平成531日目

平成2年6月22日(金)

1990/06/22

【高年齢者雇用安定法】改正案成立

65歳までの雇用機会確保を図るための「高年齢者雇用安定法」改正案が22日の参院本会議で全会一致で可決され、成立した。今年10月1日から施行される。

同改正法は、事業主に対し、60歳以上65歳未満の定年に達した人が再雇用を希望した際には、原則として「65歳に達するまで雇用するように努めなければならない」と努力義務を課しているのが大きな特徴だ。また公共職業安定所長は定年到達者の雇用確保のため、事業主に必要な勧告ができるようになっている。

同改正法は衆院段階で一部修正され①定年や高年齢者雇用の状況について事業主に対し、年1回労相への報告を義務付ける②施行3年後に必要に応じて見直す―の2点が政府案に加えられた。さらにこの日の付帯決議では、平成6年度になっていた政府の60歳定年完全定着目標年度を1年繰り上げて、平成5年度中に達成するよう求めている。

労働省は同法改正が成立したのを受け、施行までに「高年齢者等職業安定対策基本方針」を策定し、65歳までの雇用機会増大の目標や事業主が行うべき条件整備の指針を明示する。《共同通信》




【大東水害訴訟】最高裁、住民側の上告を棄却

昭和47年7月、大阪府大東市内を流れる谷田川が豪雨であふれ、床上浸水の被害を受けた同市の住民らが国や大阪府、大東市に損害賠償を求めた「大東水害訴訟」の第二次上告審判決が22日、最高裁第二小法廷であった。

香川保一裁判長は「川の改修計画や実施状況には合理性、整合性があり、河川管理部に落ち度はなかった」とした大阪高裁の差し戻し控訴審判決を支持、住民側の上告を棄却した。判決は審理に関与した4裁判官全員一致の結論。全国の水害訴訟の先導役を果たしたこの裁判は、提訴から17年ぶりに住民側全面敗訴が確定した。《共同通信》

【消費税廃止法案】廃案決定

今国会最大の焦点である消費税廃止、見直し両法案は22日午後の衆院本会議で採決の結果、野党四会派共同提出の廃止関連四法案は否決・廃案が確定、政府提出の見直し法案は可決、参院に送られた。しかし、見直し法案も参院で審議未了・廃条となることが固まっており、会期末を26日に控えた国会は大きなヤマ場を越えた。

消費税問題の取り扱いは与野党協議機関の設置と同機関を舞台にした与野党攻防の行方に移るが、当面の懸案となっていた協議機関の性格をめぐっては22日までの非公式折衝で「公的な機関」とすることで大筋合意。この結果「25日の与野党国対委員長、幹事長・書記長会談で設置を確認、会期最終日の26日に初会合が開かれる見通しとなった。

21日夜の衆院税制問題特別委員会で採決された消費税両法案は22日午後1時すぎからの衆院本会議に上程され、各党の討論に続いて廃止、見直し法案の順に採決。社会、公明、民社、社民連四派提出の消費税法廃止法案など廃止関連四法案は否決、政府が提出した消費税法・租税特別措置法改正案の見直し法案は自民党などの賛成多数で可決、参院に送付された。共産は廃止関連法案のうち税制再改革基本法案には反対に回った。

焦点の協議機関設置問題については、社会党が「国会法か国会の議決に基づく国会の正規の機関」という公式機関を主張して難航していたが、自民、社会両党間の22日までの非公式折資で「議運委で設置を決定する」と、公的な機関とする方向で歩み寄り、公明、民社両党も最終的に同意した。

メンバーや各党の構成配分など細目を詰めた上、25日の与野党国対委員長、幹事長・書記長会談で討議機関の設置を正式に決め、26日の会期末に発足する運び。《共同通信》

【社会党・土井たか子委員長】「消費税廃止貫く」

社会、公明、民社、社民連の野党四党首は22日午後、消費税廃止法案の衆院本会議での否決を受けてそれぞれ国会内で記者会見し、今後の消費税問題への対応について見解を明らかにした。

この中で土井社会党委員長は「法案審議の中で消費税の数々の不合理、不公正が浮き彫りになった。改めて廃止以外はない、という立場だ」と述べ、週明けに設置される税制に関する与野党協議機関などを通じて、廃止を主張していく考えを示した。ただ、衆院で自民党が安定多数を占める状況下で、いかに消費税を廃止するかについては「やれるだけやってみる」と答えるにとどまった。土井氏が廃止法案否決後も、消費税廃止の主張を強く貫く方針を示したことから、機関での与野党折衝は難航しそうだ。

一方、石田公明党委員長は「現行の消費税が存続される。ことになれば、国民生活へ及ぼす影響は甚大であり、公的機関によるガラス張りの与野党協議で消費税問題に決着を付けるべきだ」と述べた。また「安易にするつもりはない」としながらも「与野党間で話し合いの余地がないわけではない」として、消費税の逆進性緩和や不公平税制の是正などを柱に協議に臨む姿勢を明らかにした。

民社党の大内委員長は、「消費税問題は第二段階を迎え、消費税に代わる新たな間接税をどう決めるかという次善の策を求めることになる。各党協議で国民の期待にこたえたい」と、現行消費税の大幅見直しによる決着の必要性を強調した。さらに「廃止と見直しのどちらかの立場に固執すれば、決着は付かず、国民への背信行為になる」と述べ、社会党を暗に批判した。

社民連の江田代表は「廃止・税制再改革という道が断たれ、協議・再改革という道筋が浮かび上がった。消費税や不公平税制だけでなく、歳出もそ上に載せて、与野党協議をすべきだ」と語った。《共同通信》

【海部俊樹首相】米・ブッシュ大統領と電話会談

海部首相とブッシュ米大統領は22日午後9時、日米安全保障条約改定30周年を記念して電話で首脳会談を行い、安保条約の重要性を再確認するとともに「同条約を基礎とする緊密な日米関係の重要性に両国民の理解が一層深まることを期待する」との見方で一致した。

両首脳は7月9日からの先進国首脳会議(ヒューストン・サミット)を前にヒューストンで首脳会談を行うことで合意し、会談の主要議題として①対ソ関係②中国問題③欧州の安全保障情勢–を取り上げることになった。《共同通信》

【イラン地震】死者2万8000人以上に

イラン北西部のカスピ海に面した山岳地帯で21日発生した大地震の被害は、発生から二日目の22日、各地で救難活動が始まるにつれ広範囲に及んでいることが判明、国営IRNA通信は死者が2万8950人に達したと報じた。

政府筋によると、負傷者数は約十万人に上るなど、1976年9月にイラン東部を襲った地震の犠牲者数約2万5000人を上回る大惨事となった。一方、ジュネーブの国連災害救助調整官事務所当局者は22日、イラン外務省は同国の大地震による死者数を3万5000人と推定している、と述べた。

イラン政府はギラン州の州都ラシトに対策本部を設置、通常の国内便をキャンセルしてすべての民間機を救援活動に充てている。日本を含む先進各国は、外交上の対立を超えて緊急援助に乗り出した。

ラフサンジャニ大統領は三日間の服喪を宣言した。

また、イラン政府が発表した22日早朝(日本時間同午前)現在の被害は、死者数は約1万人、負傷者は約2万人だが、テヘラン放送が死者は2万人以上と伝えたほか、政府筋は死者2万5000人、負傷者10万人との推定数字を明らかにしている。《共同通信》




6月22日のできごと