平成779日目

1991/02/25

この日のできごと(何の日)

【湾岸戦争】多国籍軍、クウェート奪回が加速

クウェート奪回を目的とする多国籍軍の地上侵攻作戦2日目の25日、シュワルツコフ米中東司令官は地上戦が計画を上回る速度で進んでいるとして、作戦をさらに加速し、短期決戦に持ち込む構えを強めた。米軍筋の話では、イラク兵の捕虜は地上戦開始以来2万人に達した。

多国籍軍のうち米海兵隊第一、第二師団が南部正面からクウェート市に進攻する態勢を見せ、西部国境から前進しているフランス軽機甲師団、英第一機甲師団、米軍第八二空てい部隊がイラク軍の地上部隊を次々撃破。クウェート市制圧が焦点となってきた。《共同通信》

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【湾岸戦争】多国籍軍、大統領警護隊と交戦

多国籍軍は25日、夜を徹して進撃を続け、イラク南部、クウェート北部に進攻した米国、フランス、英国の各機甲師団などはイラク軍の精鋭部隊、大統領警護隊と交戦を始め、地上戦の中心である戦車戦が始まった。

ペルシャ湾沿いを北上する米海兵隊、サウジアラビア軍、クウェート軍は海上からの米戦艦ミズーリ、ウィスコンシンの艦砲射撃による支援を受け、クウェート市郊外に達した。

一方、イラクは25日夜、米軍が駐留するサウジアラビア東部のアルコバールにスカッド地対地ミサイルを撃ち込み、米兵37人が死傷した。

米軍の第101空てい師団はユーフラテス川に向けてイラク領内に100キロ進撃、イラク側の補給線を絶つとともに、多国籍軍側の補給拠点をつくっている。その後を米軍の最強部隊とされる第七軍団がサウジ国境から50キロの地点を北上している。

米中東軍によると、多国籍軍は大統領警護隊のT72戦車35両を含む270両以上の戦車を破壊した。《共同通信》

【海部俊樹首相】湾岸戦争「地上戦開始を支持」

国会は20日午後の衆院本会議で、多国籍軍への追加支援を目的とする平成二年度二次補正予算案などに関する橋本蔵相の財政演説と、これをめぐって各党が代表質問を行った。

海部首相は、多国籍軍による地上戦開始について「米大統領をはじめ国際社会の大義と平和の理念を守らなければならないとのぎりぎりの立場に立って厳しい選択をした。政治家としてその決断に連帯と支持を表明しなければならない」と述べ、全面的に支援して見いく姿勢を示した。また「日本は世界から切り離される断がいに立たされていしる」とも述べ、補正予算案、同財源法案が不成立の場合は日本の国際的信用が大きく傷付くとの懸念を強調した。

質問には伊藤茂(社会)、中島源太郎(自民)、坂井弘一(公明)、正森成二(共産)、中野寛成(民社)の五氏が立った。

首相は、各氏が地上戦開始を受けた日本の対応について見解をただしたのに対し、「不十分、うやむやな解決はかえって問題を混乱させる。原則に従った公正な解決が必要だ」と指摘、イラクのクウェートからの無条件完全即時撤退しか戦事終結の道はないとの認識を改めて示した。

これに関連し、ゴルバチョフ・ソ連大統領の和平提案に関して「撤退をもって国連諸決議を無効にするのは国際社会の求める公正な解決ではない」と述べ、同決議のイラクによる履行が和平に不可欠との見解を明らかにした。

また首相は、坂井氏が追加支援の財源として政府が約束した防衛費1000億円削減の中身を示すように迫ったのに対し「新中期防計画期間中の各年度の防衛予算の編成では1000億円の削減措置を念頭に置きながら実施することにより結果として総額に反映される」と述べ、削減の方針を再確認したが、具体的な方法は明らかにしなかった。

再追加支援については、「湾岸情勢の推移いかんによるが現在は考えていない」と含みを残した。《共同通信》

【政界メモ】ぎょろ目を細め自画自賛

○…湾岸戦争の地上戦開始から一夜明けた25日、海部首相はイラクによるクウェート油井大量破壊について記者団に聞かれると「クウェートを破壊しているのはイラクなんだから。そこら辺をもっと書かんかね」と前置きして「懸念というより憤りを感じる。とにかく、ああいうことはいけないことだ」と、イラクの暴挙に厳しくかみついた。しまいには「あんたら、あれをいいとでも思っているの」と記者団に気色ばむおまけまでついた。

開戦以来、日本は情報不足で「蚊帳の外」といわれているだけに、多少、八つ当たりの気味も。

○…この日の政府、自民党首脳会議で、先週末に放映された湾岸戦争に関するテレビ討論番組が話題になった。この番組には自民党代表として加藤六月政調会長が出席したが、途中集計された視聴者調査では自衛隊の海外派遣を認める人が過半数を超え、首脳会議では「さすが政調会長」と賛辞が寄せられたとか。

この話を披露した加藤政調会長は「首相もテレビを見ていて大変喜んだそうだ。六月(むつき)の目つきがいい、と言われたよ」と駄じゃれ交じりで自画自賛しながら、トレードマークのぎょろ目を細めていた。《共同通信》

【イラク】大統領警護隊が南下

クウェート、イラク南部の空爆を終え帰還した米軍のパイロットは25日、イラク南部に潜んでいたイラク軍の最精鋭部隊である大統領警護隊の戦車80両が同日、クウェート市方面に南下しているのを目撃したと同行記者団に語った。

大統領警護隊は1月17日の開戦以来、イラク南部、クウェート北部のさんごうにソ連製戦車T72とともに潜んでおり、動きが伝えられたのは初めてである。《共同通信》

【大相撲・曙関】小結昇進

日本相撲協会は25日朝、大相撲春場所(3月10日初日・大阪府立体育会館)の新番付を発表した。先場所、序ノ口からの連続勝ち越し記録を17場所に伸ばしたハワイ出身の曙が東小結に昇進。外国人力士として師匠の東関親方(元関脇高見山)、大関小錦に次いで3人目の役力士となったのが注目される。

曙は初土俵から19場所目の三役入りで、これは年6場所制(昭和33年以降)では小錦(15場所目)旭富士(18場所目)に次ぐスピード出世。序ノ口から負け越し知らずの三役昇進も、昭和以降では羽黒山、千代の山(ともに、のちの横綱)に次いで3人目の快挙。

上位陣に大きな変動はない。横綱は北勝海が2場所ぶりに東正位に座り、旭富士が4場所連続の西正位。初場所途中休場して今場所も休場濃厚の千代の富士は昭和56年名古屋場所後の昇進以来、初めて西に張り出された。

大関は、連続優勝で横綱昇進を目指す霧島が3場所連続の東。西小結に寺尾が2場所ぶりに返り咲いた。

小結だった“大物キラー”安芸ノ島は西前頭3枚目に後退。初場所そろって負け越しの大翔山、若花田、貴花田はそれぞれ西前頭8枚目、東前頭12枚目、同13枚目に下がった。

新入幕は常の山1人で、琴の若、小城ノ花、豊ノ海の3人が再入幕。十両昇進は5人で、長尾改め舞の海、盛風改め盛風力、剣晃、浪岡改め貴ノ浪が新、鬼雷砲が再。

舞の海は日大相撲部出身で、学生相撲出身の関取が8人を数え、昭和59年春場所と並ぶ最多数となった。《共同通信》



2月25日 その日のできごと(何の日)