平成5914日目
2005/03/18
【北朝鮮拉致事件】地村さんら3家族が日本永住の意思を表明
北朝鮮による拉致被害者の地村、蓮池両夫妻と曽我ひとみさんの3家族全員が18日、日本永住の意思を表明し、拉致被害者支援法に基づき国に拉致被害者等給付金の支給を申請、受理された。4月からはこれまで支給されていた滞在補助金に替わり、給付金が支給される。
給付金は5年で打ち切られるが、3家族は「被害者本人は全員就業を果たし、家族も就学や就職が決まり、今後の生活に見通しがつくようになった」とのコメントを発表し、自立にめどが立ったとの見解を示した。《福井新聞》
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【米・ライス国務長官】来日
アジア歴訪中のライス米国務長官が18日夜、専用機で東京の羽田空港に到着した。ライス長官の来日は就任後、初めて。牛海綿状脳症(BSE)発生に伴い禁止された米国産牛肉輸入の再開問題や北朝鮮の核問題、在日米軍再編などが主要テーマとなる見通し。
長官は19日、小泉純一郎首相、町村信孝外相、大野功統防衛庁長官とそれぞれ会談。これに先立ち、都内の大学でアジア外交などに関する講演も行う。《共同通信》
【この日の民主党】
岡田代表、参議院議員総会で年金問題、補選対応等について挨拶
参議院本会議を前に、18日午前、国会内で参議院議員総会が開かれ、岡田克也代表も出席して挨拶を行った。
総会の冒頭、まず江田五月参院議員会長が挨拶し、「参議院での予算の審議も大詰めに入ってきた」と指摘し、一層の奮闘を各議員に要請するとともに、人権擁護法案をめぐる政府・自民党の迷走ぶりを指摘。「ずいぶん右バネがきく状況になっている」として、「こういう状況を改めなければならない」との決意を披露した。
続いて岡田代表より挨拶があり、昨日の自公両党との国対委員長・幹事長代理レベルでの議論を紹介しつつ、「結論はまだ得られていないが、大きな方向として、年金をはじめとする社会保障制度について、しっかりと議論をしなければならないという認識は、現時点では共有できている」と述べた。更に岡田代表は、「先送りのための議論ではなく、結論を出すための議論」について、「年金については、今年の秋に骨格をつくることを前提にして」スタートさせることが実現できないか、関係者にご努力いただいているところだ、と語った。
宮城と福岡の衆議院補欠選挙についても岡田代表は触れ、「告示まで4週間を切り、非常に重要な局面だ」と指摘するとともに、各議員のこれまでの協力に謝意を表明し、更なる協力を改めて要請。「いずれの選挙区も接戦だ。しかし、厳しい中で十分に勝機のある選挙なので、福岡においても仙台においても、しっかり勝利をすることを目標に掲げ、全党挙げてがんばっていきたい」と呼びかけ、大きな拍手を浴びた。
[参院本会議]「外交と防衛は車の両輪」榛葉議員が力強く主張展開
18日、参議院本会議が開かれ、「新防衛力大綱」及び「新中期防衛力整備計画」についての大野防衛庁長官の報告を受けて、民主党・新緑風会を代表して榛葉賀津也参院議員が質問に立った。
冒頭、榛葉議員は、日本の防衛のあり方とミサイル防衛システム(MD)の関連の重要性を指摘。「国民の中には、この高価なMD計画という「商品」を、品質保証もないまま日本が買うことに胡散臭さを感じている人が少なからずいる」として、政府の説明責任の欠如を批判し、MD技術の国民への更なる情報開示を改めて強く要求した。小泉首相はこれに対して、「どのような兵器でも百発百中を保証することは難しい」としつつ、「いずれのシステムも、技術的信頼性は現在において高いと考えている」などとした。
また、武器輸出三原則の緩和がわが国の軍縮外交や核廃絶への取り組みに与える影響についても質した榛葉議員は、衆議院本会議での前原議員の質問に対する首相の答弁を取り上げ、防衛大綱の見直しと米軍再編の時期を全く合わせる必要がないとの認識なのかについても、明確な答弁を求めた。首相は、「必ずしもトランスフォーメーションを進める米国との協議のために策定したものではない」などと前原議員に行った答弁の繰り返しに終始した。
榛葉議員は、マラッカ海峡での海賊襲撃事件の例を挙げ、その対応の問題点を指摘しつつ、「現実的な危機管理を考えていく上で、むしろアジア各国との連携を加速させるべきだ」と指摘し、首相の見解を質した。首相は、「アジア各国との緊密な協力が不可欠だ」などとした。
更に、「外交と防衛は国の車の両輪だ」と自らの考えを明快に述べた榛葉議員は、PKOなどでの部隊派遣が、国連の「安保理常任理事国入りのための手段であるかのような議論」を「本末転倒だ」と批判。常任理事国という「手段」を使って何をするのか、日本をどういう国にしたいのか、首相自身の言葉での答弁を求めた。しかし首相は、「国際の平和と安全の維持に一層の役割を果たすことが重要だ」などと述べるにとどまった。
榛葉議員は最後に、新防衛大綱で日本の防衛力のあり方を議論するのと並行し、同等の重さをもって日本外交のあり方について、「きちんと形にしていくことが大切だ」と主張。「外交と防衛が真の車の両輪となり、日本が、どういう国として国際社会で生きていくのか、国民にも国際社会にも伝わるような迫力ある行動に、民主党自身も全力を尽くしていく」と力強く決意を述べて、質問を締めくくった。
[参院本会議]水岡議員、義務教育費国庫負担の意義損う改正に反対
参議院本会議は18日、「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案」に関する審議を行い、民主党・新緑風会の水岡俊一議員が質問に立った。
水岡議員は「質問に入る前に一言申し上げる」と前置きし、義務教育の根幹に関わる義務教育費国庫負担制度に関する衆議院文部科学委員会での審議で、参考人招致をめぐって民主党が推薦した参考人を拒否し、委員長が職権で参考人質疑を中止するという前代未聞の暴挙に出た自民党に対し、「あってはならないこと」と断じ、断固抗議する姿勢を示した。
続いて、2月14日に大阪府寝屋川市立中央小学校で起こった少年による教師殺傷事件に言及し、学校の安全確保に向け、文部科学省が多少の防犯装置・施設の補助は行っているものの、基本的には通達行政に止まっている現状を水岡議員は深刻に受け止め、「今や専門の保安職員を配置するなどして、不審な外来者に対し対応するといった方途がどうしても必要」と指摘。中山文部科学相に対し、「学校の保安要員等を配置するお考えはないのか」として、学校の総合的防犯安全対策として「学校安全法」を策定するか質した。中山文科相は「各学校の設置者において実情に踏まえて適切に対処していく必要がある」とする姿勢を示すだけで、法策定の姿勢は明確に示さなかった。
水岡議員はまた、OECD(経済協力開発機構)によるPISA(学習到達度調査)の結果、IEA(国際教育到達度評価学会)の調査結果で日本の子どもたちの順位が落ちた問題に言及。それを受け、「学力低下」を声高に叫び、「競い合う心、切磋琢磨する精神」を強調しながら、学力テストの実施や総合的な学習の見直し、土曜日の授業復活などの発言を繰り返す中山文科相に対して水岡議員は、今回の調査結果が示すものは、従来の暗記・詰め込み型から生きる力の習得への転換といった、思考力や判断力、問題解決能力を育てることが最も重要であり、まさにゆとりの中でじっくり考えさせる教育や総合的な学習を求めていくべきだという方向性に他ならないと指摘。ゆとり教育の成果が芽を出そうというこのときの「先祖がえり」とも言える方針転換は、愚の骨頂だと批判した。同時に、学習指導要領の見直し内容がまだ示されないうちに、ゆとり教育や総合的な学習の見直しを中山文科相が発言することで、学校現場は混乱を来している状況も問題視し、「目先にとらわれず、冷静で的確なメッセージを」と文科相に釘を刺した。さらに、教育費における公の財政支出のGDP比が世界最低の日本が3・5%なのに対し5・7%となっているフィンランドがPISAで総合一位となったことに言及し、「見習うべき」と指摘した。
そうした指摘を踏まえて水岡議員は地方自治体の財政状態の格差や保護者の経済力によって、教育の機会均等が失われている現状を指摘。その上で「今日の教育の格差問題はゆゆしき事態であることは誰の眼にも明らか」とする見方を示し、「義務教育費国庫負担」の考え方が現実的に機能しているのか再検討すべきだと指摘。同時に「改正法案によって、さらに義務教育費国庫負担の本来の意義がまた大きく揺らいでいる。地方分権の名のもと、財政再建の単なる数字合わせに巻き込まれ、教員の給与費の一部を負担金削減の中に盛り込むような、今次の改正案には、断じて賛成しかねる」と表明した。
水岡議員はさらに、中教審の見解を待つとされている暫定的に4250億円を一般財源化する案について、小泉首相は「中教審の意見を踏まえて協議していく」とし、麻生総務相は「地方の改革案が適切に生かされる形で中教審の結論が導かれる」とし、中山文科相は「暫定措置は中教審の今後の検討を制約するものでない」と述べるなど、内閣不一致に他ならない実情を指摘。統一見解を示すよう細田官房長官に求めた。それに対して官房長官は「政府一丸となって取り組む。バラバラとの指摘は当たらない」などとするだけで、明確な答弁を回避した。
鉢呂国対委員長、小泉外交の行き詰まりを記者会見で指摘
鉢呂吉雄国会対策委員長は18日、国会内で記者会見し、中国・ロシア・北朝鮮・韓国などとの間で抱える外交問題を取り上げ、「(決着への道筋を見出せない)小泉政権は、限界に達していると言わざるを得ない」とコメントした。
鉢呂国対委員長は、外交上の諸課題に関しては、「まさに日本は孤立状態」と憂慮の念を示し、ライス米国国務長官が来日して行われる米国産牛肉輸入再開問題の協議については、「圧力をかければ譲歩するというような対応が見られる」と批判した。
また、鉢呂国対委員長は、政治とカネの問題に関して橋本元首相らの証人喚問を要求している件について、「予算成立までに今国会で(証人喚問の)メドを立てると合意している」と確認し、予算成立の方向がある中で、「実現に向けて更なる与党側への要求を高めていきたい」とした。
会見の最後に、鉢呂国対委員長は、年金制度の抜本改革の問題を取り上げ、17日の民主・自民・公明三党の国会対策委員長、幹事長代理による会合での協議内容について、与党側への提案をあらためて説明し、「国会決議を踏まえた、国会の場での協議も含めて、民主党が主導権を持った対応をしたい」と、次回23日の協議に臨む姿勢を表明した。
年金改革協議 党の主張は変えない 川端幹事長が会見で
川端達夫幹事長は18日の定例記者会見で、与党との年金改革の協議について、党の主張は変えていないこと、報告のために両院議員懇談会を22日に開くことを明らかにした。
川端幹事長は年金改革協議に関して、「国民が安心できる安定した年金改革、社会保障制度をつくることが責任」として、国会でオープンに全政党が参加し、衆参合同で、秋までに骨格に成案を得る、と一貫して主張していることを改めて述べた。さらに、国会対策委員長・幹事長代理による会談で一定の整理ができれば、幹事長会談が開かれることも明らかにした。
また、マラッカ海峡での襲撃・誘拐事件に関して、党としても救出に向けできることを最大限に取り組むことを明らかにした。
また、ライス米国務長官の来日については、BSE問題、アメリカ産牛肉の輸入再開が課題だとし、「科学的根拠に基づいて判断されるべき。通商問題ではないと、主張しアメリカに理解を求めるべき」と政府の対応に釘を刺した。
「まず年金制度をしっかり議論」岡田代表、タウンミーティングで
岡田克也代表は18日夜、神奈川県川崎市内で開かれたタウンミーティングに参加して講演を行ったほか、会場を埋めた参加者の皆さんと活発な意見交換も行った。
冒頭に挨拶した地元選出の笠ひろふみ衆議院議員は、「直接に皆さんのお声をいただきたい」などと呼びかけるとともに、「小泉政権はそろそろ何とかしなければいけない」との声を受け止めたいなどと述べ、アンケートもとるなど参加者の皆さんと対話形式で議論を進めた。
そして笠議員の挨拶に引き続き、岡田代表が講演。会場で行っていたアンケートの結果などを紹介され、「私がいない間に、笠さんは皆さんに何を話していたのか」と言って笑いを誘った後、代表就任以来、全国47都道府県を回っていることを紹介し、「地方を回っていると民主党に対する期待を感じる」とするとともに、「民主党単独での政権獲得」を目指す決意を改めて披露した。
岡田代表は更に、細川政権当時も振り返りつつ、当時に比べて現在の民主党は、「政策が整い、何より人材が整った」とし、「堂々の四つ相撲で、相手を投げ飛ばして政権を獲る」と力強く述べた。
次に岡田代表は、社会保障制度改革の問題、特に年金制度の抜本改革の問題について触れ、この間の与党との協議の状況を報告。社会保障制度全体の改革という名の下に、抜本改革が先送りされることに改めて懸念を表明し、「まず年金制度をしっかり議論して、秋までに骨格をつくるべき」と指摘した。そしてこれらの議論は国民に見える場で、として、国会の場での議論の必要性を強調した。
危機的状況に陥っている財政の立て直しについても岡田代表は触れ、「持続可能でない財政では、若い世代は夢を持つことができない」と指摘。歳出カットの具体的プランを作成すべく、党内でも精力的に議論していることを紹介した。
続いて岡田代表は、「この国の政治は、政治家でなく官僚がやってきた」として、「大きな方向性を決めるのは政治家だ」と述べるとともに、「小泉首相も含めて、今の政治家は官僚の持ってきた答弁を読み上げるだけ」と指摘。「国民の中で育てられた政治家が議論をしていく。そういう政治を是非実現したい」と述べた。更に岡田代表は、「この10年を振り返って、最も変わったのは首長だ」とし、「若くて本当にやる気のある人たちが県や市を変え始めている、残されたのは国だ」と述べて、「笠さんと一緒にしっかりがんばっていく」と決意を述べて、大きな拍手を浴びた。
続いての質疑応答では、会場から、防衛政策・安全保障問題、社会保険庁解体の問題、財政再建への民主党の取り組み、領土問題、教育制度改革の問題、政治とカネの問題など多くの質問が次々に寄せられ、岡田代表はそれらの質問に一つひとつ丁寧に答え、時には会場内の笑いも誘いながら、民主党の考えを説明した。
なお、今回のタウンミーティングには、同じ川崎市より選出されている樋高剛衆院議員らも参加した。《民主党ニュース》