平成529日目

1990/06/20

この日のできごと(何の日)

【金賢姫元工作員】会見

大韓航空機事件の犯人として死刑判決が確定し、4月12日特別赦免された金賢姫元工作員(28)は20日、ソウル市内のホテルで外国人記者団と会見し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で日本語教育を受けた日本人の「恩恵(ウネ)」から「朝鮮労働党の金正日書記の誕生日パーティーの席に、日本からら致された日本人夫婦が出席していた」との事実を聞いたと述べた。

金元工作員は流ちょうな日本語で「1982年の4月10日に恩恵先生とテレビを見ていたら崔ヘオクという歌手が画面に現れた。恩恵先生は何年か前の金正日書記の誕生パーティーにこの歌手も呼ばれ、そこにら致された日本人夫婦がいたと話してくれた。恩恵先生は、このことは秘密にしておいてくれと私に口止めした」と述べた。

金元工作員は「恩恵」という女性について改めて「76年に北にら致され、私を教育してくれたが、子供が2人いて離婚した女性」と説明し、「訪韓した日本の捜査員にも彼女の特徴などを話したのに、なぜ捜し出せないのか疑問です」と語った。

金元工作員が赦免後、公衆の前に姿を見せたのは5月16日にソウル市内の教会に現れて以来。紺のワンピース姿で長めの髪を後ろで束ね、少しやせた感じだが元気そうで、記者の質問にも一つ一つ、丁寧に答えた。

現在の生活については国家安全企画部の女性職員とともに暮らし、時には外出しショッピングしたりもしている、と説明した。「人に分かるのではないかと怖かったが、この国の人民は自分のことに忙しいので、他人のことには神経を使わないようです」と話した。

恩恵が日本人夫婦と金正日書記のパーティーで会ったとの証言は、韓国国家安全企画部が1988年2月7日発表した捜査結果でも金賢姫の自供として明記されている。《共同通信》

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【野球・東浜巨さん】誕生日

【永井真理子さん】シングル「23才」発売

【花の万博】入場者数1000万人突破

大阪・鶴見緑地で開催中の花の万博は20日午後、開幕以来の総入場者1000万人を達成した。開幕から81日目で、5年前のつくば科学博より21日早い。会期(183日)を半分以上残して目標の2000万人の半数に達したことで、最終的に目標を大幅に上回ることがほぼ確実になった。《共同通信》

【米空母ミッドウェー】火災

神奈川県・横須賀を母港として展開している米空母ミッドウェー(67,000満載排水トン)が20日午後、千葉東方の太平洋上で爆発、火災事故を起こし、乗組員1人が行方不明となり、16人がやけどなどで重軽傷を負った。詳細は不明だが、事故は前部飛行甲板下の補修用部品倉庫で起きたという。ミッドウェーが洋上航行中に計17人の不明、重軽傷者を出す大事故を起こしたのは初めて。

外務省は在日米海軍と連絡を取り、事故原因も含めた事態の掌握に努めた。ミッドウェーは事故後現場海域にとどまっているが、早ければ21日には横須賀に帰港する見通し。米海軍が保有する空母14隻の中で、ミッドウェーは就役が最も古いが、核積載疑惑が指摘されてきただけに、今回の大事故は米空母の安全性論議に新たな一石を投じよう。

米国防総省、在日米海軍、外務省などに入った情報を総合すると、爆発、火災事故は横須賀の北東約230キロ(北緯35度、東経142度)の太平洋上をミッドウェーが航行中に起きた。

最初は20日午前11時47分ごろ、被害対策機器倉庫の上部にある第二カタパルト(艦載機発進装置)室付近から煙を噴き、午後0時23分、爆発、火災が起きた。続いて、2回目の爆発が約1時間後に起きた。1回目の爆発事故で1人が不明となり、16人が重軽傷を負った。負傷者の大半はやけどで、7人は重体。負傷者は同艦積載のヘリコプターで横須賀、東京・横田基地に運ばれ、うち2人は埼玉県所沢市の防衛医科大付属病院に収容された。ミッドウェーは航行能力に支障はなく、21日以降横須賀に帰港する見通し。

2度にわたる爆発、火災事故の詳しい原因は明らかにされていないが、在日米海軍報道部によると、事故は被害対策機器倉庫付近で起きた、としている。同倉庫を密封、延焼は食い止めた。

ミッドウェーは海上自衛隊との洋上共同訓練のため18日、横須賀を出港、20日から、北海道南方から九州南方にかけての広い海域で護衛艦「しらね」などと対潜、防空戦闘などの訓練を行い、7月29日に帰港予定だった。《共同通信》(翌日、死者2人、重軽傷者16人に)

【全日本アマチュア野球連盟】発足

学生、社会人のアマチュア野球の対外的な統一組織となる全日本アマチュア野球連盟が20日に発足し、第一回の理事会、評議委員会を開いた。会長には社会人の統一組織である日本野球連盟の武田豊会長、副会長には学生球界を統括する日本学生野球協会の広岡知男会長が就任、専務理事には日本野球連盟の山本英一郎副会長が就いた。《共同通信》

【海部俊樹首相】日米構造協議決着に意欲

海部首相は20日午後、東京・内幸町の日本プレスセンタービルで開かれた日本新聞協会定例総会で講演し、日米構造協議の最終報告について「できれば25、26両日の第5回会合で集結したいと強く願っている」と述べ、東京会議での決着に強い意欲を示した。

最終報告の取りまとめ状況については「各省の協力を得て最終場面の努力をしている」と大詰めの作業を進めていることを強調したが、具体的な言及は避けた。

政府部内では、公共投資拡大などをめぐり日米双方の隔たりが大きいことから、最終報告取りまとめが7月の先進国首脳会議(ヒューストン・サミット)の際の日米首脳会談直前までかかるとの見方もあるが、首相は改めて「日米摩擦を回避する」との立場から早期決着の必要性を強調した。

土地問題に関連して首相は、土地税制の活用、遊休地・未利用地の利用促進などの政策努力を続けることを強調するとともに、東京への一極集中を排除するための首都機能移転についても今国会での決議は不調に終わったものの「谷間の話し合いを注目している。立法府の行動から新しい状況が生まれれば、土地税制、誘導政策も新たに展開する」と述べた。

政治改革に関連し「選挙制度審議会の答申より、もっと大きく広くやらねばならない」と述べ、選挙制度、政治資金改革だけでなく、自民党政治改革大綱に沿って政治倫理の確立、政党改革、国会改革にも取り組む考えを示した。

消費税の取り扱いについては「廃止法案、見直し法案がともに廃案となれば、見直し法案をつくった政府、自民党の考えにも反する」と指摘。「(与野党による)税制協議会でどのような姿、形で、どのように定着していくのか。高い次元に立って税制の議論が進んでいくよう期待し、最後の努力をする」として与野党協議による消費税見直しに向け、首相としても働き掛けていく考えを表明した。《共同通信》



6月20日 その日のできごと(何の日)