平成5429日目

2003/11/19

この日のできごと(何の日)

【第2次小泉内閣】発足

自民、公明両党による「第2次小泉内閣」が19日夜、発足した。小泉純一郎首相は衆院選を受けた同日召集の第158特別国会で、第88代の首相に選出された。首相は閣僚17人全員を再任させた。

首相はこれに先立ち首相官邸で記者会見し、イラク復興支援の自衛隊派遣について「いつ派遣するかは状況を見極めながら判断したい」と述べ、早期派遣にこだわらず慎重に検討する考えを表明した。


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首相は「改革推進に国民の理解、協力を得ながら全力を尽くす」と第二次内閣として改革路線を加速させる姿勢を示した。公明党との政策調整に関しては「連立体制の中で培われた信頼関係があり、党の事情は違うが、調整は十分できる」と強調した。

北朝鮮による拉致事件について「(核問題の)六カ国協議の場でも日本の立場について各国の理解を得ながら誠意ある対応を求める」と述べ、12月開催で調整している六カ国協議の場で議題とする考えを示した。

首相は「選挙結果は改革路線は正しい、進めろという国民の声、審判だ」と衆院選で「信任」されたとの認識を強調。地方分権の「三位一体」改革について2004年度で補助金を1兆円削減し、地方への税源移譲にも着手する方針を示した。

イラクの治安情勢について首相は「情勢は厳しい。日本の自衛隊、民間人派遣の場合は安全面に十分配慮しなければならない」と述べた。

首相は19日午後、官邸で公明党の神崎武法代表、安倍晋三幹事長ら自民党五役と会談し、全閣僚の再任を確認した。同日夜には第二次内閣による初閣議を開催。福田康夫官房長官は閣議後会見で「選挙の公約を着実に実行し、新たな課題解決にも歩みを進めていく」と強調した。

政府は19日夜の閣議で小泉純一郎首相談話を決定した。要旨は次の通り。

総選挙で示された国民の信任を厳粛に受け止め、公明党との連立政権の下、先の内閣と同じ体制で引き続き構造改革を推進する。デフレ克服と経済活性化の実現、行財政改革の徹底に取り組み、国民に約束した改革の実現に全力を尽くす。当面する重要課題である年金改革、地方分権に向けた「三位一体の改革」、道路関係四公団の民営化を着実に具体化し、来年秋ごろに向け郵政事業民営化案の検討を進める。

イラクに対しては、現地情勢を見極めながら人道、復興支援を進める。北朝鮮にかかわる拉致や安全保障問題の解決、テロの防止、根絶に向けた闘いに全力で取り組む。草の芽がようやく出てきた今こそ、断固たる決意をもって改革を推進していく。《共同通信》

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【新庄剛志外野手】日本ハム入団を表明

米大リーグ・前メッツの新庄剛志外野手(31)が19日、日本ハムで来季プレーすることを表明した。同選手はこの日、日本武道館で行われた映画のプロモーションイベントに参加。席上、ファンの前で「北海道に住みます。背番号は1、ファイターズの新庄をよろしくお願いします」と話し、日本ハム入団の意思を明らかにした。日本球界には4年ぶりの復帰となる。

20日に東京都内で球団との初交渉が行われ、終了後に会見に臨む予定。契約は2年で、契約金と年俸を含めた総額は2億円程度とみられる。

同外野手はドラフト5位で1990年に阪神に入団。2001年にフリーエージェントでメッツ入りし、02年には移籍したジャイアンツで日本人初のワールドシリーズ出場も果たした。メッツに復帰した今季は不振にあえぎ、シーズン途中でマイナー落ち、出場も62試合にとどまった。大リーグでの3年間で通算303試合に出場、打率2割4分5厘、20本塁打、100打点。《共同通信》

【プロ野球・ドラフト会議】

プロ野球の新人選手権選択会議(ドラフト)は19日、東京都港区の新高輪プリンスホテルで行われ、注目された西村健太朗投手(広島・広陵高)の交渉権は巨人が2巡目で獲得した。

今春の選抜高校大会優勝投手で巨人が志望だった西村について、指名順が巨人より先のヤクルトが強行指名の見込みだったが、指名を回避した。「自由獲得枠」を使わなかった3球団による1巡目指名では、中日は中川裕貴内野手(岐阜・中京高)、広島は白浜裕太捕手(広島・広陵高)、ロッテは内竜也投手(神奈川・川崎工高)の交渉権を得た。競合による抽選は、3年ぶりに行われなかった。

巨人を希望した高校球界屈指の左腕、須永英輝投手(埼玉・浦和学院高)の交渉権は日本ハムが2巡目で獲得した。早大からは自由獲得枠で阪神入りする鳥谷内野手を含め4選手がプロへ。そのうち広島から3巡目で指名された比嘉寿光内野手はこの日、契約金8000万円、年俸1300万円で早々と仮契約し、背番号も10に決まった。明大も4選手が指名を受けた。(金額は推定)

テレビカメラ6台が待ち構える中、学生服を着た早大の鳥谷は晴れやかな表情で会見場に現れた。「心境を天気で例えると」と尋ねられると、「晴天です」と即答した。大学球界ナンバーワンの遊撃手。早くからドラフトの目玉と言われ、複数の球団が獲得に動いたが「大先輩である岡田監督と、負担の少ない土のグラウンドが決め手になった」。阪神を選んだ理由に環境面を強調した。

抱負でも大物ぶりをのぞかせた。「西武にいた松井選手のような走攻守トップクラスの選手になりたい」。「(早大出身の)ダイエーの和田先輩と勝負したい」。次々と大きな目標を掲げた。《共同通信》

【大相撲】

大相撲九州場所11日目(19日・福岡国際センター)全勝の大関栃東に土がつき、1敗を守った横綱朝青龍とトップで並んだ。栃東は平幕土佐ノ海に押し出される完敗。朝青龍は関脇若の里を力強い右上手出し投げで下した。土佐ノ海は勝ち越し、若の里は5勝6敗。大関同士の対戦は武双山が千代大海を押し出し、白星を先行させた。千代大海は3敗目を喫し、2敗力士が消えた。魁皇は4敗目。小結高見盛は敗れて4勝7敗。1敗の朝青龍、栃東を3敗で追うのは千代大海ら6人。十両は黒海が1敗となったが、依然単独トップ。《共同通信》

【サッカー】

サッカーの国際親善試合キリン・チャレンジカップ、日本代表−カメルーン代表は19日、大分スポーツ公園総合競技場で行われ、日本は鋭く攻め続けて3万8627人の観客を興奮させたが好機を生かせず、0−0で引き分けた。ジーコ監督就任後の通算成績は4勝5分け6敗となった。

日本は高原(ハンブルガーSV)と柳沢(サンプドリア)の2トップが中盤から好パスを引き出した。前半12分、高原がゴール正面で絶好機を得たが、左足シュートをGKに阻まれた。その後も日本は優勢を保ったが、トラップの微妙なミスなどで逸機の連続。来年2月に始まるワールドカップ(W杯)アジア1次予選に向け、決定力不足の課題は解消されなかった。《共同通信》

【158回特別国会】召集

政権公約を掲げ衆院選を勝ち抜いた議員らが19日、初登院した。笑顔や緊張した面持ちの中には、元事務所代表の脱税で辞職した元自民党幹事長の加藤紘一氏(64)や秘書給与疑惑でバッジを外した前外相の田中真紀子氏(59)の姿も。大物議員を破り初当選した新人議員らは「全力で取り組みたい」と力を込めた。

元事務所代表の脱税事件などの責任を取って昨年4月に議員辞職した加藤元自民党幹事長。久しぶりのバッジを胸に「初当選みたいな緊張した気分」と、感激からかか目をやや潤ませた。みそぎをすませて晴れやかさものぞかせた元プリンス。「一年半、田舎にいたのでリハビリが必要。自由に自民党政治を眺めてみたい」と当面、派閥には復帰しない考えを強調。自衛隊のイラク派遣反対を改めて訴えた。

公設秘書給与の流用疑惑で昨年8月に議員辞職した田中前外相は午前9時半ごろ、クリーム色のスーツ姿で国会に。久しぶりに着けた議員バッジの感想を問われると「9年間、着けていましたからね」と余裕の表情を浮かべた。

民主党の会派に入ったことについては「一人では何もできませんからね」、「(首相指名で)菅直人さん(民主党代表)に投票するかは演説を聞いてから決めます」と語りながら、議場の入り口で自分の席を確認、「わたしは自分の仕事を一生懸命やります」と話し、「ニュー真紀子」をアピールした。

女性スキャンダルに見舞われた自民党の山崎拓前副総裁を破った古賀潤一郎さん(45)=民主=は「一つの風穴を開けさせていただいたかなと思う。国会ではイラク問題に取り組みたい」と力を込めた。選挙戦で拉致問題への取り組みをアピール、社民党の顔、土井たか子前党首を破り、党首辞任へ追い込しんだ大前繁雄さん(61)=自民=は「この年でここに来られるとは夢のようです。拉致問題は話し合いの場がつくれるよう全力で取り組みたい」と語った。《共同通信》

衆院本会議の新しい議席配置が19日決まった。合併で旧保守新党から自民党に9年ぶりに復帰した海部俊樹元首相は、演壇に向かって左最奥の橋本龍太郎、森喜朗両氏と並ぶ「長老席」に着き、すっかり元のさやに収まった様子。橋本氏らとうれしそうに会話を交わしていた。

無所属のまま民主党会派入りした田中真紀子前外相は、民主党議員らの中央後ろ寄りに陣取った。二列後ろには菅直人代表や小沢一郎氏らが座る「幹部級」の位置だが、やはり野党席は慣れないようで周囲とも言葉を交わさず、終始硬い表情。

わずか6議席となった社民党は右奧に身を寄せる格好。旧社会党時代の最盛期を知る人には寂しい光景となった。《共同通信》

19日の参院本会議での首相指名選挙に、自民党の中曽根弘文氏が欠席した。本人は理由を明らかにしていないが、小泉純一郎首相が先の衆院選に先立ち、父の中曽根康弘元首相に議員引退を迫った経緯があるだけに、憶測を呼びそうだ。

中曽根氏は同日午前の本会議には出席したが、休憩を挟み午後に再開した首相指名選挙のための本会議に欠席した。

また従来は「与党第一党の党首」に投票してきた西川きよし氏は「今回はイラクへの自衛隊派遣に反対の思いがあり、ストレートに(小泉首相に)投票できなかった」として白票を投じた。

また衆院本会議での首相指名選挙では、自民党の植竹繁雄、萩山教嚴、谷川弥一各氏が記名投票なのに自身の署名を忘れ、無効となった。

このほか、衆院で無所属の徳田虎雄氏が採決前に退席。参院では自民党の有村治子、民主党の川橋幸子、無所属の会の椎名素夫各氏が欠席した。《共同通信》

河野洋平新衆院議長は19日午後、国内で記者会見し、憲法問題について「国会でも(議論は)詰まってきているが、国民は本当に分かっているか心配している。改憲、論憲、創憲などが具体的に何を意味するのか分かりやすく説明する必要がある」と述べ、幅広く国民の理解を求めるべきだとの考えを示した。同席した中野寛成新副議長も「衆院憲法調査会も一年余りの間に何らかの結論を出すことになる。精力的な議論を期待する」と述べた。

議長は国会の在り方について「戦争を経験したベテラン議員が随分国会から姿を消した。戦争や戦後の厳しい経験を持つ人たちの気持ちを新しい人たちにつなぐ懸け橋になるべきだ」と強調。同時に「分かりやすい国会にすべきだ。終着駅はない」と述べ、国会改革への決意を示した。

最近のイラクの治安悪化については「テレビや新聞が伝える今の状況をとても心配している」と述べ、自衛隊派遣に強い懸念を表明した。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】英で演説

国賓として英国訪問中のブッシュ米大統領は19日午後、ロンドン市内でイラクなど米国の外交政策について演説、世界の平和と安定を実現するための三つの柱の一番目として、国際機関に対し強力な支援を行う方針を挙げ、国際協調への転換姿勢をアピールした。大統領はイラク戦争の正当性もあらためて主張、中東民主化への決意を強調した。

連日米兵が死亡するなど、イラク情勢の「泥沼化」で、米国は主権を早期に移譲し米軍の負担を減らすよう軌道修正を進めており、演説は欧州などとの亀裂修復を目指し国際的な支援拡大を図る内容となった。

大統領は他の二つの柱として、外交が機能しない場合の軍事力行使の必要性と、民主主義を世界に普及させることを挙げた。

大統領は「国際機関の力を信じている。国連が危機から目をそらさず、行動を起こすことが重要だ」と述べ、イラク問題やイランの核開発問題などで、国連や国際原子力機関(IAEA)など国際機関を中心とする問題解決を強調した。

また北朝鮮の核問題も「四カ国と協力して対応している」と述べ、多国間の枠組みを重視する姿勢を指摘した。

ただ大統領は、テロリストや独裁者には「軍事力で対抗しなければならないこともある」と説明。また「失敗すれば人々は悲惨な目に遭う。必ずイラクの民主化を成功させる」との決意を訴えた。

大統領は、最近対立局面に陥ることが多い欧州と米国の歴史的な関係の重要性に言及し、イラク復興への支援と協力を呼び掛けた。さらにパレスチナ国家独立への支持を表明し、アラブ諸国にはイスラエルとの国交正常化を推進するよう求めた。

演説に先立ち大統領はローラ夫人を伴ってバッキンガム宮殿を訪問、エリザベス女王が主催する歓迎式典に出席した。米大統領の国賓としての英国訪問は、1918年のウィルソン大統領以来となる。《共同通信》

【この日の民主党】

「特別国会皮切りに自公と厳しく対決していく」野田国対委員長

民主党の野田佳彦国会対策委員長は特別国会招集日の19日午前、国会内で記者会見し、「衆議院で自公279人の勢力に対して民主党180人で厳しい対決を特別国会を皮切りにどんどんやっていきたい。テーマは内外山積しており、双方の考えを徹底的にぶつけ合いながら、何が問題かを国民の前にしっかりお示しできるような国会闘争を進める」と表明した。

特別国会の会期については、与党側は首班指名後、予算委員会を衆参1日ずつ開催して27日に閉会することを提案。野党側は新首相の所信表明と代表質問、イラク問題や年金制度改正問題など内外山積する各論についての各委員会での十分な審議も求めて各派協議会が決裂。最終的に午後1時からの本会議で採決によって決まることとなった。

代議士会で特別国会に臨む決意を確認

特別国会が召集された19日、民主党は衆議院本会議に先立って代議士会を開き、58名の新人議員とともに、会期問題、正副議長選挙、首班指名選挙などに臨む方針を一致した。

代議士会の冒頭、前議院運営委員会筆頭理事の高木義明議員が各派協議会での協議結果を報告。会期問題については、臨時国会を開催しないならば特別国会で十分な審議時間を確保すべきだと民主党が強く要求したにもかかわらず、与党側は9日間の日程案を押し通したため、本会議の採決では怒りを込めて反対したい、と提起した。また人事では、議長に自民党の河野洋平議員、副議長に民主党の中野寛成議員を選出する正副議長案を確認するとともに、首班指名選挙では会派として菅直人代表に投票することを改めて意志一致した。

これを受けて挨拶に立った菅代表は、首班候補に選ばれたことに謝意を表すとともに、「本来ならこの首班指名で小泉政権を退陣に追い込み、民主党中心の政権をつくることをめざしていたが、そうならなかったことについて私も責任を感じている。次回の選挙後の特別国会では、必ず民主党の推す首班候補に240名以上の仲間が投票できるよう頑張ろう」と呼びかけた。

衆参両院本会議で首班指名の投票

国会は19日、衆参両院の本会議で首班指名のための投票を行い、小泉純一郎前首相を再選した。民主党会派、社民党会派の所属議員は菅直人代表に投票した。

衆議院本会議では、首班指名に先立ち、議長・副議長を選挙で選出。議長には自民党の河野洋平議員、副議長には民主党の中野寛成議員が全会派の賛同を得て選ばれた。

「第2次小泉政権は国民に背を向けた政権」菅代表

民主党の菅直人代表は特別国会が召集された19日午後、国会内で記者会見し、自衛隊のイラク派遣、経済、道路公団改革等の山積する問題を前に十分な審議時間を民主党が要求したにもかかわらず、与党側が会期を9日間とした点を「小泉政権の再スタートに当たり、特別国会でも所信表明を行わず、臨時国会も開かないとなると、来年1月の国会まで総理が何も所信を述べないことになる。これは異常であると同時に、国民の前で自分の意見を言うことを恐れ、逃げていると言わざる得ない」と指弾。「所信表明を行わない第2次小泉政権は国民に背を向けた政権だ」と断じた。

イラクへの自衛隊派遣をめぐって政府が玉虫色の見解を繰り返している点については「反対する国民の声を受け止め、総理はきちんと国民と米国に説明すべき」と語った。

また、衆議院選挙中に小泉首相が「予算を見れば政策内容がわかる」と繰り返してきた点をあげ、「いよいよ予算編成時期となるが、単に役人が示した数字の積み重ねではなく、政府の方針、考え方を明確にした予算を示してほしい」と注文をつけた。《民主党ニュース》



11月19日 その日のできごと(何の日)