平成731日目

1991/01/08

この日のできごと(何の日)

【中国・梅里雪山】日中登山隊17人と連絡取れず

中国登山協会から8日、北京の日本大使館に入った連絡によると、雲南省の梅里雪山(6740メートル)に登山中の京大学士山岳会(井上治郎隊長ら11人)と中国登山協会の6人の合同隊が今月3日以降、連絡を絶っている。

現地は吹害などの悪天候が続いており遭難の恐れもあるため、同登山協会は5日、北京から6人の救援隊を派遣、8日中にベースキャンプ入りする見通し。さらに上空からの捜索のため民間航空機を現地に差し向け、情勢の把握を急いでいる。京都からも左右田健次登山隊総隊長(京大化学研究所教授)ら2人が9日北京入りする。

大使館によると、日中両隊員17人のほぼ全員が無線機を携帯していたが、3日夜、標高5100メートルの第3キャンプから、別の中国隊員5、6人が待機する標高約3000メートルのベースキャンプに連絡が入ったのを最後に一連絡が途絶えている。

その際の連絡では「吹雪に見舞われ、周辺の積雪は1.2メートル。場所によっては2―3メートルもあり、除雪作業を進めている」と、天候悪化を伝えていたという。また、現地住民の間では、「当時、地震を感じた」との証言も出ており、雪崩が発生した可能性もある。

同協会は、電磁波の異常や冷え込みによる電池凍結で交信不能となっていることも考えられるが、遭難の可能性も否定できないと指摘。「最悪の事態も考えて対応しているが、最後の判断を下す段階ではない。調査に全力で当たっている」と述べている。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【第69回全国高校サッカー】

第69回全国高校サッカー選手権最終日は8日、東京・国立競技場に3万人の観客を集めて決勝を行い、国見(推薦・長崎)が鹿児島実(鹿児島)を延長戦の末、1−0で破り、3年ぶり2度目の優勝を飾った。九州勢の優勝は3度目。

史上初の九州勢同士の対戦となった決勝は、総合力で勝る国見が前半から激しく攻め込んだ。しかし鹿児島実もGK仁田尾の好守備などで懸命にゴールを守り、後半には反対にスピードを生かして国見ゴールに一迫って一歩も譲らず、0−0のまま延長戦にもつれ込んだ。

そして両校優勝かと思われた延長後半2分、内田のパスを受けた中口が右足アウトサイドでGKの右を抜く絶妙のシュートを決め、決着をつけた。《共同通信》

【世界水泳】

水泳の第6回世界選手権第6日は8日、パースのスーパードロームでシンクロ、競泳男女5種目などを行い、シンクロのデュエットで小谷実可子(東京シンクロク)高山亜樹(ラサSS)組が銀メダルを獲得した。

シンクロの決勝ルーチン(自由)で小谷組は息の合った演技で98.840の高得点をマーク、フィギュア(規定)との合計194.307点でカナダペアの追撃を退けて2位となった。《共同通信》

【第43回全国社会人ラグビー】

第43回全国社会人ラグビー大会最終日は8日、東京・秩父宮ラグビー場で決勝を行い、神戸製鋼が三洋電機を18−16で破り3年連続3度目の優勝を果たした。3連覇は第31回か。ら7連覇した新日鉄釜石以来で、3チーム目。

初優勝に燃える三洋がFW戦で優位に立ち、前半17分の田畑のトライで6ー3と逆転。さらに2PGのあと、後半24分にも新野のトライで16ー9とした。しかし、それまで全くいいところのなかった神鋼は27分の細川の4つ目のPGで追い上げると、ようやく王者らしい攻めを展開。終了直前に右オーブン攻撃から俊足ウィリアムスが50メートルを走り同点トライ、細川がゴールを決めて劇的な逆転勝ちを収めた。

神鋼は3年連続日本一を目指し、15日に東京・国立競技場で大学王者の明大と日本選手権を争う。《共同通信》

【亜大・小池秀郎投手】松下電器入社決定

プロ野球ドラフト会議でロッテに1位指名されながら入団を拒否した亜大・小池秀郎投手(21)は8日、大阪市門真市にある松下電器本社で面接試験を受け、正式に入社が決まった。

同日午後、同社内で会見に応じた小池は、一つの区切りがついたことでさすがに安どした様子。「新しい土地で一からのスタート。松下に入って本当によかったと言われるように頑張ります」と力強く抱負を語った。《共同通信》

【自民党・小沢一郎幹事長】コメ自由化、当面応じぬ

自民党の小沢幹事長は8日午後、民放テレビ番組の録画撮りの中でコメの市場開放問題について「まだまだ、いますぐ自由化という状況ではない。昨年の総選挙でも自由化しないと国民に約束した」と強調する一方で、「国際社会でどうするかがあるが、これは各国との話し合いの中で両立できると思っている。本当は米国も、いま自由化しろと言っているのではない」と述べた。

これはコメの輸入自由化に当面、応じないとの方針を堅持しつつ、将来の市場開放を容認する形で、新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)での決着を図りたいとの考えを示唆したものとみられる。

小沢氏は米国がコメの市場開放を強く求めていることについて「日本がコメだけを聖域化すると、米国の話の筋道が通らないということだ。基本的にあらゆる自由貿易体制を確立するには、各国ともネックになっている農産物を建前はみんな自由にしようというのが米国の主張だ」と指摘。「きちんとした筋道、理屈で合意ができれば米国は納得する」として、コメ市場開放問題が日米二国間の交渉に持ち込まれることは避けられるとの見通しを示した。

ソ連のゴルバチョフ大統領が4月に来日することに関連して、小沢氏は「(ソ連が小沢氏に)来いというなら、いつでも行く」と3月にも訪ソする用意のあることを重ねて表明した。《共同通信》

【稲村利幸衆院議員】議員辞職願提出

「国際航業」株取引などであげた約28億円の所得を隠し、約17億円を脱税したとして所得税法違反で起訴された元環境庁長官、稲村利幸衆院議員(昨年末、自民党を離党、栃木2区)が8日午後4時すぎ、自民党の小沢幹事長を通じて議員辞職願を桜内衆院議長に提出した。稲村議員は「体調を崩し入院中」(小沢氏)とのことで、辞職願提出には姿を見せなかった。辞職願の中で稲村議員は「私の不徳の致すところ」との表現で今回の事件に触れ、国民、選挙民に迷惑をかけ、議会の権威に傷をつけたことを謝罪した。

桜内議長は23日の衆院議運委理事会に辞職願の扱いを諮る運びで、25日の通常国会再開冒頭の衆院本会議で辞職が許可される見通しである。

不祥事による国会議員辞職は平成元年6月、リクルート事件に関与し受託収賄罪で起訴された池田克也元衆院議員(公明党を離党)以来のこと。

稲村議員の辞職をめぐっては6日午前、同議員から起訴前まで所属していた渡辺派(昨年12月26日退会)の会長、渡辺元政調会長に電話があり、今後の問題について話し合った。この結果、議員を辞職すべきだとの結論に達し、7日タ、同議員の秘書から辞職顎が渡辺氏に届けられた。

渡辺氏は8日午後、党本部に稲村議員と同期初当選の小沢幹事長を訪ね、辞職願の提出を依頼。小沢氏は稲村議員の小峰護秘書を伴って桜内議長に会い「本人は離党していて自民党員ではないが、長い間の同志であったし、私に意思表示があったので代わって伝える」と辞職願を手渡した。

桜内議長は「よく承った。国会法の定めるところに基づき、議運委と相談して処理する」と答えた。《共同通信》

【海部俊樹首相】「政治改革はやっている」

海部首相は8日夕、巨額脱税で起訴された稲村元環境庁長官が議員辞職願を提出したことについて「厳しく受け止めている」と述べた。また首相は政治改革について「(この事件を受けて)今からやることではなく、もうやっている」と述べ、昨年末の改造内閣発足後の閣議で、閣僚の株取引自粛を改めて申し合わせていることを強調した。《共同通信》

【政界メモ】反対運動に緊張ありあり

○…海部首相は8日、訪韓出発を控え、記者団に在日韓国人の指紋押なつ廃止時期を聞かれると「首脳会談で言わないと、国際的な礼儀に反するでしょう」と応じ、首相官邸を訪れた日韓議連の長谷川峻衆院議員には「きちんとご期待に沿ってやります」と約束するなど、首相になって初めての訪韓に、意欲十分。

しかし、記者団が韓国内の一部で首相の来訪に反発する声が出ていることをぶつけると「反対運動?」と不機嫌そうに聞き返し、「盧泰愚大統領は歓迎すると言ってたんだから」と語気を強めるあたり緊張している様子がありあり。

○…自民党の小沢幹事長がこの日、民放テレビ番組の収録で東北大の西沢潤一学長、政治評論家の内田健三氏とてい談。この中で小沢氏の地元岩手県に話が及び、西沢氏が「岩手は距離の上で米国ソ連、欧州に日本で一番近い」と妙な持ち上げ方をすると、小沢氏は「本当は北海道が一番近い」といいながらも、まんざらでもない様子。

「日ソ関係が進展すれば、東北全体で大きな役割が果たせる」と述べるなど、全体への目配りが求められる幹事長の立場の小沢氏も、この日ばかりはふるさと意識をくすぐられたようだ。《共同通信》

【米・ベーカー国務長官】対イラク譲歩を否定

アジズ・イラク外相との会談を前に、欧州各国外相らと会談を続けているべーカー米国務長官は8日、ロンドンからパリを訪れ、ミッテラン・フランス大統領らと会談した。

ベーカー長官は会談後、15日までにイラクのクウェートからの無条件、完全撤退を求めることについて、フランスと米国は全面的かつ完全に合意したと述べた。

長官はまた、イラクに対しての譲歩、交渉はないことを強調し、ペルシャ湾岸危機で米、フランス両国が完全に団結していることを指摘した。

ベーカー長官は同日午前、デュマ・フランス外相と会談した後、エリゼ宮(フランス大統領府)でミッテラン大統領、デュマ外相と約1時間半にわたって会談した。

米、フランス両国は、ペルシャ湾岸危機とパレスチナ問題などほかの中東問題との関連付けの問題をめぐって見解の相違を示していたが、ベーカー長官はこの点について「イラクのクウェートからの無条件・完全撤退とほかの問題との間にどんな関係もあり得ないことで完全に合意した」と強調。また「和平の機会がサダム・フセイン(イラク大統領)の手の中にあると考えることで一致している」と述べた。

フランスは、中東問題との関連付けについては、イラクのクウェートからの撤退後「単数あるいは複数の国際会議の枠内でほかの問題を検討する」としており、デュマ外相は、フランスが中東問題国際会議の開催を1983年から呼び掛けていることを指摘。この問題に対する、米国、フランスのそれぞれの立場が両国の連帯を弱めるものではないことを強調した。

ベーカー国務長官は、会談終了後の同日午後、ドイツのコール首相と会うため次の訪問地ボンへ向け空路出発した。《共同通信》

【ソ連・リトアニア共和国】プルンスキネ内閣総辞職

ソ連で独立運動の先頭を走っているバルト地方リトアニア共和国のプルンスキネ首相は8日夜、共和国最高会議で政府の食料品値上げ決定が一時停止された上、不信任案が提出されたため、突然辞意を表明、直ちに承認された。プルンスキネ内閣の総辞職により、リトアニアは民族主義を代表するランズベルギス最高会議議長の指導力が一層強まり、連邦体制維持に全力を注いでいるゴルバチョフ大統領との対決色を強めていくとみられ、昨年3月の独立宣言以来最大の危機に直面している。

首都ビリニュスではこの日未明、軽戦車を伴ったソ連軍空てい部隊一個連隊が到着、直ちに徴兵作業を開始した。続いて最高会議が開かれた議会前には、政府の値上げ決定に反対するロシア系市民を中心に約1万人が政府首脳部退陣を要求して集会を開き、議会のドアを壊したり、投石で窓ガラスを割って騒いだ。

共和国内務省軍が放水車を出動させて一応騒ぎを治めたが、議会はほとんど審議もせずに値上げ決定の効力停止を決めた。

プルンスキネ首相は急きょモスクワに飛び、ゴルバチョフ大統領と会談して空てい部隊投入問題で協議する約束を取り付けたが、共和国最高会議では不信任案が提出された。

しかも不信任可決には3分の2以上の賛成が必要という共和国憲法の条項を、過半数でよいと修正する案が賛成135票、反対1票、棄権6票という圧倒的多数で可決されたため首相自ら辞意を表明。内閣総辞職も賛成72票、反対8票、棄権22票で承認された。《共同通信》



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