平成867日目

1991/05/24

この日のできごと(何の日)

【雲仙・普賢岳】噴火

長崎県・雲仙岳の主峰・普賢岳(1359メートル)の地獄跡火口が24日午前8時10分、白煙をあげて噴火した。衝撃で東側火口壁が崩れ、火口内にあふれていた大量の溶岩が無数の塊に分かれて斜面を転がり落ちた。一部は山頂から約2キロ下の中腹まで達し、樹林が燃えるなどしている。

また、火口では新たな溶岩がせり上がり、雲仙岳測候所は同午前9時25分、噴火で溶岩の新たな流出や山火事などの恐れがあるとして臨時火山情報を出して、警戒を呼びかけている。無数の溶岩塊が落ちた山肌は熱で白煙に包まれ崩落した溶岩から最も近い民家まで約2キロ。今のところ被害は出ていないが、雲仙・島原地方には同日、大雨・洪水注意報が発令され、溶岩塊を含めた大規模な土石流の発生が心配されている。

九州大島原地震火山観測所の太田一也教授らの観測によると、地獄跡の東側火口壁は噴火で大きく崩壊、周辺の山肌が崩れる恐れが出ている。溶岩塊は直径2―3メートルのものが多く、火口下急斜面の約800メートルにわたって、山肌に連なるようにして、白煙を上げている。

現地入りした専門家らの分析によると、同日の地獄跡火口の噴火は、19日の溶岩円頂丘(ドーム)出現までの火山灰を伴った噴火とは違い、火口深部のマグマと水分が接触した瞬間的な噴火と推定されている。

雲仙岳測候所によると、噴火は昨年11月以来、20回目。溶岩塊の色は、赤と黒みがかった灰色で、温度は数百度あるとみられる。火口から3キロの北上木場地区にある観測点では、噴火音は確認できなかった。

一方、火山性地震は、23日も、9日連続100回を超える151回(いずれも無感)を記録。24日も午前8時までの8時間で35回(同)を数えた。

島原市対策本部(本部長・鐘ヶ江管一市長)は、午後1時現在、噴火による避難勧告は出していないが、同火口から東側約4キロの同市北上木場町などの住民の一部は、自主避難を始めた。《読売新聞》

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【海部俊樹首相】“中東向け武器移転規制”国連委託提案へ

海部首相は7月の先進国首脳会議(ロンドン・サミット)で中東地域向け通常兵器移転について国連委託方式による規制強化を提案する意向を固めた。政府筋が24日、明らかにした。

提案は(1)中東向け武器移転の実態把握を国連に委託する(2)関係国は中東地域に輸出するなどした武器の種類、数量、金額などを国連委報告する、との内容。武器移転の実態と中東各国の武器保有状況の透明度を高め、イラクのような軍事大国の出現を防止するのが狙い。《共同通信》

【海部俊樹首相】臨時国会早期に

海部首相は24日朝、首相官邸で自民党の小渕幹事長、西岡総務会長に対し、臨時国会を早期に召集するよう、党側の協力を要請した。また、当面の政治課題である政治改革、コメ輸入部分自由化を軸とする農業問題などについて党内の調整と取りまとめに全力を挙げるよう求め、来週初めに首相と党四役が具体的な協議を行うことを確認した。

この幹事長、総務会長の協議に先立って、首相は記者団に対し、政治改革関連法案や国連平和維持活動(PKO)への協力組織に関する法案作成について、「いろいろ意見があることは承知している」としながらも、臨時国会の召集はできるだけ早く……」と述べ、七月中に召集したいとの考えを重ねて強調した。

その上で、首相は幹事長、総務会長に対し、党側の協力を求めたもので、これについて首相は協議後、「党の問題について指示した。みんなに協力してもらわなければならない」と強調した。

首相と党四役の協議は26日行われ、①政治改革について、政治改革関連法案骨子案を早急に取りまとめ、衆院小選挙区比例代表並立制導入に伴う区割り案について政府の選挙制度審議会に審議をゆだね、答申を得て法案化を急ぐ②コメ問題について6月以降の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)本格化と、経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会、7月の先進国首脳会議(サミット)を控えて具体的な対応の検討などについて突っ込んだ意見交換をし、召集時期を調整する見通しだ。《読売新聞》

【中山太郎外相】新ラウンド方針協議へ閣僚会議

中山太郎外相は24日の閣議後の記者会見で、来月16日以降に、関税・貿易一般協定(ガット)新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)に臨むわが国の交渉方針を協議するための関係閣僚会議を開く方針であることを明らかにした。

外相は「ウルグアイ・ラウンドに関するあらゆる問題を協議することになる」と述べ、コメの市場開放問題についても議論する考えを示した。また、これに関連して中山外相は、サミットで(合意時期について)いつごろを目指すのか協議されると思う」と述べた。《読売新聞》

【中山太郎外相】伊・デミケリス外相と会談

イタリアのジャンニ・デミケリス外相と中山太郎外相は24日、東京・麻布台の外務省飯倉公館で約2時間半会談し、国連憲章の旧敵国条項の削除を目指すことを確認、併せて日伊両国とともに第二次世界大戦の敗戦国であるドイツを含め、三国が連絡を取り合って協議していくことで一致した。

旧敵国条項は、第二次大戦中に戦った敵国が侵略行為を再現した場合、安全保障理事会の許可なしに武力行使できることなどを定めた国連憲章上の規定。

デミケリス外相は、冷戦後の新しい世界秩序構築に向けて国連の役割を強化する必要があると指摘した上で、「(国連が)新しい時代に即応するために、憲章の見直しが必要」と述べ、旧敵国条項削除の必要性を強調。中山外相も「国連憲章は全参加国に平等でなければならない」と同調した。

国際情勢に関する意見交換では、デミケリス外相が、対ソ支援問題について「サミット(先進国首脳会議)で前向きな結論を出すべきだ」と述べ、積極的な支援に踏み切ることを提案。これに対し、中山外相は「ペレストロイカ(立て直し)に対する知的支援は行うが、大規模金融支援は行う状況にはない」と否定的な見解を表明した。

このほか、イタリアが実施している対日差別輸入数量制限(16品目)について中山外相が撤廃を求めたのに対し、デミケリス外相は、14品目は撤廃するとしながら、自動車と工業用ミシンの2品目は輸入制限せざるを得ないと答えた。《読売新聞》

【大相撲夏場所】13日目

大相撲夏場所13日目(24日・両国国技館)大関対決で、小錦は左四つ十分から両まわしを引きつけて2敗の霧島を寄り切り13戦全勝。横綱旭富士も、立ち合い左に変わり、上手出し投げで琴錦を破り1敗を守った。

この結果、14日目に小錦が勝ち、旭富士が敗れると、小錦の9場所ぶり2度目の優勝が決まる。《読売新聞》

【インド・ガンジー元首相】国葬

暗殺されたインドのラジブ・ガンジー元首相の国葬が、24日午後5時(日本時間同8時半)前から、ニューデリー中心部にあるシャクティ・スタル墓苑内でしめやかに営まれた。葬儀はヒンズー式で行われ、長男のラフール・ガンジー君(17)が牛脂と聖水をまいて別れを告げた後、元首相の遺体はだびに付された。

国葬にはパキスタンからナワズ・シャリフ首相、ベナジル・ブット元首相らが参列したほか、クエール米副大統領、チャールズ英皇太子、竹下元首相ら各国要人約40人が出席した。

これに先立ち、ガンジー元首相の遺体を納めたひつぎは、午後2時(同5時半)に、ベンカタラマン大統領、シェカール首相ら政府要人、ソニア夫人ら家族と護衛兵に守られ、祖父ネール元首相の旧公邸だった記念博物館があるティーン・ムルティ・ハウスを出発、3時間近くをかけ11キロ離れた国葬会場まで運ばれた。

葬列の進む沿道は元首相の突然の死を悼む数十万人の市民であふれた。《読売新聞》



5月24日 その日のできごと(何の日)