平成6477日目

2006/10/02

【安倍晋三首相】A級戦犯責任断定せず

衆院は2日午後の本会議で、安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問を行った。首相はA級戦犯として極東国際軍事裁判(東京裁判)で裁かれた国家指導者の責任について「政府として具体的に断定することは適当ではない」と言及を避けた。

小泉純一郎前首相は、A級戦犯を「戦争犯罪人」と答弁していたが、安倍首相は従来の政府見解の範囲にとどめた。歴史認識に関しては「先の大戦をめぐる政府の認識」と前置きし、植民地支配と侵略を認めた1995年の村山富市首相談話を引用、踏まえる考えを示した。ただ「踏襲する」とは明言しなかった。

いずれも民主党の鳩山由紀夫幹事長への答弁。《共同通信》




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【NHK連続テレビ小説・芋たこなんきん】放送開始

【米・ペンシルベニア州】アーミッシュ地域の小学校で4人射殺、犯人は自殺

米東部ペンシルベニア州ランカスター郡で2日午前(日本時間同日深夜)、電気や自動車を使わない質素な生活を続けているキリスト教の一派アーミッシュの小学校に男が押し入り、人質に取った女子児童らに次々と発砲した。

この事件で児童3人と教員を補助する10代の女性1人が死亡、児童7人が重傷を負った。男は自殺した。地元警察によると、犯人は近くに住む32歳のトラック運転手。家族に残した書き置きには、20年前に起きた出来事の報復をするなどと記されていたが、詳細は不明という。

男は、この小学校に散弾銃やライフルを持って乱入。男子児童や教師を解放した後、6~13歳の女子児童ら十数人を人質に取り、入り口を机などで封鎖して立てこもった。女子児童の足を縛って黒板の前に並ばせ、警察が駆け付けた直後に頭などを狙って発砲した。男自身はアーミッシュではない。

現場一帯では全米のアーミッシュの約1割にあたる約2万人が生活。水道やガスも使わず、移動は馬車で、質素な服装で過ごす。現代技術を否定した生活様式は、1985年の米映画「刑事ジョン・ブック―目撃者」でも取り上げられた。《読売新聞》

【この日の民主党】

代議士会で、代表質問を前に幹事長ら挨拶

2日午後、国会内で、衆議院本会議を前に代議士会が開かれ、安倍首相の所信表明演説に対する代表質問を行う鳩山由紀夫幹事長、松本剛明政策調査会長が挨拶した。

冒頭、荒井聰議院運営委員会筆頭理事から、議事次第などについて報告を受けた後、高木義明国会対策委員長が挨拶。「戦後(生まれでは)初の首相と言われた割に、若さがなく、総花的で中身がない」と所信表明演説への所感を述べた上、小泉政権の主要閣僚であった安倍首相の責任を、民主党はこれから一つひとつ明らかにし、厳しく追及するという考えを示した。

高木国対委員長はまた、通常国会の冒頭から、十分な審議時間や各会派への質問機会の付与などを求める野党に対して、与党側は、採決や委員長職権による決定などの「大変横暴なやり方」を取っていると指摘。委員会の配置などにも言及し、新しい布陣の中、それぞれの立場で、「多数決で押し切る、数の横暴」に一致団結して対抗しようと呼びかけた。

鳩山幹事長と松本政調会長も挨拶に立ち、小沢代表との党首討論の毎週の開催を安倍首相に要求するとともに、厳しい質問を行って意気込みを示すなどと語った。

[衆院本会議]党が国民の立場に立つ国政を担う 鳩山幹事長が代表質問

衆議院本会議が2日午後開かれ、安倍首相の所信表明に対する代表質問が行われた。質問のトップバッターとして、民主党・無所属クラブを代表して鳩山由紀夫幹事長が登壇、「今の日本は、これまでの失政によって多くの難問に直面している」として、「現政権と真正面から対峙。民主党が国民の立場に立って国政に粉骨砕身取り組む」ことを誓った。

また、安倍首相の姿勢について「あなたが唱える『美しい』は、あなた好みの国家主義、権威主義が幅を利かせ、政治が生活から遠ざかる国であることが、あなたの発言に見え隠れします。私はそうした国民の願いとかけ離れた安倍政権なら徹底的に闘ってまいります」と、鳩山幹事長は闘争宣言を発した。

さらに、民主党が目指す政治について「小沢代表は『政治とは生活である』と述べています。いくら美辞麗句を並べ立てても、国民が具体的に生活の中で幸せを享受できなければ政治とはいえません。これまでに、改革の名の下に、真面目に働く人が痛めつけられ、そして弱って人をさらに弱らせる政治がまかりとおってきました。そうではなく、広がる格差、社会の不条理に対してこれを是正し、自立した一人ひとりが人間としての尊厳を重んじ、互いに理解し尊重し合い、多様な人々と助け合い、調和してともに生きていける社会にしていくことこそ、本来の政治でじゃありませんか」と明確にした。

首相は、所信表明での見解から踏み出さず個別課題には具体的に答えなかった。

個別課題への質問と答弁は、以下の通り。
■消費税ついて
幹事長 参議院選挙が終われば、結局、消費税を上げるつもりか。
首相 抜本的、一体的税制改革の中で消費税の議論を。

■小泉政権5年半の反省
幹事長 日本の良さを壊してきたこの5年半の政治を反省して検証すべき。反省も検証もなく、小泉政治の負の遺産を受け継いでも日本の未来は見えない。
首相 停滞のトンネルを抜け出した。

■戦争認識
幹事長 宰相たるあなたが戦争に関する認識を語らず、歴史家に委ねると言い逃れ。
首相 その時代に生きた人の視線で見直すこと。歴史の分析を政治家が語ることは謙虚であるべき。

■雇用の改善
幹事長 日本は先進国の中で2番目に貧困率が高い国になった。雇用の改善を謳っていますが、具体策は示されていない。ぜひ具体策を。
首相 フリーター25万人雇用や、定年を延長し70歳まで働けるよう。

■国民負担増
幹事長 一連の負担増が、高齢者、年金生活者を直撃している。この現実について、どのように弁解し、その是正に取り組むのか。
首相 十分な配慮を講じている。負担軽減措置を図っている。

■「障害者自立支援法」見直し
幹事長 障がい者に過重な負担を強い自立を妨げる悪法。抜本見直しが必要。緊急対応として、昨年までの支援費制度時の水準に。
首相 原則1割の負担をお願いした。負担上限額などの配慮している。

■消費者金融利息制限
幹事長 出資法の上限金利を利息制限法の水準までに引き下げ、特例を一切認めるべきでない。
首相 多重債務者を発生させないよう法改正に取り組む。

■教育基本法改正
幹事長 民主党は、最終的な責任は国がもち、実際の教育は地域の子どもは地域が育てる現場主権を明確にしている。感想を。
首相 感想は控える。

■日米関係
幹事長 安易に米国に追随。イラクでは大量破壊兵器もなく、テロ組織との関係も否定する報告が。
首相 積極的貢献をする外交を展開する。その結論として国益を確保する。

■アジア外交
幹事長 冷静かつ建設的な対話が停滞している。平和と繁栄の礎を築くことが責任ある外交ではないか。
首相 相互信頼、未来志向の関係を築く。民主主義国のインド、オーストラリアとの関係を重視する。

■拉致問題
幹事長 どのようにして、特定失踪者、拉致被害者の生還を求めるのか。
首相 対話と圧力。政府一体で取り組む。

■対ロシア外交
幹事長 北方領土解決と日露関係打開は。
首相 幅広い分野で信頼関係に基づき、領土問題解決に取り組む。

■戦争認識と戦争責任
幹事長 日本の非は非として認めるべき。小泉前総理ですら「植民地支配と侵略」としている。この見解を認めるのか。A級戦犯といわれる人には国家指導者としての責任はないと考えるのか。
首相 平成7年などの政府見解、認識の通り。極東裁判を受託しており、異議を述べる立場にない。

■靖国参拝
幹事長 国家のために殉じた人々に国家指導者が尊祟の念を表するとは当然。しかし、戦死者以外の人も祭られている。参拝するか、したかをあいまいにするのは信頼を損なう。
首相 (参拝する、しない、したかどうか)申し上げることがないのは、個人の考え。

■郵政民営化反対組みの自民党復党
幹事長 選挙目当て、数合わせで復党は国民を愚弄するもの。政治への信頼、社会規範の根底を崩す。
首相 私の国づくりの政策へ、与野党からの幅広い拠力を得ること。党として判断すべきこと。

■党首討論
幹事長 毎週行うべき。
首相 国会の運営は政府が申し上げることではない。

[衆院本会議]松本政調会長、再・再質問重ね首相の政治認識追及

衆議院本会議において2日、安倍首相の所信表明演説に対する質疑が行われ、民主党・無所属クラブを代表して、党政調会長の松本剛明議員が鳩山由紀夫幹事長に続いて、代表質問を行った。

冒頭、所信表明について、「違和感を覚えた。私たちの実感からかけ離れている」と指摘。「生活」や「暮らし」といった言葉もあまりないその政治姿勢に疑問を呈し、本来の政治の役割はまじめに働く人々が報われる安定した社会をつくることにあると改めて指摘した。

同時に松本政調会長は、所得税・住民税の配偶者特米控除上乗せ部分廃止、公的年金等控除の縮小、老年者公序廃止、酒税・たばこ税引き上げ、定率減税全廃などの毎年続く増税や、医療・年金・介護保険の自己負担増などを列挙。取りやすい所から取る自民党政治によって国民は悲鳴を上げている実態を明らかにし、そうした認識に立って質問を行った。

[税財政]
危機的状況にある日本の財政については「放漫財政で国民に大きな借りをつくったことを政権党としてよく反省してほしい。利権・談合・天下りを許してきた自民党に返済してもらいたいくらいだ」と語ったうえで、天下りの問題に言及。野党である民主党が把握する限りでも平成17年度予算ベースでおよそ3000団体2万人、補助金・委託金・随意契約の合計で5兆円超に達していることを明らかにした。また、立件が困難な口利き行為の形式的な禁止と引き換えに、ただでさえ不十分な現行の天下りの2年間禁止措置を撤廃しようとしている前内閣の担当相案を問題視し、「この愚策を採用するか否か」と迫った。 首相は、「前大臣からいただいた提案を踏まえ、公務員制度改革全体の中で改革案を協議していく」などとするだけで明確な答弁を回避。再質問、再々質問に対しても、徹底して回避した。

また、所信表明演説では終始、「逃げず、逃げこまずという姿勢」などと発言するだけでその方向性が見えなかった消費税の問題について松本政調会長は、「よくわからなかった」としたうえで、消費税は来秋から議論するとしている安倍首相の発言の真意についても質問。「消費税をあげるつもりはあるのか、選挙までは国民に言わず、選挙後に増税というのであれば、伝統的な自民党の常套手段といえるがどうか」と指摘し、答弁を求めた。

首相は「19年度予算の歳出削減の状況、来年7月に判明する18年度予算の状況、医療制度改革を踏まえた社会保障制度の実績等を踏まえて見るいく」と答弁。この点に関する松本政調会長の再質問、再々質問に対しても同様の答弁を執拗に繰り返すだけだった。

[年金]
国民が強い関心と不安を抱いている社会保障についても取り上げ、「年金は高齢者の経済的な基盤であり、まず年金を安定させたうえで、保険料や窓口負担を含めた医療や福祉制度について議論していかなければならない」と改めて指摘。あわせて、「所得代替率50%は必ず守る」と国民に約束し、2年前に100年安心プランと主張し、政府が強行採決に踏み切った年金制度がすでに破綻している現実を踏まえ、本年4月に閣議決定した被用者年金一元化やこの「100年安心プラン」だけでよしとするのか、首相に答弁を求めた。同時に、社会保険庁改革に関して、看板の架け替えにすぎない「ねんきん事業機構法案」の撤廃を松本政調会長は要請。どう改革するつもりか、首相の考えを質した。

首相は「今回の法案が解体的出直しにふさわしいものであるかどうか、国会で改めて十分な議論をしていく」などと答弁した。

[農業政策]
農業政策については、課題の第一は農業の衰退にあるとの認識を松本政調会長は示したうえで、「昭和35年からGDPに占める農業生産のシェア、作付面積、農業就業者数のいずれもが激減し、食料自給率は約8割から4割まで落ちた。多額な税金が投入されて効果はマイナス。国民のお金を無駄にした」と述べ、自民党によるバラマキ政治の結果責任が問われと指摘した。そのうえで、地域経済を支え、地域社会を構成し、地域の環境を守り、国民に安全な食料を提供する、といった持続可能な農業の実現を目指して、民主党は「農林漁業再生基本法案」を先の国会で提出したと表明。自民党が無駄遣いの限りを尽くしてきた農業土木予算の一部と従来の生産調整関係予算の組み替えだけで、米・麦・大豆など自給率向上に役立つ農産物生産農家の所得補償を可能にするとことを明らかにした。

[外交・安全保障]
日米同盟については、「国安全保障の機軸として極めて重要であり、日米両国は相互信頼に基づく対等な関係を確立すべきと考える」と語ったうえで松本政調会長は、実態は「有事のリスクは米国、平時のコストは日本」という非対称的な構造となり、日本側のコストが過剰になり、地球規模の米軍の下請けになっていると指摘。そうした見方に基づき、米軍再編に伴う予算について具体的に示すよう、首相に要請。同時に、集団的自衛権について「個別具体的な例に即し、よく研究する」としている首相の認識について、これまでの政府解釈・答弁を踏襲することになるのか否か明確な回答を求めたが、「国際情勢の変化、武器技術の進歩、わが国の国際貢献に対する期待の高まりを踏まえ、日米同盟がより効果的に機能するか等の議論をを踏まえ、個別具体的に検討して行く」との認識を示すに留まった。

新総理は「あいまい総理」だ 鳩山幹事長

2日午後、衆院本会議終了後、鳩山由紀夫幹事長は記者団に対して安倍新総理への代表質問を終えての感想を、一言で言えば「あいまい総理」であると述べた。

鳩山幹事長は、質問を終えての全般的な感想として、「全てが官僚の作文のままである」と指摘し、総理は自分でも何を言っているのか分かっていない部分があるのではないかと語り、「先が思いやられる」と述べた。そして、民主党としては予算委員会などで国民の判断を仰ぐ機会が増えるとして、国会論戦で新総理の実態を明らかにしていく意欲を示した。

幹事長は、具体的な政策課題に関する新総理の答弁について、まず小泉政権5年間への評価は民主党と全く逆であるとし、増税などで苦しむ高齢者などへの配慮は全く見られず、小泉政権の単なる継承政権であって、今後も格差は拡がると批判した。また歴史認識については、確たる回答がなく極めて卑怯であるとし、為政者は歴史に対して謙虚であるべきであり、歴史認識なくして一国の宰相は務まらないと批判した。

さらに郵政造反組の復党問題や党首討論について、新総理から自分自身の言葉での回答が得られなかったと述べた。消費税の増税を含む税制についても、参院選が終わる来年の秋まで何も言えないというのでは国民の納得が得られないと批判した。

そして幹事長は、答弁の論点を整理して、菅直人代表代行を一番手として厳しく質問していくと述べた。また小沢一郎代表から、党首討論についても積極的に対応していくとの連絡があったと語った。

幹事長は、記者団の質問に答えて、新総理の小泉前総理との最大の違いは自分の言葉で語った部分がないことだと指摘し、新総理の若さなどへの期待と高い支持率というご祝儀相場は早晩崩れ去ると述べた。《民主党ニュース》



10月2日 その日のできごと(何の日)