平成481日目

1990/05/03

この日のできごと(何の日)

【池波正太郎さん】死去

「鬼平犯科帳」「剣客商売」「必殺仕掛人」など、江戸を舞台にした時代小説で知られる作家池波正太郎さんが3日午前3時、急性白血病のため東京都千代田区の三井記念病院で死去した。67歳。東京都出身。

東京・浅草に生まれ、小学校卒業後、株式仲買店に勤めた。幼い頃から芝居や映画に親しみ、戦後、東京都庁に勤務の傍ら戯曲を執筆。長谷川伸に師事し、小説「恩田木工」「眼」「信濃大名記」「秘図」などで直木賞候補となり、35年「錯乱」で直木賞を受賞、時代小説の流行作家となった。

特に火付盗賊改方長谷川平蔵を主人公とした「鬼平犯科帳」、父子の剣客を主人公にした「剣客商売」、鍼医藤枝梅安の活躍する「必殺仕掛人」は20年にわたって書き続けられ、これら3シリーズで52年、吉川英治賞を受賞した。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【海部俊樹首相】スリランカ・プレマダサ大統領と会談

スリランカ入りした海部首相とプレマサダ大統領による首脳会談が3日夕、コロンボ市内の大統領官邸で行われた。会談では民族紛争を契機に駐留していたインド軍の撤退により改善に向かっているスリランカとインドの関係、国内の民族問題、人権問題についてプレマサダ政権の認識を聞き、意見を交換した。《共同通信》

【自民党・渡辺美智雄元政調会長】中国・李鵬首相と会談

北京を訪れている自民党の渡辺元政調会長は3日午後5時すぎから、市内の人民大会堂で李鵬首相と約1時間半会談した。

李首相は、天安門事件以来日中間で最大懸案となっている第三次円借款問題について「実施が非常に遅れた場合は、お互いの信頼関係を損なう面が出てくることも避けられない」と指摘、凍結状態が続いた場合は日中関係に重大な影響を及ぼしかねないとの厳しい認識を表明し、早期実施を強く迫った。

渡辺氏は(1)1990〜95年度まで総額約8000億円の第三次円借款は必ず実施する(2)先進国(サミット)参加国に対中制裁解除を働き掛けているが、日本だけ突出できないーと説明し、中国側が対米関係を中心に西側との関係改善に努力するよう促した。

李首相は、関係改善に独自の約束をしたものの「天安門事件はあくまで内政問題であり、これらの努力を交換条件とするものではない」とこれまでの中国の原則的な態度を崩さなかった。

日本政府は7月のヒューストン・サミットに向けて対中制裁の解除を図ろうとしているが、こうした厳しい中国の姿勢が続けば日中関係の悪化にもつながりかねず、対応に苦慮することになろう。

李首相は西側との関係改善のための「独自の努力」の例示としてことし1月の北京の戒厳令解除を挙げたにとどまり、反体制物理学者・方励之氏の米大使館保護問題など人権問題に対しても「人権には国境がないという言葉があるが、デタラメだ。主権がなければ人権もない」と厳しい言葉で原則的立場に終始した。《共同通信》

【タイ・チャチャイ首相】日本に共同訓練を提案

3日午前行われた石川防衛庁長官とタイのチャチャイ首相との会談で、チャチャイ首相から海上自衛隊とタイ海軍との共同訓練を提案したことが、3日夜(日本時間同)明らかになった。これはタイ政府側の会談内容の説明についてバンコク各紙が「日タイ間で合同演習」と報道したことから判明したもので、防衛庁側もその事実を認めた。

日本側の説明によると、チャチャイ首相は日・タイ間の防衛交流の拡大を進めるとの観点から「日本の海上自衛隊は技術的に優れているので、タイ海軍と共同訓練を行うことは考えられないか」と提案。石川長官は「専門家に慎重に検討させたい」と答え、明確な態度は示さなかった、という。

タイ側の説明によると、チャチャイ首相が「合同演習」(ジョイント・エクササイズ)」を提案したのに対し、石川長官は「日本側には(憲法などの)制約があり、最大限できることは共同訓練(ジョイント・トレーニング)だ」と述べ、前向きのニュアンスになっている。

いずれにしても石川長官が集団的自衛権を禁じた憲法の制約にかかわらず、それに違反する恐れのある米国以外の国との共同訓練の提案を即座に断らなかったのは、論議を呼びそうだ。

これについて防第庁は「どういう共同訓練ならできる一か、できないか検討してみるということであり、首相提案は両国間の交流についての一つの示唆と受け止めた」と説明している。

一方、チャチャイ首相の発言は、同日の会談で日本の防衛力の存在を肯定的に評価したチャワリット国防相の発言と合わせ、極東米軍の再編縮小の動きをにらんでアジア・太平洋の安定に対する日本の役割への期待が膨らみつつある、との見方もできそうだ。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】リトアニア・プルンスキネ首相と会談

ブッシュ米大統領は3日、訪米中のソ連・リトアニア共和国のプルンスキネ首相とホワイトハウスで約45分会談した。会談後、首相は記者団に対し、ブッシュ大統領にリトアニアの独立承認を求めたが、大統領は即答を避け、東欧の変革がいずれはリトアニアに及ぶことに期待を表明したという。首相は「希望を述べただけで、きょう回答を求めたわけではない」と述べ、大統領の対応を「前向き」と評価した。

大統領は、会談前の記者会見で、米政府がリトアニア問題で当面果たせる役割はないと述べ、リトアニアを経済封鎖中のソ連との調停役を果たすことに消極的な姿勢を示した。またリトアニア側が独立宣言後の各種立法措置を凍結する用意を表明していることを指して「柔軟性が出てきた」と評価した。

プルンスキネ首相はこの点について「私も特に(米政府に)調停を求めてはいない」と述べるとともに、具体的な経済援助などは大統領に求めなかったという。

フィッツウォーター米大統領報道官の発表によると、大統領は会談で①ソ連によるバルト三国の併合は認めていない②リトアニアの民族自決支持ーという米政府の基本的立場を首相に直接説明し、対話による平和的な事態の解決を訴えた。

ブッシュ大統領はソ連、東欧の変革の前進への悪影響を避けるため、ソ連に対し、制裁措置を取ることを見送った。この点についてプルンスキネ首相は「ソ連の改革を支援するために、リトアニアの独立を承認できないということはない。米政府はソ連とリトアニアの双方を助けることができると思う」と語った。《共同通信》



5月3日 その日のできごと(何の日)