平成3789日目

1999/05/24

この日のできごと(何の日)

【日米防衛協力(新)指針法】成立

日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法は24日夕、参院本会議で自民、公明、自由などの賛成多数で可決され、成立した。日本周辺の武力紛争など「周辺事態」が発生した場合に、自衛隊が後方地域で米軍を支援することを初めて可能とするほか、国が地方自治体や民間にも協力要請できることを明確に規定した。

冷戦後の「同盟強化」をうたった平成8年4月の日米安保共同宣言から3年。日米安保体制は昭和35年の安保条約改定以降、最も大きな変容を遂げ、両国関係は新たな段階に入る。

新指針関連法の柱となる周辺事態法は、公布から3カ月以内に施行される。政府は自治体・民間協力の具体的な内容を盛り込んだ「解説書」を6月初旬に公表。また、自衛隊と米軍の作戦行動マニュアルとなる「相互協力計画」を来春までに策定するなど、周辺事態を想定した具体的な態勢整備を本格化させる。

成立したのは周辺事態法のほか在外邦人救出のために自衛艦の派遣を可能とする改正自衛隊法、改正日米物品・役務相互提供協定(ACSA)で、昨年4月に一括して国会に提出された。

周辺事態法の政府原案は自衛隊の活動として①米軍に対する補給、輸送などの「後方地域支援」②米兵らを対象にした「後方地域捜索救助」③国連決議に基づく経済制裁の実効性を確保するための「船舶検査」−を規定していた。

しかし、衆院での修正で船舶検査の条項は削除され、自自公3党が別の法律を定めることで合意。併せて自衛隊の出動は「原則事前、緊急時は事後」の国会承認の対象となった。さらに「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」という周辺事態の定義に「放置すればわが国に対する直接の武力攻撃に至る恐れのある事態等」を例示として追加。後方地域支援でも自衛官の正当防衛のための武器使用が認められた。

本会議に先立つ参院日米防衛指針特別委員会では、船舶検査条項の復活を求めた民主党・新緑風会の修正案を否決、衆院での修正通り成立した。

民主党・新緑風会は改正自衛隊法と改正ACSAには賛成し、共産党、社民党・護憲連合などはすべてに反対した。《共同通信》



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【スズキ・ワゴンRプラス】発売

1999 平成11年5月24日【スズキ・ワゴンRプラス】発売
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【政界談話室】

○・・・民主党の鳩山由紀夫幹事長代理は24日、「友愛会」解散記念レセプションで労組幹部らを前に、最近の民主党の低迷ぶりについて「なかなか顔が見えないとおしかりをいただく毎日だ」と反省の弁。「初心に戻って、自民党ではできない政治をどう実現していくか一生懸命もう一度考え直していきたい」と、決意新たに訴えたが、その直後に「(菅直人)代表を代えるということではありませんから」と釈明。代表選で鳩山氏出馬を求める声もあるだけに、よけいな憶測を呼びかねないと判断したようだ。《共同通信》

【仙台地裁】セクハラ賠償750万円

東北大の博士課程に在学中、指導教官となった同大助教授に性的嫌がらせを受け人格権を損害されたとして、仙台市内に住む20代の女性が、助教授を相手取り1000万円の損害賠償を求めていた訴訟で、仙台地裁(阿部則之裁判長)は24日、「教育に携わるものとしてあるまじき振る舞いだ」などとして助教授に対し総額750万円の支払いを命じる判決を言い渡した。原告代理人によると、セクハラをめぐる訴訟の賠償額としては国内最高という。

判決によると、女性は平成7年4月、助教授に「君に恋愛感情を持っているため、指導教官を降りたい」と告白され、指導を放棄される不安を持った。助教授はこの不安を利用し、指導教官としての地位、権力を背景に女性に抱きついたり、性的関係を持つなどした。

助教授は事実を認めた上で、「自由意思による恋愛関係に基づくもので違法性はない」と主張していたが、阿部裁判長はこれを退け、「自己の身勝手な欲望を満足しようと図り、原告に性的接触を受忍させ、性的関係まで結ばせたことは悪質というほかない」と述べた。《共同通信》

【小渕恵三首相】自自公固め総裁選再選へ

今国会最大の焦点だった日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法が24日の参院本会議で成立したことで、今後の政局の焦点は自民、自由、公明3党の連立の成否と自民党総裁選の行方、衆院解散・総選挙の時期に移った。

小渕恵三首相は、新指針関連法を成立させた自自公の枠組みをさらに強固なものにしたうえで、党総裁再選を確実にしたい考えだ。《共同通信》

【小渕恵三首相】米・ペリー北朝鮮政策調整官と会談

小渕総理は24日、アメリカのペリー北朝鮮政策調整官、韓国の林東源統一相らと会談し、クリントン大統領に提出されるペリー報告に関連し、「今後とも北朝鮮に対する日米韓三カ国の連携、協調が重要だ」と述べ、改めて同報告への支持を表明した。 《首相官邸》

小渕恵三首相は24日タ、米国の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策見直しを進めているペリー政策調整官(前国防長官)、韓国の林東源大統領外交安保首席秘書官(新統一相)と首相官邸で会談し、北朝鮮政策について「日米韓三国が全力を挙げて協力しよう」と強調した。

これに先立ち、ペリー、林両氏と外務省の加藤良三総合外交政策局長による三国調整グループの協議が同省飯倉公館で開かれた。

ペリー氏が北朝鮮に伝える三国のメッセージを決定した上で「(訪問は)北朝鮮の見方を直接評価する貴重な機会を提供する」との声明を発表。核開発やミサイル問題などで北朝鮮が示す対応によって、経済制裁の解除などを検討する姿勢を強調した。

声明はさらに「(三国の)個別および全体としての考え方が平壌に明確に理解されることが重要」と指摘。協議では、個別問題として、日本人拉致疑惑などを含め北朝鮮に共同対処していくことを確認した。北朝鮮へのメッセージに関連し、外務省筋は「ペリー調整官は首相の考えを理解している」と指摘、首相の意向がメッセージに反映されているとの見解を示した。

日本政府は「北朝鮮側の前向きな対応を得て国交正常化交渉への道筋をつけたい」(首相)との姿勢を表明しており、ペリー氏訪朝結果を踏まえ、昨年8月の北朝鮮のミサイル発射以来継続しているチャーター便規制の解除や食糧援助再開の検討に入る。《共同通信》

【この日の民主党】

日米防衛協力指針(ガイドライン)関連法案は24日午後、参議院日米防衛協力指針特別委員会で締めくくり総括質疑と採決が行われ、可決された後、参議院本会議に緊急上程され、自民・自由・公明3党などの賛成多数で可決、成立した。

民主党・新緑風会は、関連3法案のうち、周辺事態の際の対米支援の内容を定めた「周辺事態法案」には、「船舶検査は国連決議を要件とし、憲法の範囲内での武器使用を担保させる」政府原案を復活させる内容の修正案を提出し、政府案・3会派修正案には反対した。

また、在外邦人救出に自衛隊艦船の使用を認める「自衛隊法改正案」と、「日米物品役務相互提供協定(ACSA)改正案」には賛成した。

24日午前の委員会締めくくり総括質疑で、民主党・新緑風会の齋藤勁議員が会派を代表して最後の質疑を行った。

「冷戦終結後、アメリカの世界戦略の変化にともない、日米同盟の再定義が行われた」。齋藤勁議員はこのように指摘し、日米関係の質的変化をふまえて、日本は独自の判断が本当に可能かどうか、と政府を追及した。小渕首相は「両国が主体的に判断する」と従来の答弁を繰り返し、正面からの議論を最後まで避けた。

齋藤議員は反論し、前回の審議でも追及した、「核搭載艦船の日本寄港」を裏付ける政府高官の書簡(72年6月17日付)がアメリカの公文書館から発見されたことについて再び言及し「日本が判断するといいながら、結局こういうところで事前協議の対象にしていない」と、あいまいな政府の態度を批判した。

また竹内・外務省北米局長が、事前協議制度の改定問題について「日米間で話し合ったことはない」と否定したのに対し、齋藤議員は「97年、自・社・さ政権関係者が訪米した際、事前協議制度について話し合っている。アメリカ側から今後の運用は厳格にされるべきとの回答を得た」との事実を示し、日本の主体性に関わるこの問題を、政府が軽視していることを批判した。

最後に齋藤議員は、日米安保の将来あるべき姿として「アジア・太平洋地域の多国間安全保障機構を志向すべき。今の日米同盟は、多国間安全保障をめざす中で過渡的なものととらえ、各種の安保対話を進める必要がある」と強調して質疑を終えた

午後からの委員会での採決前の討論で、民主党・新緑風会の木俣佳丈参議院議員は、まず「日米安全保障条約を支持し、日米防衛協力を進めることが日本の安全保障のために不可欠であり、ガイドライン関連法案の整備は基本的に必要である」との民主党の基本認識を表明。

その上で、周辺事態法案に対する反対の理由として 1.日米間で合意した国連決議に基づく船舶検査活動が削除されており、法案として不完全 2.基本計画全体ではなく、自衛隊の一部活動のみを国会承認事項と規定し、自治体や民間協力に対する行き過ぎた協力要請に国会が歯止めをかけられない 3.周辺事態の定義や政府統一見解は拡大解釈の余地があり、専守防衛を大きく超えて自衛隊の活動領域に歯止めがかけられない—の3点をあげた。

参議院本会議では、伊藤基隆参議院議員が登壇し、「日米防衛協力にあたっては、わが国の主体性確保と国民生活に対する配慮を法律で規定することが必要だが、周辺事態法案はこうした点が不十分」と主張。さらに、「自民・自由・公明の3会派が各々の党利党略を最優先させ、ガイドライン審議を政策論争でなく政局論争におとしめたのは残念」と述べ、「国の根幹の安全保障を政争の具に使ったことは国民の不信を招き、同盟国である米国や国際社会から冷ややかな眼差しで見られる」と批判した。《民主党ニュース》

参議院での法案の可決成立を受けて、民主党は菅代表名で談話を発表した。

この中で、菅代表は「3会派が修正協議を通じて、悪しき意味での『国対政治』を展開したことは、法案の問題点の解明と運用の厳格なルールづくり、国民合意の安全保障の確立という国会審議の意義を損ねるもの」と遺憾の意をあらわした。また、今後のガイドライン運用については、「周辺事態の認定を含め日本の主体性を確保すること、国民生活への配慮が十分なされること、などの観点から厳重に見守り、国会のチェック機能を追求していきたい」と述べた。《民主党ニュース》



5月24日 その日のできごと(何の日)