平成923日目

1991/07/19

この日のできごと(何の日)

【フライデー】「雲仙」立入禁止区域をルポ

19日発売の写真週刊誌「フライデー」(講談社発行)に、長崎県雲仙・普賢岳の火山活動に伴い立ち入り禁止となっている島原市内の「警戒区域」内のルポが写真とともに掲載された。

ルポライターの鎌田慧さんに同誌記者と契約カメラマンが同行、死者、行方不明41人を出した火砕流や、その後の土石流の現場跡の様子が撮影、描写されているが、体育館や仮設住宅などでの長期の避難生活を余儀なくされ、帰りたくても帰宅できない警戒区域内の住民の心情を逆なですることにもなり、長崎県警島原署も、同区域内に入った経緯などについて講談社側から事情を聞く。

問題のルポは「『灰の街』島原絶望地帯を往く」というタイトルで、4ページにわたって掲載。先月3日、大規模な火砕流に見舞われた水無川上流域の島原市北上木場町の焼けただれた樹木や、同30日の土石流に埋まった同市北安徳町の住宅の写真とともに、鎌田さんが、現場の様子を克明にルポしている。

警戒区域は、災害対策基本法63条に基づき、応急対策にかかわる人員以外の立ち入りを市町村長が禁止、制限する区域で、普賢岳噴火に伴って先月8日、水無川流域の島原市内17地区、深江町13地区が指定された。罰則は1万円以下の罰金か拘留で、これに伴い、2740世帯、1万人余りの住民が区域外への立ち退きを強いられ、親類宅に身を寄せたり、体育館や仮設住宅での避難生活を続けている。

区域内に入れるのは重要一書類の持ち出しなどで市町村長の許可を得たケースだけで、長崎県警では、同区域に通じる車道を中心に機動隊員を配備して監視している。

同署の熊本正三署長は「住民が帰宅できずにいるのに、言語道断。警戒区域への侵入がはっきりすれば、警告なども含めて対応を検討したい」としている。

フライデーの元木昌彦編集長の話「担当者が不在で詳しい経緯はわからないが、普賢岳周辺の現状をナマの形でルポしえほしいと要望した。警戒区域への侵入までは指示していないが、行き過ぎた面があったかもしれない」

長崎県雲仙・普賢岳の溶岩ドームは19日、先端部分の崩落と成長を繰り返し、同日午後には再び500メートルの長さとなった。一方、ドーム北東斜面では、せり出し部分が崩落、小規模な火砕流が続いた。《読売新聞》

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【大相撲名古屋場所13日目】琴富士関が初優勝

大相撲名古屋場所13日目は19日、名古屋市の愛知県体育館で行われ、東前頭13枚目、琴富士(26)(千葉県出身、佐渡ヶ嶽部屋)が関脇貴闘力を寄り切りで下し初優勝した。琴富士は初日から13連勝で、二番手の大関小錦が既に3敗しているため、優勝が決まった。

平幕優勝は昭和59年秋場所の多賀竜以来、41場所ぶり20人目。13日目に優勝が決まったのは、15日制が定着した同24年夏場所以降では、昨年初場所の千代の富士に次いで14回目だが、関脇以下の力士では初めて。《読売新聞》

【海部俊樹首相】続投に意欲

オランダを訪問中の海部首相は19日午前(日本時間同日午後)、ハーグ市内のホテルで同行記者団と懇談し、当面の内政課題について見解を明らかにした。

首相は、帰国(21日)後の最大の焦点となる政治改革関連法案について「臨時国会に提出する以上、通したい」と成立に全力を挙げる意向を表明。10月末の自民党総裁選への対応については、直接の言及を避けたものの、政治改革をはじめとする重要課題に積極的に取り組む決意を示す形で、“続投”への意欲をにじませた。また、通常兵器移転(輸出入)に関する国連への登録制度創設を提案するため、9月のニューヨークでの国連総会に首相自身が出席する考えを示唆した。

首相は、政治改革について「海部内閣に与えられた最大の宿題」と位置付け、できれば首相自身の手で関連法案を成立させたいとの意向を示した。このため、8月5日召集が本決まりとなっている臨時国会の会期に関しても「(10月末で期限切れとなる)自民党総裁任期の中でギリギリまでやれるよう、2か月くらいの実質審議ができる会期にして欲しい」と要望。政府・自民党案に反対している野党各党には、対案の提出を強く迫るとともに、臨時国会開会後、野党側と積極的に対話し、理解と協力を求める考えを明らかにした。

さらに、政治改革関連法案の自民党の党議決定について「従わないと党規違反になるというものではない」と総務会での反対論に配慮を示したが、同時に、あくまでも「原案を通すのが基本」と強調した。《読売新聞》

【自民党・渡辺美智雄元政調会長】全国遊説スタート

今秋の自民党総裁選挙への出馬をめざす渡辺美智雄元政調会長(渡辺派会長)は、19日、北海道・根室市を皮切りに国内遊説をスタートさせた。

「日本列島対話の集い」と銘打った渡辺氏の全国行脚第一弾の目玉は、北方領土の旧島民との対話。22日からは、北方領土と地理的、経済的に関係の深いソ連極東地域への訪問を控えていることもあって、旧島民の声に熱心に耳を傾けるなど領土問題解決に向けての強い意欲「のぞかせていた。

19日朝、山口敏夫・渡辺派事務総長らを従え、空路根室入りした渡辺氏は、さっそく同市郊外の酪農家を視察。長靴姿で牛舎内に入り、「乳価はどのくらい?」「一頭当たりの搾乳量は?」などと、農政通らしい質問を連発していた。このあと、北方四島を望む納沙布岬に立った渡辺氏、間近に見える歯舞群島や、水晶島付近を往来するソ連の監視艇を見た。

「派閥の会長になった以上は、大体の人は総裁をめざす」―さる5月末、遠回しの表現で出馬への意欲を示した渡辺氏は、9月にかけて全国10か所程度で遊説を計画「『政策の渡辺』を訴え、イメージアップを図っていく」(山口氏)方針だ。

この日の根室遊説では、「国民の反感を買おうとも、堂々と本当のこと、正しいことを国民に訴えていく。それがこれからの政界の指導者だ。私は逃げない」と意欲をみなぎらせていた。《読売新聞》

自民党の渡辺美智雄・元政調会長は19日、遊説先の北海道根室市内のホテルで記者会見し、海部首相の「続投」について、「その時の情勢によって立候補したければ立候補声明して、手続きを取ればいい。海部さんがそうおっしゃったとしても不思議ではない」と述べ、海部首相が再出馬することも念頭に置いて、自らも総裁選出馬への準備を進めていることを明らかにした。

渡辺氏は、今秋の総裁選挙について、「原則は選挙(公選)だが、その時の政治情勢もあり、話し合いになるかどうかギリギリまで何とも申し上げられない」と述べ、和戦両にらみで対応していく考えを示した。

また、「だれが総裁になっても任期は一回(2年)で終わりという規則はない」と、海部首相の続投の可能性にも言及し、「我々としても立候補の準備を着々と進めている」と述べた。

さらに、竹下派の奥田敬和事務総長が18日の講演で、リクルート事件にかかわった渡辺氏らの総裁選出馬を強くけん制したことについては「一個人の意見をいちいち私が論評する限りではない。一個人の意見として承っておく」とだけ述べた。《読売新聞》



7月19日 その日のできごと(何の日)