平成4010日目
1999/12/31
この日のできごと(何の日)
【ロシア・エリツィン大統領】辞任
ロシアのエリツィン大統領(68)は31日正午(日本時間同日午後6時)テレビ演説し、大統領職を同日辞任、プーチン首相(47)を首相兼任のまま大統領代行に任命する大統領令に署名したと表明した。2000年6月予定の大統領選は繰り上げ実施され、中央選管委員長によると、投票日は3月26日。
1991年7月にソ連ロシア共和国大統領に就任、同年末のソ連解体後は新生ロシアで改革路線を率いてきたエリツィン氏は、2000年夏までの2期目の任期を全うできず、「エリツィン時代」は8年半で終わった。
大統領は「人々の希望を全部実現できなかったことを謝りたい」と述べ、大統領選でのプーチン氏当選に期待を表明した。
プーチン氏は、大統領を辞任したエリツィン氏に逮捕や訴追を免れる刑事免責の特権を与える大統領令に署名した。ロシア政局はプーチン氏や各陣営間の激しい大統領後継レースに突入、経済の低迷を背景に核大国ロシアの混乱も懸念される事態となった。
エリツィン氏は2000年春に日本を公式訪問すると表明していたが、同年までに平和条約締結を目指すとの日ロ首脳の合意実現は不可能となった。チェチェン問題で対立する欧米諸国との関係など外交全般への影響も必至だ。
インタファクス通信によると、エリツィン氏は31日、国家元首の象徴である核兵器の発射ボタンをプーチン氏に委譲した。プーチン氏は代行就任後、エリツィン政権の外交路線と経済改革の継承を表明した。《共同通信》
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【皇太子妃雅子殿下】退院
皇居の宮内庁病院で31日夜、流産の手術を受けて入院していた皇太子妃雅子さまは31日午前、皇太子さまに付き添われて退院し、車で東京・元赤坂の東宮御所に戻られた。
退院の直前、皇后さまが雅子さまを見舞われ、皇太子ご夫妻は皇后さまに見送られて病院を出られた。雅子さまは、きょう1日に皇居で行われる「新年祝賀の儀」を欠席される。2日の新年一般参賀の出席も見合わせる見通し。《読売新聞》
【パナマ運河】アメリカからパナマに返還
太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河の管理権が31日正午、77年に締結された新運河(カーター・トリホス)条約に基づき、米国からパナマに正式に移管された。駐留米軍の撤退も完了し、パナマ運河は開通86年目に、名実ともにパナマ国民のものとなった。
31日には、これまで運河を運営してきた米政府機関「パナマ運河委員会(PCC)」本部前で記念式典が行われ、パナマのミレヤ・モスコソ大統領は、「何世代もの間、完全主権を求めてきた我々の声が、ついにきょう結実した」と、パナマ運河地帯が完全にパナマの主権下に入ったことを宣言した。《読売新聞》
【インディアン航空814便ハイジャック事件】乗客全員解放
インドのミシュラ首相府主席次官は31日、インドで服役中のイスラム過激派3人の釈放と交換に、乗っ取り機の人質全員を解放することで犯人側と合意したと発表した。
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イスラム武装グループに乗っ取られたインディアン航空機がとどまっているアフガニスタンのタリバン政権が、同国に詰めかけた各国の外交官や報道陣に懸命の歓待を続けている。
国際テロの黒幕とされるウサマ・ビン・ラディン氏の保護や厳格なイスラム原理主義政策に基づく女性の人権抑圧など「国際的にできあがった暗いイメージを何とか改善しようとの狙いがある」(外交筋)との指摘もある。
同国南部のカンダハル国際空港には、インド政府の交渉団を含め外国外交官や報道陣らが多数押し掛け、空港ビルを拠点に事件の推移を見守っている。
タリバン側は、約30人のスタッフがつきっきりで、ラマダン(イスラム教の断食月)にもかかわらず昼間も食事や飲料水を差し入れ、夜には毛布や暖房器具を提供している。タリバンは国連の制裁を科されており、その台所事情は決して楽ではない。
」アフガニスタン外務省カンダハル事務所のアルハジ・ファザル所長は「もともと(タリバンを主に構成する)パシュトゥン人には客を盛大にもてなす習慣がある。ただ招かざる客(ハイジャック機)には早く出て行ってもらわないと経費もかさむし職員も疲れ果ててしまう」と話している。《共同通信》
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インディアン航空機乗っ取り事件は12月31日、インドで服役中のイスラム過激派指導者マスード・アズハル師ら3人の釈放と交換に、日本人女性1人を含む乗客乗員150人余りが無事に解放され発生から一週間ぶりに全面解決した。
インド政府が犯人側と直接交渉し、要求の一部を受け入れた。
乗客らはインド政府の特別機でアフガニスタン南部のカンダハル空港を出発、同日夜(日本時間1日未明)、ニューデリーに着いた。
犯人5人と釈放された過激派3人はアフガニスタンのタリバン政権に一時身柄を預けられたが、インドのシン外相は1日、犯人らはパキスタン人で、同国西部のクエッタに向かったと述べた。
パキスタン国営通信によると、同国のハイデル内相は同日、犯人はパキスタン人でないとした上で、犯人らはまだ入国していないと指摘、「入国すれば逮捕する」と述べた。
バジパイ・インド首相は31日夜、過激派の釈放人数を、犯人側が要求した36人から3人まで減らしたことが成果だと強調した。《共同通信》