平成3248日目

1997/11/29

【台湾・統一地方首長選】野党・民進党が圧勝

台北、高雄の両直轄市を除く台湾の23県・市の統一地方首長選挙の投票が29日行われ、即日開票の結果、党綱領に独立を掲げる最大野党、民主進歩党(民進党)が、人口が最多で激戦区だった台北県など12の県・市を獲得、現有の7ポスト(うち1人は職権停止状態)から勢力を大幅に拡大させた。

15県・市を押さえていた与党、国民党は8ポストしか取れず、半数以下に転落、大敗した。残りの3県・市は無党派が押さえた。

与野党の勢力が逆転したのは中央・地方政界を含めて初めて。国民党の一党独裁から多党制の容認、さらに総統の直接選挙と一連の民主化を進めてきた台湾が大きな転換点を迎えたといえ、来年末の立法委員(国会議員)選挙や2000年の総統選挙にも大きな影響を与えよう。

また、中央政局の運営を流動化させるだけでなく、台湾の対中国政策にも変化を及ぼすことになろう。

民進党の許信良主席は29日夜、「選挙結果にとらわれず、与野党が協力して、中央、地方の建設を進めていくことを希望する」と述べ、将来、与野党の連立政権樹立を目指す考えを示唆した。

一方、国民党の呉伯雄秘書長(幹事長)も同夜、記者会見し「選挙結果に大変」失望しているが、選挙民の決定を尊重しなければならない」と敗北宣言、責任を取って秘書長を辞任する意向を明らかにした。

選管によると、得票率は民進党が前回の地方首長選挙の41%から43%に上昇、国民党は47%から42%名へと減少し、得票率でも逆転した。中国との統一を主張する新党は3.1%から1.3%に減少した。

選挙期間中、国民党側は李登輝総統(党主席)ら大物が各地を遊説したが、治安悪化や腐敗に対する市民の不満という強い逆風をかわせなかった。民進党は、同党の次期総統選候補とされ、市民に人気の高い陳水扁台北市長を前面に出したのが功を奏した。《共同通信》



【500系のぞみ】東京乗り入れ

銀色のボディーで先頭がジェット機のようにとがった新幹線「500系のぞみ」が29日、JR東京駅への乗り入れを始めた。東京〜博多間をこれまでより15分短い4時間49分で結び、初めて5時間の壁を破った。

500系はJR西日本が開発し、今年3月12日に新大阪〜博多間でデビュー。長く伸びた先端の形で空気抵抗を減らし、全区間の半分を最高時速の300キロで走っている。ただ、この日から運行を始めた東海道新幹線区間では、カーブが多いため最高速度は従来と同じ270キロ。

東京〜博多間は当面、一日3往復だが、徐々に本数を増やし、来秋には約半数が500系となる。JR西日本では「東京〜岡山、広島間や名古屋〜博多間などで航空機のシェアを奪いたい」としている。《読売新聞》

【JR大糸線】復旧の日に強風

1995年7月の豪雨災害で被害を受け不通になっていたJR大糸線の南小谷(長野県小谷村)〜小滝(新潟県糸魚川市)間(21.7キロ)が29日、約2年5か月ぶりに営業を再開した。長野・松本〜糸魚川を走る同線は再び一本でつながったが、この日は同村内で強風が吹き、一部区間で午前中、運転を見合わせたため、完全復旧は午後からとなった。

南小谷、糸魚川両駅ではこの日朝、開通記念列車の出発式が行われ、くす玉を割るなどして、復旧を祝った。

両駅間は、豪雨災害によって、地形が変わるほどの大きな被害を受けた上、一日約700人しか利用しない赤字区間とあって、一時は廃線も取りざたされた。しかし、両県が復旧の前提となる河川改修などの工事費を負担することで、JR西日本側も復旧に同意。長野五輪会場となる白馬村への関西・北陸方面からの観客輸送ルートとして、五輪前の開通を目標に工事が進められていた。《読売新聞》

【Jリーグ・ナビスコ杯】鹿島が初優勝

Jリーグナビスコ杯決勝(29日・カシマスタジアム)アントラーズがジュビロを圧倒、第1戦に続く連勝で、初優勝を決めた。アントラーズは前半、相馬とマジーニョのゴールで優位に立つと、後半も一方的に攻め立て、ジュビロを1点に抑えた。優勝したアントラーズに1億円、準優勝のジュビロには5000万円の賞金が贈られ、攻守に活躍したアントラーズのジョルジーニョが最高殊勲選手に選ばれた。

アントラーズとジュビロは来月6、13日にJリーグ年度優勝をかけたチャンピオンシップ(第1戦は磐田)を戦う。《読売新聞》

【橋本龍太郎首相】金融破たん「選別、淘汰やむなし」

橋本龍太郎首相は29日、自民党の緊急金融システム安定化対策本部長の宮沢喜一元首相、加藤紘一幹事長と首相公邸でそれぞれ個別に会談し、金融不安解消に向けた公的資金投入問題など当面の対応策を協議した。

首相は加藤氏との会談で、破たん処理対策について「一番重要なのは預金者の保護。金融機関の中で耐えきれないところは選別、淘汰されてもやむを得ない。この原則を守りたい」と表明し、公的資金の投入などは預金者保護を目的とし、経営の悪化した金融機関の破たん防止には使わず、業界全体を保護する従来の「護送船団方式」は取らない考えを強調した。

首相との会談で宮沢氏は、金融システムへの不安解消に向けたリーダーシップを国民の前に鮮明に示すよう求めた。

宮沢氏は12月1日に行われる衆院予算委員会の銀行、証券問題に関する集中審議で質問に立つ。宮沢氏の質問に答える形で橋本首相は、当面の金融不安解消に向けた基本的な考え方を表明する見通しだ。《共同通信》

【土井隆雄宇宙飛行士】立花隆氏と交信

米スペースシャトル「コロンビア」で日本人初の船外活動に成功した土井隆雄さん(43)が、日本時間21日午後6時すぎ、宇宙からNHKの番組に出演、評論家の立花隆さんとの交信で「船外活動でかなり細かい作業ができると感じた。国際宇宙基地の建設も大丈夫」と力強く語った。

くつろいだラガーシャツ姿で登場した土井さんは「船内と船外では同じ無重カでも違いますか」との問いに「船内は壁に囲まれているが、外はすごいパノラマ。視界が開けるので、宇宙の中に一人で存在している感じがした」と宇宙の広大さに感動した様子だった。

米航空宇宙局(NASA)が検討しているスパルタン衛星の再放出と船外活動による回収については「まだはっきりとした話を聞いていません」とだけ答えたが、「もう一度やりたいか」との問いには「チャンスがある限り、ぜひやりたい」と即答。「今度は、NASAが開発した個人用のロケットシステムで、命綱を使わずに飛んでみたい」と新たな挑戦に意欲を見せた。《共同通信》



11月29日のできごと