平成770日目

平成3年2月16日(土)

1991/02/16

【湾岸戦争】イラク、撤退表明後も攻撃

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クウェートからの条件付き撤退を表明したイラクは、発表から半日後の16日未明、サウジアラビアにスカッド・ミサイルを発射、即時停戦と撤退の意思がないことを明確にした。

これより先、米・多国籍軍側は、イラク側発表を「ペテンだ」(ブッシュ米大統領)と拒否して、イラク、クウェートへ一日で2800回に上る空爆を続行、地上戦開始に向けてクウェート領内の地雷破壊に重点を置く大規模な攻撃を展開、一部に期待された平和解決の糸口は今のところ全く見えていない。《読売新聞》

イスラエルで16日午後8時15分(日本時間17日午前3時15分)ごろ、イラクからのミサイル攻撃を告げる空襲警報のサイレンが鳴った。警報は約30分後に解除され、軍スポークスマンはイラクがスカッド地対地ミサイル二発をイスラエルに向けて発射、一発は南部のネゲプ地方に落ちたが、負傷者など被害はなかったと発表した。残る一発も同地方に着弾したとみられる。ミサイルは通常弾頭だった。

イラクの対イスラエル・ミサイル攻撃はこれで13回目だが、大半はテルアビブ、ハイファの人口密集地に到達しており、砂漠地帯である南部のネゲプ地方に着弾したのは今回が初めて。ネゲプ地方にはイスラエル唯一の核施設がある。《共同通信》



【アルリファイ駐日イラク大使】クウェート撤退には条件整備が必要

渡辺中近東アフリカ局長は16日午前、外務省にアルリファイ駐日イラク大使を呼び、イラク革命評議会の声明を受けて「国連安保理決議660に従ってクウェートから即時、無条件、全面撤退することが問題解決に不可欠だ。和平のかぎはフセイン大統領が握っている」と述べ、クウェートからの撤退へ政治決断を求めた。

これに対しアルリファイ大使は「撤退のためにいくつかのことが実施されなければならない。(イラク革命評議会の)提案はイラクとしての和平への貢献だ」と強調、イスラエルの占領地からの撤退などの条件整備が戦争終結に必要との認識を示した。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】「譲歩は一切ない」

ブッシュ米大統領は16日、滞在先のメーン州ケネバンクポートの別荘で、記者団に「ソ連は建設的な役割を演じている」と述べ、17日テヘラン経由で訪ソするアジズ・イラク外相にゴルバチョフ大統領がクウェートからの無条件、完全撤退を説得することに期待を表明した。

同時にブッシュ大統領は「ゴルバチョフ大統領は多国籍軍を支持している。多国籍軍の立場、つまり国連の立場は確固としており、いささかの譲歩もない」と語り、完全撤退がない限り、対イラク空爆は続行するとの方針を改めて強調した。これは15日のイラク声明に盛り込まれた撤退条件をソ連が取り下げさせることに望みを託しながらも、それが失敗した場合やソ連がイラク側の条件を一部でも受け入れる形で米国に調停を働き掛けた場合は、停戦に応じられないとの立場を示したものといえる。

大統領はゴルバチョフ大統領から先に電話で、プリマコフ大統領特使のバグダッド訪問など和平のための外交努力について説明を受け、ゴルバチョフ大統領が国連諸決議順守の立場を再確認したことを明らかにした。しかしプッシュ大統領はアジズ外相の訪ソが終わるまで地上戦を見合わせるよう求めたブッシュ大統領あての書簡には触れなかった。

政府筋はこの書簡が大統領に届いたことは認めたが、地上戦見送りを約束したかどうかは明らかにしていない。《共同通信》

【公明党・石田委員長】自民との連立を否定

公明党の石田委員長は16日午後、統一地方選の遊説のため訪れた仙台市内のホテルで記者会見し、平成三年度予算案への対応について「将来の防衛費の在り方や老人保健法改正の問題が十分論議されておらず、直ちに賛成というわけにはいかない」と述べ、反対する意向を表明した。

多国籍軍への追加支援の財源問題で、公明党の要求に沿う形で政府が三年度当初予算案を修正することになったため、同党の対応が注目されていたが、石田氏は米ソ冷戦構造崩壊後の新しい日本の防衛力整備の在り方や福祉関係での政府の対応の不十分さを指摘。「(財源問題と)本予算を連動して考える必要はない」として三年度予算案への反対の態度を明確にした。

石田氏は昨年の臨時国会での国際平和協力に関する自民、公明、民社三党合意に続く今回の自公民合意と今後の政局について「にわかに将来の自公民体制に直結し、その流れが増幅されていくとは受け止めていない」と述べ、湾岸戦争への対応が直ちに自民党との連立、連合につながるわけではないとの見解を示した。

また石田氏は湾岸地域の難民の実情調査や経済復興、原油流出問題の調査のため超党派の調査団の派遣を提案した。《共同通信》

【長嶋茂雄さん】反省の弁!?

元巨人監督の長島茂雄氏が16日、石川キャンプを訪れ、前日に落合が年俸の調停を申請したことについて感想を漏らした。

落合の「プロ野球選手の年俸は安い」という主張を踏まえ、長島氏はかって球界一の高給取りだった現役時代を振り返りながら「次の世代のことを考えると、やはり努力が足りなかったんじゃないかと反省はしている」などと、苦笑交じりに話した。

その落合もオフに「(長島さんら)先輩たちがもっと年俸を引き上げてくれておいたら、苦労はしなくて済んだ」と話していただけに、この日の長島氏の発言は興味深かった。《共同通信》



2月16日のできごと