平成506日目

平成2年5月28日(月)

1990/05/28

【アルメニア】内務省軍と衝突、23人死亡

ソ連アルメニア共和国共産党中央委、最高会議、政府は28日、首都エレバンで27日起きたソ連内務省軍と武装住民の衝突、銃撃戦で兵士2人を含む計22人が死亡した、と発表した。民族組織「アルメニア民族運動」当局者によると、28日朝にも住民1人が射殺され、二日間の死者は23人、負傷者は50人以上に上った。

28日は、1918年のアルメニア独立記念日に当たり、記念集会が予定されていたが、この事件で集会は一転して抗議、独立要求集会になり、首都エレバンの自由広場に約25万人の市民が集まったが、「挑発に乗らず、平穏に」との呼び掛けで、同日午後5時(日本時間同9時)すぎ、平穏に散会した。

同運動当局者によると、27日午前、独立記念日に備えソ連内務省軍の増援部隊が到着したことから、エレバン中央駅で内務省軍と武装住民が衝突、住民6人が射殺された。同日夜に入って、住民らが市内の内務省軍駐屯地から市中心部への道路をバリケード封鎖したところ、戦車を先頭にした内務省軍が出動、住民と再び衝突し、住民14人と兵士2人が射殺された。次いで28日未明、内務省軍兵士がアルメニア民族運動本部建物に向けて自動小銃を乱射したため、建物前に駐車中の車の中で寝ていた警備員1人が死亡した。

地元ラジオ放送によると、アルメニア共和国共産党と政府は29日を「服喪の日」とすると宣言したという。

アルメニアでは、先の最高会議員選で、アゼルバイジャン共和国ナゴルノカラバフ自治州のアルメニア編入を主張する「アルメニア民族運動」派が圧勝した。ソ連当局は危機感を強め、内務省軍を増派したが、これが逆に衝突の引き金になった。《共同通信》




【東西ドイツ】首脳会談

コール西ドイツ、デメジエール東ドイツ両首相は28日、西ベルリンの旧帝国議会議事堂で会談し、7月1日に発効する通貨・経済統合の実態について協議した。

同席した東ドイツのクラウゼ首相府副長官は、通貨・経済統合のための国家条約の発効に際しては追加取り決めが実施されると述べた。しかし内容への言及は避けた。

東ドイツのゲーラー報道官によると、首脳会談では国家条約に関する事項と政党レベルでの協力問題が話し合われた。

コール首相が提唱している。12月2日の全ドイツ統一選挙の日程も議題になったが、「ラウゼ副長官は、現在は選挙日程を憶測する時ではないと述べ、コール提案にデメジエール首相が同意しなかったことを示唆した。

コール首相はデメジエール首相との会談を踏まえて29日、国家条約の修正を求めている社会民主党のフォーゲール党首との会談に臨む。《共同通信》

【海部俊樹首相】ソ連副首相と会談

花の万博の賓客として来日中のソ連の女性副首相、ビリュコワ女史は28日夕、首相官邸に海部首相を訪問し、日ソ関係などについて意見交換した。首相は、文化面など日ソ関係の「拡大均衡」に意欲を示す一方「両国間の真の信頼関係を築くためには北方領土問題を解決して平和条約を締結する必要がある」との基本的立場を協調した。《共同通信》

【海部俊樹首相】仏前大統領と会談

海部首相は28日、来日中のジスカールデスタン前フランス大統領と首相官邸で会談した。ジスカールデスタン氏は日仏間の貿易問題について「不均衡は依然継続している。日本側の努力が、実を結ぶことを期待している」と改めて不均衡是正への具体的取り組みを求めた。

首相は「アメリカだけでなく、欧州やアジアすべてにも市場開放する努力をしている」と日本側の努力を強調、29日にブリュッセルで開かれる日本・欧州共同体(EC)閣僚会議に出席する橋本蔵相らに市場開放について率直に話をするよう指示していることを明らかにした。

前大統領が「ソ連、欧州間の緊張緩和は進んだが、ソ連、アジア間の緊張緩和にはまだ達していない」との見方を示したのに対し、首相も「まだ極東では大きい動きはない」と、東欧の動きが朝鮮半島などアジア・太平洋地域に及ぶことへの期待を表明。さらに盧泰愚韓国大統領来日の成果に触れて「(今回の来日で)過去の歴史に起因する問題には区切りを付け、良き隣人として将来へ向けて協力していくことで合意できて、大変良かった」と、改めて高く評価した。《共同通信》

【ミャンマー総選挙】野党NLD、首都で圧勝

ソウ・マウン軍事政権下で30年ぶりに実施された複数政党制によるミャンマー(旧ビルマ)総選挙は、首都ヤンゴンを中心に開票作業が進み、中央選挙管理委員会が28日午前8時半(日本時間同午前11時)現在で発表したところによると、アウン・サン・スー・チー女史(自宅軟禁中)が書記長を務める最大野党「国民民主連盟」(NLD)が首都で早くも9議席の獲得を決めた。NLDの9選挙区での得票率は、約80%の高率を示しており、このままの勢いが続けば、59人の候補者を立てているNLDが首都(61議席)で圧勝するのは確実とみられている。

また、NLD本部がまとめた非公式集計によると、同党が既に16議席を確保しているという。これまでの開票結果についてNLD本部は「予想以上の好調な出足」で、このままいけば、首都での全員当選も可能と強気の予想をしている。

このほかの州、地方でも開票作業が続けられているが、通信手段の不備などから選管発表はかなり遅れそうだ。しかし、北部マンダレー、南部モールメインなどの地方都市でもNLDの優勢が伝えられており、与党系の「国民統一党」(NUP)が強いといわれる農村部での今後の開票結果が注目される。《共同通信》

【政界メモ】慰労会の場所に最大関心

○…28日昼の首相官邸での政府与党首脳会議後、橋本蔵相が海部首相を訪れ、国会などの打ち合わせをしたが、話はいつの間にか、閣僚の間で持ち上がっている首相を慰労する会の件に。橋本氏によると「首相は“座敷は仕事を思い出すし、洋食は公賓来日などいつも使うし”と場所に大いにこだわっていた」とのことで、首相は盧泰愚韓国大統領の来日を無事乗り切ったせいかすっかりリラックス。

打ち合わせ後、橋本氏も「警備を優先するか味を優先するか、その辺が迷うところだな」と、こちらものんびりムード。首相、閣僚ともここらで一服の気分のようだ。

○…この日記者会見した社会党の大出国対委員長は、自民党から「会期延長なし」が流れていることに触れ「まだずっと先の先のこと。会期の終わる一日か二日前にどうするか決めることだ。今ごろ口に出したら笑われる」と最初は歯切れが良かったが後は愚痴ばかり。

「旧来だったら(会期のことを)言い出した途端に国会が動かなくなったもんだ」と様変わりの国会運営に不平たらたら。「自民党も下手なことを言うと税制特別委員会の動きにも絡んでくるんだ」という思わせぶりな発言も、最近出番がないせいか迫力不足で、「国会止め男」も心なしか寂しげ。《共同通信》




5月28日のできごと