平成745日目

1991/01/22

この日のできごと(何の日)

【佐賀同窓会殺人未遂事件】爆発物は「いじめの仕返し」

今月2日夜、佐賀県神埼郡三田川町で、ワゴン車内の木箱が爆発、警官3人が重軽傷を負った事件で同県警捜査一課と神埼署は22日、爆発物取締罰則違反(製造、所持)の疑いで、車の所有者の同町、無職A容疑者(27)を逮捕した。爆発物は中学時代のいじめの仕返しに同窓会で爆発させるために用意していたもので、同容疑者は別に同窓会場にヒ素入りビールも運び込んでいた。

今月1日、同容疑者の母親が中学時代のいじめに対する恨みを書き連ねたワープロ打ちの手記を発見、警察に連絡した。手記には自分が幹事役になって同窓会を開き、毒物や爆発物でいじめの仕返しをする計画まで書かれていた。

神埼署員が1日、同窓会場に予定されていた佐賀市内の旅館に行き同容疑者が運び込んでいたビール21本を押収、その後調べたところ、そのすべてから致死量に達するヒ素が検出された。同会場に持ち込もうとしていたとみられる爆発物は、同県警の調べで全員を殺傷する爆発力があることが確かめられた。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【湾岸戦争】イラク軍、油田を爆破

米中東軍司令部は22日、イラク軍がクウェートの油井や原油貯蔵タンクを爆破していると発表した。米軍が撮影した航空写真によると、破壊が確認されたのは、サウジアラビアのカフジに近いクウェートのワフラ油田の施設で、油井(原油掘削の井戸)と貯蔵タンクとみられる。

ミナアブドラとシュアイパの原油貯蔵タンクも炎上しているとの情報もある。米中東軍は、イラク軍の油田破壊の狙いには触れていない。

カイロの消息筋の間では、イラクが当初の予告を実行することで戦争継続の意思を鮮明にし、地上戦突入の準備を進めているとの見方がある一方、多国籍軍の集中爆撃で大きな打撃を受けたイラク軍の焦り表す行動とみる向きもある。

フセイン・イラク大統領は昨年8月のクウェート侵攻直後から、イラクが攻撃されれば、イスラエルを攻撃するとともに、クウェートの油田を破壊すると言明していた。破壊されたワフラ油田施設は多国籍軍とイラク軍が対じしている前線から約20キロの所にあり、イラク軍はこれを爆破し、施設は炎上しているという。

今のところ爆破、炎上が確認されたのは一部の油井と貯蔵タンクだけで、製油所は温存されており、破壊の程度も小規模とみられる。また、イラク軍が開戦直後から油田の破壊を始めたとの情報もあるが、確認されていない。《共同通信》

【湾岸戦争】多国籍軍、バグダッドを猛爆

国営イラン通信によると、イラクは22日、多国籍軍機により21日から22日朝にかけて、バグダッドや他都市の住宅地区が20回以上爆撃を受けたと発表した。

イラク軍の発表では、この時間帯にバグダッドでは4回の空爆を受けた。また国営イラン通信は、多国籍軍が21日夜と22日朝に続き同日正午にも、イラク第二の都市でクウェートへの補給拠点になっているバスラを激しく空爆したと報じた。

一方、イラク軍は多国籍軍機18機を新たに撃墜し、これで開戦以来撃墜した多国籍軍機は178機以上に上ると発表した。《共同通信》

【海部俊樹首相】増税を強く示唆

政府は22日午前の閣議で、多国籍軍への追加資金協力について、先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)出席などのため米国を訪れている橋本蔵相が帰国する23日に臨時閣議などを開き報告を受けるとともに、具体的な規模、財源の詰めの協議をすることになった。

この日の閣議では、越智経企庁長官が「橋本蔵相の訪米結果を聞きたい」と切り出した。これに対し蔵相臨時代理も兼ねている海部首相は「電話で蔵相から連絡を受けているが、具体的な数字は話題になっていないようだ」としながらも、政府が既に追加支援を実行する基本方針を決めていることを強調。

「国際平和という問題だから、国民の皆さんにも負担を分かち合っていただかなければならない。国民の理解と協力を得たい」と述べ、財源は増税によって賄わざるを得ないとの考えを強くにじませた。《共同通信》

【中山太郎外相】ソ連外相と会談

中山外相とべススメルトヌイフ外相による日ソ外相定期協議は22日午前(日本時間同日タ)モスクワのソ連外務省別館で開かれた。午前10時(日本時間午後4時)からの第一回会談では、バルト三国情勢、湾岸戦争を中心に意見交換した。

ソ連軍のバルト諸国への武力介入に中山外相が変原の念を表明したのに対し、ベススメルトヌイフ外相は「一人の生命が失われることはいかなる政治思想でも正当化されない。安定化は必要だが、平和方法で速成されなければならない」と述べ、ソ連軍の武力介入の行き過ぎに懸念を示し、平和的解決への努力を約束した。

湾岸戦争への対応について両外相は、イラクの国連安保理決議の順守、多国籍軍支持で原則的に一致、日ソが協調して対応していくことを確認する共同声明を23日発表することで合意した。

べススメルトヌイフ外相が外相就任後、西側の外相と会談するのは初めて。中山外相がバルト情勢で「ペレストロイカ(改革)の目的と相いれない。平和的方法での収拾を」と要請したのに対し、べススメルトヌイフ外相は平和的解決を強調、改革派の姿勢を示した。両外相はさらに新思考外交の継続を明言、「ソ連は冷戦時代に帰りたくない」と述べた。《共同通信》

【政界メモ】首相批判で締めくくり

○…自民党の山口敏夫元労相は二22日の党総務会で、湾岸戦争に対する政府の外交姿勢を厳しく批判。「米、英、仏の青年が血を流している時に日本の外相が訪ソしているとは。領土問題のための訪ソ、と受け取られる」と中山外相をそ上に乗せた後、海部首相の東南アジア諸国連合(ASEAN)訪問中止をやり玉に挙げ「首の皮一枚で踏みとどまったが、慌てて(外遊先から)戻るところだった」とバッサリ。

最後は「首相の指導力に問題があるのか、役所側の能力に問題があるのか。とにかく官房長官、副長官はしっかりお守りをしろ」と“持論”の首相批判で締めくくっていた。

○…この日昼、社会党本部で、同党支持の市民団体などでつくる「都知事候補を選ぶ会」代表と党三役が会合を開いたが、冒頭の報道関係の写真撮りで山口書記長は飾り棚に置いた七重塔の置物を指し「党勢拡大の記念に福井県本部から頂いたものだ」と意味深長に切り出した。

七重塔は福井の名工の作で、各塔が回転するようにできている。思案顔の記者団に対し、山口氏は「塔(党)が動くんだよ」とにんまり。結党以来、初めて「十万人党員」の壁を破った勢いで、都政奪還もお任せ下さい、と支持団体にそれとなく伝えたかったのかも。《共同通信》

【大相撲初場所10日目】琴錦は連敗

大相撲初場所10日目(22日・両国国技館)1敗力士3人のうち関脇琴錦が敗れた。琴錦は9戦全敗の小結隆三杉を押し込みながらはたき込まれて痛い連敗を喫し、優勝争いから一歩後退した。横綱北勝海は関脇栃乃和歌を危なげなくはたき込み、また大関霧島も平幕琴富士を送り出してともに1敗を守り、トップに並んでいる。

横綱旭富士は右上手投げで平幕三杉里を退けて8勝2敗と勝ち越し、大乃国は7勝目をマーク。新入幕巴富士が勝ち越しを決定。若花田、貴花田はそろって黒星で、貴花田は負け越しが決まった。

北勝海、霧島を追う2敗は旭富士、琴錦、巴富士の3人。十両は小城ノ花、両国、大翔鳳の3人が2敗で並んだ。《共同通信》

【パ・リーグ】原野新会長が会見

プロ野球パ・リーグの第七代専任会長に選ばれた時事通信社前社長の原野和夫氏(63)が22日、東京・赤坂のホテルで記者会見した。

原野氏は宮内義彦オーナー懇談会議長(オリックス・オーナー)、小島武士パ理事長(日本ハム球団代表)に挟まれ、緊張した表情。「大変迷ったけどこれも天命と思う」と語り「プロ野球発展のために全力を尽くします。セ・リーグとも協力し、面白い野球のために努力していきたい」と抱負を述べた。原野新会長は引き続き開かれた理事・監督合同会議に早速出席した。

原野氏は1950年、東大農学部卒。同年時事通信社に入社し、84年6月、社長に就任。90年6月に退任後、内外情勢調査会会長、電通取締役(非常勤)などを務めている。《共同通信》

【野球殿堂入り】牧野茂氏、筒井修氏、島岡吉郎氏

野球体育博物館の第31回競技者表彰委員会は22日、東京都文京区の同博物館で開かれ、表彰委員(プロ野球担当15年以上の記者)213人による記名投票(10人以内の連記)を開票した。

この結果、卓越した野球理論で巨人9連覇などに貢献した名参謀の故牧野茂氏、審判員として初の3000試合出場を果たした故筒井修氏、神宮の名物監督として明大野球部を足かけ37年間指導した故島岡吉郎氏の3人が当選必要数である有効投票数213の75%名(160票)以上を獲得して野球殿堂入りを果たした。野球殿堂入りは、各分野での功労者を幅広く選ぶ特別表彰者を含めて103人となった。

表彰式は7月23日のオールスター第1戦(東京ドーム)の試合前に行われ、3氏の遺族には功労表彰金100万円とレリーフが贈られる。特別表彰委員会は2月6日に開かれる。《共同通信》

【湾岸戦争】イラク、イスラエルにミサイル攻撃

イラク軍は22日夜、イスラエルに対して三度目のミサイル攻撃を加え、午後8時37分(日本時間23日午前3時37分)、一発のミサイルがテルアビブの住宅密集地の二階建てアパートを直撃し爆発した。大音響を伴った爆発ョックによる心臓まひで3人が死亡、建物の損壊で約70人が重軽負った。

イスラエル軍当局は、撃ち込まれたミサイルは一発で、迎撃ミサイル、パトリオット二発を発射したが命中しなかったと発表した。しかし、イスラエルに発射されたミサイルは五発で、うち三発が着弾したとの情報もある。

軍当局が調査した結果、攻撃に使用されたのは通常型弾頭で、化学兵器弾頭ではなかった。テルアビプがイラク軍のミサイル攻撃を受けたのは18日未明、19日朝に続いて三度目。ミサイルはこれまで同様、ン連製ミサイル・スカッドB改良型「アルフセイン」(射程650キロ)とみられる。

被害は今回が一番大きく、直撃で全壊したアパートのほか、周囲のアパート約20棟は壁が落ちたり窓ガラスが割れたりした。軍当局は現場で生き埋めになった住民の救出作業を急ぎ、23日午前0時前、生存者を救出した。イスラエル政府は軍事上の理由で、ミサイルの直撃した場所を報道するのを禁じる措置をとった。

イスラエル全土には湾岸戦争が始まった17日未明から非常事態宣言が発令され、国民は外出を制限されていた。軍当局はミサイル攻撃の状況を考慮しながら徐々に制限を緩和、最後まで残ったテルアビブも22日朝から、市民の外出が許可されていた。

シャミル・イスラエル首相は二度の攻撃で計17人の負傷者が出たにもかかわらず、フセイン・イラク大統領の狙いにはまって湾岸戦争に巻き込まれることを避け、これまで反撃を自制する姿勢を続けてきた。

しかし今回初めて死者が出て、過去二度をはるかに上回る大きな被害となったことから、自制を続けるかどうかをめぐって首相は大きな岐路に立たされることになった。《共同通信》

【湾岸戦争】ソ連・ゴルバチョフ大統領、戦火拡大を懸念

ソ連のゴルバチョフ大統領は22日の記者会見で、湾岸情勢について「拡大の傾向がみられる」と懸念を表明するとともに、ソ連としては武力に頼らず外交手段で政治的解決の道を探るとの方針を改めて強調した。大統領は「事態がコントロールできなくなる恐れがある」と指摘し、戦火の拡大を防ぐためあらゆる手段を尽くすことが「われわれと国連諸機関の責任である」と述べた。

大統領は「米国やイラクによる民間人の命を奪う軍事行動のエスカレートは避けなければならない」と政治解決の必要性を強調。ソ連は昨年八月のイラクのクウェート侵攻時から一貫して国連安保理の決定の枠内で行動するとの「原則的立場」を堅持してきたとし、今後も米国など国連安全保障理事国や欧州、アジア各国、とりわけアラブ諸国との協力を継続する意向を表明、ソ連として事態打開のため独自の外交努力をすることを示唆した。《共同通信》



1月22日 その日のできごと(何の日)