平成870日目

1991/05/27

この日のできごと(何の日)

【第2回国連軍縮京都会議】

今後の軍備管理・軍縮のあり方などについて討議する「第2回国連軍縮京都会議」が27日午前、37か国から約120人の政府代表、学者が参加して京都市の国立京都国際会館で開幕した。

冒頭、基調演説を行った海部首相は、湾岸戦争の結果、軍縮推進に向け、兵器供給国、需要国を問わず「責任の連鎖」への自覚が求められていると指摘するとともに、具体的には①核、化学兵器など大量破壊兵器の拡散防止②通常兵器移転の透明性、公開性増大、の必要性を強調。とくに通常兵器については、兵器の輸出入状況に関する国連への報告制度の確立を提唱、また核兵器関係では、国際原子力機関(IAEA)の特別査察の活用など査察システムの強化を訴えた。

この会議は国連主催の軍縮シンポジウムで、わが国での開催は三度目。「冷戦及び湾岸戦争後の国際システムと多国間軍縮への挑戦」をテーマに、四日間にわたり討議する。

海部首相は演説で、湾岸危機の原因に触れ、「イラクが膨大な軍事力を保持することができたのは、兵器やその関連技術の国際的移転、拡散のためだ」と指摘。その上で湾岸危機後の軍縮の第一の課題として、大量破壊兵器・ミサイルの拡散、通常兵器の国際移転の問題への国際社会一体となった取り組みをあげた。

このうち、通常兵器に関して首相は、輸出国に対し「自主規制の枠組みの整備・強化の検討」を求めるとともに、各国に対し、通常兵器の輸出入状況の明示を義務づけ、武器輸入が急増しているような国をチェックするための国連報告制度を提起。同時に国連におけるデータベース・システム整備・拡充のため専門家の派遣など応分の協力を行う意向を表明した。

核査察に関しては、IAEA保障措置協定加盟国が申告した施設以外にも査察が実施できる「特別査察」を積極的に活用するよう強調。合わせて申告施設に限定される「通常査察」の弾力的運用による質的強化を提案した。《読売新聞》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【自民党・渡辺美智雄氏】ポスト海部に意欲

自民党の渡辺美智雄・元政調会長(渡辺派会長)は27日、都内の派閥事務所での会合で、今秋の総裁選挙に関連、「派閥の会長になった以上は、大体の人は総裁をめざす。私もみなさんの協力をいただいてがんばりたい」と述べ、10月の総裁選に出馬する考えを表明した。

渡辺氏は今年1月、地元・宇都宮市での新年会で「いつでも政権を担当する用意は持っている」と政権獲得への意欲を明らかにしているが、この日の渡辺発言は安倍晋太郎・元幹事長の死去で緊迫化する政局の中で、事実上の出馬宣言と受けとめられている。

総裁選を前に、党内で公選論が強まっているこの時期に、総裁候補と目される実力者が出馬への意欲を具体的に示したのは渡辺氏が初めてで、党内のポスト海部をめぐる動きにますます拍車をかけることが予想される。《読売新聞》

【自民党・小渕恵三幹事長】総裁選「公選が望ましい」

自民党の小渕幹事長は27日、都内で講演し、秋の自民党総裁選について、「堂々の総裁公選ができれは一番望ましい姿ではないか」と述べ、話し合いによる総裁選びでなく、公選による総裁選出を行うべきだとの考えを示した。

渡辺美智雄・元政調会長が同日、事実上、総裁選出馬を宣言しており、小渕氏の発言は総裁公選を求める党内の空気を代弁したものとみられる。最終的に自民党総裁選挙がどんな形で落ち着くか予断は許さないが、秋に向け公選論が党内の大勢になりつつあるのは間違いない。

小渕氏は、公選論の背景に①各派閥が競り合うことで党に活力を与える②木戸賃(党費)を払って芝居(総裁選)を見られないのはおかしい、という党員の声にこたえる必要がある―という考えが定着していることを指摘。

これに続けて小渕氏は「だれでも公選に出て、粛々と、時には華々しくやってもらいたい」「大正世代と(昭和世代の)若手ということが(対比されて)言われる。プロ意識うんぬんというつもりはないが、(若手の)人気だけというわけにもいかない。実力と人気の伴うことが望ましい」などと発言した。

小渕氏は幹事長就任に伴い竹下派を離脱したが、同派会長の金丸信・元副総理や再登板がとりざたされる竹下元首相の側近。しかも同派の有力総裁候補とみられる橋本竜太郎蔵相と衆院当選の同期生で、小沢一郎・前幹事長や羽田孜・党選挙制度調査会長の先輩格。また海部首相とは早大雄弁会の先輩、後輩の間柄だ。

複雑な立場を反映して小渕氏は、公選論への傾斜を示す一方で実績のある大正世代への気配りも見せ、さらに政治改革への不退転の決意を示す首相についても、高い内閣支持率を背景に「続けて(総裁に)ということもないとも言えない」と述べた。

また、小渕氏は「社会党に自衛隊を認めようという空気が生まれるかどうかわからないが……」と前置きした上で、極端に言えば「自社連合だって全くないわけではないし、自公民による連立もあるかもしれない」と述べ、秋の総裁選が政界再編の突破口になる可能性を示唆した。

選挙制度改革を柱とする政治改革の狙いについては、「世界の情勢を見て、それに適切に素早く反応するためには、与野党とも『日本の常識が国際常識』という線で話を進められる二大政党という形を求めていく必要がある」と強調した。《読売新聞》

【中曽根康弘元首相】73歳の誕生日

中曽根元首相の誕生日を祝う会が27日、都内のホテルで自民党渡辺派(旧中曽根派)の国会議員約50人が参加して開かれた。この日で73歳の誕日を迎えた中曽根氏は先月末、念願の復党を果たしたことと腹部にできたヘルペスの快気祝いが期せずして重なることにもなった。

蔦子夫人とともに会場に姿を見せた中曽根氏は元気いっぱい。「幸い復党も許された。これからも日本のためにいささかでも役立つよう(国際的)タマ拾いに精進させていただきたい」秋の総裁選びに向けて、党内には生臭いムードもただよい始めたが、この日はかりは生臭い発言は一切なく、和気あいあいムードだった。《読売新聞》

【エチオピア】政府側が全面降伏

米仲介によるエチオピア和平交渉が27日からロンドンで始まり、調停役のハーマン・コーエン米国務次官補(アフリカ問題担当)が初日の個別会談後、明らかにしたところによると、テスファイエ・ディンカ首相らエチオピア政府側と3つの反政府勢力代表は停戦に合意した。 28日からの本格交渉に備えた動きと見られ、コーエン次官補はまた、アメリカ政府としては首都アディスアベバ周辺での情勢安定化のため、主要反政府勢力の一つであるエチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)に対し、出来るだけ速やかに首都に入るよう呼び掛けていることも明らかにした。

エチオピア政府は27日、現地時間同日午後6時20分(日本時間28日午前0時20分)、国営エチオピア放送を通じて、反政府ゲリラ諸組織と停戦することを発表、政府軍兵士に対し、武装解除を命じた。《読売新聞》

【テニス・松岡修造選手】全仏初戦敗退

テニスの四大大会第2戦、全仏オープンは27日、パリ郊外のローランギャロスで開幕。男女シングルス1回戦が行われ、日本選手として男子シングルスに13年ぶりに出場の松岡修造(富士ゼロックス)は、一昨年ベスト8のロナール・アジェノール(ハイチ)に2-6、3-6、7-6、3-6で敗れた。

松岡は最新の世界ランキング2位のアジェノール相手に接戦をしたが、肝心な場面でのネットプレーに凡ミスが多く競り負けた。

このほか日本勢は、女子で木戸脇真也(フリー)がシュルツ(オランダ)に6-4、6-4でストレート勝ち、雉子牟田明子(旭硝子)もストランドルント(スウェーデン)を6-0、6-4で下したが、宮城ナナ(リゾートボックス)、高木圭郁(ルネサンスTS)は敗退した。

シード勢に波乱はなく、男子で一昨年優勝のマイケル・チャン(米)、第五シードのセルヒ・ブルゲラ(スペイン)、女子のシュテフィ・グラフ(独)、ジェニファー・カプリアティ(米)らが順当に勝ち進んだ。《読売新聞》



5月27日 その日のできごと(何の日)