令和1707日目
2024/01/01
【令和6年能登半島地震】
1日午後4時10分ごろ、石川県志賀町で震度7の地震があり、北海道から九州にかけ広い範囲で揺れを観測した。建物の倒壊や火災が相次ぎ、石川県で57人が死亡したほか、新潟、富山、福井、岐阜の各県なども含め多数のけが人が出た。気象庁は石川県能登地方に一時、大津波警報を発表、輪島港では1.2メートル以上の津波を観測。珠洲市などの沿岸部で住宅被害が出た。
石川県などによると、死亡したのは輪島市24人、珠洲市22人、七尾市5人、穴水町2人、能登町2人、羽咋市1人、志賀町1人。住宅の下敷きなどが理由とみられる。能登町は犠牲者に男子中学生が含まれると明らかにした。泉谷満寿裕・珠洲市長は県の対策会議で「9割方の家屋が全壊やほぼ全壊という状況で、壊滅的な被害だ」と述べた。総務省消防庁によると、各地のけが人は計100人以上だが、集計中の自治体が多いとみられる。
輪島市の観光名所「輪島朝市」周辺では大規模な火災があり、約200棟が燃えた。同市でビル倒壊もあった。《共同通信》
能登半島地震では、震度7を記録した石川県を中心に大きな被害が出た。壊れた住宅の捜索を見守る姿がみられ、身近な人を失った悲痛な叫びが響いた。住民らの避難も続く。
輪島市中心部では、ビルが倒壊し、近くの建物を押しつぶした。その建物から見つかった人が畳に横たえられ、毛布がかけられた。2人がかりで畳を運ぶ。「誰も助けられなかった」。傍らで男性が叫んだ。
観光名所「輪島朝市」周辺で発生した火災は消火活動が難航したとみられ、約200棟を焼いた。現場では2日も白煙が上がり、焦げた臭いが漂っていた。焼け跡に立っていた男性が、知人とみられる人から「何か手伝うことはあるか」と声をかけられ、「この通り、何もなくなっちゃった」と力なく答えた。
能登半島では各地で道路が寸断され、自治体は被害の全体像を把握できていない。珠洲市や能登町では津波で壊れたとみられる建物も。珠洲市役所では女性職員が「被害が大き過ぎて、まとめきれない」と憔悴した様子だった。断水や停電が起き、志賀町役場では水の配布に住民が長蛇の列を作った。《共同通信》
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石川県で最大震度7を観測した地震で、東北、上越、北陸の各新幹線は1日、全線で一時運転を見合わせた。安全を確認した区間から順次運転を再開。上越の越後湯沢―新潟間と北陸の長野―金沢間は、設備点検に時間を要するとして終電までに運転を再開できず、2日も始発から見合わせていた。いずれも午後に全線で再開した。
JR各社によると、1日は上越と北陸で上下計57本が運休。東北を含む3新幹線で計61本に遅れが生じ、計約6万3900人に影響した。
北陸新幹線は富山―金沢間で4本の列車が止まり、計約1400人が一時車内に取り残された。
空の便も欠航が相次いだ。全日空は庄内、新潟、能登、小松の各空港を発着する1日の計16便を欠航。約1450人に影響した。同じ4空港を発着する2日の計8便も欠航となった。3〜4日は各日とも羽田―能登の2往復4便を欠航する。
日航は1日、新潟、小松の両空港発着の計9便を欠航し、影響は約730人に上った。2日も1便が欠航した。《共同通信》
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石川県の馳浩知事は1日、同県で震度7を観測した地震を受け、首相官邸で災害対応に当たった。地震発生時は帰省のため在京しており、交通機関に影響が出ていたので石川県に戻れなかったという。1日夜、内閣府調査チームのメンバーと共に自衛隊ヘリコプターで石川県入り。県会合に出席しと「人命救助に力を尽くす」語った。
馳氏は会合で、2日朝から防災ヘリに搭乗して被災状況を確認すると明らかにした。
これに先立ち、馳氏は官邸で記者団に「新幹線か飛行機で地元に帰る途中だったが、止まっているのでひとまず官邸に来た」と述べた。石川県の災害対策本部会議にリモートで出席した。《共同通信》
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「息子挟まれた」虚偽投稿
能登半島地震で倒壊した建物に巻き込まれたとする交流サイト(SNS)への投稿には真偽不明な内容も含まれている。X(旧ツイッター)に自分の住所を明示されて「息子が挟まって動けない」と身に覚えのない投稿をされた石川県の40代女性は「デマとしか思えず、家の場所も分かってしまう。投稿を消してほしい」と訴えた。
女性に息子はおらず、自宅は物が散乱する程度の被害だったが、1日に無関係の人物名で「私の力では動きません。頼みの綱がXしかない。助けて」などと投稿され、拡散した。
知人からは安否を気遣う連絡が多く寄せられ、警察からも問い合わせが来たといい、女性は「災害時に警察の業務を妨害して許せない」と憤る。
災害時の虚偽情報は、救助活動や支援の妨げとなって人命に影響する可能性がある。2016年の熊本地震では、動物園のライオンが逃げ出したとのデマを拡散させたとして逮捕者が出る事態にもなった。
総務省はXで利用者に注意を求め、担当者は「真偽の判断をしっかりした上で、情報を拡散してほしい」と話した。《共同通信》
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【新年祝賀の儀】
天皇、皇后両陛下が皇族や三権の長らから新年のお祝いを受ける「新年祝賀の儀」が1日、皇居・宮殿であり、天皇陛下は「新しい年を共に祝うことを誠にうれしく思います。年頭に当たり、国民の幸せと国の発展を祈ります」と応じられた。
宮殿「松の間」で、秋篠宮ご夫妻や両陛下の長女愛子さまら皇族が順次あいさつした。その後、両陛下は皇族と共に宮殿の各部屋を回り、岸田文雄首相や閣僚、最高裁長官らから祝賀を受けた。各国の駐日大使らもあいさつに訪れた。
新型コロナウイルス禍での国民の苦労を考慮し、両陛下の意向で女性皇族は2021年からティアラの着用を控えていたが、今回はティアラを着けた正装で臨んだ。《共同通信》
【全日本実業団対抗駅伝】
全日本実業団対抗駅伝は1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間、100キロに41チームが参加して行われ、トヨタ自動車が4時間49分2秒で8年ぶり4度目の優勝を果たした。パリ五輪マラソン代表の小山直城を擁し、3連覇を狙ったホンダは2分9秒差の2位だった。
トヨタ自動車は今回から一部区間の距離が変更されて最長となった2区の太田智樹が区間1位の走りでトップに浮上。5区の田中秀幸らも区間賞を獲得するなど、着実に差を広げて快勝した。
旭化成が3位、黒崎播磨が4位。東京五輪マラソン6位のプロランナー、大迫傑が6区を走ったGMOインターネットグループは8位だった。《共同通信》
【韓国・尹錫悦大統領】新年の辞
韓国の尹錫悦大統領は1日、新年の辞を大統領府で発表し、米国の「核の傘」提供を軸とした拡大抑止を強化すると改めて表明した。「今年上半期までに韓米の拡大抑止体制を完成させ、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を根源から封鎖する」と語った。
米韓は昨年、核戦略を定期的に話し合う核協議グループ(NCG)を創設し、7月と12月に会合を開いた。韓国政府は今年上半期までにNCGの成果を具体化させたい考えとみられる。
尹氏は新年の辞で韓国独自の防衛体制「3軸体系(先制打撃、ミサイル防衛、報復攻撃)」の強化加速を主張。国防産業を育成し、2027年までに世界4位の兵器輸出国を目指すと述べた。《共同通信》
【台湾】蔡総統「台湾人が将来を決定」
台湾の蔡英文総統は1日、新年の談話発表と記者会見を行った。中国の習近平国家主席が前日に発表したあいさつで「祖国統一は歴史的必然だ」と中台統一への決意を示したのに対し、台湾の将来は「民主主義の原則」に基づき、台湾人が決めると述べ反論した。1月13日に総統選が行われるため、蔡氏にとって新年の談話発表は今回が最後。
台湾と中国の関係は「民主的な手続き」を通じた「台湾人の共通の意思」によって決められるべきだと主張。台湾人の意思を尊重するよう中国に要求した。
世論工作など総統選への中国の介入について「台湾社会が選挙介入や偽情報に対し、警戒感を持つことを望む」と訴えた。《共同通信》
【ウクライナ侵攻】
プーチン大統領「戦場での主導権、ロシアに」
ロシアのプーチン大統領は1日、ウクライナ侵攻で負傷した兵士とモスクワの病院で会談し、戦場の主導権は「ロシア側が握っている」と強調、目的達成まで作戦を続ける意思を改めて示した。タス通信などが報じた。
プーチン氏は、24人が死亡した西部ベルゴロド州へのウクライナの攻撃について「疑いもないテロだ。私自身、はらわたが煮えくり返っている」と述べる一方、「われわれは同じ手法は使わない。精密兵器で軍事施設だけを狙う」と強調した。
また「ウクライナは敵ではない。彼らを利用してロシアの戦略的敗北を目指す欧米こそが敵だ」とし、欧米諸国との対決姿勢を鮮明にした。(共同)《共同通信》