平成335日目

平成元年12月8日(金)

1989/12/08

【鶴岡灯油訴訟】消費者側が逆転敗訴

昭和48年から49年にかけての「狂乱物」の一因となった石油業界のヤミカルテルをめくり、山形県鶴岡市の鶴岡生協(現生活組合「共立社」)の組合員1634人が「一斉値上げで不当に高い灯油を買わされた」と、石油連盟(建内保興会長)と日本石油など元売り10社に総額約390万円の損害賠償を求めた「鶴岡灯油訴訟」の上告審判決が8日午前、最高裁第二小法廷で言い愛された。

島谷六郎裁判長は損害や、ヤミカルテルと損害の因果関係の立証責任が業者側にあるとした上で「カルテルが実施されなかったならば、現実の小売価格より安い小売価格が形成されていたとは認められない」として、元売り各社に賠償を命じた二審の仙台高裁秋田支部判決を破棄し、一審通り、請求を棄却。石油連盟に対する賠償請求についても消費者側上告を棄却した。

消費者が企業に直接、賠償を求めた裁判として注目された鶴岡灯油訴訟は、損害立証という厚い壁に阻まれ、提訴以来15年ぶりに消費者側の逆転全面敗訴で終止符が打たれた。この結論は審理に関与した裁判官の全員一致。

これとは別に島谷裁判長は、消費者訴訟を容易にするためには独占禁止法に新たな規定を設けるなど立法措置が必要との個別意見を述べた。《共同通信》




【海部俊樹首相】補正成立固執せず

海部首相は8日午後、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見し、政局の焦点となっている総選挙の時期と平成元年度補正予算との関連について「補正をつくって国会に提案すれば、審議をお願いし、成立を願うということは言わざるを得ない」と述べ、補正予算の成立に必ずしもこだわらないとの考えを示唆した。

これは同時に、野党の反対で補正予算の成立が困難との見通しに立って、自民党内の大勢となっている「来年1月下旬衆院解散–2月18日投票」の政治日程を首相として事実上容認したものだ。

首相が来年2月18日総選挙を事実上“追認”したことで、今後政局の流れは今臨時国会の閉幕、平成2年度予算編成を待って衆院解散・総選挙へ向け一気に加速することになろう。《共同通信》

【政界メモ】記者団に一転サービス

○…海部首相は8日午前、藤本官房副長官と首相官邸で約15分間話し込んだが、藤本副長官によると、歩きながら首相番記者の質問に答える際の心得について話し合ったとか。首相は「歩きながらだから、なかなか大変だ」とぼやきつつも「丁寧に話すようにする」と話していたという。

首相はこの後、日本記者クラブで講演したが、官邸に戻るなり記者団が質問する前に「大体言っとることは分かったかね」と話し掛けるなど、早速のサービスぶり。最近「自民党内で総選挙日程が固まる」といった報道に「私は決めていない」と、記者団に八つ当たり気味に答えていた首相も、それがかえって指導力のなさを際立たせる結果になるだけと気付いたらしい。

○…自民党の小沢幹事長はこの日午前、国会内で三塚政調会長と平成2年度予算成などについて会談した。会談後の記者会見では「三塚さんから予算編成で何か気付いたことはあるかと聞かれたけど、「あまりないな、お任せします、と答えた」と、政策面では表向き全面委任の形。

周辺に対しても税制改正の要望の細目を網羅した通称“電話帳”を引き合いに出して「政策?大所高所の話を聞いてくれよ。電話帳のようなことは聞かないでほしい」と漏らすなど「小さなことにかかわらないのが大幹事長」というのがどうやら本音。《共同通信》

【NTT中国・佐々岡真司投手】広島入団内定

広島がドラフト会議で1位に指名したNTT中国・佐々岡真司投手(22)=183センチ、78キロ、右投げ右打ち=の入団が8日、内定した。佐伯スカウトがこの日、広島市内の同社を訪ね、本人と野球部の増永監督、片山部長を交えて2回めの入団交渉を行い、契約金7000万円、年俸600万円で合意に達した。正式契約は佐々岡が同社を退社後の24日ごろ行われる。《共同通信》




12月8日のできごと