兵士の休暇取り消しなどが行われるという。
新疆は、もともとウイグル人が人口の圧倒的多数を占めていたが、新中国成立後、漢族の移住が進み、現在では、自治区総人口約1500万人の約45%が漢族となっている。しかし、ウイグル人の中国からの分離独立運動は根強く、最近では、昨年4月に、同自治区クツラスクーク自治州で、ウイグル人を中心とした「東トルキスタン・イスラム党」による独立要求の暴動が起きており、今年7月にも区都ウルムチでデモ騒ぎがあったと伝えられている。
同自治区内には、新中国成立前、ウイグル族による「東トルキスタン共和国」(1933年)、「東トルキスタン人民共和国」(45年)が成立したことがあるが、いずれもソ連と中国によってつぶされている。
中国のソ連専門家筋は、ソ連保守派クーデターが起きた直後、ソ連が混乱し、各共和国が分離独立した場合、「ソ連、イランに住むウイグル人をまき込んだ『東トルキスタン国』の独立運動が強まる可能性が強い」との懸念を錠名、ソ連の統一、安定を強く期待していたが、その危ぐが堅実のものとなったわけで、中国が強い衝撃を受けているのは確実だ。《読売新聞》
【近鉄・野茂英雄投手】通算500奪三振
近鉄2-1日本ハム◇27日◇東京ドーム
近鉄が、リードの2本塁打で投手戦を制した。 リードは1点を追う四回に西村から、九回には白井康から、いずれも失投の直球を見逃さずにたたいた。1試合2本塁打は来日初。野茂は、自己ワーストタイ(今季3度目)の8四球を出すなど制球が荒れたが、再三のピンチを力でしのぎ、リーグ単独トップの14勝目。 日本ハムは、盗塁やエンドランなどで揺さぶりをかけたが、決定打が出なかった。
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近鉄の野茂が制球難を力で克服した。四球を連発して、四回以降は毎回得点圏に走者を背負う苦しい投球。八回は一死二、三塁、九回も一死三塁と外野フライも許されない場面だったが、144、5キロの直球を連投して相手をねじ伏せた。 「自分で招いたピンチだっただけに苦しかった。でも四球が多いのはいつものこと。点だけはやるまいと投げた」と“苦投”を振り返る野茂。三振や勝ち星など記録には相変わらず無関心だったが、「やるべきことは一つずつ勝つこと」と、優勝に向けての自覚は十分だった。
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近鉄・野茂英雄投手(22)が最速の500奪三振 27日の日本ハム戦の三回、ウインタースから今季213個目の三振を奪い、新人の昨年から通算412回で達成。 これまでのスピード記録は、昭和43年、江夏(当時阪神)の441回2/3。新人から2年目で達成したのは、秋山(大洋)、杉浦(南海)、権藤(中日)、江夏以来の5人目。《読売新聞》