平成3596日目
1998/11/12
この日のできごと(何の日)
【小渕恵三首相】ロシア・エリツィン大統領と会談
ロシアを公式訪問している小渕恵三首相は12日午前、クレムリンでエリツィン大統領と1時間半にわたり首脳会談を行った。大統領は橋本龍太郎前首相の「国境線画定方式」による北方領土問題解決案に対する回答を提示、来年早期の首脳会談で日本側が返答することを確認した。
これを受けて、両政府は平和条約締結に向けた作業を加速するため(1)「国境画定委員会」と、北方四島での活動を検討する「共同経済活動委員会」の設置(2)旧日本人島民の四島への自由往来の実施、で合意した。
政府は、国境線画定交渉が正式に開始されたとしており、「歴史の1ページを記すもの」(首相同行筋)と評価、2000年までに国境線を画定した上で、平和条約の締結を目指す方針。《共同通信》
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【大相撲九州場所】5日目
大相撲九州場所5日目(12日・福岡国際センター)前日に続いて横綱、大関陣は安泰。横綱貴乃花は肥後ノ海を寄り倒し3勝目。白星を先行させた。横綱若乃花は海鵬の初挑戦を退け4勝1敗とした。大関武蔵丸は栃乃和歌を落ち着いて寄り切って5連勝。大関貴ノ浪は巌雄を寄り切り3勝2敗。関脇千代大海は小結琴乃若の送り出しに敗れ、初黒星を喫した。土つかずは武蔵丸、平幕の魁皇、琴錦の三人で、若乃花ら六人が1敗で追う展開となった。十両は金開山ら五人が4勝1敗。《共同通信》
【サッカー・ラモス瑠偉選手】「スパイクを脱ぐことになりました」
Jリーグ、ヴェルディ川崎のいラモス瑠偉(41)は12日、第2ステージ最終節の14日の柏戦(柏)を最後に現役を退くことを明らかにし、「今は土曜日(14日)の試合のことでいっぱい。スパイクを脱ぐことになりました」と話した。
同選手は1977年、ブラジルから来日し、川崎の前身となる日本リーグの読売クラブに入団。89年に日本国籍を取得した後は、日本代表にも選ばれ、93年にはワールドカップ(W杯)米国大会のアジア予選でも活躍した。Jリーグでは93、94年にリーグを連覇に導いた。《共同通信》
【読売新聞】ヴェルディ川崎からの撤退を発表
読売新聞社の渡辺恒雄社長は12日、声明を発表し、読売新聞社がサッカー、Jリーグのヴェルディ川崎の運営から撤退することを明らかにした。同クラブの株式は読売新聞社と日本テレビ放送網が49%ずつ、よみうりランドが2%を保有、今後は日本テレビが全株式を取得して運営に当たることになる。
読売新聞社では、16日の役員会で正式決定し、翌17日のJリーグ理事会で承認を得る予定。
声明によると、川崎は初年度から赤字で、その額は年ごとに拡大。昨年は26億円に達し、3社で補てんしたという。こうした状態はほかのチームも同様で「地域密着主義の理念ばかりを先行させ、企業が本気で支援できる環境づくりを怠った(Jリーグの)川淵(三郎)チェアマンの誤った運営の結果」としている。
日本テレビの氏家齊一郎社長も、日本テレビが経営権を握るのを認めた上で「チームを持つことは番組ソフトの確保につながるが、今後は費用対効果が問われてくる。将来的には(川崎を)手放す可能性もある」と話した。
【野中広務官房長官】「粘り強く連携構築」
野中広務官房長官は12日午後の記者会見で、16日に行われる小渕恵三首相と小沢一郎自由党党首ら野党党首との会談について「一回で終わるとは思わないし、粘り強く信頼関係を構築しなくてはいけない」と述べ、自由党との連携を念頭に、16日に最終合意に達しない場合でも、引き続き協議を行い、合意を目指す考えを表明した。
小渕首相は政権の基盤強化のため、27日に召集する臨時国会前にも、連立政権を視野に自由党との新たな政権の枠組みづくりを目指しているが、野中長官の発言は、自由党との連携に反発する加藤紘一前幹事長らに配慮、党内合意を尊重する姿勢を示したものとみられる。
野中長官は、自民党内で批判が強い自由党の消費税率引き下げ要求については「いま下げるとか凍結するとか申し上げる立場ではない」とした上で「(党首会談に向け)一定の方向を出せるよう最後の詰めをしていると期待している」と述べた。
また野党との政策協議について「それぞれの立党の立場もあり、そんなに簡単に一方が一方をのみ込むようなことにはならない」と指摘。幹事長や政策責任者など、各レベルの与野党協議を通じ粘り強く擦り合わせを行う考えを強調した。《共同通信》
【中国、韓国】協力関係強化を確認
中国の江沢民国家主席と韓国の金大中大統領は12日、北京の人民大会堂で約2時間半にわたり首脳会談行った。
韓国側によると、両首脳は中韓関係を経済中心の「善隣友好協力関係」から、21世紀を目指した「協カパートナーシップ関係」を構築することで合意。両首脳は、首脳を含む政府、議会、政党間の交流拡大強化、アジア経済危機克服のための協力など計34項目の協力事業が盛り込まれた共同声明に署名、13日に発表するという。
しかし、政治、安全保障分野での協力を前面に出さず、朝鮮民主主義人民共和らの関係発展の確認となった。
韓国の林東源・青瓦台(大統領官郎)外交安保首席秘書官は「(1992年)の国交正常化から)6年の短い間に一段階高い『パートナーシップ関係』へと引き上げられたことは、両国の将来に重要な意味を持つ」と成果を強調。
中国外務省の朱邦造報道局長は「未来に向けたパートナーシップ構築を確認した。世紀を越えた関係発展の枠組みになり重要」と指摘したが、中韓の関係強化は「いかなる国家にも向けられたものではない」とも述べ、北朝鮮への配慮を示した。《共同通信》
【この日の民主党】
民主党は12日の景気・雇用対策本部(羽田孜本部長)会合で「減税!安心!未来への投資!『構造改革につながる景気・雇用対策』の提唱」をまとめ、同日、羽田幹事長、伊藤英成政調会長、海江田万里緊急経済対策プロジェクトチーム座長、浅尾慶一郎同プロジェクトチーム事務局長が記者発表した。
同時に「民主党の所得減税と『子ども手当』創設の考え方について」と、「民主党の基礎年金保険料引き下げ提案と消費税問題について」の見解も発表した。
記者会見で伊藤政調会長は「日本が将来どういう社会になるのかを見据え、安心できる社会をつくるため、構造改革につながる対策を考えた」と述べ、場当たり的、政局絡みの案ではない点を強調した。
◇
「構造改革につながる景気・雇用対策」の重点項目は、
(1)所得税減税、住宅・自動車購入促進税制、法人税減税などによる消費刺激策(6.3兆円)
(2)年金保険料引き下げ、「子ども手当」創設などによる生活保障(5.2兆円)
(3)地方公共団体による投資事業など新型社会資本整備(7兆円)
(4)介護ヘルパー目標人員倍増などによる100万人雇用創出、新規事業創造(0.4兆円)
(5)失業給付期間延長と自立支援(0.1兆円)
(6)貸し渋り解消のための政府系金融機関の貸し付け制度拡充など金融活性化策(0.6兆円)
――の6項目から成り、国費ベースで総額19兆円の景気対策となる。海江田座長は「(2)の年金保険料引き下げと『子ども手当』創設、それに(1)の減税によってすべての層に負担軽減となる」と強調。「年金保険料引き下げ」は、基礎年金の国庫負担を現行3分の1から2分の1に引き上げることによって、保険料負担が国民年金で年間3万6千円下げ、厚生年金で本人負担分年間2万1600円下げとなる。
「子ども手当」創設は、所得税の子どもに関わる扶養控除を廃止し、第1・2子には月額1万円、第3子以降2万円を18歳未満(学生は23歳未満)まで支給するという案。
年収1200万円程度以下(夫婦ともに収入がある場合は多い方の年収が1200万円程度以下)という所得制限があるが、西欧水準並みの支給によって、すべての層で負担減となる。現行の児童手当は3歳未満児に第1・2子月額5千円、第3子以降1万円を支給するもので、4人世帯の場合で年収377・2万円未満といった所得制限であることから、画期的な生活・子育て支援策だ。
また、所得税控除の廃止と福祉手当の充実という方向は、税制の簡素化、公平化に寄与する。
(1)の減税案は「中堅サラリーマンに厚い所得税減税」「経済への波及効果が大きい住宅・自動車購入を促進」「法人税の減税等で企業の競争力を強化」の3項から成る。 この中で、所得税の税率を一律2割引き下げ(10~50%を8~40%)、最低税率適用範囲を330万円から400万円に拡大。住宅取得時の消費税5%を遙かに上回る住宅減税、父母等からの住宅取得資金贈与の非課税枠300万円を600万円に倍増、法人諸税の実効税率を国際水準の約40%にする、などの施策を提唱している。
(3)の「地方主体、民間活力生かした新社会資本整備を促進」では、大都市圏住宅・市街地整備、特別養護老人ホーム建設、交通渋滞緩和などに重点をおいた社会資本整備を提唱。地方主体の「未来への投資」として、4兆円を都道府県(1人8000円)、市町村(1人2万4000円)に交付し、地方公共団体による投資事業を実施するとしている。《民主党ニュース》
民主党国民運動本部は、12日に東京・杉並区の「東京都清掃局杉並中継所」を視察した。「杉並中継所」は、周辺住民の一部が呼吸困難、皮膚炎などの化学物質過敏症とみられる健康被害を受け、その原因が同中継所からの排気にあるのではないかと住民らが訴えている施設である。国民運動本部はすでに健康被害者や医師からのヒアリングを受け、この問題に取り組んでいる。
中継所には田中甲国民運動本部長代理、佐藤謙一郎同副本部長(化学物質総合対策PT座長)が訪問。東京都杉並西清掃所長らが、不燃ゴミを圧縮する課程を現場で説明し、田中本部長代理らの質問に答えた。
その後、健康被害者、弁護士、自治体議員ら約20人との市民対話集会が、同区内の中学校で石毛えい子副本部長も参加して行われた。
住民からは、(1)中継所の稼動と体調が悪化して引っ越しを余儀なくされた経緯(2)植物への影響(3)学生寮や保育所への影響(4)都の環境調査の問題点(5)公調委での経緯などについて発言があった。
田中甲本部長代理は住民の発言に答えて、「この問題についての公的な調査の推進や、中継所の一時操業中止を含む本格的な対策を、環境庁や都知事等の当事者に申し入れるなど、早急な対応を図るため国民運動本部の会議に諮りたい」と述べた。《民主党ニュース》