平成417日目

平成2年2月28日(水)

1990/02/28

【第2次海部内閣】発足


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第2次海部内閣は28日午前8時半すぎから皇居で首相任命式、閣僚認証式を終えて正式に発足した。引き続き午前11時すぎから初閣議を開き、首相談話を閣議決定、談話の中で首相は(1)自由と民主主義(2)国民生活の安定(3)清潔で開かれた政治―を掲げ「一身をなげうつ決意」を表明した。

閣議では第1次内閣と同様に(1)家族を含めた閣僚の資産公開(就任時と辞任時)(2)保有株式の信託(3)閣僚在任中の派閥離脱―などを申し合わせた。

首相は3月2日からの訪米による日米経済問題の調整の後、消費税の扱いが最大の争点となる特別国会に臨む。今回の組閣で見せたもたつきは第2次内閣でも首相の党内基盤が依然弱体であることを改めて示したもので、内閣の前途は極めて多難だ。首相は28日午後2時から首相官邸で記者会見し、内政、外交に取り組むに当たっての所信を明らかにする。《共同通信》


海部首相は28日午後、第2次海部内閣の発足に当たり首相官邸で内閣記者会と会見し、内政外交全般にわたる所信を明らかにした。首相は特別国会の最大の焦点となる消費税問題について、見直し法案を国会に提出するとの方針を示す一方で、野党とも十分論議していく考えを強調、与野党協議に柔軟に対応していく考えを表明した。

外交面では「当面の急務は日米関係だ」と経済摩擦で険悪化している日米関係打開に強い決意を示すとともに、急きょ訪米して実現することになった日米首脳会談に触れ、グローバルな観点からテーマを決めず率直に意見交換する、との基本姿勢を示しつつも、米側が構造協議の中で強く要求している公共事業の拡大に前向きに対応していく考えを示した。

首相は新内閣の組閣について「内政外交にわたる当面の懸案を解決していかねばならないとの角度から体制を組んだ」と実務直視で臨んだ組閣の基本方針を説明。ロッキード、リクルート関係議員が入閣から外れたことに関連して「選挙で地域の代表としての洗礼は受けた」との認識を示しながらも「党としては国民の信頼を取り戻すためには政治改革を進めることが唯一の方法」と強調、組閣の人選に当たって政治改革の観点を重視したことを明らかにした。

組閣調整が難航した点については「いろいろな意見や見方はあるが、力を合わせて(難曲を)乗り切らないといけないというのが全党員の共通の認識」と強調。挙党態勢に影響はないとの考えを示した。《共同通信》




【上宮高・元木大介選手】「何年かかっても(巨人に)行きたい」

巨人入りを熱望して、ドラフト1位指名されたダイエーへの入団を拒否している元木大介選手(18)は28日、上宮高の卒業式に出席した後、大阪市天王寺区の同校グラウンドで記者会見し、「何年かかっても(巨人に)行きたい」と気持ちが変化していないことを改めて表明するとともに、練習場所をハワイに求め1日に日本を出発することを明らかにした。

ハワイには元南海の球団部長で元木家と親交のある杉浦正胤氏(54)と1985年まで南海のトレーニングコーチを務めた大場隆広氏(41)が同行、1ヶ月間の予定で下半身強化を図る予定。4月以降については「未定」(父親の稔さん)としているが、関係者によると米国の大学に”野球留学”する予定で現在受け入れ先を探していると言う。

ドラフト1位指名選手が他球団への入団を希望して渡米し、翌年のドラフト会議を待つのは、1978年に”空白の一日”で球界を揺るがせた江川投手(現評論家)以来。今秋のドラフト会議で巨人が交渉権を得る保証はないが、元木はそれでも「僕の夢を果たしたい。(何年でも)待ちます」と巨人への熱い思いを訴えた。《共同通信》

【皇太子さま】東宮仮御所に引っ越し

今月23日に30歳になった皇太子さまは28日午後、天皇、皇后両陛下とご一緒だった東京・元赤坂の赤坂御所から同じ赤坂御用地内の赤坂東邸に引っ越し、独立された。これに伴い、赤坂東邸は「東宮仮御所」と名を変え、東宮大夫らのスタッフも同邸に隣接して新設された付属棟に移った。

東宮仮御所は、鉄筋一部2階建てで、談話室や大食堂など公用部分と、居間兼書斎など私用の部分を合わせると約700平方メートル。宮内庁関係者によると「お妃を迎えても十分なスペース」という。

皇居・吹上御苑内に両陛下の新御所が完成し、転居された段階で、皇太子さまは再び赤坂御所に戻る予定。《共同通信》

【徐勝さん】釈放される

韓国留学中の1971年にスパイ容疑で逮捕、投獄され、在日韓国人政治犯の象徴として国際的救援運動が起きていた京都府出身の徐勝さん(44)は28日早朝、服役中の韓国中部にある大田刑務所から仮釈放され、ソウル市内で待ち受けた弟の俊植さん(41)ら弟妹、親類らと19年ぶりに喜びの対面をした。

徐兄弟事件は在日韓国人社会に大きな影響を与え、国際的反響も大きく、徐勝さん釈放に対して日本政府もこれまで人道的配慮を求めていた。

徐勝さんの釈放は与野党3党の大合同に当たり、金泳三民主自由党最高委員(前民主党総裁)が要求、盧泰愚大統領が受け入れて実現した。韓国政府はこの日、徐さんをはじめ元在日韓国人、姜哲順さん(56)など在日韓国人関連の計5人ら政治犯22人を含め1111人を釈放した。

一方、国家安全企画部は同日、岐阜市在住の徐勝さんの兄、徐善雄さん(49)も関連しているとする新たな日本拠点のスパイ事件を発表、南北朝鮮対立の厳しさを改めて見せつけた。

自由の身になった徐勝さんは「実感がわきません。まだ獄中には多くの政治犯がおり、今回の釈放が民主化の過程にあるというよりは、政治に利用されている感がある。分断体制を維持している国家保安法を撤廃しなければならない」と自らの釈放が政治に利用されてはならないと強調。スパイ容疑については「全く根拠がないことだ」ときっぱりと否定した。

徐勝さんはソウル大学大学院留学中の1971年に弟の徐俊植さんとともに「学園スパイ団事件」の首謀者として逮捕され、一審で死刑、その後、無期懲役が確定したが、88年末に懲役20年に減刑された。取り調べの過酷さからストーブに身を投げ出して負ったやけど治療のため入院したこともあり、刑期満了は93年3月12日で、刑期を約3年残しての釈放となった。

徐勝さんの法廷でのやけど姿は人々に大きな衝撃を与え、日本を中心に国際的な救援運動が巻き起こっていた。また弟の徐俊植さんは17年間の獄中生活後の88年5月に釈放されている。この日は徐さんのほか、在日韓国人関係者として大阪に住んでいた姜哲順さん、車豊吉さんら4人が仮釈放された。《共同通信》

【米・ヒルズ通商代表】対米投資急増に警告

ヒルズ米通商代表は28日、ワシントン市内のホテルで開かれた米ビジネス・エコノミスト(NABE)のセミナーで講演した後、共同通信を含む一部記者団と会見し、2日から始まる日米首脳会談について「日本は強力な同盟国だが、ブッシュ大統領は経済問題を大変心配している。同盟関係を維持するためにも日本は市場開放に向け早急な行動を示すべきだ」と訴えた。特に不動産を中心とした日本からの対米投資に触れ「特定の国からこれほど集中的に投資されるのは米国にとって初めての経験であり、米国民の不安をかき立てている」と本の対米投資急増が日米関係に悪影響を及ぼしているとの認識を示した。

ヒルズ代表は先に東京で開かれた第3回日米構造協議について「われわれの期待した議論が進まなかった」と不満を示し、大規模小売店舗法一(大店法)の廃止を求める姿勢を改めて強調した。

ヒルズ代表は、カリフォルニア州パームスプリング」ズの日米首脳会談に大統領と同行することを確認した。さらに、会談の議題として東欧やニカラグアへの支援、環太平洋協力問題などが取り上げられるとの見通しを示したうえで、東アジア情勢に触れ「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は依然攻撃的であり、欧州に比べ、東アジアからの米軍兵力の削減計画ははるかに小規模だ」と指摘、日本の戦略的重要性を再確認する米政府の方針を強調した。

しかし、経済問題では「米国民の間に日本を敵とする見方が最近急増している」と述べ、とりわけ対米投資ではホテルやビル、リゾート地、農地への集中的投資を警戒する米国民の不安を説明した。《共同通信》




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